パラメータに着目すること自体の容易性を否定して、進歩性が認められた事例についての議論は非常に勉強になります。
令和元年(行ケ)第10137号「セレコキシブ組成物」事件です。 「特許を取得する側には、好都合な戦術として参考になりそう」「従来使われていなかった測定方法・パラメーターで規定すれば有利になる」「本判決では、D90という粒度分布で特定した製薬組成物において、医薬品の原料粉末では一般的であることが認められず、進歩性が肯定されている。本事件のように、当業者的には一見容易想到にも思われる発明特定事項であっても動機付けの立証が難しい場合もある。」「近時の裁判例を見ると、パラメータ・数値範囲を発明特定事項と捉えて、当該パラメータ・数値範囲の容易想到性を問題とし、これが容易想到でなければ進歩性ありという枠組みで判断する裁判例が大多数となっている。本判決も、クレームアップされた「セレコキシブ粒子のD90が200μm未満」というパラメータ・数値に着目することの容易想到性を問題としたうえで、この容易想到性を否定し、顕著な効果云々の議論に入るまでもなく、進歩性〇と判断したものである。」という出願人としての参考になるコメントの他、こうした知財高裁、特許庁審判部の考え方に批判的な学者の議論を期待するコメントもあります。 さらに議論が深まることを期待しています。 2020.10.28 「日本ケミファ・ダイト v. ジー.ディー.サール」 知財高裁令和元年(行ケ)10137 https://www.tokkyoteki.com/2020/11/2020-10-28-r1-gyo-ke-10137-celecoxib.html <知財高裁/セレコキシブ特許の審取訴訟> D90で特定した製剤特許の進歩性が判断された事例 2021.02.02 https://biopatent.jp/1177/ 「セレコキシブ組成物」事件2021/2/5 https://www.unius-pa.com/wp/wp-content/uploads/R01_gyouke_10137.pdf そーとく日記 2021年07月14日 進歩性判断において「特定事項説」(=外縁説)を採る特許庁・知財高裁(「セレコキシブ組成物事件」令和1年(行ケ)10137;無効2016-800112;無効2018-800071) http://thinkpat.seesaa.net/article/482450866.html 「パラメータ発明」の進歩性~パラメータに着目することの容易想到性否定を否定して、進歩性が認められた事例。 https://www.nakapat.gr.jp/ja/legal_updates_jp/%e3%80%90%e7%89%b9%e8%a8%b1%e2%98%85%e3%80%91%e3%80%8c%e3%83%91%e3%83%a9%e3%83%a1%e3%83%bc%e3%82%bf%e7%99%ba%e6%98%8e%e3%80%8d%e3%81%ae%e9%80%b2%e6%ad%a9%e6%80%a7%ef%bd%9e%e3%83%91%e3%83%a9%e3%83%a1/
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著者萬秀憲 アーカイブ
February 2023
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