中国では、新たに懲罰的損害賠償制度などが導入された改正著作権法が、6月から施行されます。中国では日本のテレビドラマ作品などが動画サイトに大量に無断流出していますが、改正法の施行で改善が期待されているようです。
これまでも、中国では模倣品対策としても著作権の活用が有効でしたが、今後一層活用が進みそうで、中国税関による取り締まり強化も期待できそうです。 中国、著作権法を改正 意識高まり、罰則強化 https://news.yahoo.co.jp/articles/1fed9f1c49073625fab77e2cd7f6f06feb77f808 海賊版根絶への道 ―― 中国著作権法第3次改正のポイント https://hon.jp/news/1.0/0/30899 IPで世界に打って出る中国 ―― 中国著作権法第3次改正のポイント https://hon.jp/news/1.0/0/30906
0 Comments
コロプラが4月21日にホームページや東証の適時開示システムで発表した資料には、任天堂がコロプラに賠償請求額を倍増した理由について「時間経過等によって請求金額を追加したというもの」と記されており、日経ビジネス記者が任天堂に問い合わせてみると、「損害額の審理に入るために金額を再計算したものとの回答が得られた」との記事がありました。侵害論が終了し損害論に入った可能性が高いようです。
任天堂の本訴訟の目的は、訴訟で損害賠償金を取ることではなく、自社のゲーム機を核とした「任天堂経済圏」を守ろうとする意図=任天堂経済圏の防衛に向けた深謀遠慮との分析は、その通りかもしれません。 任天堂、守りたいのは「経済圏」 対コロプラで賠償請求額を倍増 2021.5.26 https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/depth/01069/ 最強の法務部? マジコン、マリカー…特許権侵害訴訟で勝ち続ける任天堂 (1/2ページ) SankeiBiz編集部 2021.5.21 https://www.sankeibiz.jp/business/news/210521/bsm2105210800001-n1.htm 任天堂、コロプラ訴訟で請求額を49億→96億円に引き上げ 「白猫プロジェクト」の特許権侵害巡り 2021年04月21日 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2104/21/news148.html コニカミノルタは、成長を見込め、勝算がある領域に経営資源を集中し、領域トップを目指す「ジャンルトップ戦略」を進めており、DXと知財の活用が重視されています。
DX戦略では、コア技術であるイメージング人工知能(AI)、センサーデバイス、IoT(モノのインターネット)プラットフォームを掛け合わせた「画像IoT」の進化に取り組んでいて、「画像IoTを知財で支えることで、ジャンルトップを狙う」作戦です。 画像IoT技術は、Sensor Deviceに、Imaging AI技術を組み合わせ、IoT Platformを介して顧客価値を提供するための三位一体の技術で、重点領域を人行動、先端医療、検査に定め、技術パートナーと協業し、顧客が求めるソリューションを素早く継続的に提供することを目指す価値提供モデルとのこと。(DX as a Service) 知財戦略でもジャンルトップ戦略を推進しているコニカミノルタの「画像IoT技術」分野の知財活動に注目したい。 知財戦略最前線(15)コニカミノルタ 画像IoT戦略 https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00597498 技術戦略 https://www.konicaminolta.com/jp-ja/investors/management/midterm_plan_presentations/pdf/irday_210311_technology.pdf 5月26日に行われた「イーパテント・トークセッション IPランドスケープ経営を牽引した元知財部長の新たな取り組み -「知財ガバナンス」の普及-菊地 修 氏(HRガバナンス・リーダーズ株式会社フェロー:元ナブテスコ 理事 知財部長 兼 R&Dセンター長)」をアーカイブ動画で視聴しました。(予定の1時間を大きく超えて1時間50分)
https://www.youtube.com/watch?v=eB-3RDwdphQ 金融庁と東京証券取引所が今年6月に改定予定のコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)改訂案のポイントは、「脱炭素」「多様性」「知的財産」の3つで、元ナブテスコの菊地さんの新天地での活躍が実りつつあるようです。 菊地さんは現在ガバナンスコンサルティングサービスを提供するHRガバナンス・リーダーズのフェローで、「コーポレートガバナンス・コード」と「知財ガバナンス」の目標などわかりやすく解説されるとともに、菊地さんの目指す知財経営の姿やこれまでの活動の苦労などが熱く語られています。 重み増す知財や人権 金融庁・東証、企業統治指針改定へ 2021年5月17日 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO71880050U1A510C2TCJ000/ 重み増す知財と人財 金融庁・東証、企業統治指針改定へ 編集委員 渋谷高弘 2021年4月27日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH094ZH0Z00C21A4000000/ グローバル知財戦略フォーラム2020 ナブテスコの知財経営戦略 -IPランドスケープ®を活用して成功させるグローバル展開 - https://www.inpit.go.jp/content/100869488.pdf 知財実務オンライン 第27回 「知財戦略による企業経営・事業運営の革新と、 知財部門の組織改革・人財育成への取り組み」 https://youtu.be/zmvg2SnNANc 世界知的所有権機関(WIPO)が発表した2020年の特許の国際出願件数で、中国が2年連続の首位でした。中国の「技術力」がいよいよアメリカを引き離す段階に入ったという見方もあるようです。
そうした中、中国専利法の第4回改正法が2021年6月1日から施行となります。今回の中国専利法の改正は、12年ぶりに現行法を全面的に改正するものであり、今後ますます重要度を増す中国の知的財産法の動向をしっかりフォローしたいと思います。 国際特許出願、中国が2年連続首位 20年 WIPO調べ 2021年3月2日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR01CXU0R00C21A3000000/ 中国の「技術力」がいよいよアメリカを引き離すなか、日本に起きる「大変な事態」 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83447 中華人民共和国専利法(改正) 2021 年 6 月 1 日 https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20210601_jp.pdf 「中華人民共和国専利法」 新旧対照表 https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/regulation/20210601taiou_jp.pdf 中国専利法の第4回改正法のポイント (1)部分意匠制度の導入(改正法第2条第4項) (2)職務発明についての所属機関側の処置権の明確化(改正法第6条第1項) (3)職務発明の奨励方法(改正法第15条第2項) (4)信義誠実原則及び権利濫用禁止原則の明文化(改正法第20条) (5)新規性喪失の例外に国家緊急事態を追加(改正法第24条第1項第1号) (6)不特許事由に原子核変換方法を追加(改正法第25条第1項第5号) (7)意匠の国内優先権(6ヶ月)の導入(改正法第29条第2項) (8)優先権書類の提出期限の緩和(改正法第30条) (9)意匠の存続期間を10年から15年(出願日から起算)に延長(改正法第42条第1項) (10)特許の不合理な審査遅延による存続期間の補償(改正法第42条第2項) (11)医薬品の承認期間による存続期間の補償(改正法第42条第3項) (12)特許の開放許諾制度の導入(改正法第50~52条) (13)技術評価書の自発的提示(改正法第66条第2項) (14)特許詐称行為の罰金の増額(改正法第68条) (15)特許法執行機関による侵害調査権限の明確化(改正法第69条) (16)行政ルートの完備化(改正法第70条) (17)懲罰的賠償制度の導入(改正法第71条第1項) (18)法定賠償額の増額(改正法第71条第2項) (19)帳簿提出命令(改正法第71条第4項) (20)特許権侵害の訴訟時効を2年から3年に延長(改正法第74条) (21)非侵害事項に医薬品販売の関連規定を追加(改正法第76条) https://www.itohpat.co.jp/ip/1608/ (第47回)知財実務オンライン:「“庶民派”のIPランドスケープ活動を中心とした「社内知財コンサルティング」と 経営に資するための「目指すべき企業知財人財」」(ゲスト:貝印株式会社 地曵 慶一氏)をアーカイブ動画で視聴しました。 https://www.youtube.com/watch?v=ypKnvVrq-dE 今回の地曳さんの動画の印象をまわりの方に聞くと、水先案内人であることを目標とし、徹底的に寄り添うスタイルの知的財産活動については、なかなかそこまではできませんね、という声が多い一方、庶民派のIPランドスケープ、水先案内人という具体的でやるべきことがわかりやすかったので、その方向を目指したいという声もありました。 個人的には、ひとつのあるべき姿を見せていると思いますので、今後も、貝印さんがその成果をいろいろな場でアピールしていただけると良いなあと思っています。 今後の成果にも期待しています。 脱プラスチック※1とSDGsがコンセプトの世界初※2の「紙カミソリ(TM)」夏木マリさん、冨永愛さんとのコラボレーションデザインを数量限定発売 2021.5.17 https://www.sankei.com/economy/news/210517/prl2105170280-n1.html SDGs達成に向け、国連「WIPO GREEN」に貝印がパートナー企業として登録 https://www.kai-group.com/news/id/1561/ 【2021年度】知的財産研究会のご案内 https://www.oit.ac.jp/ip/graduate/announce/2021chizai_kenkyu.html セルフレジの「特許つぶし」にファストリが失敗(知財高裁で敗訴)ということで話題ですが、これを特許を巡る零細企業の社長の奮闘を描いた池井戸潤氏の小説『下町ロケット』に喩え、「リアル下町ロケット」の戦いとした記事がダイヤモンドオンラインの記事。「小説では、グローバル展開する大企業に、零細企業が特許を売却するか、製品を納入できるのか、とさまざまなドラマがあったものだが、・・・次は第2ラウンドだ。」という記事を読みました。
そういう喩えが妥当かどうかは疑問もありますが、そう見えてしまうこともあるかもしれません。大企業側の説明責任が求められている局面かもしれません。 ユニクロ・GUセルフレジの「特許つぶし」にファストリが失敗、知財高裁で敗訴 https://diamond.jp/articles/-/272032 いろいろな反響の中で、興味深かったのが、「安高史朗の知財解説チャンネル」の「今週の知財ニュース_20210521」でした。「逆転した。このパターンは、いきなりステーキのケースに続いて二回目。専門家の感覚ではこんなもの特許にならないということだが、今後の特許の出し方を変えなきゃ。」(LINEふるふる事件へのコメントも面白かった。) https://www.youtube.com/watch?v=CLCPxjMBZEs いずれにせよ、今後の動きを注視したいと思います。 セルフレジ特許めぐる裁判「ファストリ」敗訴 ユニクロやGUの店舗で導入 https://www.youtube.com/watch?v=_NreFz0sveg FNNプライムオンライン ユニクロの店舗で使われているセルフレジの特許をめぐる裁判で、知的財産高裁は、大阪市の会社の特許が有効と認める判決を言い渡した。 ファーストリテイリングが運営するユニクロやGUの店舗では、買い物かごを置くだけで電子タグで商品情報を読み取り、会計できる仕組みのセルフレジが導入されている。 この技術について、大阪市の会社「アスタリスク」が、自社の特許権を侵害すると主張した一方、ファーストリテイリングは、特許が無効だと訴えていた。 20日の判決で知財高裁は、「既存の技術によって、容易に発明できたものとは言えない」として、大阪市の会社の特許を有効と判断した。 「アスタリスク」・鈴木規之社長「われわれの主張してきた内容が認めていただいた。正直なところほっとした」 2021年5月13日の参議院の経済産業委員会(特許法等改正法案審議)において「IPランドスケープ」が取り上げられています。
安達議員の質問で、Appleの共同設立者の一人スティーブ・ジョブズの言葉、三菱ケミカルの小林喜光会長の発言などを引用して、知財の重要性、IPランドスケープの啓蒙の重要性を述べ、質問しています。 特許庁の糟谷長官の答弁では、IPランドスケープを定着させるための取り組みなどが話されています。 また、4月21日のSankeiBizでは、「動き始めたIPランドスケープ推進協議会」という記事が掲載されており、「日本企業の知財部門における情報分析活動が企業活動の表舞台に出てきた。」とされています。 IPランドスケープ推進協議会の第2回協議会が5月27日に予定されているようで、今後の取り組みが期待されます。 2021年5月13日参議院経済産業委員会(特許改正法案質疑)- https://www.adachi-kiyoshi.com/ 動画 - きよしチャンネルのページで2021年5月13日参議院経済産業委員会の動画 安達議員の質問で、IPランドスケープについては、4分50秒頃から。 糟谷長官の答弁が10分22秒頃から。 動き始めたIPランドスケープ推進協議会 SankeiBiz 2021.4.21 http://www.sankeibiz.jp/macro/news/210421/mca2104210606003-n1.htm IPランドスケープ推進協議会HP http://ip-edu.org/iplsuishin カンブリア宮殿の見逃し配信で、『「食べチョク」急成長の秘密』を見ました。
https://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/2021/0513/ 1年以上続くコロナ禍で人々の生活が激変し生鮮食品をネット通販で購入する人が増えた中、急速に会員数を増やしている産地直送ネット通販サイト「食べチョク」を運営しているのは、ビビッドガーデンというスタートアップ企業で、率いるのは、毎日同じデザインのTシャツを着る30歳の社長。 「食べチョク」は、生産者と生活者をつなぐプラットフォームを構築し、自社で在庫や流通手段を持たないビジネスモデルで、特許も、特開2020-204854「商品の生産者と消費者とのマッチング方法」を出願。One ip特許業務法人が代理人になっています。 一人で起業し、苦労の末ここまで急成長したプロセスが丁寧に取材されていました。「食べチョク」はSDGsに貢献する取り組みも始動しており、今後も注目です。 社長の金言 前向きな姿勢でネガティブをポジティブに やらない理由は時間と共に増えていく 努力より夢中であり続けたい 村上龍の編集後記 秋元さんは2019年に2億円必要だった。70社に断られ、出資がまとまるまで9ヶ月かかった。農業の領域は厳しいと弁解した相手には「それは会う前にわかってましたよね」と対応した。コロナで苦しんでいる生産者を一人でも多く救う、社員もそのことを共有し、走った。「食べチョク」の認知度は驚くほど伸びた。ところで、秋元さんは美人だ。誰も指摘しないのでわたしが言った。コミュニケーションを磨くときれいになる人がいる、それがこの人だ。 カンブリア宮殿の放送を終えて。食べチョクのこれまでとこれからをまとめます。(5/15追記) https://note.com/akirina/n/n115090cd9c6a カンブリア宮殿 「食べチョク」急成長の秘密 https://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/2021/0513/ 【動画インタビュー】コロナ禍に急成長!産直EC「食べチョク」とは?ビビッドガーデン 秋元里奈社長 #1 2021/05/13 https://news.mynavi.jp/article/20210513-1887901/ 食べチョクのユーザー数が50万人を突破!国内の産直通販サイトの中で利用率No.1などを獲得。6つのNo.1とともに生産者の月間最高売上も更新。(株)ビビッドガーデン/食べチョク2021年5月12日 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000113.000025043.html 食べチョクがSDGsに貢献する取り組みを始動 「SDGs特集」や生産者による「ノウハウ共有会」を実施2021/04/30 https://ecnomikata.com/ecnews/30257/ 急成長の2020年はあくまで通過点。生産者と生活者、双方と向き合う「食べチョク」のマーケティング 2021/03/31 https://markezine.jp/article/detail/35911 私が届ける野菜!「食べチョク」女社長の凄腕 農家の娘がコロナで直面した、日本の農業危機 https://toyokeizai.net/articles/-/376560 クボタは、スマート農業等のDX関連で向こう5年間に1000億円を投じると宣言しDXへの歩みを加速させています。
テレビ東京 5月20日(木)放送の「モノづくりニッポン」でも「無人ロボで日本の農業を救う/クボタ」として紹介されていました。少子高齢・後継者不足が深刻な日本の農業。そんな現場を救うのが、日本最大の農機具メーカークボタの無人トラクタだ。エリアを決めれば最適ルートでトラクタが稼働。GPSに独自の技術を合わせることで、凸凹の農地でも誤差わずか数センチの精度で稼働。モノづくりの技術が日本の食を支える! 令和2年度特許出願技術動向調査では「スマート農業」が取り上げられており、全体の出願人別ファミリー件数上位ランキングを、前半(2010-2014年)と後半(2015-2019年)の期間に分けてみています。前後半通じてクボタが1位です。 ただ、人工知能では、Climate(米国)が1位、中国農業大学が2位、クボタとDeere(米国)が3位、Climate(米国)と中国農業大学は、クボタがあまり出願していない出荷・販売予測、生育状況なども出願しており、サイバー空間に軸足を置く企業は、アプリケーションを使った計画策定や工程管理などの営農管理に注力していると考えられ、そのあたり、クボタも対応していることとは思いますが、競争が厳しそうです。 いずれにせよ、スマート農業分野でのイノベーションが日本の農業に未来と希望を与えてほしいものです。 モノづくりニッポン 無人ロボで日本の農業を救う/クボタ テレビ東京 5月20日(木)放送分 https://tver.jp/corner/f0074481 クボタ、スマート農業へ1000億円 DXで世界深耕 2021年5月17日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC115VC0R10C21A5000000/ クボタが挑む水問題 AI・IoTで地方の悩み解決 2021年5月18日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC116GA0R10C21A5000000/ 令和2年度特許出願技術動向調査 結果概要 スマート農業 https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/document/index/2020_01.pdf 「知財功労賞 特許庁長官表彰」を初受賞 2021年4月16日 https://www.kubota.co.jp/news/2021/management_20210416.html ブランドデザイン戦略(デザイン=ブランド)として機械製品(農業機械、建設機械等)には必ずコーポレートシンボルおよび機体エンブレム(オーバルK)を付けることで、クボタブランドを表現し、統一デザインでブランド価値を向上している。 機械製品については、製品毎に異なるデザインを見直し、クボタらしさを追求し、一貫性と機能性を持たせ進化するデザインとして「ファミリールック戦略*」を推進するとともに、クボタらしさを表した製品群のデザインについて積極的に意匠権を取得している。また、農業機械全体をグローバルな視点で捉え、一目で「クボタ製品」と判るようクボタオレンジを使用した「ブランドカラー戦略」を推進している。 メーカーの独自性を表現する製品群で一貫性のある外観デザイン 中期経営計画に対応した事業毎の知財戦略を策定するとともに、全社におけるリスク管理活動のうち、品質保証や安全衛生などと同様の重大なリスクの一つとして知的財産リスクを位置付けており、毎年、関連会社を含めた技術開発部門を対象に「知的財産リスク管理監査」を実施している。 日本の農業に未来と希望を クボタが進める!スマート農業 広報誌「とっきょ」Vol.48 2021年3月25日発行 https://www.jpo.go.jp/news/koho/kohoshi/vol48/02_page1.html 「クボタは、創業者である久保田権四郎自身が、国産初の水道用鋳鉄管製造に成功した際に取得した特許を含め70件以上の特許を取得しています。そのため、創業の時期から知的財産権を重視していたといえます。クボタグループでは知財活動の基本方針として以下の3つの事柄を意識しています。ひとつは量と質の両面で競合他社を凌駕する知財を取得し、『攻め』の展開で経営に貢献すること。もう一つは、知財活動を国内のみならずグローバル化すること。そして最後に、他社の知財侵害を未然に防止する『守り』を徹底することです。 そのため、グループの開発部門長を召集し、基本方針の伝達や監査結果の報告、知財に対するノウハウを共有するなど、グループ内の水平展開を心がけています。 そのうえで研究開発の初期段階で特許の調査・分析を行い、事業に貢献できる知財の獲得を目指しています。」 リコーでは、IPランドスケープを活用し、将来有望な事業の領域を提案するとともに、その事業領域での特許出願と権利化を強化し特許資産価値を向上させる取り組みを行っていて、新たな事業ごとに経験豊富な知財プロジェクトマネージャーを派遣しており、また知財本部内には当該事業の市場や参加者を全体俯瞰した知財解析情報を提供する知財情報解析チームを置いていて、両者は互いにコミュニケーションを取りながら IP ランドスケープを進めており、活動を通して開発部門や事業部門を初め経営企画部門にも IP ランドスケープが浸透しているようです。
その成果のひとつが、新世代の 360度カメラ「RICOH THETA」で、IP ランドスケープを活用し、組織の壁を突破し、新事業を創出した例のようで、注目です。 知的財産本部の知財情報解析チームでは、膨大な知的財産情報を、短時間で効率的に収集、整理、分析、加工し、知的財産以外の情報とも組み合わせてインテリジェンス化を行っており、これをもとに、知的財産戦略の立案や、事業部や経営層への提案を行うことで、知的財産価値の最大化を目指している。 【知的財産経営】硬直化する組織の壁を突破し、新事業を創出せよ https://newspicks.com/news/5629994/body/ 株式会社リコーと意見交換を行いました https://www.jpo.go.jp/news/ugoki/202103/032401.html 山内明「IP ランドスケープ実践事例集」190-201 頁(技術情報協会、2019 年) 知的財産への取り組み https://jp.ricoh.com/technology/rd/ip 転職、兼業や副業、企業同士の連携が進み、営業秘密が流出するリスクは増大していますが、ソフトバンクの元社員が、楽天モバイルに転職した際に前職の営業秘密を持ち出したとして1月に不正競争防止法違反容疑で逮捕された、ソフトバンクが楽天モバイルに1000億円と元社員に10億円の損害賠償請求で民事訴訟を提起した、エディオン元社員と転職先に賠償命令が出た、この手のトラブルが増えています。
営業秘密が流出するリスクへの対応とともに、転職などにより営業秘密を持ち込ませないための対策等も急務になっています。 営業秘密流出、情報入手側に訴訟リスクも 「持ち込ませぬ」対策急務 2021年02月24日 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2102/24/news058.html 「楽天モバイル社員逮捕」で注目の“営業秘密“に”競業避止“。どこまで許容されるのか? 溝上憲文 [人事ジャーナリスト]Jan. 26, 2021, 06:00 AM CAREERS https://www.businessinsider.jp/post-228498 楽天モバイルに1000億円と元社員に10億円の損害賠償請求権 https://securitynews.so-net.ne.jp/news/sec_30504.html エディオン元社員と転職先に賠償命令、営業秘密と機密保持について 2020/10/05 https://www.corporate-legal.jp/news/3714 「三井化学が進める異業種との協業」というタイトルで、三井化学の他業種との協業・協働が紹介されていました。
三井化学が進める異業種との協業 2021/5/18 https://www.chem-station.com/chemistenews/2021/05/mitsui.html 窓やショーケース等に貼ることで、これまでより景色や展示物が鮮やかに感じられるようになる新規ウインドウフィルム、好みのマスクと自由に組合せてウイルス捕集率を大幅に改善新規インナーマスク、プラスチック素材のトレーサビリティーシステム実用化を目指すブロックチェーン技術による資源循環プラットフォーム構築、有機半導体レーザーデバイス向け有機色素、「軽さ」「柔らかさ」を実現する協働ロボットの設計手法、、、、・ 本ブログ2021年3月1日でも紹介しましたが、三井化学のスタートアップとのコラボ、技術ブランディングを積極的に展開している三井化学のさらなる成果が期待されます。 https://yorozuipsc.com/blog/7994213 三井化学と丹青社の協業第1弾、感性に着目した新規ウインドウフィルムを共同開発 ~三井化学のくっきり™色素を使ったポジカ™フィルムで、より豊かな空間体験を提案~2021.05.10 https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2021/2021_0510_01.htm 三井化学と丹青社は、三井化学の最先端のテクノロジーと丹青社の空間づくりのノウハウを組み合わせ、感性に着目した共同開発の推進によって、より豊かな空間体験を提供することを目的とした協業を開始しました。今回はその第1弾として、三井化学がメガネレンズ材料分野において、より良い視界を追求する中で生まれた「くっきり™色素」技術を用い、世界を美しく変える「ポジカ™フィルム」を開発しました。ポジカ™フィルムを窓やショーケース等に貼ることで、これまでより景色や展示物が、鮮やかに感じられるようになります。 三井化学、名古屋大学、同大発ベンチャーと新規インナーマスクを販売開始 ~お好みのマスクと自由に組合せてウイルス捕集率を大幅に改善~ 2021.04.26 https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2021/2021_0426_01.htm 三井化学は、名古屋大学大学院工学研究科の堀克敏教授と名古屋大学発ベンチャーの株式会社フレンドマイクローブの3者で新規インナーマスク 「タートル」を開発し、フレンド社が生産・販売を開始しました。また、既に東海地区に多数の店舗を展開する美容室グループの旗艦店において美容師、スタッフへの着用も決定しています。 三井化学と日本IBM、ブロックチェーン技術による資源循環プラットフォーム構築で協働開始 ―循環経済の実現に向けて、プラスチック素材のトレーサビリティーシステム実用化を目指すー 2021.04.26 https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2021/2021_0426.htm 三井化学と日本アイ・ビー・エムは、循環経済の実現に向けて課題となっている素材のトレーサビリティを担保するため、ブロックチェーン技術を活用した資源循環プラットフォーム構築に向けて協働を開始します。 三井化学、KOALA Techと有機半導体レーザーデバイス向け有機色素の共同研究開発を開始 2021.03.09 https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2021/2021_0309_03.htm 三井化学はKOALA Techと有機半導体レーザーデバイスの実用化に向けた有機色素の開発について、共同研究開発を開始しました。三井化学が培った有機色素への知見とKOALA社が有する有機半導体レーザーダイオード(OSLD)技術開発の知見を合わせて、近赤外波長域での高効率なレーザー発振を可能とする革新的な有機色素の研究開発を共同で行い、スマートフォンやウェアラブル機器への実装・導入を目指します。 三井化学、豆蔵、日本電産シンポの3社共同研究により「軽さ」「柔らかさ」を実現する協働ロボットの設計手法を確立 2021.01.12 https://jp.mitsuichemicals.com/jp/release/2021/2021_0112.htm 三井化学株式会社は、株式会社豆蔵、日本電産シンポ株式会社と協業し、新たなヒト協働ロボットの設計手法の共同研究を2020年4月から実施してまいりました。2021年1月20日~1月22日に東京ビッグサイトで開催される「第5回 ロボデックス-ロボット[開発]・[活用]展」※に出展し、本共同研究の成果をご紹介いたします。会場では、機能的な特長をご覧頂ける試作機を展示しますので、ご来場をお待ちしております。 ビジネスモデル転換を迫られる素材メーカーで生まれた情報事業 スタートアップとのコラボを進める三井化学が考えるエコシステムとは 20200901 https://ipbase.go.jp/learn/ecosystem/page09.php MITSUI CHEMICALS. REPORT. 2020 2021/03/02 https://assets.minkabu.jp/news/article_media_content/urn:newsml:tdnet.info:20210302472247/140120210302472247.pdf 5月7日のテレビ東京「ガイアの夜明け」では、家庭用冷凍食品ナンバーワンの「ギョーザ」を持つ味の素冷凍食品の商品戦略の裏側を取材した『冷凍食品の熱い闘い!』、味の素冷凍食品の開発戦略を追うがメインのひとつでした。「ギョーザ」に続く柱に「シュウマイ」を、取材班が密着して追いかけていました。
「ギョーザ」では特許が大きな役割を果たしているということなので、「シュウマイ」も、特許を追いかけると面白いかもしれません。 味の素ギョーザから学ぶヒット商品にする特許活動と新商品開発との関係とは? https://namingpress.com/?p=17238 味の素ギョーザをヒットさせた「主婦の発想」 https://toyokeizai.net/articles/-/79385?page=3 冷凍餃子を美味しく楽しく進化させた「大阪王将 羽根つき餃子」が特許を取得 ~パリッパリの羽根のモト「餃子羽根形成剤」が食シーンを豊かに~ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000213.000010329.html 冷凍餃子旨っ!味の素と王将2大メーカーを比較。水なし油なしで作ってみるとこうなる。 https://homemade365.com/2019/03/03/post-22571/ 味の素は、株式会社パテント・リザルトによる食品業界の特許資産規模ランキング2020で4位、他社牽制力ランキング2019で1位にランクされており、CJCJ社およびその関連企業に対するグルタミン酸ナトリウム製品の製造方法に関する特許権侵害訴訟では、昨年9月には東京地方裁判所で勝訴判決を得ています。グルタミン酸ナトリウムは、うま味調味料「味の素®」の主成分なので、譲ることができない戦いでしょう。 また、Z世代向け事業創出の専任組織を新設し、スタートアップや大学と価値共創を推進するという取り組みも注目です。 【食品】特許資産規模ランキング2020 https://www.patentresult.co.jp/news/2021/02/food.html 【食品】他社牽制力ランキング2019 https://www.patentresult.co.jp/news/2020/06/fcitfood.html 味の素㈱によるグルタミン酸ナトリウム製品の製造方法に関する特許権侵害訴訟 東京地方裁判所で勝訴判決 2020年11月17日 https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2020_11_17.html 味の素㈱、Z世代向け事業創出の専任組織を新設 ~スタートアップや大学と価値共創を推進~ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000059753.html アジパンダのボディガード【知財部の友利さん】にインタビューproduced by味の素2020/07/30 https://www.youtube.com/watch?v=kmhC9y0axzs 味の素(株)の知的財産活動については、本ブログ昨年9月24日に取り上げています。 「企業における知的財産活動︓経営に資する知財活動とは〜味の素㈱の事例とともに」 IPジャーナル第14号(発行日:2020年9月15日) 知的財産に関する基本方針、ASV (Ajinomoto Group Shared Value)、ブランド価値向上の取り組み(味の素グループグローバルブランドロゴ、ASV活動を通じたブランド価値向上、スポーツを通じたブランド価値向上、模倣品対策)、知的財産部門の組織と人財育成、新事業モデルタスクフォースやCVC (Corporate Venture Capital)や社内起業家育成等の新たな試み 知的財産に関する基本方針 味の素グループは、2018年7月に「知的財産に関するグループポリシー」を制定し、競争優位の 確立・利益創出・グローバルな成長に向け、以下の取り組みを推進しています。 1. 事業のコアとなる技術の戦略的かつ効率的な知的財産の獲得 2. オープンイノベーション等、積極的な外部技術の取り込みと連携 3. 自社技術のライセンスや訴訟等、保有技術の活用と権利行使 4. 商標制度等を活用した製品の保護とブランド価値の向上 5. 他者知的財産権の尊重と調査、クリアランスの徹底による侵害リスクの極小化 6. 調査解析情報のグループ事業部門・R&D部門への提供 7. 知的財産人財の育成、社内外ネットワークの活用 2018年度 味の素グループ 知的財産に関する情報 https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/ir/business/intellectual_property.html 味の素株式会社, 経営戦略を成功に導く知財戦略【実践事例集】P162-169(2020) https://www.jpo.go.jp/support/example/chizai_senryaku_2020.html 柳生一史, 味の素グループにおけるグローバルビジネスと知財戦略の概要, グローバル知財戦略フォーラム 2015 https://www.inpit.go.jp/content/100639463.pdf 第46回知財実務オンライン:「特許事務所勤務の弁理士から弁護士になって 〜法律相談・契約・交渉・訴訟〜」(ゲスト:静岡のぞみ法律特許事務所 弁護士・弁理士 坂野 史子氏)をアーカイブ動画で視聴しました。
知財関連の法律相談・契約・交渉・訴訟について、非常にわかりやすい説明で、興味深い質疑応答が続きました。約1時間38分。 https://www.youtube.com/watch?v=URt_CPDnZn8&t=2288s なお、今週木曜日(5月20日)には、第47回知財実務オンライン:「“庶民派”のIPランドスケープ活動を中心とした「社内知財コンサルティング」と 経営に資するための「目指すべき企業知財人財」」(ゲスト:貝印株式会社 地曵 慶一)が予定されています。 https://www.youtube.com/watch?v=ypKnvVrq-dE 世界貿易機関(WTO)で議論される新型コロナウイルスワクチンの特許権の一時放棄問題で、米国が賛成に転じ、中国も協議段階に入ることを支持、英国と欧州連合(EU)は米国が提案する新型コロナワクチンの特許放棄の有用性に懐疑的な見方を示しているものの協議に応じる用意はあると述べていて、製薬各社やドイツなどが特許権放棄は世界的なワクチン不足の解決にはならないとして反対する中で、
明治大学法科大学院 高倉成男客員教授の論文「知的財産と公衆衛生」(高倉成男・木下昌彦編『知的財産法制と憲法的価値』(有斐閣より2021年12月末刊行予定)に収録予定)が先行公開されました。 「特許製品の量が十分にある限り、COVID-19への対応は、公的資金による特許製品の「買上方式」(例えば、COVAX)によるのが望ましい。」という主張です。 現状、コロナワクチンの量が十分にあると言えるかどうか、特許権放棄により世界的なワクチン不足の解決ができるかどうか、が議論の分かれ目かもしれません。 高倉成男「知的財産と公衆衛生」(高倉成男・木下昌彦編『知的財産法制と憲法的価値』(有斐閣より2021年12月末刊行予定)に収録予定)の先行公開について http://www.isc.meiji.ac.jp/~ip/IPandConst.html 本論文(高倉成男「知的財産と公衆衛生」)における主張の要点は、以下の四点です。 ① 特許によるインセンティブがなければ、新薬は生まれず、医薬品アクセスの実現なし。 ② 医薬品アクセスの実現に必要な政府のコストは、新薬開発企業に負わせるのではなく、安心・安全なグローバル経済システムの実現から利益を受ける全てのステークホルダーが等しく負担を分かち合うのが合理的である。 ③ 上の2つの理由から、特許製品の量が十分にある限り、COVID-19への対応は、公的資金による特許製品の「買上方式」(例えば、COVAX)によるのが望ましい。 ④ 強制実施権の設定や特許保護義務の免除は、問題の解決にならず(特許の制約がなくなるだけで高品質の医薬が生産されることはなく、仮にコピー医薬が生産されても治験等に時間を要し、間に合わない)、むしろ次の新薬の開発にチャレンジする企業に「負のインセンティブ」を与える点で公衆衛生にとってマイナスでしかない。 4月29日のTVカンブリア宮殿で、「新時代の幕開け!アサヒビールの戦略に迫る」をやっていましたが、5月13日に、新時代の幕開け! アサヒビールの戦略に迫る:読んで分かる「カンブリア宮殿」がアップされました。
缶ビールに泡を立てろ~アサヒビールの逆襲、 売れ過ぎて販売休止...~話題の生ジョッキ缶、 ピンチの飲食店を救う!~「新しい営業」とは?、 女子ビール部が考案~新しいビールの飲み方とは? 生ジョッキ缶にかける意気込みなど、すごいなと感じました。 https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/2021/023722.html 生ジョッキ缶に関しては、下記を読むと会社がいかに力を入れたかがさらによくわかります。 生ジョッキ缶 開発ストーリー 研究開発編 常識を打ち破れ、先入観を壊せ。かつてないミッションに挑んだ開発者たち。 https://www.asahibeer.co.jp/superdry/namajokkikan/story/kaihatsu/ 蓋を全開できる「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」 : 特許出願中の技術できめ細かな泡立ちを実現 : アサヒビール(株) https://ci.nii.ac.jp/naid/40022515582/ アサヒビール社の今後の経営方針 P6.P7 https://www.asahigroup-holdings.com/ir/event/pdf/kessan/2021_irday_alcoholbeverages.pdf 生ジョッキ缶の外部からみた知財戦略(推定)もにぎやかです。 飲料業界では、花王という黒船が参入して以来、特許に注力しており、業界での特許をめぐる戦いもし烈になっています。発泡性飲料用缶で細かい泡を発生させる技術には過去から特許第4758693号など様々な技術が開発されているようですが、今回の生ジョッキ缶の知財戦略、特許戦略、アサヒビールの知財部の腕のみせどころになっているようです。 アサヒビールの生ジョッキ缶から考える知財戦略 https://note.com/trade_secret/n/n4d83ca4178f6 他社からも生ジョッキ缶が出る可能性はあるか︖生ジョッキ缶の特許戦略について考える。 https://basa-log.com/patent-beer/ https://ci.nii.ac.jp/naid/40022515582/ サントリーとアサヒ、訴訟前の熾烈な"抗争"2015-03- https://ameblo.jp/123search/entry-12004190720.html サントリーとアサヒのノンアルコールビール訴訟に見る特許要件2016/07/20 https://www.corporate-legal.jp/news/2342 アサヒグループホールディング 知的財産権の保護 https://www.asahigroup-holdings.com/company/governance/propertyright.html 特許庁が「オープンイノベーションポータルサイト」で、研究開発型スタートアップと事業会社のオープンイノベーション促進のため「モデル契約書(新素材編)」「モデル契約書(AI編)」を公開していますが、今回、さらに進んで「対価交渉のケーススタディーβ版」が公開されました。想定読者を、事業会社(新規事業開発担当、知財・法務担当など)、研究開発型スタートアップ(複数分野に応用可能な革新的技術で事業を興すスタートアップ)、スタートアップ支援者(ベンチャーキャピタリストなど)としています。
https://www.jpo.go.jp/support/general/open-innovation-portal/document/index/negotiation-casestudy.pdf 樹脂の放熱性能を金属並みに向上させる革新的新素材αを開発した大学発スタートアップと新素材αを用いてテールランプカバーを製造・販売したいと考えている自動車部品メーカーが共同開発の結果、①ヘッドライトに加え②テールランプのカバーにも新素材αや研究成果を活用できることがわかり、②については非独占ライセンスとすることが合意され、具体的なライセンス料の設定についての交渉が開始した、という場面設定です。(①ヘッドライトについては、独占ライセンスの交渉が完了している) 登場人物は、スタートアップX社CEO、X社に投資しているVC(ベンチャーキャピタル)、部品メーカーY社の法務部長、部品メーカーY社の事業部長で、第1回交渉、第2回交渉、第2回交渉後のスタートアップX社CEOとX社に投資しているVC(ベンチャーキャピタル)との相談、最終回交渉、後日談などの場面が、それぞれのセリフの形で展開されています。 構成がシンプルで、わかりやすくなっています。 特許庁 オープンイノベーションポータルサイト https://www.jpo.go.jp/support/general/open-innovation-portal/index.html 「おもしろおかしく」が社是で、ベンチャ ー精神が脈々と続いている分析・計測機器の総合メーカー、堀場製作所。
2005年には、ドイツのカール・シェンク社(Carl Schenck AG)の自動車関連計測事業部門(Development Test Systems、DTS)を買収、2015年に英国に拠点を置く車両開発エンジニアリングのMIRA社を買収、2018年には電動化車両用のバッテリーと燃料電池の評価試験設備の開発・製造・販売するFuelCon社(ドイツ)を吸収して、電動化自動車計測事業の強化。 そして、新型コロナ抗体検査チップ 堀場製作所、産総研・阪大VBと開発、臨床検査試薬メーカーの米メッドテストホールディングス(ミシガン州)を買収など、医用事業の生化学ビジネスの売上高を2023年めどに19年比5割増の60億円に引き上げる計画とのこと。 H O R I B Aグループで生まれた数々の独創的な技術や知的財産が事業の推進力となってきており、技術開発とその成果たる知的財産がHORIBAブランドの本質的な要素であるということで、事業を牽引する技術・知的財産をグループ全体で賞賛し,次なる成長の起爆剤となる技術・知的財産の創出をさらに奨励していくことを趣旨として創設されたHORIBA Group IP World Cupでの受賞が社員のモチベーションを高めていることは間違いないでしょう。 全国発明表彰も受賞するなど、知的財産権の保護、活用もぬかりなくすすめているようです。 ニューノーマルにおける「ものづくりの経営者たち」堀場製作所~足立正之社長2021/03/11 https://minsaku.com/articles/post708/ 堀場が米試薬メーカーを買収する狙い 2021年02月08日 https://newswitch.jp/p/25834 産総研と堀場製作所、「堀場製作所-産総研 粒子計測連携研究ラボ」を設立 https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP604245_R00C21A2000000/ 堀場製作所は、路上走行時の排ガスを測定するRDE(Real Driving Emissions)規制に対応する新アプリケーション「RDE+(プラス)」を9月28日より国内向けに本格展開すると発表した。 https://motor-fan.jp/tech/10016560 新型コロナ抗体検査チップ 堀場製作所、産総研・阪大VBと開発 2020年6月24日 https://www.chemicaldaily.co.jp/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E6%8A%97%E4%BD%93%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%83%81%E3%83%83%E3%83%97%E3%80%80%E5%A0%80%E5%A0%B4%E8%A3%BD%E4%BD%9C%E6%89%80%E3%80%81%E7%94%A3%E7%B7%8F%E7%A0%94/ 第9回HORIBA Group IP World Cup Gold Award受賞案件の紹介 https://www.horiba.com/uploads/media/R54J_21_102_03.pdf ホリバの研究開発と知的財産 https://www.horiba.com/uploads/media/R025-15-052-600_01.pdf 「ゼネコン業界 特許資産規模ランキング2020で、鹿島建設、清水建設に続いて3位となっているのが大成建設です。
大成建設では、技術センターに「オープンミーティングスペース」を開設するなど新たなイノベーションを創出させる取り組みを行っており、コンクリート内部にCO2を固定するカーボンリサイクル・コンクリート「T-e Concrete/Carbon-Recycle」などの開発成果があらわれています。 知的財産に関しては、「知的財産に関する方針」の下、しっかりした知財管理がなされ、着実な成果保護、活用が図られているようです。 大成建設、カーボンリサイクル・コンクリート「T-eConcrete/Carbon-Recycle」を開発 https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP605204_W1A210C2000000/ 技術センターに「オープンミーティングスペース」を開設 新設テラスを中心に各施設を連携させ、新たなイノベーションを創出 2020年2月18日 大成建設株式会社 https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2020/200218_4879.html 「ゼネコン業界 特許資産規模ランキング2020」 https://www.patentresult.co.jp/news/2021/01/genecon.html 知的財産に関する方針 大成建設株式会社 社長 https://www.taisei.co.jp/MungoBlobs/904/721/titeki.pdf 「機械×夜間」で生産性は跳ね上がる? 建築はロボ、土木は重機で攻める大成建設 大成建設技術センター長の長島一郎執行役員に聞く 木村 駿 日経 xTECH/日経アーキテクチュア2019.11.25 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00956/111900006/ 大成建設とソフトバンク、「おでかけ5G」で建機の自動運転実験 加藤 樹子 テカナリエ 2019.06.06 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/05190/ 東芝の特許業務ソリューションを実際に導入したお客様の声をお届けするシリーズ連載。 お客様インタビュー 03:大成建設株式会社様 「年単位で運用を続けたことでわかった “拡張性の高さ”の真価」2017年5月17日 https://www.toshiba-sol.co.jp/sol/patent/interview/03.htm |
著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
カテゴリー |