第16回産業構造審議会知的財産分科会の配布資料「知財エコシステムの自律に向けた中長期的課題」のなかで、Patentsightの特許価値評価を用いて、日本(企業)の特許価値が近年低下していることを憂う記載がありました。
どういう議論が交わされたかは近々に公表されると思います。Patentsightの評価を使うまでもなくこうした傾向があることは周知と思いますが、きれいに見せてもらえると説得力があります。 第16回産業構造審議会知的財産分科会 配布資料 https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/chizai_bunkakai/16-shiryou.html 日時:令和3年6月28日(月曜日)13時00分~15時00分 場所:特許庁庁舎9階 庁議室(オンライン併催) 議事次第 開会 知財エコシステムの自律に向けた中長期的課題 (1) 最近の知財動向 (2) 企業等における知財戦略の推進 ア.企業における事業戦略と知財戦略 イ.経営層の知財への気づき (3) IoT 時代の特許制度の在り方 自由討議 閉会 配布資料 議事次第(PDF:135KB) 委員名簿(PDF:117KB) 資料:知財エコシステムの自律に向けた中長期的課題(PDF:4,642KB) https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/chizai_bunkakai/document/16-shiryou/01.pdf 参考資料1:各小委員会の活動(PDF:798KB) 参考資料2:その他の報告事項(PDF:968KB)
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6月18日、日本国特許庁(JPO)が開催した「国際知財シンポジウム~WIPO GREENを通じた環境問題解決への取組~」(オンライン会議)のアーカイブ動画が、特許庁YouTubeチャンネル上で、公開されています。日本語で視聴できます。
JIPAのJIPA環境シンポジウム JIPA: GREEN Symposiumの動画公開は7月16日まで延長公開中。 YouTube JPO Channel 「国際知財シンポジウム~WIPO GREENを通じた環境問題解決への取組み~」 https://www.youtube.com/watch?v=Ux-NELFQVeY 日本国特許庁(JPO)は、世界知的所有権機関(WIPO)が運営する、環境技術の活用を促進するためのプラットフォームであるWIPO GREENに、パートナーとして参加しています。世界の環境技術の普及に貢献するWIPO GREENの取組に関するシンポジウムを開催し、ユーザー、WIPOとの議論を深めることを通じて、知的財産の活用を通じた環境問題解決への貢献を目指します。 0:00 開会挨拶 日本国特許庁 糟谷 敏秀 長官 5:28 基調講演 日本知的財産協会 柵山 正樹 会長 11:04 基調講演 世界知的所有権機関 KWAKWA Edward 事務局長補 19:21 パネルディスカッション 登壇者紹介 22:55 プレゼンテーション 世界知的所有権機関 DIETTERICH Marion (Amy) 部長 47:40 プレゼンテーション 日本知的財産協会 久慈 直登 専務理事、IP*SEVA 日本オフィス代表 55:52 プレゼンテーション Osha Bergman Watanabe & Burton法律事務所 渡辺 裕一 パートナー 1:00:35 プレゼンテーション IP*SEVA HUBER Bertram 欧州オフィス代表 1:02:35 ディスカッション 1:30:13 プレゼンテーション Kenya Climate Innovation Center(KCIC) MUNGAI Edward CEO 1:38:02 ディスカッション パネリスト 世界知的所有権機関 DIETTERICH Marion (Amy) 部長 日本知的財産協会 久慈 直登 専務理事、IP*SEVA 日本オフィス代表 Osha Bergman Watanabe & Burton法律事務所 渡辺 裕一 パートナー IP*SEVA CANNADY Cynthia 米国オフィス代表 IP*SEVA HUBER Bertram 欧州オフィス代表 Kenya Climate Innovation Center(KCIC) MUNGAI Edward CEO モデレータ 日本国特許庁 清水 祐樹 多国間政策室長 「発明の効果に係る発明特定事項を相違点として認定し,これが容易想到でないとして発明の進歩性を肯定した審決の判断に誤りがないとされた事例」として、令和2年(行ケ)第10015号判決が知財高裁ホームページにアップされています。
発明の名称を「免疫原性組成物を安定化させ,沈殿を阻害する新規製剤」とする本件発明に係る特許についての無効審判請求不成立審決に対する取消訴訟で、本件発明は,次の構成からなる(一部簡略化して示す。)とされています。 「シリコーン処理された容器中に含まれる多糖類-タンパク質コンジュゲートの,シリコーンにより誘発される凝集を阻害する,シリコーン処理された容器に入れられている製剤であって, (ⅰ)pH 緩衝塩溶液,ここで該緩衝液は,約 3.5 から約 7.5 の pKa を有する, (ⅱ)アルミニウム塩および (ⅲ)13種類の血清型の肺炎球菌多糖類とCRM197ポリペプチドとのコンジュゲート を含む製剤。」 発明の効果に係る発明特定事項が相違点として認定され,これが容易想到でないとされ、また、シリコーン誘発凝集阻害という課題の発見の容易性についても「公知文献からは,多糖類-タンパク質コンジュゲートのシリコーン誘発凝集が本件優先日当時に課題として当業者に認識されていたとはいえない。」と判断されました。 「・・・・それにしても、製剤の課題を発見し、内在する技術的特性をうまくクレームにしてグローバルに特許を取得したワイス(現・ファイザー)の特許出願戦略は、競合品(MSDのV114)参入に対する特許障壁を見事に築いており、その戦略実行の成果は今後予期される侵害訴訟の結果次第とはいえ、肺炎球菌ワクチン事業での競合優位性に大きく貢献している点において称賛に値すると思う。このような「物」自体に備わっている(内在する・固有の)機能や特性について知恵を絞り権利化を試みることは、特許を取得する側にとっては大変参考になる事例であるとも思うところである。」という「医薬系"特許的"判例」ブログの評釈は、「物の発明」における「発明の効果」に係る発明特定事項の意義、「発明の効果」(用途)を提供する医薬用途発明の意義、「プロダクト・バイ・プロセス・クレーム」と「プロダクト・バイ・効果・クレーム」にも触れており、大変参考になります。 さらに、「そーとく日記」2021年06月25日では、課題が非容易なら物の構成は容易でも「物の発明」に進歩性はあるのか(肺炎球菌結合型ワクチン事件;令和2年(行ケ)10015)と、1.物質クレームにおいてクレームに記載されている物の「特性」は相違点なのか 2.効果の顕著性が肯定できれば本件発明の進歩性は肯定されるのか 3.裁判所は「物同一説」に基づいて進歩性を肯定したという可能性について、の議論がされており、「実務者としては、いま流行りの「特性認識必要説」でガンガン攻めるのも一法かもしれない。 つまり、物の発明において、その物の特性や効果をクレームアップした上で、「これは発明特定事項であり、引例との相違点である」と主張して特許を認めてもらおう(笑)。」というまとめになっています。 いずれにせよ、本件を実務に生かすことは非常に重要だと思われます。 2021.05.17 「メルク・シャープ・アンド・ドーム v. ワイス」 知財高裁令和2年(行ケ)10015 2021.06.15 https://www.tokkyoteki.com/2021/06/2021-05-17-msd-v-wyeth-r2-gyo-ke-10015.html 目次 1.はじめに 2.事件の背景 3.本件特許発明 4.審決の判断 5.裁判所の判断 (1)相違点4に係る発明特定事項の技術的意義について (2)引用発明の技術的意義について (3)相違点4の容易想到性 (4)原告の主張について ア 実質的相違点ではない旨の主張について イ シリコーン誘発凝集阻害という課題の発見の容易性について 6.「物の発明」における「発明の効果」に係る発明特定事項の意義 (1)相違点4が唯一の相違点である場合に新規性をどう考えるか (2)相違点4以外は容易想到である場合に進歩性をどう考えるか (3)「発明の効果」(用途)を提供する医薬用途発明の意義 (4)参考判決 ア 2014.12.18 「ユーロ-セルティック v. 特許庁長官」 知財高裁平成26年(行ケ)10059・・・「保存安定性を備えた」という相違点が判断された事例 イ 2020.12.14 「ロシュ v. アムジェン」 知財高裁令和元年(行ケ)10076・・・相違点は引用発明に内在する作用効果にすぎないのか争われた事例 (5)「プロダクト・バイ・プロセス・クレーム」と「プロダクト・バイ・効果・クレーム」 (6)まだ、議論は尽くされていない (7)その他 ア 別件無効審判請求事件(無効2020-800028) イ 他の日本ファミリー特許 ウ 米国特許US8,562,999の現状 エ 欧州特許EP2676679の現状 7.おわりに そーとく日記 2021年06月25日 課題が非容易なら物の構成は容易でも「物の発明」に進歩性はあるのか(肺炎球菌結合型ワクチン事件;令和2年(行ケ)10015) http://thinkpat.seesaa.net/ 判決要旨 https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/325/090325_point.pdf (事件類型)審決(無効不成立)取消 (結論)請求棄却 (関連条文)特許法29条2項 (関連する権利番号等)特許第6192115号 (審決)無効2018-800090号 判 決 要 旨 1 本件は,発明の名称を「免疫原性組成物を安定化させ,沈殿を阻害する新規製剤」と する本件発明に係る特許についての無効審判請求不成立審決に対する取消訴訟である。 本件発明は,次の構成からなる(一部簡略化して示す。) 「シリコーン処理された容器中に含まれる多糖類-タンパク質コンジュゲートの,シ リコーンにより誘発される凝集を阻害する,シリコーン処理された容器に入れられ ている製剤であって, (ⅰ)pH 緩衝塩溶液,ここで該緩衝液は,約 3.5 から約 7.5 の pKa を有する, (ⅱ)アルミニウム塩および (ⅲ)13種類の血清型の肺炎球菌多糖類とCRM197ポリペプチドとのコンジュゲ ート を含む製剤。」 (以下,「肺炎球菌多糖類とCRM197ポリペプチドとのコンジュゲート」を「肺 炎球菌CRMコンジュゲート」という。) 審決が認定した引用発明は,本件特許の優先日に既に上市されていた医薬製剤から認 定される発明であり,上記(ⅱ)については一致し,同(ⅲ)については,肺炎球菌C RMコンジュゲートではあるが肺炎球菌多糖類の血清型が7種類(7価)である点で相 違していた(相違点1)。また,本件発明の「シリコーンによる誘発される凝集を阻害 する」との発明特定事項は,引用発明には存在しない(相違点4)。 審決は,上記相違点に係る本件発明の構成はいずれも容易想到ではないと判断して, 本件発明が進歩性を欠くとはいえず,無効請求は成り立たないとした。 2 本判決は,審決の判断に誤りはないとして,原告の請求を棄却した。本判決中,相違 点4の容易想到性に関する判断の要旨は次のとおりである。 ⑴ 相違点4に係る発明特定事項の技術的意義について 本件明細書の記載を踏まえると,本件発明の製剤がシリコーン誘発凝集の阻害とい う効果を奏するという発明特定事項の技術的意義は,次のように理解される。 ① シリコーン誘発凝集には,肺炎球菌の血清型を問わず,遊離の肺炎球菌コンジ ュゲートが関与している。 ② 本件発明の製剤が(i)~(ⅲ)の組成を備えることにより,溶液中においては, 肺炎球菌CRMコンジュゲートとアルミニウム塩とが結合し,遊離の肺炎球菌C RMコンジュゲートの量が相対的に減少した状態にある。 ③ 上記②の状態にあることにより,上記①の原理によるシリコーン誘発凝集が阻 害される。 ⑵ 引用発明の技術的意義について 引用発明の製剤(以下「7価プレベナー」という。)の製品情報には,同製剤にお いては7価の肺炎球菌CRMコンジュゲートがアルミニウム塩に吸着されている旨の 記載があるが,アルミニウム塩への吸着の技術的意義について開示又は示唆する記載 はない。また,本件証拠中の諸文献にも,当該技術的意義に関する記載は見出せない。 ⑶ 相違点4の容易想到性 上記⑴のとおり,相違点4に係る本件発明の発明特定事項,すなわち「シリコーン 処理された容器中に含まれる多糖類-タンパク質コンジュゲートの,シリコーンによ り誘発される凝集を阻害する」は,肺炎球菌CRMコンジュゲートとアルミニウム塩 が結合して,溶液中の遊離肺炎球菌CRMコンジュゲートの量が所期の量まで減少し た状態であることにより,遊離肺炎球菌CRMコンジュゲートが関与するシリコーン 誘発凝集が阻害されることを意味する。 これに対し,上記⑵によれば,7価プレベナーの製品情報に接する当業者は,アル ミニウム塩に吸着された肺炎球菌CRMコンジュゲートが7価プレベナーに含まれる ことを認識するにとどまり,その溶液中における遊離の肺炎球菌コンジュゲートの有 無及び量を,遊離の肺炎球菌コンジュゲートが関与するシリコーン凝集という課題と の関係で認識することは容易ではなかったといえる。また,本件発明の製剤中におけ る遊離の肺炎球菌CRMコンジュゲートの量は,7価プレベナーに対して追加する6 種の血清型の肺炎球菌CRMコンジュゲートの量によって変わり得るし,追加する各 血清型それぞれのアルミニウム塩への吸着しやすさによっても異なるから,当業者は, 本件発明の組成を有する製剤の溶液中に遊離の肺炎球菌CRMコンジュゲートが存在 するかどうかさえ引用発明から予測できず,その結果,遊離の肺炎球菌CRMコンジ ュゲートが関与するシリコーン誘発凝集が本件発明の組成の製剤において阻害される か否かも予測できない。 以上によれば,相違点4に係る発明特定事項,すなわち,シリコーン処理された容 器中において肺炎球菌CRMコンジュゲートのシリコーン誘発凝集を阻害するため に,製剤が(ⅰ)~(ⅲ)の組成を備えることは,当業者にとって,引用発明から容易に 想到し得るものではない。 ⑷ 原告の主張について ア 実質的相違点ではない旨の主張について 原告は,7価プレベナーの製品情報に接した当業者は,7価プレベナーにおいて もシリコーン誘発凝集が何らかの理由により阻害されていると理解したこと,7価 プレベナーにおいて生じていたリン酸アルミニウムによるシリコーン誘発凝集の阻 害は,13価の肺炎球菌CRMコンジュゲートにおいても,程度はともかくおのず と生ずること,からすれば,相違点4は実質的には一致点であり,相違点とはなら ない旨主張する。 しかしながら,7価プレベナーの製品情報における「ワクチンは……投与の前に 視覚的に物理面のいかなる粒子状物質や変化も詳しく調べられなければならない」 との記載は,注射用薬剤の使用に先立っての一般的な注意事項として,製造上や保 管上の不具合により変質が生じていないか確かめるべきことの指示としても理解で きる記載であるから,多糖類-タンパク質コンジュゲート製剤のシリコーン凝集に ついての知見が存在しなかった本件優先日当時の当業者は,上記記載に接して,原 告主張のように,凝集が生じ得るけれども通常はそれが阻害されていることを理解 し得るとは必ずしもいえないし,ましてや,その凝集がシリコーンにより誘発され るものであるかどうかは断定し難いものといわざるを得ない。これに対し,本件発 明は,13価の肺炎球菌CRMコンジュゲートの凝集の原因をシリコーン誘発凝集 であると明確に特定した上で,その凝集を阻害することを発明特定事項としている のであるから,この点において,引用発明とは相違が存するものといえる。 したがって,審決が相違点4を認定したことに誤りはなく,原告の上記主張は採 用できない。 イ シリコーン誘発凝集阻害という課題の発見の容易性について 原告は,タンパク質製剤におけるシリコーン誘発凝集は知られており,タンパク質 の凝集が多糖類-タンパク質コンジュゲート凝集の原動力であることを当業者は理 解していたから,引用発明に6種の血清型の肺炎球菌CRMコンジュゲートを追加 することによりタンパク質含量が増える13価の肺炎球菌CRMコンジュゲート製 剤でシリコーン誘発凝集が生じることは予見可能であった旨主張する。 しかし,原告がその主張の根拠とする公知文献は,多糖類-タンパク質コンジュ ゲートの構造的不安定性に関連する凝集について記載するのみであるから,これら の公知文献からは,多糖類-タンパク質コンジュゲートのシリコーン誘発凝集が本 件優先日当時に課題として当業者に認識されていたとはいえない。 したがって,原告の上記主張は採用することができない。 以 上 令和3年5月17日判決言渡 令和2年(行ケ)第10015号 審決取消請求事件 口頭弁論終結日 令和3年3月10日 判 決 https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/325/090325_hanrei.pdf 「デザイン経営、デザイン思考とは何か? 特許庁CDO補佐官に聞く、9つの実践実例」では、デザイン経営について、特許庁審査業務部長 西垣 淳子氏の話がまとめられています。 【デザイン経営の効果】=【ブランド力向上】+【イノベーション力向上】=【企業競争力の向上】ということで、デザイン経営とは、「企業が大切にしている価値、それを実現しようとする意志を表現する営み」に基づいてブランドを構築し、「顧客の潜在的ニーズを基に既存の事業に縛られずに、事業化を構想する営み」を通してイノベーションにつなげていくことだということなどを丁寧に説明されていて、参考になります。 デザイン経営、デザイン思考とは何か? 特許庁CDO補佐官に聞く、9つの実践実例 2021/06/24 https://www.sbbit.jp/article/cont1/61981 デザイン経営を一丸で進めるには 従業員の力を生かす事例を紹介 広部憲太郎 2021.06.25 https://smbiz.asahi.com/article/14378679 パナや日立、ソニーも 大手17社が共有するデザイン経営の知見 2021年06月25日 https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/00651/ 特許庁はデザイン経営を推進しています https://www.jpo.go.jp/introduction/soshiki/design_keiei.html 特許庁ミッション・ビジョン・バリュー https://www.jpo.go.jp/introduction/tokkyo_mvv.html 令和3年6月15日 経済産業省 特許庁 より良い未来を拓く「知」は、 一人ひとりの「やりたい」から始まり、 その情熱こそが、真に豊かな未来へ導いてくれることを確信しています。 私たちは、「知」に寄り添い、 培ってきた実務の知見と最先端の技術を融合しながら、 未来を拓く「知」が育まれ、新たな価値が生み出される知財エコシステムを、 知的財産に関わる全ての人たちと協創します。 暮らしの質の向上から社会的課題の解決まで、 一人ひとりが創造力を発揮したくなる社会を実現するため、 イノベーションを促進することに 私たちは、全力で取り組みます。 <ミッション>(使命・目的・存在意義) 「知」が尊重され、一人ひとりが創造力を発揮したくなる社会を実現する <ビジョン> (ミッションのために組織は何を成すのか) 産業財産権を通じて、 未来を拓く「知」が育まれ、新たな価値が生み出される 知財エコシステム*を協創することで、イノベーション*を促進する <バリュー>(ビジョンのために職員はどのような指針で行動・判断するのか) 透明性をもって、公正、公平に実務を行う ユーザーの立場で考える 前例にこだわらず、改善を続ける プロフェッショナルとして主体的に行動する 特許庁全体の視野に立つ * 知財エコシステムとは、知的財産を創造し、保護し、活用する循環を示す知的創造サイクルの概念に加え、そこから生まれる知的財産を基に、人々が互いに、また、社会に対して好影響を及ぼし、自律的に新たな関係が構築され、新たな「知」が育まれ、新たな価値が生み出される、いわば知的財産の生態系を指します。 * イノベーションとは、技術革新に限らず、新しいビジネスモデルや社会の仕組みの創出などを含む広義のイノベーションを指します。 味の素は、「グローバルトップ10を目指す」という規模拡大路線を変更し、「食と健康の課題解決企業」というパーパス(志)を成長ドライバーとするパーパスドリブン企業へ生まれ変わると宣言、デジタル変革(DX)をパーパス実現の最重要ファクターと位置づけ、経営改革に取り組んでいます。
医療機関向け検査サービス「アミノインデックスリスクスクリーニング(AIRS)」は、5ミリリットルの血液から病気になるリスクを算出します。血液に含まれる20種類のアミノ酸濃度の変化や、各値同士の関連性など無数の組み合わせをビッグデータ解析し、がんや認知機能が低下するリスクを0.0~10.0に点数化し、ランクA(0.0~4.9)、ランクB(5.0~7.9)、ランクC(8.0~10.0)と3段階に分類、ランクCが最もリスクが高く、胃がんの場合は一般的にがんになっている確率の10.2倍となるという原理。食品で蓄えたデータを生かし、認知症やがんの予防などヘルスケア分野を開拓するという取組みのひとつです。特許でしっかり保護されているようです。 味の素、うま味データで変革 がん予防など医療に生かす https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF0326Z0T00C21A6000000/ 味の素株式会社「認知機能維持」サポートソリューションに関する発表会 ~アミノ酸のはたらきで切り拓く「認知機能維持」最前線~2021.06.24 https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/top/pdf/2021_06_24.pdf 2021 06 15 TUEイベントレポート 「変革など自分たちに必要ない」味の素が古い縦割り組織を脱し1000人のDX人材育成に成功するまで https://ledge.ai/datarobot-aevc2021-session-ajinomoto/ “味の素 DX活用しニーズ“見える化“ 流通、自治体連携で健康課題解決へ” 2021年6月2日 https://shokuhin.net/43866/2021/06/02/sonota/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E6%B4%BB%E5%8B%95/ 味の素、売上高は減収も事業利益は前年比114%の増益 化成品、家庭用製品の増収や製品ミックスの改善が寄与 2021年5月27日 https://www.zaikei.co.jp/article/20210527/622665.html 味の素社のDX戦略「規模を追う経営から、DXで社会を変革するパーパス経営へ」 2021.04.02 https://www.bizcompass.jp/orig-ac/bu-growth-084-63.html/page/1 【食品】他社牽制力ランキング2020 トップ3はキリンHD、味の素、日本たばこ産業 https://www.patentresult.co.jp/news/2021/06/fcitfood.html 【食品】特許資産規模ランキング2020 トップ3はサントリー、JT、キユーピー https://www.patentresult.co.jp/news/2021/02/food.html 味の素は4位 「2022年に創業100周年を迎える旭化成が、イノベーション再興に向け人材育成のテコ入れに動いている。マーケティング担当の社員をスタートアップへ他流試合に出したり、エンジニアに自由な裁量権を与えたりと“旭化成色”に染めない異能を輩出する狙いだ。同社は高い世界シェアを誇るリチウムイオン電池材料や大半のスマートフォンに採用されている電子コンパスなど「昨日まで世界になかったもの」を次々と世に送り出してきた。だが、近年、かつてのような爆発的なイノベーションは見当たらない。テコ入れに動く裏には脱炭素というメガトレンドを前に、これまでの延長線上では成長の果実は得られないとの危機感がある。」という日経ビジネスの記事を読みました。 DX推進体制として、社長直轄組織のデジタル共創本部を設置し、4万人デジタル人財化計画を推進し、2021年度末までに、育成プログラムや採用を通じ、高度なデジタル化を推進するデジタルプロフェッショナル人財を230名にするという計画です。デジタル共創ラボ「CoCo-CAFE」を開設し、デジタル人財が集結、社内外と共創する拠点とすることと併せ、会社のありようが大きく変わる感じがします。 旭化成、イノベーション再興へ「レンタル移籍で他流試合」も 2021.6.25 https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00289/062200010/ 旭化成のセルロース不織布、海洋生分解性で国際認証 2021/6/24 https://www.nikkan.co.jp/articles/view/602919 旭化成、米国に挑む グローバル・ヘルスケア・カンパニーへ 2021年6月23日 https://www.chemicaldaily.co.jp/%E6%97%AD%E5%8C%96%E6%88%90%E3%80%81%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E3%81%AB%E6%8C%91%E3%82%80%E3%80%80%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%82%A2%E3%83%BB/ 物流環境大賞特別賞を受賞 三井化学、旭化成らと合同で 2021年06月23日 https://www.gomutimes.co.jp/?p=164713 旭化成、売上高・営業利益ともに前期並みの着地 今期はマテリアルの回復を見込み増収増益の計画 2021年6月22日 https://www.zaikei.co.jp/article/20210622/626679.html 【謹告】テリパラチド酢酸塩に関する特許権について 6/21 https://nk.jiho.jp/adtext/162438 テリパラチド酢酸塩に関する特許権について(3) 2021.06.21 https://www.tokkyoteki.com/2021/06/teriparatide-2.html 旭化成、非ハロゲン系難燃剤推進 欧で団体加盟 2021/6/16 https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00601915 中期経営計画 “Cs+(シーズプラス) for Tomorrow 2021” https://www.asahi-kasei.com/jp/company/strategy/ デンソーが、自動車部品で培った画像のビッグデータを活用し、ロボットによる工場の24時間操業で、トマトなどの野菜を量産する事業に乗り出しています。
車の電動化で事業環境が変わるデンソーにとっても脱・車載依存の試金石になるようです。 特許も結構出ており、クボタなどが進める屋外農業の生産管理支援システムで効率化を図るやり方とは異なる、屋内同業での農業分野のデジタル化は、天候に左右されないため、ユニークです。 デンソーの「非デンソービジネス」としての成功を期待したいと思います。 デンソー、農業をカイゼン データ×ロボでトマト量産 脱・車載依存の試金石に 2021/6/16 https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=051&ng=DGXZQOUF20B3N0Q1A420C2000000 「農業の工業化」をめざして ~人とロボットの協働~ https://video-nrt1-1.xx.fbcdn.net/v/t42.1790-2/156176886_4431646846852500_5470139019062035352_n.mp4?_nc_cat=110&ccb=1-3&_nc_sid=985c63&efg=eyJ2ZW5jb2RlX3RhZyI6InN2ZV9zZCJ9&_nc_ohc=UT6fDHug0LoAX9VgzNN&_nc_ht=video-nrt1-1.xx&oh=6709d8e1c602a56a58a400b3217e42d7&oe=60D498FF 農業×デンソー クルマで磨いた技術で、 農業に携わる人々に笑顔を https://sensor.denso.com/agri/ 今年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)に、知的財産の活用などを促す内容が加わり、「知財ガバナンス」が重要になってきており、投資家などに対し、知財戦略をしっかりと説明することが求められています。
知的財産報告書は、03~06年ごろから30社程が公表していましたが、その後、発行をやめた企業が多い中、中国電力(エネルギアグループ)は毎年欠かさず公表しています。 特許登録件数は業界1位の中国電力グループだからこそ、「2050年カーボンニュートラルへ向けたロードマップ」を着実に実行していただけるだろうと期待が高まります。 企業統治指針、次は知財 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH145I90U1A610C2000000/ 「知財の力で石炭火力発電所の高効率化・脱炭素化に取り組んでいます」。中国電力は「知的財産報告書2021年」で、三隅発電所(島根県浜田市)が導入した特許技術「石炭の混合方法」を紹介する。 ホウ素などの元素の含有量が多い石炭を燃焼させる際、アルカリ土類金属などを多く含む石炭を一定割合で混ぜることで、環境負荷と燃料コストの低減を共に実現できるという。「関連特許を約40件取得し、他社から多くの問い合わせを受けた」などと話す担当者の声も紹介している。 知財報告書は03~06年ごろに、任意で策定する企業が30社程度現れたとみられるが、発行をやめた企業が多い。当時は知財を判断材料に用いる投資家が少なかったためだ。中国電力は09年に山下隆社長(当時)の旗振りで始めて以来、毎年欠かさず内容も拡充してきた。今後は世界から脱炭素マネーを集める武器になりそうだ。 「知財ガバナンス」のコンセプトはシンプルだ。知財部門がIPランドスケープなどを用いて知財や市場の客観的な状況を分析し、それを踏まえた経営層が戦略を決める。投資家など外部にも分かりやすく説明し、資金調達につなげる。当たり前の循環が企業価値を高めるといえ、各社の実行力が問われる。 エネルギアグループ知的財産報告書 https://www.energia.co.jp/eneso/kankoubutsu/chizai/ エネルギアグループ知的財産報告書2021年 https://www.energia.co.jp/eneso/kankoubutsu/chizai/pdf/chizai-202102.pdf 特集|知的財産戦略 https://www.energia.co.jp/recruit/sin/special/index.html 中国電力グループ「2050年カーボンニュートラル」への挑戦 ~脱炭素社会の実現に向けたギアチェンジ~ https://www.energia.co.jp/press/2021/13005.html 「モノからコトへの事業変革を支えるIPランドスケープ」と題して、ブリヂストンのIPランドスケープがIPジャーナル17号(2021年6月)に紹介されています。
「モノ」から「モノ·コト・データ」に事業が変わる中、IPLは必然のコンセプトでありツールと位置付け、IPLに必要な要件を①IPLマインドセット②洞察して分析する力量③事業に寄り添う実践力として、試行錐誤しながらPDCAを回している実際例が紹介されています。 金融庁と東京証券取引所が6月に改訂したコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)に、知的財産の活用などを促す内容が加わる中、経営層と知財部門の連携の代表例としてブリヂストンが取り上げられているのも、納得できます。 1.はじめに:なぜIPLなのか? 2.ブリヂストンの事業変革、知財マネジメントのミッション見直し 2.1 ソリューションでの社会貢献を目指す当社事業変革 2.2 知財ミッション見直し① 「スコー プ」見えないものを含めた知財分布把握 2.3 知財ミッション見直し②「まわすチカラ」ー無形資産で最たるものの把握 2.4 知財ミッション見直し③「知財ミックス」価値を創出する知財エコシステム 2.5 IPL での留意点 地に足ついたIPLを目指す 3.IPL活用の実例 4.さいこに: 3つの要件 企業統治指針、次は知財 ブリヂストンなど先行 2021年6月19日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH145I90U1A610C2000000/ 経営層と知財部門の連携の代表例がブリヂストンだ。20年5月、日本航空(JAL)の航空機タイヤのすり減り具合を予測して交換するサービスを始めた。離着陸時の気象や路面状況、タイヤの摩耗状況などのデータをJAL側から受け取り、計画的に交換する。 こうしたデータ事業の準備の先頭に立ったのが、知財部門だった。16年ごろから自社や業界の知財を図解などで「見える化」するIPランドスケープを実施し、経営層に毎月のように報告した。次世代移動サービスMaaS(マース)など「運輸業界のデータ分野において、当社の優位性などを分かりやすく説明した」(知的財産部門の荒木充・部門長)という。 会社全体で特許などの「見える知財」だけでなく、タイヤ製造のノウハウ、品質保証、サービス力など「見えない知財」も把握。JALとの連携につなげた。 知財を他社からの訴訟などに備える「守り」だけでなく、事業提携など「攻め」にも生かすには、経営層と知財部門の頻繁な情報交換が欠かせない。 経営戦略を成功に導く知財戦略【実践事例集】特許庁2020年P.57 https://www.jpo.go.jp/support/example/document/chizai_senryaku_2020/all.pdf#page=58 「グローバル知財戦略フォーラム2019」 ブリヂストンのソリューション事業と知財チーム活動 https://www.inpit.go.jp/content/100866853.pdf 特許で見る「他社牽制力」ランキング…ゴム製品業界1位はブリヂストン 2019年 https://response.jp/article/2020/07/31/337047.html 【ゴム製品】特許資産規模ランキング2020 トップ3は住友ゴム、横浜ゴム、ブリヂストン https://www.patentresult.co.jp/news/2021/02/rubber.html ブリヂストン、中国で特許権侵害訴訟に勝訴 2020年12月07日 https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2020120701.html 特許庁は平成29年から「人工知能(AI)技術の活用に向けたアクション・プラン」を公表、審査業務へのAI技術の活用を検討していますが、平成30年度改定版を経て、公表されている最新版は昨年7月に公表された令和2年改訂版です。(令和3年5月24日に行われた「産業構造審議会知的財産分科会第1回財政点検小委員会」の参考資料でも令和2年改訂版で、「具体的には、現在、特許審査の分野では、外国文献への特許分類付与や、独自に作成した文章を入力することで、その文章の内容に関連する特許公報を自動的に検索できる機能等において、導入が開始されており、業務の効率性を高めていくため、導入を開始している各ツールについて、更なる精度向上を図っているところ。」「商標関係では、平成29年度及び30年度に「先行図形商標の調査」、「指定商品・役務調査」についてAI技術の活用可能性について実証研究を実施。現在、アジャイル型開発手法により、試行的に審査支援ツールとして導入し、検索精度・効率化効果を検証中。」と説明されています。)
産業構造審議会 知的財産分科会 財政点検小委員会 参考資料1 https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/zaiseitenken_shoi/document/01-shiryou/02.pdf アクション・プラン令和2年改訂版 https://www.jpo.go.jp/system/laws/sesaku/ai_action_plan/document/ai_action_plan-fy2020/plan_fy2020.pdf 1.特許分類付与(テキストに基づく付与) 2.先行技術調査(検索式作成支援) 3.先行技術調査(画像検索技術の特許図面への適用) 4.先行技術調査(特許文献のランキング表示、要約自動生成) 5.先行図形商標の調査(商標イメージサーチ) 6.指定商品・役務調査 個人的には、1.2.4.5は商用ツールでも実用化されていますので、商用ツールで実用化されていない3. 先行技術調査(画像検索技術の特許図面への適用)について期待しています。 新聞記事によれば、「日本での特許を対象に、特許に示された概念図や設計図などの特許図面を画像認識で特徴をAIに覚えさせ、特徴が似た特許図面を紹介する仕組みを導入。図面の類似性を数値化し、スコア順に特許を審査官に示す。」ことが実現できているようですので、民間の商用ツールでも搭載が期待できそうです。 審査の質向上と時間短縮を図る特許庁のAI活用法 企業の事業戦略、後押し 2021年06月16日 https://newswitch.jp/p/27637 AI新時代/特許庁 審査、品質向上・高速化 (2021/5/28 ) https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00599848?isReadConfirmed=true (第50回)知財実務オンライン:「裁判所から見た知財権の活用と知財訴訟」(ゲスト:三村小松山縣法律事務所 代表弁護士 三村 量一氏)をアーカイブ動画で視聴しました。
元裁判官が訴訟代理するのは、やはり強いものだなあ、と改めて感じました。 第1部 知的財産権の種類と選択 ◆知的財産権の種類 ◆立体商標 ◆応用美術 ◆意匠権 第2部 知財訴訟と裁判所 ◆管轄 ◆裁判所の構成 ◆知的財産権侵害訴訟の二段階構造 ◆判決と裁判官 第3部 知財訴訟における訴訟戦術 ◆訴訟代理人について ◆訴訟における弁理士の関与 ◆逆境における訴訟戦術 ◆オーダーメイドの訴訟戦術 https://www.youtube.com/watch?v=7oMlf3nnOwY&t=4926s 弁護士事務所設立物語(三村量一)RCLIP2020年9月2日 https://rclip.jp/2020/09/02/202009column/ 「訴訟に強い事務所を作りたい」オーダーメイドでビジネスに寄り添う少数精鋭組織 - 三村小松山縣 法律事務所 https://www.businesslawyers.jp/articles/725 東レが経口そう痒症改善剤「レミッチ®」用途特許で、沢井製薬及び扶桑薬品工業の2社に対して2018年12月13日に東京地方裁判所に特許権侵害訴訟を提起していましたが、2021年3月30日東京地裁は、文言侵害、均等侵害のいずれにも当たらないとして請求を棄却しました。(平成30年(ワ)38504、平成30年(ワ)38508)地裁判決では、侵害論以外の争点(本件発明の有効性、対象特許の出願日が平成9年11月21日であることから延長登録出願により存続期間が延長されたものとみなされる特許権の存続期間の延長に関する争点など)は、判断されませんでした。
東レが、この判決に対して知財高裁に控訴したとのことで、知財高裁の判断が注目されます。 東レ、特許侵害訴訟で控訴 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73004080X10C21A6TB2000/ レミッチOD錠2.5μgの後発医薬品侵害差止請求事件で請求棄却判決 https://note.com/kubota_law/n/n6f40d6ee8407 令和3年3月30日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 平成30年(ワ)第38504号 特許権侵害差止等請求事件(A事件) 平成30年(ワ)第38508号 特許権侵害差止等請求事件(B事件) 判 決 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/391/090391_hanrei.pdf 2021.03.25 「沢井製薬 v. 東レ」 知財高裁令和2年(行ケ)10041 https://www.tokkyoteki.com/2021/04/2021-03-25-sawai-v-toray-r2-gyo-ke-10041.html 2021.03.25 「東レ v. 沢井製薬・ニプロ」 知財高裁令和2年(行ケ)10096 https://www.tokkyoteki.com/2021/04/2021-03-25-toray-v-sawai-nipro-r2-gyo-ke-10096.html 令和2年(行ケ)第10096号「止痒剤」(知的財産高等裁判所 令和2年12月2日) https://ipforce.jp/articles/soei-patent/hanketsu/2021-03-17-3881 用途特許延長 保護どこまで 東レ、かゆみ改善薬巡り侵害訴え 後発薬とのすみ分け影響 2019年1月21日 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO4021406018012019TCJ000/ 東レ、沢井製薬などを提訴 後発薬 かゆみ改善「特許侵害」 2018年12月19日 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO39096170Y8A211C1TJ3000/ 本ブログ3月28日にも取り上げました京都大学本庶佑特別教授が、抗PD-1抗体「オプジーボ」の特許使用料を巡り小野薬品工業に約226億円の支払いを求める訴訟を大阪地裁に起こした裁判の進捗があったようです。
6月11日、ウェブ会議形式で行われ、9月に本庶氏の本人尋問と小野薬品の相良暁社長の証人尋問による口頭弁論を行う方向で調整することになったとのこと。 裁判所から和解を検討する方向で打診があったものの、双方がこのタイミングでの和解は困難との結論に至り、通常の訴訟手続きを進めることになったのが、今年の4月27日、小野薬品工業の相良暁社長は、6月17日大阪市内のホテルで開かれた定時株主総会で、和解の可能性について問われると「現在のところ、和解の可能性は低いと考えているが、条件によっては慎重に検討してまいりたい」と述べたということです。 簡単に和解に応じると株主から追求されるということもあるでしょうが、早い決着を望みんでいます。 小野・相良社長、オノアクト贈賄事件で謝罪 株主総会、オプジーボ再算定・特許使用料訴訟への理解も求める 2021/6/18 https://nk.jiho.jp/article/162424 オプジーボ特許使用料訴訟、本庶・相良両氏が出廷へ 9月に口頭弁論で調整 2021/6/14 https://nk.jiho.jp/article/162276 オプジーボ特許使用料訴訟、裁判所が和解打診も不調 本庶氏・小野薬品とも「このタイミングでは困難」 2021/4/28 https://nk.jiho.jp/article/161028 3月28日 本庶佑特別教授「新発見の価値~研究の対価を問う理由~」 https://yorozuipsc.com/blog/4173713 PatentSight Summit 2021での「DICにおける知財情報分析活動~知財情報がとりもつ他部門とのダイアローグ~」(DIC株式会社 知的財産センター センター長 小川 真治 氏)を視聴しました。
下記のような内容で、PatentSightをツールとして全社に導入した点、中国ローカルメーカの知財力の分析など、興味深く視聴しました。 1.DICと知財活動の紹介 2.他部門とのダイアローグ 事業活動への知財情報の活用推進 知財清報を共通言語とした対話推進 システム選定プロセス 3.知財情報の活用事例など 各担当者毎の対話事例 用途開拓 M&A関連 中国ローカルメーカの知財力 知的財産活動への取り組み https://www.dic-global.com/ja/csr/new_technology/ 重要経営課題である新技術と価値の創造には、知財権の活用が不可欠であり、事業部門、技術部門、知財部門が一体となった知財戦略を進めることにより、オープン&クローズ戦略等を積極的に活用したポートフォリオ構築を進めております。 また、特許調査、解析にも力を入れており、的確な情報収集による知財活動を始め、IPランドスケープなどの知財情報の経営資源としての活用にも取り組んでおります。 DICの知的財産活動は社外的にも注目を集めており、その一例として外部機関※が行った「2019年度特許資産規模ランキング」において、化学業界で4位と上位に位置づけられております。その一方、DICの特許登録件数は年間400件程度で、化学業界大手他社よりやや少なく、特許資産規模で高ポイント獲得の理由は、当社が保有する特許の質が高く、注目度が高いことが社外的にも認められた成果と考えます。 一方、DICは知財権の尊重に向けた社員の知財リテラシー向上にも力を入れており、全社員向けe-ラーニングプログラムの発信などにより、知財リスクの発生を未然に防ぐための施策も進めております。 今後も持続的発展のために、知的財産活動の取り組みを推進していきます。 外部機関: 株式会社パテント・リザルト。 経営環境変化に応じた取組みと経営層とのインターリレーション 河野 通洋 氏PDF(DIC㈱ 知的財産部長) http://www.jipa.or.jp/jyohou_hasin/sympo/sympo_jipa09.htm http://www.jipa.or.jp/jyohou_hasin/sympo/pdf/09kono.pdf (第49回)知財実務オンライン:「スタートアップの知財戦略 」(ゲスト:中村合同特許法律事務所 弁護士 山本 飛翔氏)をアーカイブ動画で視聴しました。
スタートアップの各フェーズで行うべきことを、わかりやすく、漏れなく説明されていますので、大企業の知財担当にとっても参考になるでしょう。 なお、6月14日より、特許庁スタートアップの知財戦略構築を支援する「IPAS2021」参加企業の公募を開始しています。 1, スタートアップにとっての知財とは 知財戦略とは メリット 2, 各フェーズで行うべきこと 設立前~設立時 シード期 アーリー期 レイター期 3, 大企業とスタートアップ スタートアップから見た大企業 大企業から見たスタートアップ 4, オープンクローズ戦略とスタートアップ (第49回)知財実務オンライン:「スタートアップの知財戦略 」(ゲスト:中村合同特許法律事務所 弁護士 山本 飛翔) 2021/06/10 にライブ配信 https://www.youtube.com/watch?v=9U35oAPTXk0 採択社数は20社、支援期間は5ヵ月 スタートアップの知財戦略構築を支援する「IPAS2021」 参加企業の公募を開始 2021年06月14日 https://ascii.jp/elem/000/004/058/4058989/ PatentSight Summit 2021で、リコーの「ビッグデータ解析の取組と課題」を視聴しました。
リコーは、中期経営計画で、OAメーカーからデジタルサービスの会社へ 画像事業からデジタルサービスへ事業が変化、特許戦略も変化、知財慣報鱗析が重要に 知財情報解析チームと知財戦略チームの連携 これまでの解析事例: リコーコア技術から新たな用途の探索、特許・綸文の解析が中心 未来予測への挑戦: ベンチャー企鳳科学研究費の解析を強化.今まで気付いていなかった領域の示唆をデータから得られるようになってきている 科学研究費から将来有望領域探索 情報解析からイノベーション創出へ(目指す姿) 研究開発部門と一体となったプロセスを構築中 株式会社リコー 知的財産センター 知財戦略室 戦略企画グループリーダー唐川勝吉氏 ビッグデータ解析の取組と課題 https://www.patentsight.com/ja/summit-2021 リコーが人工知能(AI)を活用したデータビジネスに参入するという記事が6月3日出たばかりで、クラウド上に保管する顧客企業の文章情報などビッグデータを独自開発の自然言語処理AIが解析、有用なデータとして提供する事業で、6月にも新事業として本格的に立ち上げ、2025年に100億円の売り上げを目指すとのこと。 リコー、AIでデータビジネス 文書情報など解析2021年6月3日 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO72528190S1A600C2TB2000/ リコーのIPランドスケープについては、本ブログ5月21日参照。 6月13日(日)に放送された「がっちりマンデー!!儲かる!ビジネスモデル特許」を視聴しました。歌手の野口五郎が「芸能界の特許王」としてゲスト出演していたのにも驚きましたが、こういう番組も良いものです。
ドローン物流に関するビジネスモデル特許 特許6517972 空域利用促進システム、空域利用促進方法、サーバ装置、及びプログラム 株式会社トルビズオン https://www.truebizon.com/ ドローンを長距離で飛ばしたい人がスゴく簡単に許可を取れる仕組み スカイドメインで、2026年までに1万本の空の道を全国につくる 年間150億円売上予定。 【請求項1】 情報端末と通信自在であり、空域を特定するもので少なくとも第1乃至第3ドメイン情報で構成されるスカイドメインを発行するサーバ装置であって、 前記情報端末からのスカイドメイン発行要求を処理する受付処理部と、 前記発行要求に基づきスカイドメインを発行するドメイン発行部と、 少なくとも前記スカイドメイン、代表点の緯度、経度、標高、及び利用可能時間を記憶する記憶部と、 前記情報端末より、前記スカイドメインが発行された前記空域に関する検索要求があったときに、前記記憶部を参照して、前記スカイドメインを検索キーとした検索を行う検索部と、 前記情報端末より、前記スカイドメインが発行された前記空域に関する利用要求があったときに、前記記憶部を参照して、前記スカイドメインを介した空域利用に関する取引を処理する取引処理部と、 前記検索の結果を送信する送信処理部と、を有し、 前記ドメイン発行部は、前記第1ドメイン情報を予め定められた文字列からなるトップスカイドメインとし、前記第2ドメイン情報を空域権利者のエリア情報に基づいて特定される前記エリア情報に対応する文字列からなる第2スカイドメインとし、前記第3ドメイン情報を申請者である空域権利者の情報端末より送信された文字列からなる第3スカイドメインとして、前記スカイドメインを発行し、 前記検索部は、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて検索を実行し、前記送信処理部は、前記検索の結果を前記情報端末に送信し、前記取引処理部は、前記記憶部に記憶されている代表点の緯度、経度、標高、利用可能時間に基づいて取引を処理する サーバ装置。 (請求項2以下略) 三菱商事 ローソンに置かれている四角い物体SMARI(返品・返却の箱) 一人で簡単に返品・返却ができる仕組み ネット通販・レンタル品で返品・返却専用の箱、返品のコストを劇的に安くした 無人で手続きできる、手間がかからない。コンビニの配送トラックの戻り便の空いたスペースを有効利用。現在数億円、将来三桁億円になる。 特許6751112 返品・返却システム、返品・返却サーバ及び返品・返却装置 株式会社ローソン三菱商事株式会社 【請求項1】 商品の返品・返却を行うための返品・返却装置であって、 コンピュータと、 プリンタと、 を備え、 前記コンピュータは、 前記商品を返品・返却したい消費者が提示する返品・返却予約をしていることを示す返品・返却受付コードを読み取る読み取り部と、 前記読み取り部が読み取った前記返品・返却受付コードを、外部の返品・返却サーバに送信し、前記返品・返却サーバから、前記商品の配送状況を管理するための配送コードを受信する通信部と、 前記返品・返却サーバから送信されてきた前記配送コードを表示したラベルを、前記プリンタに印刷させるプロセッサと、 を具備し、 前記消費者が、印刷された前記ラベルを前記返品・返却に係る商品に貼付することができ、 前記読み取り部が、前記商品に貼付された前記ラベルが表示する前記配送コードを読みとった場合、前記通信部は、前記読み取り部が読み取った前記配送コードを、外部の返品・返却サーバに送信することを特徴とする返品・返却装置。 (請求項2以下略) シーパーツ 中古車から再利用できる部品をオークション形式で売る仕組み 中古車をそのまま1台で売る、車をばらして売る、を同時にオークション。 GAPRASオークションシステムで特許を取得しました。 https://seaparts.jp/news/gapras20201208.html 特許6797444B 中古車部品のオークションシステムとそのプログラム 出願人 シーパーツ 【請求項1】 サプライヤーからの中古車部品又は中古車の出品情報、この出品情報に対するバイヤーからの入札用情報及び前記サプライヤーからの落札者決定情報を受け付け、前記出品情報の前記中古車部品又は前記中古車に識別可能な車両IDを付して出品データを生成する情報受付部と、前記出品データに基づいて、前記中古車部品又は前記中古車の仕様に応じて含まれる部品に予め付される個別に識別可能な部品IDを前記車両IDに紐付けしてオークションデータを生成し、このオークションデータを閲覧した前記バイヤーによって入力された前記入札用情報に含まれる部品単位の入札個数と入札価格に前記車両ID及び前記部品IDを紐付けして入札情報を生成し、入札した前記バイヤーすべての前記入札情報を前記部品ID毎にマッチングさせて一覧表データとしてまとめたオークション入札状況データを生成するオークション入札処理部と、前記オークション入札状況データを前記サプライヤーに送信する出力部と、前記サプライヤーからの前記部品ID毎の前記落札者決定情報からオークション落札状況データを生成するオークション落札処理部と、を有し、前記出力部を介して前記オークション落札状況データを前記サプライヤー及び前記バイヤーに送信することを特徴とする中古車部品のオークションシステム。 (請求項2以下略) 歌手の野口五郎が「芸能界の特許王」としてゲスト出演。 公開番号 登録番号 名称 JP2021060672 電子チケットの処理方法及びプログラム JP2017049808 JP6192178B チケット販売システムおよびプレゼントコンテンツ配信システム JP2014038379 JP6032997B コンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信方法 佐藤 靖 佐藤 靖 JP2014002750 JP6091357B コンテンツ配信システム、コンテンツ配信方法、コンテンツ配信装置およびコンピュータプログラム JP2013210453 3次元画像の印刷されたシール、およびシールの作成方法 JP2013065360 決済システム JP2011186660 電子商取引システムおよび電子商取引方法 JP2010009452 JP4859882B コンテンツ配信システムおよびコンテンツ配信方法 株式会社PatentSight Japan (LexisNexis IPグループ)が開いたPatentSight Summit 2021で、NTTコミュニケーションズ株式会社 イノベーションセンター技術戦略部門知財担当 担当課長 松岡 和 氏の講演を視聴しました。(アーカイブ動画なし)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000062862.html 後日講演記録がアップされるものと思いますが、M&A、出資、提携のステップ1、新規事業創出のステップ2、パートナー企業向け開示のステップ3、投資家・株主向け開示のステップ4まで、それぞれNTTコミュニケーションズでの事例が示されました。 三位一体から六位一体へ 必要な知識とスキルの変化 特許スコアの原理への回答 目指すは知財脚本家 経営幹部や事業責任者の懐に飛び込み、納得してもらえるストーリーで提言し、経営判断に活かしてもらうIPLを行う。そのために必要な知識とスキルを身に着けていく。 毎週の経営会議(経営企画の会議?)に参加してその一翼を担っているようで、頼りにされている感じが伝わりました。 アフィリエイト連携、オープンイノベーション、プロアクティブな知財活動に注力 https://www.bcm.co.jp/site/2020/01/ntt-com/2001-ntt-com-01-04.pdf ExTorch知的財産⽅針 https://www.ntt.com/content/dam/nttcom/hq/jp/business/lp/extorch/img/NTT_Communications_ExTorch_IP_Policy.pdf 現在発表されている「SDGs技術企業ランキング」は、一般財団法人日本特許情報機構 知財AI研究センターの発表しているものと、イーパテントが発表しているものの2つだと思われます。
いずれも特許情報を解析して算出しており、ちょっとやり方が違っていますが、今後、こうした指標が企業価値を表す指標としてもう少し充実してくるでしょう。 SDGsに貢献する特許戦略 長部喜幸氏 一般財団法人日本特許情報機構 知財AI研究センター調査研究部長 私見卓見 2021年6月8日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD175750X10C21A5000000/ SDGs 技術企業ランキングを発表します https://japio.or.jp/press/files/20210401pre_rel.pdf イーパテント、特許から見るSDGs企業ランキングを一挙無料公開 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000078317.html 特許から見るSDGsグローバル企業ランキング(2021.5.10版) https://note.com/anozaki/n/n205af9168d7c 今年3月に行われた、株式会社ユーザベース SPEEDA 主催の、H2H「世界で勝つためのオープンクローズ戦略」セミナーを元に特許庁が記事化したものが、特許庁のホームページに公表されました。
デザイン経営で大事なことは、・・・「企業が大切にしたい価値とその表現方法を定義すること」、そして「市場にある潜在的ニーズを基に、自社の既存事業の枠にとらわれない事業を構想していくこと」など基本的な考え方がわかりやすく述べられています。 未だに、良いものを作れば売れるという考え方に固執し、市場が求める価値を提供していくスタンスに変われていない方々に、ぜひご紹介いただきたい。 ウォーターフォール型からアジャイル型へ変わるイノベーションの形 知財に求められる経営戦略的な思考 投資スタイルも変えるイノベーションジレンマ 競合相手もアライアンス先にオープン化が主導権の鍵 垂直方向と水平方向のフレームワークで知財戦略をとらえる 生き抜くために将来像を描く自社の強みの見極めが鍵 「デザイン経営×知財戦略 -共創で描く知財戦略の新たな展開-」(伊藤竜一氏(株式会社ユーザベースSPEEDA)×林力一氏(PwCコンサルティング合同会社)×西垣淳子(特許庁)) https://www.jpo.go.jp/introduction/soshiki/document/design_keiei/special_20210609.pdf 特許庁はデザイン経営を推進しています 2-4 インタビュー・スペシャルコンテンツ https://www.jpo.go.jp/introduction/soshiki/design_keiei.html |
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December 2024
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