「コト」分野では、どのような発明が「コト」を成立させているのかが捉えづらく、発明発掘が難しい分野です。「マーケティング視点の課題」から「技術的視点の課題」への変換、発明を「課題-解決手段-作用効果」によって整理することがポイントといえます。
いわゆるコト分野の発明発掘について 志賀国際特許事務所 小林淳一 弁理士 知財管理 Vol. 67 No. 7 P.996 (2017) http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/syoroku/67/7_996.html 抄 録 新製品の企画・開発過程で創出された発明が「発明」として捉えられずに埋没してしまい特許出願できなかったというケースがよくある。このように発明が埋没してしまうことを避けるため,企業の知財部門の方々から「発明発掘」の依頼を受けることが増えている。特に,近年増えている「顧客の課題に対するソリューションの提供」「顧客のニーズに対する価値あるサービスの提供」などのいわゆる「コト」分野については,どのような発明が「コト」を成立させているのかが捉えづらく,発明発掘が難しい場合が少なくない。そこで本稿では,これまでの発明発掘の経験に基づき,企業の知財部員が発明発掘活動を行う場合のポイントについて「コト」分野の発明発掘に焦点を当てて解説する。 小林弁理士が、全般的な発明発掘に関して記した2つの文献をピックアップしておきました。 特許業務法人志賀国際特許事務所 知財実務シリーズ出版委員会,『改訂版 競争力を高める特許リエゾン』 発明推進協会/ 2022 年 https://www.shigapatent.com/jp/publications/book/ 第1章 特許リエゾン 第3 発明相談 発明発掘フレームワーク : "埋もれた発明"を掘り当てて価値ある特許出願につなげよう 小林 淳一 紙パ技協誌76(6)=855:2022.6 p.558-564 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jtappij/76/6/76_76.558/_article/-char/ja/ 発明の捉え方に関する「発明発掘フレームワーク」を解説する。 発明発掘フレームワークは,定型化,可視化,共有化であり,解決すべき課題の整理が必要であり,発明の捉え方として,製品開発のための新たな視点と新たな着想が重要である。 もやもやしている「アイデア」を課題―解決手段―作用効果の3要素に分解して整理することは,最重要ポイントである。 特許を「面」で取るためには,発明の発掘である「課題―技術要素マトリクス」を作成する。発明は「課題を解決する手段」であり,「課題」と「技術要素」との交点に発明が埋もれている。課題の階層構造を見抜くことができれば,発明を「面」で捉えることができる。
0 Comments
Leave a Reply. |
著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
カテゴリー |