「競争力を高める特許リエゾン 改訂版 (知財実務シリーズ) 」(弁理士法人志賀国際特許事務所知財実務シリーズ出版委員会・編、発明推進協会、発刊日2022/12/27)が
届きました。2015年の初版の内容に、近年のトレンドである「AI/IoT」や「WEB会議による発明抽出時の留意点」等を加筆した改訂版です。A5判 で全778頁と大部です。 「リエゾン」はフランス語の“Liaison”が語源で、連絡や調整を意味する言葉で、通常、「特許リエゾン」とは、企業内では「研究開発部門や事業部門と権利化部門とをつなぐ」とされ、企業外では「開発者と特許庁との間に入って両者をつなぐ」とされていますが、本書では、「特許リエゾン」とは、「自社の事業を守り、かつ発展させるために、知財専門家が権利化戦略を立案し、その戦略に沿って多面的観点で発明を発掘・抽出し、さらに醸成することにより、ビジネスに貢献する強い特許を生み出す技術」と定義されています。 「WEB会議による出願ヒアリング」では、説明資料の共有、論点整理の共有に分けて、WEB会議での工夫が細かく記載されており、これまで漠然と工夫していたのが、こうして整理されていると非常に参考になりました。
第2 特許についての啓蒙活動 第3 発明相談 第4 出願ヒアリングの準備 第5 出願ヒアリング 第6 権利行使、特に訴訟資料を考慮した留意点 第7 外国出願を視野に入れた発明
第2 機械・構造物 第3 化学・製薬・バイオ 第4 外国出願を視野に入れた特許 第5 意匠権による技術的形状の保護 競争力を高める特許リエゾン 改訂版 https://www.shigapatent.com/jp/publications/book/
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12月27日、公正取引委員会が、独占禁止法上の「優越的地位の濫用」に関する緊急調査の結果について公表しました。
今回の調査においては、受注者80,000社、及び、受注者から名前の挙がった発注者4,573社発注者に対してそれぞれ書面調査を実施し、また、特に詳細な調査を行う必要があると認められた発注者306件については、立入調査、報告命令等による個別調査を行ったとのことです。 「個別調査の結果、受注者からの値上げ要請の有無にかかわらず、取引価格が据え置かれており、事業活動への影響が大きい取引先として受注者から多く名前が挙がった発注者であって、かつ、多数の取引先について独占禁止法Q&Aの①に該当する行為が確認された事業者については、価格転嫁の円滑な推進を強く後押しする観点から、取引当事者に価格転嫁のための積極的な協議を促すとともに、受注者にとっての協議を求める機会の拡大につながる有益な情報であること等を踏まえ、独占禁止法第43条の規定に基づき、その事業者名を公表することとした。」ということで、価格転嫁に応じていないことが確認された発注元企業13社(5 0音順)佐川急便、三協立山、JA全農、大和物流、デンソー、東急コミュニティー、豊田自動織機、トランコム、ドン・キホーテ、日本アクセス、丸和運輸機関、三菱食品、三菱電機ロジスティクスが公表されました。 公正取引委員会が問題視した行為は、下請けと十分に価格交渉をせず、コスト上昇後も価格を据え置いた、下請けが価格転嫁を求めたにもかかわらず、理由を説明しないまま価格を据え置いた、ということです。 独占禁止法上の「優越的地位の濫用」に関する緊急調査の結果について 令和4年12月27日 公正取引委員会 https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2022/dec/221227_kinkyuchosakekka.html 佐川急便やデンソーなど13社公表 価格転嫁協議せず https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA276CW0X21C22A2000000/ “値上げの必要性協議せず” 大手企業などの名前公表 公取 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221227/k10013936021000.html 公取委公表に佐川とデンソーがコメント 中小企業と“主体的に価格交渉を行わず” https://news.yahoo.co.jp/articles/ea0e1a874c496acd8bc64bc33298053fedc2df06 産業構造審議会知的財産分科会商標制度小委員会では、商標を活用したブランド戦略展開に資するものとして、令和4年9月以降、主として「他人の氏名を含む商標の登録要件緩和」、「コンセント制度の導入」、「Madrid e-Filingにより商標の国際登録出願をする際の本国官庁手数料の納付方法の変更」について、検討を行ってきましたが、その結果をまとめた報告書「商標を活用したブランド戦略展開に向けた商標制度の見直しについて(案)」に対する意見募集が行われています。(令和4年12月26日~令和5年1月24日)
「他人の氏名を含む商標の登録要件緩和」では、『出願人の商標登録を受ける利益と他人の氏名に係る人格的利益との調整のため、本規定の「他人の氏名」に一定の知名度の要件を設けること、また、無関係な者による悪意の出願等の濫用的な出願の防止のため、出願人側の事情(例えば、出願することに正当な理由があるか等)を考慮する要件を課すことが適当である。』としています。 「コンセント制度の導入」では、『コンセント制度導入に関しては、反対の意見もあったが、制度設計において需要者の利益の保護が十分に担保されること、近年、コンセント制度導入に関するユーザーニーズが高まっていること、国際的な制度調和の要請があること等を踏まえ、我が国においてコンセント制度を導入することが適当であるという意見が多数であり、おおむね賛同が得られたことから、本小委員会としては導入を進める方向で取りまとめを行った。』ということです。 今後の法改正における方向性を示すものとなります。 産業構造審議会知的財産分科会商標制度小委員会 報告書「商標を活用したブランド戦略展開に向けた商標制度の見直しについて(案)」に対する意見募集 https://www.jpo.go.jp/news/public/iken/221226_shohyo.html 商標を活用したブランド戦略展開に向けた商標制度の見直しについて(案) https://www.jpo.go.jp/news/public/iken/document/221226_shohyo/01.pdf 2022年12月27日に行われた、明治大学知的財産法政策研究所(IPLPI)シンポジウム「音楽教室事件最高裁判決を語る」(主催:明治大学知的財産法政策研究所)を視聴しました。アーカイブ動画がアップされるとのことでした。
上野先生の基調講演は、若干遠慮がちだった北大サマーセミナーでの講演と異なるものでした。まだいろいろな課題が残っていることがわかりました。 明治大学知的財産法政策研究所(IPLPI)シンポジウム 音楽教室事件最高裁判決を語る http://www.isc.meiji.ac.jp/~ip/events/index.html 【開催の趣旨】 2022年10月24日、最高裁判所は、民間の音楽教室のレッスンにおける生徒の演奏につき、音楽教室ではなく生徒自身による演奏であるとして演奏権の侵害に該当しないとした原審の判断を維持する判決(最一小判令和4年10月24日令和3(受)1112〔音楽教室上告審〕)をなしました(原審の判断のうち、音楽教室における教師の演奏については音楽教室の行為として演奏権の侵害に該当するとの判断に対する音楽教室事業者側の上告受理申立てについては、2022年7月28日付で上告不受理決定がされているようです)。 この音楽教室事件を巡っては、音楽教育のあり方等の点から社会的な関心を集めるとともに、著作権法上の様々な法的論点でも大きな議論を呼んでいるところです。 本シンポジウムでは、音楽教室事件上告審判決後の、著作物の利用行為の主体の認定のあり方、そして音楽教室における著作物の利用のあり方を中心に議論を行い、皆様と共に考えたいと思います。 【開催日時】 2022年12月27日(火) 10時30分~12時30分 【実施形態】 Zoomウェビナー形式 定員300名(予定) 【プログラム(予定)】 主催者挨拶 第一部 基調講演 上野達弘(早稲田大学教授) 第二部 パネル討論・質疑応答 登壇者(敬称略、50音順) 上野達弘(早稲田大学教授) 奥邨弘司(慶應義塾大学教授) 福井健策(弁護士 骨董通り法律事務所for the Arts代表) (司会) 金子敏哉 (明治大学教授、明治大学知的財産法政策研究所代表) 音楽教室における著作物使用に関する最高裁判決 https://yorozuipsc.com/blog/6134022 音楽教室における生徒の演奏 10月24日に最高裁判決 https://yorozuipsc.com/blog/-1024 JASRACと音楽教室の裁判、10月24日に最高裁で決着へ https://yorozuipsc.com/blog/jasrac1024 北大サマーセミナー2022(著作権) https://yorozuipsc.com/blog/20225488327 公正取引委員会は、令和3年12月27日に取りまとめられた「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」(内閣官房・消費者庁・厚生労働省・経済産業省・国土交通省・公正取引委員会)に関する取組として、指針を踏まえた取引が行われているかどうかを把握するため、「スタートアップをめぐる取引に関する調査」を実施したということです。
書面調査では、スタートアップ791社(14.0%)、事業連携又は出資の経験有り829社(7.2%)から回答を得ており、この書面調査の結果を踏まえ、優越的地位の濫用等が疑われる事案について、スタートアップ37社へのヒアリング及び連携事業者・出資者13社への立入調査を実施しています。 書面調査及び立入調査の結果を踏まえ、独占禁止法上の問題につながるおそれのある事項が見受けられた連携事業者・出資者に対し、具体的な懸念事項を明示した文書を送付(8社、行為11件)、また、スタートアップから得られた客観的な資料により問題につながるおそれのある事項に関する情報を得られたものの、情報提供者であるスタートアップが公正取引委員会による連携事業者・出資者への接触を控えることを希望したことから、具体的な懸念事項を明示した文書を送付しなかった事例もあった(11社、行為11件)とのことです。 公正取引委員会は2022年3月に策定した「スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針」の周知徹底を図るとともに、違反行為についての情報収集と対処を進め、特に、化学工業・情報サービス業・銀行業・金融商品取引業・商品先物取引業は重点的に指針を周知するとしています。 「技術を盗まれた」「報酬を減らされた」──公取委、スタートアップ巡る取引問題の調査結果を発表 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2212/26/news086.html (令和4年12月23日)スタートアップをめぐる取引に関する調査結果について 令和4年12月23日 公正取引委員会 https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2022/dec/221223_startupchousa.html https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2022/dec/221223_startupchousashiryou/221223_startupchousakekka.pdf スタートアップをめぐる取引に関する調査結果(概要) https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2022/dec/221223_startupchousashiryou/221223_startupchousakekka_gaiyou.pdf 出資者とスタートアップの取引慣行調査 公正取引委員会 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA22D1I0S2A221C2000000/ 知財管理Vol. 72No. 12、2022「新しい時代における柔らかい標準」(一橋大学イノベーション研究センター 江藤学教授)は、現在主流となっている標準化の手法では,①いったん決定された規格の変更に数年の期間が必要で市場の変化に追従できない、②アジャイル開発などの開発途中での規格の変更などには全く利用することができない、という問題があり、むしろイノベーション阻害が懸念されるようになってきたので、新しい時代にふさわしい「柔らかい標準化」を提示しています。
柔らかい標準化の必要性がよくわかりました。 江藤先生には、ある素材の標準化に関する検討会で御一緒させていただいたことがありますが、先生の柔軟な発想に驚いたことを記憶しています。 新しい時代における柔らかい標準 http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/search/detail.php?chizai_id=a3cc3ad6abf4225573aaf515dca89bf5 ビジネスの主流が勝者総取り型からエコシステム型に変化する中で、知財戦略のひとつとして標準化というツールを積極的に活用し、知財のオープンクローズ戦略を進めることでイノベーションの実現と利益の確保を両立して行くことが必要となっている。しかし、技術開発のスピードが上がり、市場の多様化が進む中で、既存の標準化手法によるイノベーション阻害が懸念されるようになってきた。現在主流となっている標準化の手法では、いったん決定された規格の変更に数年の期間が必要で、市場の変化に追従できないだけでなく、アジャイル開発などの開発途中での規格の変更などには全く利用することができない。このような標準化によるイノベーション阻害を起こさないためには、今こそ新しい時代にふさわしい「柔らかい標準化」が必要だ。本稿は、この「柔らかい標準化」の概念を提示し、これまで行われてきた様々なアプローチと新しい環境を組み合わせることで、その実現方法を追求する。 目次 1. はじめに 2.イノベーションと標準化 2.1 イノベーションと標準化の研究 2.2 標準化の効果に関する研究 2.3 標準化とイノベーションの関係 3. 過去に見られる柔らかい標準化 3.1 鉄鋼業の標準化 3.2 仕様標準から性能標準に 3.3 デジカメファイルフォーマット 3.4 デファクトスタンダードを狙う企業 3.5フォーラムスタンダードの問題 4. 標準化を取り巻く環境の変化 4.1モジュール化の変化 4.2エコシステム型ビジネス 4.3アジャイル型開発と標準化 5. 柔らかい標準化実現のヒント 5.1フォーラム規格の自由度コントロール 5.2学会における標準化プロセスの活用 5.3ユースケースの拡張 5.4 デファクトスタンダードの開放 6. おわりに 江藤学(2021)『標準化ビジネス戦略大全』日本経済新聞社 【内容紹介】 標準化の重要性が様々な場で指摘されるようになって久しい。欧米諸国によってつくられた国際標準をフォローする時代は終わり、標準化に代表される製品やサービスに関する国際ルールづくりを率先して行わなければ、グローバルビジネスで生き残ることが困難な時代のなか、日本は韓国、中国などに大きな遅れをとりつつあります。これは、日本の標準化活動が、国際標準化機関であるISO、IECや日本の国家規格であるJISの規格作成会議に出席する「標準化専門家」に任され、経営の視点、知財マネジメントの視点を標準化活動に反映することを怠ってきたからに他なりません。 「オープンイノベーション」の時代では、自らの独自技術を生み出す「知財生産活動」と同時に、他社の技術を入手し活用する「知財利用戦略」、自らの技術を他者に積極的に使わせる「知財普及戦略」が必須といえます。そして、この知財利用、知財普及を実現するうえで、様々なルールが自然発生的に、もしくは人工的に整備されています。標準化活動は、このルールづくりの代表的な場であり、これらのルールがグローバルビジネスの成否を左右するのです。 本書は、ビジネスルールづくりのツールとして標準化を駆使し、自らの有する知的財産の価値を最大化し、総合的なビジネス戦略を構築することができる人材のための「標準化の価値を知るためのビジネス書」。ビジネスにおける様々な仕掛と結果を標準化の観点から分析し、その効果と結果を理解することで、過去の成功事例において標準化が果たした役割と同様の役割を、自らのビジネスで獲得できる戦略を考案する力を獲得できる決定版の内容となります。 本書は、DVD、自転車、CD‐R、社内LAN、デジタルカメラ、特保、液晶パネル、光触媒、MPEG、抗菌製品、自転車部品、DVD-RAM、電動アシストなどの多様な事例を交えて興味深く記述、欧米各国の標準化戦略についても解説します。 【目次】 第1章 標準化はビジネスをどう変えるのか 第2章 標準化の様々な顔 第3章 サプライチェーンにおける標準化の意味 第4章 モジュール化を加速しビジネスを変える 第5章 規格に特許を包含させる戦略 第6章 試験方法規格の戦略的活用 第7章 認証のビジネス活用によるアドバンテージ 第8章 製品開発・市場化における知財マネジメント戦略 第9章 事例で学ぶ逆転のための標準化戦略 終 章 新しい時代に向けた標準化の変化 2022年11月から「大学の研究成果のスタートアップ等を通じた社会実装及び資金の好循環を実現するために必要な大学の知的財産マネジメント・知財ガバナンスに関する事項について所要の検討を行う」ということを目的に「大学知財ガバナンスに関する検討会」が開催されています。
第1回の資料5に、「データからうかがえる大学知財マネジメントの現状課題」「大学知財を社会実装する上で課題が生じた事例」「大学知財マネジメントが目指すべき姿、および知財マネジメントの方針策定」が記載されています。 特に、「大学知財を社会実装する上で課題が生じた事例」では、8例が記載されています。確かに問題ですね。 1-1 大学が過大な新株予約権をライセンス対価として要求し交渉が決裂したケース 1-2 教授が起業したスタートアップ(SU)に対し、大学がSUの事情に配慮せず高額な対価を要求した事例 2-1 大学と大企業の共有特許について、大企業がSUへのライセンスを拒否したケース 2-2 大学発SUへの共有特許のライセンスが拒否された事例 2-3 大学と大企業の共有特許について、大企業がSUへのライセンスを拒否したケース 2-4 大学発SUへの共有特許ライセンスが大企業に拒否されたケース 2-5 共有先企業が発明者自身のSUへの第三者ライセンスを拒否したケース 2-6 共同研究先企業が特許を独占したまま事業化を進めず、第三者との共同研究の障害となるケース すでに3回の検討会が行われ、来年3月には「大学知財ガバナンスに関するガイドライン」が策定されるとのことです。 第1回~4回(10月~1月) 各論を議論(但し、議論を尽くすために回数を増やす可能性有) • 第1回:「1.方針策定」大学知財マネジメントの課題と方針策定について • 第2回:「2.プロセス管理」SUへのライセンスの在り方、マーケティングに基づく一気通貫の知財マネジメント • 第3回:「2.プロセス管理」大学が生む発明の帰属・ライセンスの考え方 • 第4回:「3.体制構築」「4.予算・財源確保」、大学知財イノベーションエコシステム形成に向けた大学知財戦略の開示 ← 追加 第5・6回(1月下旬~3月):ガイドライン案について議論 • 第5回:ガイドライン素案(事務局案)に対する議論 • 第6回:第5回議論を反映させたガイドライン案の確認 大学知財ガバナンスに関する検討会 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/daigaku_gov/index.html 第一回 資料5 大学知財マネジメントの現状課題と知財マネジメントの方針施策について(たたき台) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/daigaku_gov/dai1/siryou5.pdf 12月22日に行われた、知財実務オンライン第124回「知財訴訟の取り組み方」、ゲスト:小林・弓削田法律事務所 小林 幸夫弁護士・弁理士(所長・パートナー)のアーカイブ動画を視聴しました。(約1時間40分)
STEP1.それぞれの立場から考える知財訴訟の取り組み方 訴訟のゴー ルはなにか STEP2.知財訴訟の審理の仕組み 現在・過去・未来を考慮した解説 STEP3.各書面n作成・確認方法+書証の提出·吟味 原告/被告それぞれの場合+各書証の重要性 STEP4.裁判上の和解への取り組み方 和解≒同意判決 和解#和睦 非常にわかりやすい講義で、訴訟の経験がない人が聞いても理解しやすいだろうと感じました。 そして、30~40年前と現在では雲泥の差であることを実例を通じて聞くことができる貴重な機会でもありました。 また、参照元・参考資料のリンク先が便利でした。 https://www.youtube.com/watch?v=nCs0SSqOzE8 12月22日、産業構造審議会知的財産分科会特許制度小委員会の報告書「知財活用促進に向けた特許制度の在り方(案)」に対する意見募集が始まりました。令和5年1月20日(金曜日)までです。
「産業構造審議会知的財産分科会特許制度小委員会では、令和4年9月以降、デジタル化・グローバル化の進展への対応、中小企業・スタートアップ・大学等の知財活用の更なる促進、特許庁自身の一層のデジタル化による業務の効率化の必要があるという問題意識の下、ユーザーの利便性の向上や知的財産の一層の活用促進のための特許制度の在り方について、検討を行ってきました。この度、同年12月19日に開催された同小委員会において、これまでの審議内容を報告書案として提示し、審議したところです。本報告書案の取りまとめを行うに当たり、下記の要領で各方面から御意見を募ることといたしました。」ということで、 1.一事不再理の考え方の見直し (現時点では、法改正せず、現状の運用の更なる周知等を行うこととするのが適当である) 2.送達制度の見直し (公示送達の要件を見直す方向で検討を進めることが適当である) 3.書面手続デジタル化 (優先権証明書の写しの提出を許容するとともに、オンライン提出を可能とすることが適当である) 4.裁定制度の閲覧制限導入 (裁定関係書類のうち営業秘密が記載された書類は、閲覧等を制限可能とすることが適当である) 5.ライセンス促進策 (現時点では、ライセンス促進策の一つと考えられる特許料の減免拡充を行うのではなく、ライセンスの実施につながる政策効果がより高いと考えられる) についてまとめられています。 https://www.jpo.go.jp/news/public/iken/20221222_tokkyo-seido.html https://www.jpo.go.jp/news/public/iken/document/20221222_tokkyo-seido/01.pdf 「おわりに」には、「イノベーションの原動力となる知的財産の活用を促すためには、新領域における発明の適切な保護が必要である。特許制度における発明の「実施」の定義に関する論点を始め、今後も変化するビジネス環境に応じて、特許制度の在り方について、引き続き検討していくことが望ましいものと結論付け、本小委員会において提言する。」と書かれており、発明の「実施」の定義に関する論点などは引き続き検討されることを期待しています。 知財管理 Vol. 72 No. 12 2022に掲載されている「クレーム用語の意義解釈の判断が分かれた事件──輸液製剤事件──」(細田芳徳弁理士)は、知的財産高等裁判所 令和3年11月16日判決 令和3年(ネ)第10007号 特許権侵害差止請求控訴事件を取り上げています。
特に、評釈の、用語の意義解釈について、物の発明と単純方法の発明、実務上の提言、は勉強になりました。 目 次
2.2 争点と当事者の主張 2.3 東京地裁の判断 2.4 知財高裁の判断 3. 評 釈 3.1 用語の意義解釈について 3.2 物の発明と単純方法の発明 3.3 実務上の提言 4. おわりに 知財管理 2022年12月号 判例と実務シリーズ:No.535 クレーム用語の意義解釈の判断が分かれた事件-輸液製剤事件- 細田 芳徳 http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/search/detail.php?chizai_id=7bf1d78eeb562f74242e5ab9afc0ff40 本事件の最大の争点は、クレーム用語の意義解釈であり、原審と控訴審とで判断が分かれた事件である。その結果、輸液製剤という物の発明では、原審と控訴審は共に被告製品に対し構成要件充足性を否定したが、保存安定化方法という単純方法の発明に対して、控訴審は直接侵害を認め、被控訴人らによる被控訴人製品の生産、譲渡等の行為は特許法101条4号の定める間接侵害行為に当たるとして、構成要件充足性を否定した原審判決を取消した。本事件では、「室」という用語の解釈において、「連通可能」という限定の有無が問題となり、課題・解決手段との関係や、物の発明と単純方法の発明の違いを考えさせる興味深い事件である。 本稿では、用語の意義解釈において、判断が分かれた原因はどこにあるのかについて、限定解釈に関する従前からの裁判例も参照しつつ考察すると共に、単純方法などの方法の発明の意義についても考察する。 「含硫化合物と微量金属元素を含む輸液製剤」事件 https://www.unius-pa.com/wp/wp-content/uploads/R03_ne_10007_220522.pdf 2021.11.16 「大塚製薬工場 v. エイワイファーマ・陽進堂」 知財高裁令和3年(ネ)10007 https://www.tokkyoteki.com/2021/11/2021-11-16-otsuka-v-aypharma-r3-ne-10007.html 【特許★】特許権侵害差止請求控訴事件(複数の「室」というクレーム文言解釈~「連通可能」という限定がある物の発明は非充足、限定がない方法の発明は充足とした。何れも非充足とした一審判決を逆転した事例。特許権者勝訴。 https://www.nakapat.gr.jp/ja/legal_updates_jp/%E3%80%90%E7%89%B9%E8%A8%B1%E2%98%85%E3%80%91%E7%89%B9%E8%A8%B1%E6%A8%A9%E4%BE%B5%E5%AE%B3%E5%B7%AE%E6%AD%A2%E8%AB%8B%E6%B1%82%E6%8E%A7%E8%A8%B4%E4%BA%8B%E4%BB%B6%EF%BC%88%E8%A4%87%E6%95%B0%E3%81%AE/ 用語の意義解釈が第一審と控訴審で異なるため、第一審では特許権侵害を否定したが控訴審では特許権侵害を肯定した事例 https://www.hanketsu.jiii.or.jp/hanketsu/jsp/hatumeisi/news/202202news.pdf 令和3年(行ケ)第10066号 審決取消請求事件(医薬用途発明に係る特許第5969161号の無効審決取消請求事件)で、知財高裁は、「技術常識によれば当業者は認識するものといえる」から各相違点は実質的な相違点ではないとして、新規性を否定した本件審決の判断に誤りはないと判断し、原告の請求を棄却しました。
Fubuki氏によれば、 『刊行物に明示的に記載されていない場合であっても、特許法29条1項3号(刊行物に記載された発明)に基づいて新規性を否定するためには、発明が「刊行物に記載されているに等しい事項から当業者が把握できる発明」として評価することができなければならないとされている。 この「記載されているに等しい事項から当業者が把握できる発明」としての評価を、「当業者が認識するもの」に置き換えて評価したとしても、新規性を否定する考え方に大きな違いはなさそうである。 しかし、当業者が「把握できる」又は「認識する」発明であるか否かを評価軸として引用発明(実質的な相違点の有無)を認定して新規性を判断することが、当業者が認識しておらずに公知の物や方法に必然的に内在・存在している態様(inherent feature)を相違点とする場合やパブリックドメインとの関係で問題となる場合において、唯一最善の論理なのかどうかは議論があるかもしれない。』 ということです。 この判決に違和感はないのですが、いろいろと波紋はあるのかもしれません。 2022.12.13 「中外製薬 v. 沢井製薬・日医工」 知財高裁令和3年(行ケ)10066・・・「技術常識によれば当業者は認識するものといえる」エルデカルシトール前腕部骨折抑制医薬用途発明の新規性を否定 2022.12.19 https://www.tokkyoteki.com/2022/12/2022-12-13-r3-gyo-ke-10066.html 「エディロール」用途特許訴訟、中外の控訴棄却 知財高裁 2022/12/13 20:44 https://nk.jiho.jp/article/176766 エディロール®カプセルの医薬用途発明に係る特許権侵害訴訟 中外製薬の控訴棄却 沢井製薬と日医工が勝訴 2022.12.14 https://www.tokkyoteki.com/2022/12/eldecalcitol-2.html 知財高裁 エルデカルシトールカプセルの後発品特許侵害訴訟で控訴を棄却 沢井製薬と日医工が勝訴 公開日時 2022/12/14 04:49 https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=74062 2022年12月13日 エディロールカプセルに関する特許権侵害訴訟の控訴審判決について https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20221213160000_1266.html エルデカルシトールカプセル0.5μg・0.75μg「サワイ」 特許権侵害差止等請求控訴事件に関する勝訴のお知らせ https://www.sawai.co.jp/release/detail/583 エルデカルシトールカプセル「日医工」 特許権侵害訴訟(控訴審)勝訴判決のお知らせ https://www.nichiiko.co.jp/company/press/detail/5686/1672/4541_20221213_01.pdf 令和4年12月13日判決言渡 令和3年(行ケ)第10066号審決取消請求事件 https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/620/091620_hanrei.pdf リーガルテック株式会社の『知財ウェビナー』、12月27日23:59までの期間限定ウェビナー(日本の特許分析と素材戦争)は、素材産業の課題解決のヒント - 1秒で素材用途を可視化する、環境配慮型新素材「LIMEX」のグローバル展開を支える知財戦略、日本の特許分析と素材戦争、の3つがアップされていますが、参考になります。
https://www.aoswebinar.com/conference/agenda?conferenceId=285&releaseVersion=v20221214164621 ・タイトル :日本の特許分析と素材戦争 ・公開期間 :2022年12月20日(火)〜27日(火) ・配信方法 :AOS Webinarサイト(事前に会員登録が必要です) ・会員登録 :https://a19.hm-f.jp/cc.php?t=M578227&c=27533&d=2e96 −−−−<<日本の特許分析と素材戦争>>−−−− ◆素材産業の課題解決のヒント〜1秒で素材用途を可視化する〜/ Tokkyo.Ai株式会社 取締役 平井 智之 日本のリーディングインダストリーである素材産業ですが、デジタル化をはじめとした5つの課題を抱えているといわれています。 今回は、課題解決のために必要な検討項目 と併せて、素材の新用途探索や発明のヒント探索の一助となるツールをご紹介します。 ◆環境配慮型新素材「LIMEX」のグローバル展開を支える知財戦略/株式会社TBM 経営管理部 弁理士・中村宏氏 TBMは、環境配慮型素材の開発や生産、資源循環に関わる事業を国内外で展開するユニコーン企業です。 同社が開発したプラスチックや紙の代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」は、世界中に豊富に存在する石灰石を主原料とすることで、 水や石油などの資源枯渇や気候変動問題の解決に貢献できます。本ウェビナーでは、新素材LIMEXの特徴やグローバル展開を支える知財戦略について紹介します。 ◆日本の特許分析と素材戦争/ 正林国際特許商標事務所 調査部 鳥海 博氏 日本の特許分析と素材戦争をIPランドスケープによる考察により、活用事例を中心に詳しく解説する特許戦略に生かせるセミナーです。 11月22日に行われた、WIPO Japan Office オンラインセミナー「不確実な状況におけるPCT出願の価値」のアーカイブ動画を視聴しました。(約1時間)
https://c.connectedviews.com/01/Player/WIPOwebinars/?s=117612&a=false 伊藤健太郎弁理士(TMI総合法律事務所 パートナー)の講義ですが、 1.一般論:PCTのメリット・デメリット 2.PCTルートの現在価値の評価(不確実な状況を織り込んで定量的に評価) 3.PCTルートとパリルートの比較 4.ダイレクトPCTとJP-PCTの比較 「4~5か国以上に出願する場合は、PCTルートの方がリーズナブル」というのが教科書に書かれていることがおおいですが、実際には「国数に関係なく、PCTルートの方が、PCT出願の費用の分だけ高い」 「将来は不確実で、PCTルートでは、将来(18月後)の状況に応じて、柔軟に移行国を決められるので、不確実な状況を織り込んだときに、18月後の国内移行費用が現在いくらに相当するかを評価できれば、PCTルートとパリルートの現在価値同士を比較できる。」ということで計算すると、下記のようになるようです。 結論に違和感はありません。 ◼不確実性(≒リスク)が高い状況であるほど、PCTルートの優位性が高まる ⇒不確実な状況では、移行国の決定を繰り延べること自体に価値がある ⇒PCT出願は、移行国の決定を繰り延べられる権利としての価値 ◼2か国以上に出願予定のとき、費用総額の現在価値で比較すると、多くの案件ではPCTルートの方が合理的ではないか ◼1か国のみに出願予定のときでも、非常に不確実性が高い状況であれば、PCTルートの方が合理的 ◼今回のモデルでは、当初国内移行予定ではなかった国に対して、後になって国内移行することにした場合の不確実性を織り込んでいないが、そのような場合も織り込めば、PCT出願の価値はより高く評価されるはず 不確実な状況におけるPCT出願の価値 https://www.tmi.gr.jp/eyes/blog/2022/13944.html 将来の不確実性が高くなるほど、PCTルートの価値が相対的に高まります。これは、不確実な状況下では、PCT出願によって移行国の意思決定を遅らせることができるというオプションとしての価値が高まるからとの解釈も可能です。外国出願をする際には、PCTルートとパリルートの総費用を単純に比較するのではなく、総費用の現在価値を比較することで、将来の不確実性を織り込んだ客観的で合理的な意思決定をすることができるようになると思われます。 WIPO⽇本事務所では様々なトピックのウェビナー(オンラインセミナー)を日本語で開催(参加無料)しており、既に終了したウェビナーの多くがアーカイブ動画を公開しており、助かります。 https://www.wipo.int/about-wipo/ja/offices/japan/webinars_in_japanese.html 「松岡功の『今週の明言』」で、日立製作所 Chief Intellectual Property OfficerのStephen Manetta氏の発言が紹介されていました。
日立は2022年5月に知財戦略を担う役職としてCIPOを新設し、Manetta氏を迎え入れたのですが、「日立がどう変わるか。Manetta氏の手腕に注目したい。」は同感です。 「知財戦略は発明起点から価値起点に変えることが大事だ」 (日立製作所 Chief Intellectual Property OfficerのStephen Manetta氏) 日立の知財責任者が語った「知財戦略における発想の転換」とは 松岡功 2022-12-16 10:45 https://japan.zdnet.com/article/35197464/ 日立製作所の研究開発・知財戦略説明会アーカイブ動画 9/12/2022 https://yorozuipsc.com/blog/4476996 日立製作所の研究開発・知財戦略説明会 7/12/2022 https://yorozuipsc.com/blog/7658782 「競争力を高める化学・材料系特許明細書の書き方」(発明推進協会から出版)の改訂版が出ました。紹介文では『2019年の初版以降、読者から寄せられたテーマ「米国での権利化」「任意成分の記載」「新規性喪失の例外」等を加筆した改訂版です。国内における権利化のみならず、外国出願も念頭に置いた化学系特有の傾向等について広く扱っています。化学系の明細書と向き合う所員の実践的経験に基づいた実務書です。』となっています。
第1版も参考になりましたので、改訂版もじっくり勉強させていただきます。 追加された部分は、下記だと思います。(間違いがあるかもしれませんが) 第2章 1節3 米国での権利化に向けて 6節3 任意成分の記載 7節2 発明を不明確にし得る表現 9節3 測定結果での物の特定~審査を有利に進めるには~ 11節 新規性喪失の例外 12節 進歩性を主張しやすい明細書の作成 13節 化学と、細菌 第5章 3節 海外制度の留意点(出願後、権利化) そのほかの部分については、項目建てでの大幅な変更はみられませんでしたが、文章は変わっているところはある印象です。 競争力を高める化学・材料系特許明細書の書き方 改訂版 著者等 弁理士法人志賀国際特許事務所 知財実務シリーズ出版委員会 ISBN 978‐4‐8271‐1373‐0 発行年 2022年12月 頁数 528 価格 4,400 円 https://www.hanketsu.jiii.or.jp/store/top_f.jsp 「先行きが不透明な現代、パナソニックグループの知財部門は何を目指し、実際にどのような活動を行っているのか。知財部門として掲げたパーパス、そして未来に向けた展望について知的財産部部長・德田佳昭氏に聞いた。」という知財図巻の記事、「無形資産を巡らし、価値に変えて、世界を幸せにする」という知財部門のパーパスがきらりとひかっています。
インタビュー | 德田 佳昭 パナソニック ホールディングス 株式会社 無形資産を巡らせた先にある豊かな未来。 これからのパナソニックグループが目指す知財部門の姿とは 2022.12.14 https://chizaizukan.com/pickup/interview/LHZoC0lBJyyb2nYLX8WAN/ 目次概要 「社会の公器」であるために。豊かさに埋もれた社会課題を解きほぐす もっと、多様な知財活用を。知財部門に定めたパーパスとは マッチングやインデックス化などにより、つながるための「プラットフォーム」へ 社会課題にパナソニックグループの無形資産を巡らせていく 世界を幸せにする。キーワードはリデザイン パナソニックHD、知財情報の検索システムを外部に公開 2022年12月14日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF142UT0U2A211C2000000/ パナソニックホールディングス 知的財産部門 https://www.panasonic.com/jp/company/pipm.html パナソニックIPマネジメント株式会社 https://www.panasonic.com/jp/company/pipm.html パナソニックの歴史と知的財産 第三版:令和 4 年 9 月 1 日 大阪工業大学 知的財産学部 教授 大塚 理彦 http://www.oit.ac.jp/ip/~ootsuka/chiken2022.pdf パナソニックのOKRによる知的財産活動のマネジメント https://yorozuipsc.com/blog/okr パナソニックの伴走型IPランドスケープ https://yorozuipsc.com/blog/ip6573081 優れたブランディング活動を実行している組織を評価し、その活動内容を紹介、社会に広く共有することで、ブランド戦略を展開する企業・団体の成長を支援することを目的としている「Japan Branding Awards」の2022年の最高賞は、味の素と丸亀製麺ということです。
味の素は、『事業を通じて社会価値と経済価値を共創するASV(Ajinomoto Group Shared Value) 経営をベースとした、「アミノ酸のはたらきで、食と健康の課題解決」の浸透とグローバルブランドAjinomotoの価値向上を目指した活動』が評価されました。 丸亀製麺は、『コロナ禍の危機感の中、ブランディングと顧客体験価値向上を生き残りのカギをとらえ、2020年4月の分社化時に、ビジョンを新たに策定。顧客体験N0.1をビジョンとし、ブランディングを推進し,アフターコロナへ向けた新たなビジネスモデルと成長戦略をブランド力強化により、持続性のある新たな成長軌道に乗せた活動』が評価されました。 優れたブランディング活動を評価するというユニークな本賞によって、ブランド戦略を展開する企業・団体の成長を後押しされることを期待しています。 Japan Branding Awards2022 味の素、丸亀製麺ほか受賞ブランドを発表 2022年12月13日 https://www.projectdesign.jp/articles/news/9c7da8b2-5fa0-4c8c-adca-fb38b2fe7e2f インターブランド「Japan Branding Awards」 2022年の最高賞は味の素と丸亀製麺 宣伝会議 編集部 2022.12.13 掲載 https://www.advertimes.com/20221213/article406528/ 12月5日に行われた「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会」(第16回)の資料の「2.大企業とスタートアップ等との連携の在り方」では、
「企業は、環境変化に対して、その企業価値を向上するための経営改革ストーリーが求められる。そのために、スタートアップ等に対して、経営資源の切り出し等を含む大胆な連携を実施し、スタートアップの成長につなげるとともに、大企業自身の変革を推進する必要がある。」とし、「大企業が、自らの知的財産・人材等の経営資源をスタートアップに切り出す場合等の情報開示・ガバナンスの在り方について検討を行」っています。 また、「事業会社のベンチャー(スタートアップ)企業への無理解が、Win-Winのベンチャー(スタートアップ)連携を阻んでいるという見方も存在。」としています。 そして、「スタートアップ等との連携においては、自社における事業構想に対して外部資源を調達するオープンイノベーションに限らず、自社の経営アセットをスタートアップ等に提供した上で、それらを外部でスピーディーに事業として育成して社会につないでいく「スタートアップ・ファースト」型の拡大が求められるのではないか。」としています。 そのうえで、「国内における先進企業では、CVCの設立等による「資金提供」に限らず、自社の企業文化変革や探索領域の事業化等において、戦略的な仕組み化を進め、人材・知財・資金および自社のビジネス・エコシステムのSUに対する提供を行い、SUの競争力強化と自社の新事業創造力を高めている。」とし、「経営トップ主導で大胆に経営資源を提供し、将来の事業領域を創出」しているリコーと、「探索領域における技術をカーブアウトすることで、非連続な将来事業を展開」しているデンソーの例を紹介しています。 「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会」(第16回)議事次第 令和4年12月 5日(月)15:00~17:00(Web開催) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/dai16/gijisidai.html 事務局説明資料 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/dai16/siryou3.pdf 1.知財・無形資産の有効なマネジメントにおいて求められるKPIの在り方 2.大企業とスタートアップ等との連携の在り方 3.中小企業における知財・無形資産投資の加速に向けて TRIBUS(トライバス)-リコーのアクセラレータープログラム https://accelerator.ricoh/ Beyond Next Venturesとデンソー、医療IoT新会社「OPExPARK」を設立 https://www.denso.com/jp/ja/news/newsroom/2019/20190905-01/ 12月5日に行われた「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会」(第16回)での金沢工業大学大学院 杉光教授のプレゼンテーション「知財・無形資産投資と指標(KPI)」の資料が公開されています。
杉光教授らは、「重要特許=同一IPC 分類における年平均被引用回数の上位5%」という指標を提案しています。この重要特許は、「他社牽制力」を表わしている可能性が高く、重要特許と粗利益率、ROIC、ROA等との相関のピークは8年後位としています。 他に、企業の「指標」の開示例、人材投資と知財の関係、指標(KPI)は「共通言語」となる、完全無欠の指標(KPI)はそもそもどこにも存在しない、指標(KPI)なしに「成長ストーリー」を論じても説得力がない、など説明したうえで、「知財戦略推進事務局が主導して、標準的な指標(KPI)の検討・提案を行うべきではないか」と提言しています。 プレゼンテーション(金沢工業大学大学院 杉光委員) 知財・無形資産投資と指標(KPI) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/dai16/siryou4.pdf コーポレートガバナンス・コード改訂に伴う知的財産に関する KPI 等の設定(中間報告) https://ifi.u-tokyo.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/WP010.pdf 知的財産と投資 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kousou/2021/dai3/siryou2.pdf sare東京大学は、11月25日、学内の知的財産の管理・活用状況をまとめた「東京大学 知的財産報告書2022」(全25頁)を公表しました。
東京大学は、2018年に国内大学では初めて財務情報と非財務情報を組み合わせた「統合報告書」を出していましたが、「知的財産報告書」は今年が初めてで、国内大学でも初めてということです。 東京大学では、2030年度までに東大関連スタートアップ企業を700社創出するという目標を掲げており、「2022年3月までに東大関連スタートアップ企業は478社設立されており、そのうち、東京大学の特許をはじめとした知的財産を活用したスタートアップ企業の累計数(これまでに東京大学の知的財産権を実施許諾等した実績があるスタートアップ企業の累計数)は132社です。また、この132社のうち、2022年3月までに、10社程度が上 場しています。そして上場した企業の上場時の時価総額はいずれも数百億円以上であり、なかには1千億円を超えた企業もあります。」とのことで、「知的財産活動のすそ野を広げつつ、その活動の質を高め知的財産活動のサイクルをより大きく回して、社会貢献を強力に推進」されることを期待しています。 <目次> 東京大学における知的財産権の役割とは? 【特集】ノーベル賞級の研究成果 特許を使って普及、社会実装 (結晶スポンジ法) 1.発明の届出状況 2.特許の出願状況 3-1.特許の活用状況 3-2.特許等の知的財産を活用するスタートアップ企業 4.ソフトウェア著作権等の承継と活用状況 5.知的財産活動から得られる収入の状況 6.知的財産活動による更なる社会貢献に向けて 東大、知的財産活動の開示へ着手 国内大学初 2022年12月10日 https://www.todaishimbun.org/patent_20221210/ 東京大学知的財産報告書 https://www.ducr.u-tokyo.ac.jp/ip/2022IR.html 東京大学 知的財産報告書 活用される東京大学の知的財産 ── 研究成果の社会実装に向けて2022 https://www.ducr.u-tokyo.ac.jp/content/400104425.pdf 東京大学 統合報告書 2022 https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400202060.pdf |
著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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