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アメリカ及び欧州連合における立体商標の保護

12/4/2023

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パテント Vol. 76 No. 2 P.20 (2023)の「アメリカ及び欧州連合における立体商標の保護」(ワシントン大学・慶應義塾大学 竹中俊子 教授)は、下記のように警鐘をならしています。
『アメリカや欧州連合の商標制度では、立体商標に日本より柔軟に固有の識別力を認め、使用による識別力立証に要求される地域・期間も日本ほど厳格ではない。そのため、日本での出願・登録を基礎に国際的な商標保護を考える日本企業は、日本で商標出願できないことで海外での保護を考えず、国際的保護の機会を失うおそれがある。また、日本にない保護制度を知らないことで、事前に調査をせず商品やサービスをインターネットで提供することで、アメリカでは、未登録立体商標、欧州連合では未登録意匠を侵害する可能性がある。』
グローバルな調和が求められますが、実務的には、それぞれの国の実情に即した対応が必要です。
 
アメリカ及び欧州連合における立体商標の保護
ワシントン大学・慶應義塾大学 竹中俊子 教授
パテント Vol. 76 No. 2 P.20 (2023)
https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/4140
要 約
 日本では、出願前に長期間にわたり全国的規模で使用しない限り、原則として商品の形状やパッケージを立体商標として登録できない。アメリカの商標制度はパッケージに、欧州連合の商標制度は商品の形状とパッケージに、一定の条件で使用による識別力獲得の立証無しに登録を認めている。本稿では、より柔軟な立体商標の保護を認めるアメリカや欧州連合の制度を紹介し、日本の制度と比較するとともに、アメリカ及び欧州連合商標制度の防御的・積極的活用戦略を提案する。
目次
  1. はじめに
 日本では、平成年改正で立体商標を導入し、製品の形状やパッケージを商標として登録することが可能になった。但し、商品等の立体的形状は、原則として自他商品識別力を持たないとする実務が確立され、長期間独占使用をした後でなければ、登録が認められない。このような日本の限定的な保護に対し、アメリカや欧州では、商品の包装については、使用による識別力を立証しなくても、固有の自他商品識別力が認められる。商品の形状自体についても、欧州では、固有の自他商品識別力が認められる可能性がある。いずれの制度の下でも、識別力を持つ立体商標は、機能性の要件をみたす限り商標として登録可能である。そのため、ライフサイクルの長いプロダクトデザインについては、意匠・著作権の保護と組み合わせて商標としての保護が有効に活用されている。日本での保護が限定的であるために、日本企業はプロダクトデザインを立体商標として国際的に保護することに消極的となる可能性がある。本稿では広範なアメリカ・欧州連合における立体商標の保護について解説し、日本の制度と比較し、日本企業の立体商標の国際的保護戦略を提言する。
 
2.アメリカ連邦商標法による保護
 2.1 商標制度の概要
 2.2 自他商品識別力
 2.3 機能性
3.欧州連合商標規則による保護
 3.1 商標制度の概要
 3.2 自他商品識別力
 3.3 機能性
4.プロダクトデザインの国際的商標保護戦略
 4.1 日本との比較
 4.2 日本企業の立体商標の国際的保護戦略
5.結び
 アメリカや欧州連合の商標制度では、立体商標に日本より柔軟に固有の識別力を認め、使用による識別力立証に要求される地域・期間も日本ほど厳格ではない。そのため、日本での出願・登録を基礎に国際的な商標保護を考える日本企業は、日本で商標出願できないことで海外での保護を考えず、国際的保護の機会を失うおそれがある。また、日本にない保護制度を知らないことで、事前に調査をせず商品やサービスをインターネットで提供することで、アメリカでは、未登録立体商標、欧州連合では未登録意匠を侵害する可能性がある。今後、ビジネスのデジタル化により企業の活動は今以上にボーダレス化し、言語に左右されない立体商標の重要性は益々増加することが予想される。立体商標制度が一部の大企業のためのものであってはならず、国際調和によって、日本での商標登録に基づく国際保護を可能にするとともに、中小企業も利用可能な制度に改善していくことを期待する。

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    萬秀憲

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