12月22日に行われた、知財実務オンライン第124回「知財訴訟の取り組み方」、ゲスト:小林・弓削田法律事務所 小林 幸夫弁護士・弁理士(所長・パートナー)のアーカイブ動画を視聴しました。(約1時間40分)
STEP1.それぞれの立場から考える知財訴訟の取り組み方 訴訟のゴー ルはなにか STEP2.知財訴訟の審理の仕組み 現在・過去・未来を考慮した解説 STEP3.各書面n作成・確認方法+書証の提出·吟味 原告/被告それぞれの場合+各書証の重要性 STEP4.裁判上の和解への取り組み方 和解≒同意判決 和解#和睦 非常にわかりやすい講義で、訴訟の経験がない人が聞いても理解しやすいだろうと感じました。 そして、30~40年前と現在では雲泥の差であることを実例を通じて聞くことができる貴重な機会でもありました。 また、参照元・参考資料のリンク先が便利でした。 https://www.youtube.com/watch?v=nCs0SSqOzE8
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12月22日、産業構造審議会知的財産分科会特許制度小委員会の報告書「知財活用促進に向けた特許制度の在り方(案)」に対する意見募集が始まりました。令和5年1月20日(金曜日)までです。
「産業構造審議会知的財産分科会特許制度小委員会では、令和4年9月以降、デジタル化・グローバル化の進展への対応、中小企業・スタートアップ・大学等の知財活用の更なる促進、特許庁自身の一層のデジタル化による業務の効率化の必要があるという問題意識の下、ユーザーの利便性の向上や知的財産の一層の活用促進のための特許制度の在り方について、検討を行ってきました。この度、同年12月19日に開催された同小委員会において、これまでの審議内容を報告書案として提示し、審議したところです。本報告書案の取りまとめを行うに当たり、下記の要領で各方面から御意見を募ることといたしました。」ということで、 1.一事不再理の考え方の見直し (現時点では、法改正せず、現状の運用の更なる周知等を行うこととするのが適当である) 2.送達制度の見直し (公示送達の要件を見直す方向で検討を進めることが適当である) 3.書面手続デジタル化 (優先権証明書の写しの提出を許容するとともに、オンライン提出を可能とすることが適当である) 4.裁定制度の閲覧制限導入 (裁定関係書類のうち営業秘密が記載された書類は、閲覧等を制限可能とすることが適当である) 5.ライセンス促進策 (現時点では、ライセンス促進策の一つと考えられる特許料の減免拡充を行うのではなく、ライセンスの実施につながる政策効果がより高いと考えられる) についてまとめられています。 https://www.jpo.go.jp/news/public/iken/20221222_tokkyo-seido.html https://www.jpo.go.jp/news/public/iken/document/20221222_tokkyo-seido/01.pdf 「おわりに」には、「イノベーションの原動力となる知的財産の活用を促すためには、新領域における発明の適切な保護が必要である。特許制度における発明の「実施」の定義に関する論点を始め、今後も変化するビジネス環境に応じて、特許制度の在り方について、引き続き検討していくことが望ましいものと結論付け、本小委員会において提言する。」と書かれており、発明の「実施」の定義に関する論点などは引き続き検討されることを期待しています。 知財管理 Vol. 72 No. 12 2022に掲載されている「クレーム用語の意義解釈の判断が分かれた事件──輸液製剤事件──」(細田芳徳弁理士)は、知的財産高等裁判所 令和3年11月16日判決 令和3年(ネ)第10007号 特許権侵害差止請求控訴事件を取り上げています。
特に、評釈の、用語の意義解釈について、物の発明と単純方法の発明、実務上の提言、は勉強になりました。 目 次
2.2 争点と当事者の主張 2.3 東京地裁の判断 2.4 知財高裁の判断 3. 評 釈 3.1 用語の意義解釈について 3.2 物の発明と単純方法の発明 3.3 実務上の提言 4. おわりに 知財管理 2022年12月号 判例と実務シリーズ:No.535 クレーム用語の意義解釈の判断が分かれた事件-輸液製剤事件- 細田 芳徳 http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/search/detail.php?chizai_id=7bf1d78eeb562f74242e5ab9afc0ff40 本事件の最大の争点は、クレーム用語の意義解釈であり、原審と控訴審とで判断が分かれた事件である。その結果、輸液製剤という物の発明では、原審と控訴審は共に被告製品に対し構成要件充足性を否定したが、保存安定化方法という単純方法の発明に対して、控訴審は直接侵害を認め、被控訴人らによる被控訴人製品の生産、譲渡等の行為は特許法101条4号の定める間接侵害行為に当たるとして、構成要件充足性を否定した原審判決を取消した。本事件では、「室」という用語の解釈において、「連通可能」という限定の有無が問題となり、課題・解決手段との関係や、物の発明と単純方法の発明の違いを考えさせる興味深い事件である。 本稿では、用語の意義解釈において、判断が分かれた原因はどこにあるのかについて、限定解釈に関する従前からの裁判例も参照しつつ考察すると共に、単純方法などの方法の発明の意義についても考察する。 「含硫化合物と微量金属元素を含む輸液製剤」事件 https://www.unius-pa.com/wp/wp-content/uploads/R03_ne_10007_220522.pdf 2021.11.16 「大塚製薬工場 v. エイワイファーマ・陽進堂」 知財高裁令和3年(ネ)10007 https://www.tokkyoteki.com/2021/11/2021-11-16-otsuka-v-aypharma-r3-ne-10007.html 【特許★】特許権侵害差止請求控訴事件(複数の「室」というクレーム文言解釈~「連通可能」という限定がある物の発明は非充足、限定がない方法の発明は充足とした。何れも非充足とした一審判決を逆転した事例。特許権者勝訴。 https://www.nakapat.gr.jp/ja/legal_updates_jp/%E3%80%90%E7%89%B9%E8%A8%B1%E2%98%85%E3%80%91%E7%89%B9%E8%A8%B1%E6%A8%A9%E4%BE%B5%E5%AE%B3%E5%B7%AE%E6%AD%A2%E8%AB%8B%E6%B1%82%E6%8E%A7%E8%A8%B4%E4%BA%8B%E4%BB%B6%EF%BC%88%E8%A4%87%E6%95%B0%E3%81%AE/ 用語の意義解釈が第一審と控訴審で異なるため、第一審では特許権侵害を否定したが控訴審では特許権侵害を肯定した事例 https://www.hanketsu.jiii.or.jp/hanketsu/jsp/hatumeisi/news/202202news.pdf 令和3年(行ケ)第10066号 審決取消請求事件(医薬用途発明に係る特許第5969161号の無効審決取消請求事件)で、知財高裁は、「技術常識によれば当業者は認識するものといえる」から各相違点は実質的な相違点ではないとして、新規性を否定した本件審決の判断に誤りはないと判断し、原告の請求を棄却しました。
Fubuki氏によれば、 『刊行物に明示的に記載されていない場合であっても、特許法29条1項3号(刊行物に記載された発明)に基づいて新規性を否定するためには、発明が「刊行物に記載されているに等しい事項から当業者が把握できる発明」として評価することができなければならないとされている。 この「記載されているに等しい事項から当業者が把握できる発明」としての評価を、「当業者が認識するもの」に置き換えて評価したとしても、新規性を否定する考え方に大きな違いはなさそうである。 しかし、当業者が「把握できる」又は「認識する」発明であるか否かを評価軸として引用発明(実質的な相違点の有無)を認定して新規性を判断することが、当業者が認識しておらずに公知の物や方法に必然的に内在・存在している態様(inherent feature)を相違点とする場合やパブリックドメインとの関係で問題となる場合において、唯一最善の論理なのかどうかは議論があるかもしれない。』 ということです。 この判決に違和感はないのですが、いろいろと波紋はあるのかもしれません。 2022.12.13 「中外製薬 v. 沢井製薬・日医工」 知財高裁令和3年(行ケ)10066・・・「技術常識によれば当業者は認識するものといえる」エルデカルシトール前腕部骨折抑制医薬用途発明の新規性を否定 2022.12.19 https://www.tokkyoteki.com/2022/12/2022-12-13-r3-gyo-ke-10066.html 「エディロール」用途特許訴訟、中外の控訴棄却 知財高裁 2022/12/13 20:44 https://nk.jiho.jp/article/176766 エディロール®カプセルの医薬用途発明に係る特許権侵害訴訟 中外製薬の控訴棄却 沢井製薬と日医工が勝訴 2022.12.14 https://www.tokkyoteki.com/2022/12/eldecalcitol-2.html 知財高裁 エルデカルシトールカプセルの後発品特許侵害訴訟で控訴を棄却 沢井製薬と日医工が勝訴 公開日時 2022/12/14 04:49 https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=74062 2022年12月13日 エディロールカプセルに関する特許権侵害訴訟の控訴審判決について https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20221213160000_1266.html エルデカルシトールカプセル0.5μg・0.75μg「サワイ」 特許権侵害差止等請求控訴事件に関する勝訴のお知らせ https://www.sawai.co.jp/release/detail/583 エルデカルシトールカプセル「日医工」 特許権侵害訴訟(控訴審)勝訴判決のお知らせ https://www.nichiiko.co.jp/company/press/detail/5686/1672/4541_20221213_01.pdf 令和4年12月13日判決言渡 令和3年(行ケ)第10066号審決取消請求事件 https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/620/091620_hanrei.pdf リーガルテック株式会社の『知財ウェビナー』、12月27日23:59までの期間限定ウェビナー(日本の特許分析と素材戦争)は、素材産業の課題解決のヒント - 1秒で素材用途を可視化する、環境配慮型新素材「LIMEX」のグローバル展開を支える知財戦略、日本の特許分析と素材戦争、の3つがアップされていますが、参考になります。
https://www.aoswebinar.com/conference/agenda?conferenceId=285&releaseVersion=v20221214164621 ・タイトル :日本の特許分析と素材戦争 ・公開期間 :2022年12月20日(火)〜27日(火) ・配信方法 :AOS Webinarサイト(事前に会員登録が必要です) ・会員登録 :https://a19.hm-f.jp/cc.php?t=M578227&c=27533&d=2e96 −−−−<<日本の特許分析と素材戦争>>−−−− ◆素材産業の課題解決のヒント〜1秒で素材用途を可視化する〜/ Tokkyo.Ai株式会社 取締役 平井 智之 日本のリーディングインダストリーである素材産業ですが、デジタル化をはじめとした5つの課題を抱えているといわれています。 今回は、課題解決のために必要な検討項目 と併せて、素材の新用途探索や発明のヒント探索の一助となるツールをご紹介します。 ◆環境配慮型新素材「LIMEX」のグローバル展開を支える知財戦略/株式会社TBM 経営管理部 弁理士・中村宏氏 TBMは、環境配慮型素材の開発や生産、資源循環に関わる事業を国内外で展開するユニコーン企業です。 同社が開発したプラスチックや紙の代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」は、世界中に豊富に存在する石灰石を主原料とすることで、 水や石油などの資源枯渇や気候変動問題の解決に貢献できます。本ウェビナーでは、新素材LIMEXの特徴やグローバル展開を支える知財戦略について紹介します。 ◆日本の特許分析と素材戦争/ 正林国際特許商標事務所 調査部 鳥海 博氏 日本の特許分析と素材戦争をIPランドスケープによる考察により、活用事例を中心に詳しく解説する特許戦略に生かせるセミナーです。 11月22日に行われた、WIPO Japan Office オンラインセミナー「不確実な状況におけるPCT出願の価値」のアーカイブ動画を視聴しました。(約1時間)
https://c.connectedviews.com/01/Player/WIPOwebinars/?s=117612&a=false 伊藤健太郎弁理士(TMI総合法律事務所 パートナー)の講義ですが、 1.一般論:PCTのメリット・デメリット 2.PCTルートの現在価値の評価(不確実な状況を織り込んで定量的に評価) 3.PCTルートとパリルートの比較 4.ダイレクトPCTとJP-PCTの比較 「4~5か国以上に出願する場合は、PCTルートの方がリーズナブル」というのが教科書に書かれていることがおおいですが、実際には「国数に関係なく、PCTルートの方が、PCT出願の費用の分だけ高い」 「将来は不確実で、PCTルートでは、将来(18月後)の状況に応じて、柔軟に移行国を決められるので、不確実な状況を織り込んだときに、18月後の国内移行費用が現在いくらに相当するかを評価できれば、PCTルートとパリルートの現在価値同士を比較できる。」ということで計算すると、下記のようになるようです。 結論に違和感はありません。 ◼不確実性(≒リスク)が高い状況であるほど、PCTルートの優位性が高まる ⇒不確実な状況では、移行国の決定を繰り延べること自体に価値がある ⇒PCT出願は、移行国の決定を繰り延べられる権利としての価値 ◼2か国以上に出願予定のとき、費用総額の現在価値で比較すると、多くの案件ではPCTルートの方が合理的ではないか ◼1か国のみに出願予定のときでも、非常に不確実性が高い状況であれば、PCTルートの方が合理的 ◼今回のモデルでは、当初国内移行予定ではなかった国に対して、後になって国内移行することにした場合の不確実性を織り込んでいないが、そのような場合も織り込めば、PCT出願の価値はより高く評価されるはず 不確実な状況におけるPCT出願の価値 https://www.tmi.gr.jp/eyes/blog/2022/13944.html 将来の不確実性が高くなるほど、PCTルートの価値が相対的に高まります。これは、不確実な状況下では、PCT出願によって移行国の意思決定を遅らせることができるというオプションとしての価値が高まるからとの解釈も可能です。外国出願をする際には、PCTルートとパリルートの総費用を単純に比較するのではなく、総費用の現在価値を比較することで、将来の不確実性を織り込んだ客観的で合理的な意思決定をすることができるようになると思われます。 WIPO⽇本事務所では様々なトピックのウェビナー(オンラインセミナー)を日本語で開催(参加無料)しており、既に終了したウェビナーの多くがアーカイブ動画を公開しており、助かります。 https://www.wipo.int/about-wipo/ja/offices/japan/webinars_in_japanese.html 「松岡功の『今週の明言』」で、日立製作所 Chief Intellectual Property OfficerのStephen Manetta氏の発言が紹介されていました。
日立は2022年5月に知財戦略を担う役職としてCIPOを新設し、Manetta氏を迎え入れたのですが、「日立がどう変わるか。Manetta氏の手腕に注目したい。」は同感です。 「知財戦略は発明起点から価値起点に変えることが大事だ」 (日立製作所 Chief Intellectual Property OfficerのStephen Manetta氏) 日立の知財責任者が語った「知財戦略における発想の転換」とは 松岡功 2022-12-16 10:45 https://japan.zdnet.com/article/35197464/ 日立製作所の研究開発・知財戦略説明会アーカイブ動画 9/12/2022 https://yorozuipsc.com/blog/4476996 日立製作所の研究開発・知財戦略説明会 7/12/2022 https://yorozuipsc.com/blog/7658782 「競争力を高める化学・材料系特許明細書の書き方」(発明推進協会から出版)の改訂版が出ました。紹介文では『2019年の初版以降、読者から寄せられたテーマ「米国での権利化」「任意成分の記載」「新規性喪失の例外」等を加筆した改訂版です。国内における権利化のみならず、外国出願も念頭に置いた化学系特有の傾向等について広く扱っています。化学系の明細書と向き合う所員の実践的経験に基づいた実務書です。』となっています。
第1版も参考になりましたので、改訂版もじっくり勉強させていただきます。 追加された部分は、下記だと思います。(間違いがあるかもしれませんが) 第2章 1節3 米国での権利化に向けて 6節3 任意成分の記載 7節2 発明を不明確にし得る表現 9節3 測定結果での物の特定~審査を有利に進めるには~ 11節 新規性喪失の例外 12節 進歩性を主張しやすい明細書の作成 13節 化学と、細菌 第5章 3節 海外制度の留意点(出願後、権利化) そのほかの部分については、項目建てでの大幅な変更はみられませんでしたが、文章は変わっているところはある印象です。 競争力を高める化学・材料系特許明細書の書き方 改訂版 著者等 弁理士法人志賀国際特許事務所 知財実務シリーズ出版委員会 ISBN 978‐4‐8271‐1373‐0 発行年 2022年12月 頁数 528 価格 4,400 円 https://www.hanketsu.jiii.or.jp/store/top_f.jsp 「先行きが不透明な現代、パナソニックグループの知財部門は何を目指し、実際にどのような活動を行っているのか。知財部門として掲げたパーパス、そして未来に向けた展望について知的財産部部長・德田佳昭氏に聞いた。」という知財図巻の記事、「無形資産を巡らし、価値に変えて、世界を幸せにする」という知財部門のパーパスがきらりとひかっています。
インタビュー | 德田 佳昭 パナソニック ホールディングス 株式会社 無形資産を巡らせた先にある豊かな未来。 これからのパナソニックグループが目指す知財部門の姿とは 2022.12.14 https://chizaizukan.com/pickup/interview/LHZoC0lBJyyb2nYLX8WAN/ 目次概要 「社会の公器」であるために。豊かさに埋もれた社会課題を解きほぐす もっと、多様な知財活用を。知財部門に定めたパーパスとは マッチングやインデックス化などにより、つながるための「プラットフォーム」へ 社会課題にパナソニックグループの無形資産を巡らせていく 世界を幸せにする。キーワードはリデザイン パナソニックHD、知財情報の検索システムを外部に公開 2022年12月14日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF142UT0U2A211C2000000/ パナソニックホールディングス 知的財産部門 https://www.panasonic.com/jp/company/pipm.html パナソニックIPマネジメント株式会社 https://www.panasonic.com/jp/company/pipm.html パナソニックの歴史と知的財産 第三版:令和 4 年 9 月 1 日 大阪工業大学 知的財産学部 教授 大塚 理彦 http://www.oit.ac.jp/ip/~ootsuka/chiken2022.pdf パナソニックのOKRによる知的財産活動のマネジメント https://yorozuipsc.com/blog/okr パナソニックの伴走型IPランドスケープ https://yorozuipsc.com/blog/ip6573081 優れたブランディング活動を実行している組織を評価し、その活動内容を紹介、社会に広く共有することで、ブランド戦略を展開する企業・団体の成長を支援することを目的としている「Japan Branding Awards」の2022年の最高賞は、味の素と丸亀製麺ということです。
味の素は、『事業を通じて社会価値と経済価値を共創するASV(Ajinomoto Group Shared Value) 経営をベースとした、「アミノ酸のはたらきで、食と健康の課題解決」の浸透とグローバルブランドAjinomotoの価値向上を目指した活動』が評価されました。 丸亀製麺は、『コロナ禍の危機感の中、ブランディングと顧客体験価値向上を生き残りのカギをとらえ、2020年4月の分社化時に、ビジョンを新たに策定。顧客体験N0.1をビジョンとし、ブランディングを推進し,アフターコロナへ向けた新たなビジネスモデルと成長戦略をブランド力強化により、持続性のある新たな成長軌道に乗せた活動』が評価されました。 優れたブランディング活動を評価するというユニークな本賞によって、ブランド戦略を展開する企業・団体の成長を後押しされることを期待しています。 Japan Branding Awards2022 味の素、丸亀製麺ほか受賞ブランドを発表 2022年12月13日 https://www.projectdesign.jp/articles/news/9c7da8b2-5fa0-4c8c-adca-fb38b2fe7e2f インターブランド「Japan Branding Awards」 2022年の最高賞は味の素と丸亀製麺 宣伝会議 編集部 2022.12.13 掲載 https://www.advertimes.com/20221213/article406528/ 12月5日に行われた「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会」(第16回)の資料の「2.大企業とスタートアップ等との連携の在り方」では、
「企業は、環境変化に対して、その企業価値を向上するための経営改革ストーリーが求められる。そのために、スタートアップ等に対して、経営資源の切り出し等を含む大胆な連携を実施し、スタートアップの成長につなげるとともに、大企業自身の変革を推進する必要がある。」とし、「大企業が、自らの知的財産・人材等の経営資源をスタートアップに切り出す場合等の情報開示・ガバナンスの在り方について検討を行」っています。 また、「事業会社のベンチャー(スタートアップ)企業への無理解が、Win-Winのベンチャー(スタートアップ)連携を阻んでいるという見方も存在。」としています。 そして、「スタートアップ等との連携においては、自社における事業構想に対して外部資源を調達するオープンイノベーションに限らず、自社の経営アセットをスタートアップ等に提供した上で、それらを外部でスピーディーに事業として育成して社会につないでいく「スタートアップ・ファースト」型の拡大が求められるのではないか。」としています。 そのうえで、「国内における先進企業では、CVCの設立等による「資金提供」に限らず、自社の企業文化変革や探索領域の事業化等において、戦略的な仕組み化を進め、人材・知財・資金および自社のビジネス・エコシステムのSUに対する提供を行い、SUの競争力強化と自社の新事業創造力を高めている。」とし、「経営トップ主導で大胆に経営資源を提供し、将来の事業領域を創出」しているリコーと、「探索領域における技術をカーブアウトすることで、非連続な将来事業を展開」しているデンソーの例を紹介しています。 「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会」(第16回)議事次第 令和4年12月 5日(月)15:00~17:00(Web開催) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/dai16/gijisidai.html 事務局説明資料 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/dai16/siryou3.pdf 1.知財・無形資産の有効なマネジメントにおいて求められるKPIの在り方 2.大企業とスタートアップ等との連携の在り方 3.中小企業における知財・無形資産投資の加速に向けて TRIBUS(トライバス)-リコーのアクセラレータープログラム https://accelerator.ricoh/ Beyond Next Venturesとデンソー、医療IoT新会社「OPExPARK」を設立 https://www.denso.com/jp/ja/news/newsroom/2019/20190905-01/ 12月5日に行われた「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会」(第16回)での金沢工業大学大学院 杉光教授のプレゼンテーション「知財・無形資産投資と指標(KPI)」の資料が公開されています。
杉光教授らは、「重要特許=同一IPC 分類における年平均被引用回数の上位5%」という指標を提案しています。この重要特許は、「他社牽制力」を表わしている可能性が高く、重要特許と粗利益率、ROIC、ROA等との相関のピークは8年後位としています。 他に、企業の「指標」の開示例、人材投資と知財の関係、指標(KPI)は「共通言語」となる、完全無欠の指標(KPI)はそもそもどこにも存在しない、指標(KPI)なしに「成長ストーリー」を論じても説得力がない、など説明したうえで、「知財戦略推進事務局が主導して、標準的な指標(KPI)の検討・提案を行うべきではないか」と提言しています。 プレゼンテーション(金沢工業大学大学院 杉光委員) 知財・無形資産投資と指標(KPI) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/dai16/siryou4.pdf コーポレートガバナンス・コード改訂に伴う知的財産に関する KPI 等の設定(中間報告) https://ifi.u-tokyo.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/WP010.pdf 知的財産と投資 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kousou/2021/dai3/siryou2.pdf sare東京大学は、11月25日、学内の知的財産の管理・活用状況をまとめた「東京大学 知的財産報告書2022」(全25頁)を公表しました。
東京大学は、2018年に国内大学では初めて財務情報と非財務情報を組み合わせた「統合報告書」を出していましたが、「知的財産報告書」は今年が初めてで、国内大学でも初めてということです。 東京大学では、2030年度までに東大関連スタートアップ企業を700社創出するという目標を掲げており、「2022年3月までに東大関連スタートアップ企業は478社設立されており、そのうち、東京大学の特許をはじめとした知的財産を活用したスタートアップ企業の累計数(これまでに東京大学の知的財産権を実施許諾等した実績があるスタートアップ企業の累計数)は132社です。また、この132社のうち、2022年3月までに、10社程度が上 場しています。そして上場した企業の上場時の時価総額はいずれも数百億円以上であり、なかには1千億円を超えた企業もあります。」とのことで、「知的財産活動のすそ野を広げつつ、その活動の質を高め知的財産活動のサイクルをより大きく回して、社会貢献を強力に推進」されることを期待しています。 <目次> 東京大学における知的財産権の役割とは? 【特集】ノーベル賞級の研究成果 特許を使って普及、社会実装 (結晶スポンジ法) 1.発明の届出状況 2.特許の出願状況 3-1.特許の活用状況 3-2.特許等の知的財産を活用するスタートアップ企業 4.ソフトウェア著作権等の承継と活用状況 5.知的財産活動から得られる収入の状況 6.知的財産活動による更なる社会貢献に向けて 東大、知的財産活動の開示へ着手 国内大学初 2022年12月10日 https://www.todaishimbun.org/patent_20221210/ 東京大学知的財産報告書 https://www.ducr.u-tokyo.ac.jp/ip/2022IR.html 東京大学 知的財産報告書 活用される東京大学の知的財産 ── 研究成果の社会実装に向けて2022 https://www.ducr.u-tokyo.ac.jp/content/400104425.pdf 東京大学 統合報告書 2022 https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400202060.pdf 12月5日に行われた「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会」(第16回)の事務局説明資料の中で「明治ホールディングス㈱Integrated Report2022 統合報告書」が、「知財・無形資産ガバナンスガイドライン公表前後で変化が見られた統合報告書の事例」として取り上げられています。
『2022 年3月期の統合報告書では、「知的財産マネジメント」の個別ページが新たに設けられ、食品・医薬品の各セグメントの特徴ある知的財産戦略について、具体的な事例を交えて解説している。』 当ブログでも、「株式会社明治 特許、技術ノウハウ、商標の3つの観点からの知的財産マネジメント 10/10/2022」として紹介していますのでご覧ください。 株式会社明治 特許、技術ノウハウ、商標の3つの観点からの知的財産マネジメント https://yorozuipsc.com/blog/-3 事務局説明資料 2022年12月5日 内閣府 知的財産戦略推進事務局 https://www.meiji.com/investor/library/integratedreports/2022/pdf/integrated-reports_2022_ja_all.pdf 明治ホールディングス㈱ Integrated Report2022 統合報告書 https://www.meiji.com/investor/library/integratedreports/2022/pdf/integrated-reports_2022_ja_01.pdf 知財活用、先進企業に聞く 知財幹部、異業種から登用 明治HD 2022年5月30日 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61180250X20C22A5TCJ000/ 株式会社明治のIPランドスケープ https://yorozuipsc.com/blog/ip3030825 12月5日に行われた「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会」(第16回)の資料が公開されています。
検討会では、下記の3つのテーマが議論されたとのことです。 1.知財・無形資産の有効なマネジメントにおいて求められるKPIの在り方 2.大企業とスタートアップ等との連携の在り方 3.中小企業における知財・無形資産投資の加速に向けて 「知財・無形資産の有効なマネジメントにおいて求められるKPIの在り方」については、金沢工業大学大学院 杉光教授のプレゼンテーションがあり、検討会では、下記のテーマで議論がすすめられたとのこと。 企業価値を高める「KPI」を通じた測定の在り方、見える化の在り方はどのようなものが求められるか ① 例えば、アクティブ運用との投資家との関係では、株価に現れていない潜在的(将来的)な競争力・インパクトの把握、ビジネスモデル、競争優位性の源泉や持続性の把握等のために如何なるKPIが有用であるか ② また、パッシブ運用の投資家との関係では、サステナビリティ、業界動向・業界比較、将来のリスク・機会(例:気候変動)への対応を示すデータ等に関して、如何なるKPIが有用であるか ③ さらに、スマートベータ運用の投資家との関係では、企業等の中長期的成長に寄与する投資行動を促すことを前提として、知財・無形資産等に関するデータ(知財権・研究開発効率等)を運用モデルに活用することを意識したKPIを検討すべきか ④ KPI設定を通じて、その他に促進すべき企業行動の在り方はどうあるべきか 良くも悪くも、実務上大きな影響が出そうな、杉光教授の提言「知財戦略推進事務局が主導して、標準的な指標(KPI)の検討・提案を行うべきではないか」が、どういう取り扱いになるのか注目しています。 「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会」(第16回)議事次第 令和4年12月 5日(月)15:00~17:00(Web開催) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/dai16/gijisidai.html 議事次第 開会 事務局説明・議題(1)(内閣府知的財産戦略推進事務局) プレゼンテーション(金沢工業大学大学院 杉光委員) 質疑応答・議論 事務局説明・議題(2)(内閣府知的財産戦略推進事務局) 質疑応答・議論 事務局説明・議題(3)(内閣府知的財産戦略推進事務局) 質疑応答・議論 閉会 事務局説明資料 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/dai16/siryou3.pdf 1.知財・無形資産の有効なマネジメントにおいて求められるKPIの在り方 2.大企業とスタートアップ等との連携の在り方 3.中小企業における知財・無形資産投資の加速に向けて プレゼンテーション(金沢工業大学大学院 杉光委員) 知財・無形資産投資と指標(KPI) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/dai16/siryou4.pdf 日立製作所が12月5日に開催した研究開発・知財戦略説明会のアーカイブ動画が公開されました。知財戦略では、「発明起点から価値起点へ」が協調されていました。
アーカイブ動画 研究開発・知財戦略説明会 - 日立 2022/12/08 https://www.youtube.com/watch?v=7sT8y12fUQM 2022年12月5日に開催された、日立製作所「研究開発・知財戦略説明会」の模様 約1時間27分 ~約21分 研究開発戦略 グローバルイノベーションリーダーに向けて 約21分~ 日立エナジー 研究開発戦略 約32分~ 知的財産戦略 約43分~ 質疑応答 日経新聞有料会員限定「リーガルのつぼ」に、「旭化成社長ら 、知財経営語り合う」という記事が配信されています。10月24日、オンライン形式で第1回会合を開きスタートした「知財・無形資産 経営者フォーラム」の内容が詳報されています。
「有力な機関投資家や政府、大学関係者らも結集した同フォーラムが今後、実効的な役割を果たせるかが問われます。」ということですが、期待したいと思います。 旭化成社長ら 、知財経営語り合う リーガルのつぼ 2022年11月30日 13:30 [有料会員限定] https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL185C30Y2A111C2000000/ 日立製作所が12月5日に開催した研究開発・知財戦略説明会では、研究開発戦略、日立エナジー 研究開発戦略、知的財産戦略 がプレゼンされました。2021年2月25日に行われた「環境戦略・研究開発戦略説明会」では、環境戦略、研究開発戦略、知的財産戦略がプレゼンされ、説明会の動画もアップされていますので、今回もいずれアップされることを期待しています。 知的財産戦略では、 CIPO主導で、 1.グローバルで強力な日立の知的財産及びその活動によって、日立のイノベーションのグローバルなリーダーシップを加速します 2.Lumada事業の成長に貢献し、イノベーションの創造と進化を支える、先を見据えた知財活動を強化します 3.事業目標の達成をサポートするため、日立グループ内で頼られる部門として、日立グループ全体でグローバルに知財活動を調和させ推進します が「本日お伝えしたいこと」となっています。 以下、知財戦略プレゼン資料から。
2. 最近の活動と実績 3. 知財活動 – 事業との結びつきを強化 事業上の関心と従来の知財活動の認識のギャップを示したうえで、グローバル知財活動は、グループ事業と連携し、「ギャップを埋める」 4. 知財活動のギャップを埋める 知財活動の変革を推進- グローバル、 先見性、 包括性、 調和、 一貫性 - 5. イノベーションのための統合された知財戦略 バリュードライバー、テクノロジー、知的財産を融合して、戦略的に知財ポートフォリオを構築 6. イノベーションのための統合された知財戦略 知財情報を活用し、イノベーションに貢献 例:環境分野における、成長性分析、技術ポジショニング、及び、戦略マトリクス 7. 日立グループの知財ポートフォリオ 8. デジタル – Lumada成長モデル 9. デジタル事例 – Lumada Inspection Insights <事例> 日立、日立エナジー、日立ヴァンタラの専門知識を集結し、顧客との価値協創のデータ駆動サイクルを実現 <事例> 日立、日立エナジー、日立ヴァンタラの専門知識を集結し、顧客との価値協創のデータ駆動サイクルを実現 10. グローバルで機能的な知財組織 日立横断のグローバル知財活動をCIPOオフィスが主導 11. まとめ 知財による事業貢献 日立のイノベーション、ソリューション、オファリングから生まれる知財を通して、価値を創出、保護、成長 日立製作所 研究開発・知財戦略説明会 2022年12月5日 https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2022/12/1205.html 知的財産戦略 https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2022/12/1205/20221205_03_ip_presentation_ja.pdf メタバースやWeb3の可能性を探索 日立が方針表明 研究開発投資を強化 https://news.yahoo.co.jp/articles/45a165f09e11235169f2768aa5f0abaaea6be983 2022年12月7日 5:00 日立、知財戦略も改革 「発明起点から価値起点に」 https://www.nikkei.com/prime/tech-foresight/article/DGXZQOUC069IA0W2A201C2000000 日立製作所 環境戦略・研究開発戦略説明会 2021年2月25日 https://www.hitachi.co.jp/IR/library/presentation/webcast/210225.html 知的財産戦略 https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2021/02/0225/20210225_03_ip_presentation_ja.pdf 知財ガバナンスに関する企業の取組事例集(旭化成、味の素、伊藤忠商事、オムロン、キリンHD、東京海上HD、ナブテスコ、日立製作所、丸井グループ) https://yorozuipsc.com/blog/3518906 日立における環境と知的財産に関する取り組み https://yorozuipsc.com/blog/9737728 日立製作所が環境技術特許を取引先に提供 https://yorozuipsc.com/blog/6097788 日立製作所の環境戦略・研究開発戦略・知財戦略 https://yorozuipsc.com/blog/3105566 日立知財部門の『データ利用』へのチャレンジ https://yorozuipsc.com/blog/7931700 日立知財ソリューション イノベーションを生む現場のリアル https://yorozuipsc.com/blog/5739511 日立のデジタル新時代の知財戦略 IP FOR SOCIETY https://yorozuipsc.com/blog/-ip-for-society 日本知財学会2020年度秋季シンポジウム 日立製作所 https://yorozuipsc.com/blog/20208863963 日立の知的財産戦略 2020年9月20日 https://yorozuipsc.com/blog/5082813 「知的財産法政策学研究」第65号P.131(2022年11月)に「日本、中国、ドイツ、EPO 及び米国における進歩性に関する裁判例の統計分析及び若干の理論上の問題について (9・完)」(時井真弁護士)が掲載されています。
実務上、特許庁の審査では技術的貢献がほとんど考慮されていないため進歩性のハードルが下がりすぎている問題が指摘されていますが、ほぼ「非容易推考説」で進歩性を判断している日本の裁判所の判断に対して、「従来の非容易推考説に加えて、技術的貢献説の枠組みも重視すべきである。」と主張されているように感じています。 (第103回)知財実務オンライン:「数値限定発明の憂鬱」(ゲスト:弁護士法人レクシード / 弁理士法人レクシード・テック / レクシードグループ代表社員 弁護士・弁理士・工学修士(化学) 野中 啓孝) https://www.youtube.com/watch?v=iauqkoQmMzE 日本、中国、ドイツ、EPO及び米国における進歩性に関する裁判例の 統計分析及び若干の理論上の問題について(9・完) https://www.juris.hokudai.ac.jp/riilp/wp-content/uploads/2022/12/b6d8764223a0b2cc6d6dfa6187b1eab7.pdf 本稿の第一の結論 「中国、日本、欧州(BGH、 EPO)、米国の裁判例を統計的に分類した。それによると、いずれの司法管轄区域裁判においても、技術的貢献説よりも非容易推考説に基づく裁判例のほうが多く見受けられた。」 「各地域研究の結果、中国、日本、米国、欧州のいずれにおいても、非容易推考説と技術的貢献説が詳細な進歩性の下位規範を形成していることが判明した。」 「技術的貢献説と非容易推考説の双方が進歩性の背景にあるという仮説を裏付けるものである」 本稿の第二の結論 「今後の特許法の実務においては、従来の非容易推考説に加えて、技術的貢献説の枠組みも重視すべきである。」 「非容易推考説と技術的貢献説の組合せ方によっては、創造性のハードルを上げ下げできる」「非容易推考説と技術的貢献説を、AND で繋ぐことにより、進歩性のハードルをより厳格にすることができる」「非容易推考説と技術的貢献説を OR で繋ぐと、いずれかが認められれば創造性が肯定されるわけであるから、AND の場合に比べて進歩性のハードルを下げることができる。」 パテント Vol. 75, No. 10, P.96(2022) に「令和 3 年度特許侵害訴訟における損害論等の概況」(齋藤誠二郎弁護士)が掲載されています。
令和 3 年に判決が言い渡された特許権侵害訴訟の裁判例の中から、実務上の参考になると思われる事例が、損害論等を中心に 7 件紹介されています。 https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/4090 1.抗弁 ①知財高判(2 部)令和 3 年 2 月 9 日(令和 3 年(ネ)第 10051 号)〔ウイルスおよび治療法におけるそれらの使用事件〕 2.損害論 2.1 損害額の推定覆滅 ②東京地判(29 部)令和 3 年 5 月 20 日(平成 30 年(ワ)第 21900 号)〔空調服事件〕 2.2 損害額算定の対象範囲 ③ 東京地判(40 部)令和 3 年 5 月 19 日(平成 29 年(ワ)第 36506 号)〔LINE ふるふる事件〕 2.3 消滅時効 ④ 大阪地判(21 部)令和 3 年 10 月 19 日(令和 2 年(ワ)第 3474 号)〔照明器具事件〕 3.その他 3.1 法人の特許権侵害行為について取締役等の責任 ⑤大阪地判(21 部)令和 3 年 9 月 28 日(令和元年(ワ) 第 5444 号)〔炭酸パック化粧料事件(続)〕 3.2 信義則違反に基づく後訴請求の遮断 ⑥ 知財高判(2 部)令和 3 年 4 月 20 日(令和 2 年(ネ)第 10068 号)〔装飾品鎖状端部の留め具事件〕 3.3 不当訴訟 ⑦ 大阪地判(26 部)令和 3 年 9 月 6 日((本訴)令和2 年(ワ)第 3247 号、(反訴)令和 2 年(ワ)第8842 号)〔漏水位置検知装置事件〕 |
著者萬秀憲 アーカイブ
May 2025
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