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1月6日にライブ配信された第76回知財実務オンラインは、「初学者向け 知的財産のリスクマネジメントとトラブル対応の実務」(ゲスト:弁護士法人クレオ国際法律特許事務所 所長 弁護士 弁理士 西脇 怜史氏)でした。(約1時間48分のアーカイブ動画)
https://www.youtube.com/watch?v=BxF_chgNWWA 知的財産のリスクを、差止請求、予見可能性が低い、法制度改正が頻繁、損害賠償額の高額化、代理人費用、・訟期間、炎上役員の責任問題に発展にわけて説明。リスクへの対応の仕方について、内在するリスクへの対応(平時の対応)、発生したリスクへの対応(有事の対応)にわけて説明しています。 初学者向けとなっていますが、初学者以外でも全体像を把握・確認するのに適しています。 概要
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パテント誌に「公然実施による特許無効の抗弁を主張する際の留意点」をまとめている論文が掲載されています。(特許権侵害訴訟において,公然実施による特許無効の抗弁を主張する際の留意点、パテント, Vol. 62, No. 3 , P27 (2009)、牧山 皓一)
https://system.jpaa.or.jp/patents_files_old/200903/jpaapatent200903_027-035.pdf 公然実施を立証する際の留意点としては、立証に必要な証拠は, (1)公然実施されていた事実を立証するための証拠 (2)公然実施品と特許発明との同一性を立証するための証拠 として、公然実施の認容要件別に特定することとして、それぞれの留意点を述べています。 そのうえで、 (3)公然実施品と特許発明との同一性が立証できない場合でも,公然実施品の存在により,特許発明が進歩性を欠くことが認められることがある。 としています。 特許権侵害訴訟において,公然実施による特許無効の抗弁を主張する際の留意点 パテント, Vol. 62, No. 3 , P27 (2009) 牧山 皓一 特許権侵害訴訟において被疑侵害者からいわゆる特許無効の抗弁が主張される場合がある。近年,特許権侵害訴訟における特許無効の抗弁で,頒布された刊行物に記載された発明と同一(特許法 29 条 1 項 3 号),またはこれから容易想到(同法 29 条 1 項 3 号に基づく同法 29 条 2 項)の適用が主張される件数は,依然として多いものの,その主張が認められ難くなってきた。 これに対して,公然実施された発明と同一(同法 29 条 1 項 2 号),またはこれから容易想到(同法 29条 1 項 2 号に基づく同法 29 条 2 項)の適用を主張する件数が増加し,主張が認められる割合もかなり高いことから,特許権侵害訴訟において,公然実施による特許無効の抗弁を主張する重要性が増してきている。 本稿では,特許権侵害訴訟において,公然実施の主張が認められるための要件と公然実施を立証するために必要な証拠について,裁判例を分析し,公然実施を立証する際の留意点について若干の考察を加える。 目次 1.はじめに 2.公然実施が認められるための要件と公然実施を立証するために必要な証拠 3.公然実施を立証する際の留意点 4.おわりに 3.公然実施を立証する際の留意点 特許権侵害訴訟において公然実施を立証する際に問題となるのは,立証に必要な証拠を如何に特定するかである。 立証に必要な証拠は,公然実施の認容要件別に特定することに留意する。 (1)公然実施されていた事実を立証するための証拠 係る証拠は,書類,現物等の検証物が広く用いられている。公然実施されていた事実を立証するものであるから,発行,作成等された日付と対象製品等が明確に記載されていることが必要であり,かつ,それで足りる。 ①書類として用いられているのは,カタログ・パンフレットが最も多く,以下,新聞・雑誌記事,図面,写真,購入伝票等である。 書類を証拠として用いる際に,改変が問題となることは少ないが,複数の書類を用いることにより裁判所の心証も良くなると思われる。 ②実機等の現物で立証する場合は,実機に付された製造年月日により証明する,実機に付された製造番号から製造年月日を求めて証明する等の方法が用いられているが,改変が行われていないことを裏付ける書類または証人の証言が必要である。 (2)公然実施品と特許発明との同一性を立証するための証拠 公然実施されていた事実を立証した後に,公然実施された製品等と特許発明との同一性を立証する必要がある。 同一性の立証は,公然実施品の外観,材料,特性等が記載されたカタログ,図面等の書類と特許発明とを対比して行われるものもあるが,このような立証方法はそれほど多くない。最も多く用いられているのは,公然実施品を分析して特許発明との同一性を立証する方法である。 係る方法で問題となるのは,分析対象品が改変されていないか,経時変化による特性値の変動がないか,である。証人の証言,対象品の分析結果と特許出願明細書等の書類の記載事項との対比で立証する方法が有効である。 公然実施品が入手できない場合は,特許発明との同一性を立証することが困難となるが,公然実施品を試作等により再現することが可能であれば,試作品の分析結果で同一性を立証できる場合もある。 「知財管理」誌70巻2号に、「公然実施発明に基づく進歩性欠如の特許無効を争う裁判例の研究」(特許第2 委員会第4 小委員会)という論説が掲載されています。
裁判所が公然実施による特許有効性について判断した52件について検討を加えており、特徴的な6つの裁判例については、個別に論じています。そして、公然実施品を用いた進歩性の判断手法、公然実施発明における課題の認定方法、公然実施発明に副引用発明を適用する動機付けに関する傾向について考察を加えており、無効を主張する側に対する提言、特許権者に対する提言を行っています。 実務上、かなり近い実施品があるが同一の公然実施品がない場合が多いのですが、同一の公然実施品がない場合でも進歩性欠如の無効主張は十分に可能と考えられますので、あきらめずに検討を進めることが重要だと思います。 公然実施発明に基づく進歩性欠如の特許無効を争う裁判例の研究 http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/search/detail.php?chizai_id=7868d1bfa25dea25a1ed0a0a12af8a94 目次 1.はじめに 1.1目的 1.2検討項目 2.統計分析 2.1 分析対象 2.2 分析結果 3.裁判例紹介 4.考察 4.1 公然実施品を用いた進歩性の判断手法 4.2 公然実施発明における課題の認定方法 4.3 公然実施発明に副引用発明を適用する動機付けに関する傾向 5.提言 5.1 無効を主張する側に対する提言 上述の通り特許発明と同一の公然実施品がない場合でも進歩性欠如の無効主張は十分に可能である。 今回調査を行った統計分祈の結果からは、公然実施発明に副引用発明を適用する動機付けの4要索のうち、「課題の共通性」や「技術分野の関連性」を主張しうるかを十分に検討する必要があると考えられる。 そして個別の裁判例の分祈からは、裁判例1やその他の分析した裁判例のように、副引用発明として文献等を用いて公然実施品に周知の課題が存在することを主張した上で、当該課題を解決する周知の技術手段を適用することで相違点に係る構成が容易に想到できると主張することは、効果的であると考えられる。 仮にそのような文献等が証拠物として見つからなかった場合であっても、裁判例3のように 「公然実擁発明に係る物」から直接課題及び技術的意義を抽出した上で、当該課題及び技術的意義が副引用発明と共通していることを示すことができれば、進歩性を否定できる可能性があると考える。ただしこの場合、文献等とは異なり課題が明示されていない、いわば無色透明な物に恣意的に課題を認定することにつながりかねず、主張が認められない可能性は否定できない点に留意すべきである。 また上記の認定方法②で示したように、公然実施発明に関連する製品や商品の評価や指摘に関する情報の存在を確認することも必要であると考えられる。 5.2 特許権者に対する提言 4.1で述ぺたように、主引用発明が公然実施発明の場合の進歩性の判断手法は、主引用発明が刊行物の湯合と同様であることを理解することが肝要である。無効主張に対する反論では、請求項に係る発明と公然実施発明との間の相違点を的確に指摘し、論理付けが否定される方向へ導く主張をすることが望ましい。 例えば、裁判例5のように、請求項に係る発明と公然実施発明の相違点を解消することに阻害要因が存在することを主張することで論理付けが否定され進歩性が認められる可能性もある。その際には主引用発明が特定の構成を有しているのには何らかの理由(技術的意義、作用効果)があることを明確にしそれを基に阻害要因の存在を主張立証することが肝要である。 また、裁判例6のように、副引用発明と本件発明の課題が異なることで、主引用発明である公然実施発明に副引用発明を組み合わせる動機付けが否定されているケースもあることから、公然実施発明に主引用発明を絹み合わせる動機付けがないとの主張、立証を「課題の共通性」を含めた上述の4要索の観点から検討することも有用であると考える。 また、裁判例3は、特許権者が実施主体となる公然実施品が引例となり進歩性欠如により無効になるケースであった。 基本発明が完成した際に、想定される改善発明を基本発明の出願公開前に出願完了させる等自らの製品が引例とならないように開発・出願計画を十分に検討する必要があると考えられる。 そのためにも、知財部門は研究開発・事業部門と出願計画を密に連携しておくことが肝要である。 6.おわりに 「知財管理」誌 検索 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 70巻(2020年) / 2号 / 180頁 論文区分 論説 論文名 公然実施発明に基づく進歩性欠如の特許無効を争う裁判例の研究 著者 特許第2 委員会第4 小委員会 抄録 特許の無効が主張立証の段階において争点の一となる訴訟(以下、単に特許無効を争う訴訟と記す)において、公然実施品を証拠物として特許の無効を主張するケースは少なくない。その際の無効主張として新規性のみならず進歩性を争うことも可能ではある。しかし、その場合は公然実施品から課題や技術的意義を直接読み取ることが難しいことから、刊行物を用いる場合とは異なる観点で進歩性判断の検討を行う必要がある。そこで本稿では、(1)公然実施発明を用いた進歩性欠如の主張がなされた裁判例の有無、(2)公然実施発明と刊行物記載発明との進歩性の判断手法の相違点、(3)公然実施発明に内在する課題や技術的意義の認定方法、(4)公然実施発明と副引用発明を組み合わせる動機付け、の4つのポイントを中心に裁判例を分析し、実務者への提言を行うべく検討を行った。 公然実施品の特性をパラメータや数値で規定しただけのいわゆる数値限定特許やパラメータ特許にどう対応したらよいか悩んでいるのは、やはり化学分野に多いようです。
「知財管理」誌に掲載されている「化学分野における公然実施製品と他者登録特許」は、化学分野における公然実施に関する裁判例、有用な証拠収集方法について検討しています。 目次 1.はじめに 2.公然実施と先使用権について 2.1 公然実施について 2. 2 先使用権について 2. 3 公然実施と先使用権の効果 3.公然実施に関する各要件の裁判例の検討 3.1 第1要件① 秘密保持義務を負わないこと 3. 2 第1要件② 発明内容を知り得る状態で,実施行為が行われたこと 3. 3 第2要件 発明の同一性 4.具体的な対応における留意点 4.1 秘密保持義務について 4. 2 化学製品特有の証拠収集について 4. 3 証拠の信用性を上げるために 4. 4 証拠同士のつながりについて 4. 5 第三者の立場で公然実施の証拠を収集する場合 5. おわりに 化学分野における公然実施製品と他者登録特許 http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/search/detail.php?chizai_id=b52d67ec5d0e0163941ac788fb2da39a 「知財管理」誌 検索 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 71巻(2021年) / 8号 / 1021頁 論文区分 論説 論文名 化学分野における公然実施製品と他者登録特許 著者 佐藤慧太 抄録 特に化学分野において、ある特許の出願日時点で販売していた化学製品が存在していたとしても、特許の審査段階では公然実施品が調査をされることは少なく、文献しか参照されないことが多いため、公然実施品の特性をパラメータ等で規定しただけで登録になってしまうことがある。また、特許出願前の公然実施品が存在する場合であっても、化学製品であれば経時変化の可能性がある。そのため、特許出願前と現在とでは組成が変化している可能性があり、特許出願前の公然実施品の実物を分析することによっても特許発明と同一であったことを証明することが困難な場合もある。そこで、本論説では、このような化学分野の問題点を踏まえて、公然実施に関する裁判例を概観した後、有用な証拠収集方法について検討していくことにする。 公然実施発明(29条1項2号)に基づく進歩性判断について、大鷹一郎・知財高裁所長の論文から、一般化されている部分について引用しておきました。
日本の裁判所の基本的な考え方が書かれています。 「公然実施発明に基づく進歩性の判断においては、当業者が特許出願前に実施品(公然実施品)に接したものと想定した上で、かかる当業者が、実施品から、どのような技術的思想を読み取り、どのような課題を認識し、その課題の解決手段に容易に想到できるかが問題となるため、製品開発における当業者の視点を的確に踏まえた考察が重要となる。そこで、実際の特許侵害訴訟や審決取消訴訟では、製品の研究開発者、大学研究者等の専門委員の関与の下に審理をするのに適した事案が多いように思われる。」と書かれているように、公然実施発明に基づく判断においては、研究開発者の関与が極めて重要となります。 「公用発明(公然実施発明)と進歩性について」大鷹一郎・知財高裁所長 『ビジネスローの新しい流れ-知的財産法と倒産法の最新動向』(青林書院)」 Ⅰ はじめに 特許法29条は、1項1号から3号において、既に公開されている発明の類型を列挙し、列挙した発明以外の発明について特許を受けることができると規定し、「新規性」の要件を定め、2項において、当業者が1項各号に掲げる発明に基づいて容易に発明をすることができたときは、その発明については特許を受けることができないと規定し、「進歩性」の要件を定めている。 新規性が欠如する発明の類型としては、特許法29条1項1号の「特許出願前に公然知られた発明」(以下「公知発明」という。)、同項2号の「特許出願前に公然実施をされた発明」(公用発明(公然実施発明)。以下 単に「公然実施発明」という。)、同項3号の「特許出願前に頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明」(以下「刊行物記載発明」という。)の3類型があるが、本稿は、公然実施発明を主引用例として、同条2項の規定により進歩性が欠如するかどうかを判断する際に実務上問題となる事項について、知財高判平成30・2・6(平成30年(ネ)第10044号)(以下「本判決」という。) を題材に考察するものである。 Ⅲ 公知と公然実施の区別 特許法29条1項2号の「特許出頻前に公然実施をされた発明」(公然発明)とは、特許出願前に発明の内容が公然知られる状況又は公然知られるおそれがある状況で実施をされた発明をいうものと解される。ここに「公然知られる」とは、発明者のために発明の内容を秘密にする必務を負わない者によって「技術的に理解される」ことをいう。「実施」とは、特許法2条3項に規定する行為をいい、物の発明についてはその物の生産、使用、譲渡等(同項1号)をいう。そうすると「公然実施をされた」というためには、発明の内容が「技術的に理解される」状況で実施されることを要するから、例えば、材料の成分や装置の内部構造に関する発明については、発明の実施品が販売されていたというだけでは足りず、当業者が通常利用可能な分析技術を用いて当該製品から発明の内容を知ることができるものでなければならない。 一方、特許法29条1項1号の「特許出願前に公然知られた発明」(公知発明)にいう「公然知られた」とは、発明者のために発明の枚葉を秘密にする義務を負わない者によって「技術的に理解された」ことをいうものと解されるから、発明が実施されたことにより、「公知発明」に該当する場合があり得ることとなる。 このように発明が実施されている場合には、「公知発明」の問題として捉えることも、「公然実施発明」の問題として捉えることも可能であるが、進歩性の要件は、当業者が特許法29条1項各号に掲げる発明に基づいて容易に発明をすることができたかどうかを判断するものであるから、進歩性の判断の出発点となる引用発明の認定においては、そのいずれの問題として捉えたのかを明確にすべきである。 Ⅳ 進歩性の主張立証 公然実施発明の認定 「公然実施発明を引用発明として認定するには、実施品が特許出願前に製造、販売されていた公然実施品であることを認定した上で、当該実施品によって具現化されている技術的思想を言語で表現することによって認定する。この場合、実施品の現物、実施品の解析結果、取扱説明書、ウェブサイト、カタログ、パンフレット等の広告宣伝における説明等が認定賓料となり得る。実施品の解析結果の証拠化の方法としては、公証人作成の事実実験公正証書によって、製品が梱包された状態から開梱し、製品の現状、解析の状況を順次記録する方法、第三者の分析機関に解析を依頼する方法などが実務上見受けられる。公然実施発明の認定は、実施品に接した当業者が、特許出願時の技術常識を踏まえて、発明の内容を認識できるかどうかによることになるから、技術常識を基礎づける資料も、認定資料となり得る。」 容易想到性の論理付け 「…引用発明が刊行物記載発明の場合、例えば、刊行物の特許公報には、特許請求の範囲の ほか、明細書の発明の説明に、発明の課題、構成、効果、実施例等が記載されているため、これらの記載を手掛かりとして、相違点に係る請求項に係る発明の構成に至る動機付け等となる要素を認定し、論理付けを行うことができる。一方、引用発明が公然実施発明の場合には、実施例自体は実在する具体的な技術そのものであり、市場においてベストモードの完成品として提供されているものであるため、通常は、実施品自体やその取扱説明書等にその課題等の記載がなく、他の資料から、動機付けの手掛かりとなる要素を認定する必要がある。そこで、公然実施発明の場合には、相違点に係る請求項に係る発明の構成を引用発明に結び付けていくために、技術常識や周知技術による論理付けのサポートが必要となり、また、その論理付けは説得的でなければならない。 公然実施発明では、この論理付けをいかに行うかが進歩性判断の鍵となる。…公然実施発明に基づく進歩性の判断においては、当業者が特許出願前に実施品(公然実施品)に接したものと想定した上で、かかる当業者が、実施品から、どのような技術的思想を読み取り、どのような課題を認識し、その課題の解決手段に容易に想到できるかが問題となるため、製品開発における当業者の視点を的確に踏まえた考察が重要となる。」 V 終わりに 「公然実施発明に基づく進歩性の判断においては、当業者が特許出願前に実施品(公然実施品)に接したものと想定した上で、かかる当業者が、実施品から、どのような技術的思想を読み取り、どのような課題を認識し、その課題の解決手段に容易に想到できるかが問題となるため、製品開発における当業者の視点を的確に踏まえた考察が重要となる。そこで、実際の特許侵害訴訟や審決取消訴訟では、製品の研究開発者、大学研究者等の専門委員の関与の下に審理をするのに適した事案が多いように思われる。」 特許の出願日前に販売していた製品が存在していても、審査段階では公然実施品が調査をされることはほとんどなく文献しか参照されないことが多いため、公然実施品の特性をパラメータや数値で規定しただけのいわゆる数値限定発明やパラメータ発明が特許として認められることが多くなっており、どう対応したらよいか悩んでいる人が増えているようです。
「公然実施発明(29条1項2号)に基づく新規性、進歩性判断における諸論点」(高石秀樹弁護士)という動画(11分30秒は、公然実施発明に基づく新規性、進歩性における諸論点をわかりやすくコンパクトにまとめています。
公然実施発明(29条1項2号)に基づく新規性、進歩性判断における諸論点 https://www.youtube.com/watch?v=DlVnhbFibS0&t=32s 特に、大鷹一郎・知財高裁所長の論文からの下記引用は重要です。 「…引用発明が刊行物記載発明の場合、例えば、刊行物の特許公報には、特許請求の範囲のほか、明細書の発明の説明に、発明の課題、構成、効果、実施例等が記載されているため、これらの記載を手掛かりとして、相違点に係る請求項に係る発明の構成に至る動機付け等となる要素を認定し、論理付けを行うことができる。一方、引用発明が公然実施発明の場合には、実施例自体は実在する具体的な技術そのものであり、市場においてベストモードの完成品として提供されているものであるため、通常は、実施品自体やその取扱説明書等にその課題等の記載がなく、他の資料から、動機付けの手掛かりとなる要素を認定する必要がある。そこで、公然実施発明の場合には、相違点に係る請求項に係る発明の構成を引用発明に結び付けていくために、技術常識や周知技術による論理付けのサポートが必要となり、また、その論理付けは説得的でなければならない。公然実施発明では、この論理付けをいかに行うかが進歩性判断の鍵となる。…公然実施発明に基づく進歩性の判断においては、当業者が特許出願前に実施品(公然実施品)に接したものと想定した上で、かかる当業者が、実施品から、どのような技術的思想を読み取り、どのような課題を認識し、その課題の解決手段に容易に想到できるかが問題となるため、製品開発における当業者の視点を的確に踏まえた考察が重要となる。」 『ビジネスローの新しい流れ-知的財産法と倒産法の最新動向』(青林書院)」、117頁21行~118頁末行) 「今年の知財ニュースランキングを作ろう」(安高史朗の知財解説チャンネル)では、今年の知財ニュースランキングを取り上げて、ゲストといろいろ話しています。
https://www.youtube.com/watch?v=nz_tK2uR5rE ランキング上位だったのは、 電磁鋼板特許 日本製鉄vsトヨタ自動車、宝山鋼鉄 セルフレジ特許アスタリスクvsユニクロ オプジーポ特許 本庶佑vs小野薬品 ゲーム特許「白猫プロジェクト」任天堂vsコロプラ コネクテッドカー特許IT/通信企業と自動車メーカー コーポレートガバナンスコード知財規定 コーポレートガバナンスコード知財規定以外は、いずれも係争系でした。 今年決着したのが、セルフレジ特許アスタリスクvsユニクロ、オプジーポ特許本庶佑vs小野薬品、ゲーム特許「白猫プロジェクト」任天堂vsコロプラ、いずれも和解で解決、良かった。 電磁鋼板特許 日本製鉄vsトヨタ自動車、宝山鋼鉄は、三井物産を巻き込み、これから大きなうねりがおきそうです。コネクテッドカー特許IT/通信企業と自動車メーカーも同じように構造改革を引き起こしそうです。 コーポレートガバナンスコード知財規定は、大きな動きを今後引き起こすことを期待しています。 令和4年1月からの再公表特許の廃止に伴う、J-PlatPatで検索・照会等を行う際の留意点が公表されました。注意が必要です。
https://www.jpo.go.jp/support/j_platpat/haishi_202201.html 照会 1.日本語PCT出願が国内移行されたか否かを知りたい場合 2.国内移行出願の経過情報を確認したい場合 3.国内移行出願に付与されたFI・Fタームを確認したい場合 4.国内移行出願の引用文献情報を確認したい場合 検索 5.国内移行出願に係る発明を検索したい場合 RSS機能 6.国内移行出願のRSS機能について 2022年1月12日以降のJ-PlatPatでの公報情報の提供についても公表されています。 https://www.jpo.go.jp/support/j_platpat/koho-henko20220112.html 1. 公報システムの刷新による公報発行の変更点について 2. J-PlatPatにおける公報情報の掲載について (1)公報情報の掲載タイミング (2)PDFによる情報提供 参考 特許情報提供事業者リスト集 (3)再公表特許の廃止 日本製鉄が、電動車のモーターに使われる電磁鋼板に関する自社の特許を侵害されたとして今年10月にトヨタ自動車と中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄を訴えましたが、さらに両社の取引に関わった三井物産を東京地裁に提訴したとのことで、事態はアスタリスクとファーストリテイリングのセルフレジ訴訟の和解のような「ボタンのかけ違い」では済みそうにないようです。
トヨタ社長が日本製鉄の社長から事前に話がほしかったような談話が流れていましたので、トップ同士の話し合いで解決もありかなとも思っていましたが、ファーストリテイリングの社長のような度量は両社トップにはなかったのかもしれません。(もっともファーストリテイリングにしても知財高裁で負けてからということですから、それほど度量があったわけでもないのかもしれません。) 「この手の紛争は、長期化すればするほど関係する企業の体力を奪っていく。だからこそさっさと決着をつけてくれ・・・」という思いもありますが、新しい日本の特許実務が生まれるか、旧来のままか、という戦いでもあるので、とことんやって新しいルールを創り上げてほしいという期待もあります。 一方、「強い法務部」2位の日本製鉄と、「強い法務部」3位のトヨタ、同4位の三井物産連合軍の戦いでもありますので、お手並み拝見といった気分もないわけではありません。 「異例」の見出しとともに拡大する戦線。企業法務戦士(id:FJneo1994)2021年12月28日 https://blogos.com/article/574931/ 「強い法務部」首位は三菱商事 日本製鉄やトヨタ続く 弁護士が選ぶランキング 2021年企業法務税務・弁護士調査 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC035A00T01C21A2000000/ 1位三菱商事、2位日本製鉄、3位トヨタ自動車、4位ソフトバンクグループ、三井物産 日本製鉄、「売り手」も提訴 供給網にも知財紛争リスク2021年12月24日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC23D8B0T21C21A2000000/ 日本製鉄、三井物産も提訴 鋼板特許侵害で2021年12月23日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC22DSA0S1A221C2000000/ アスタリスクがファーストリテイリングに対して、ファーストリテイリングが運営する「ユニクロ」「ジーユー(GU)」のセルフレジがアスタリスクの特許権を侵害したとして提起した訴訟、ファーストリテイリングが対抗して請求していた無効審判をそれぞれ取り下げる全面的な和解をしました。
「株式会社ファーストリテイリング(以下、FR)と株式会社アスタリスク(以下、ASX)および株式会社NIP(以下、NIP)は、係争中であったRFIDを活用したセルフレジ案件(以下、本件係争)において、2021年12月23日に相互に協力関係を築くべく全面的な和解をしたことをお知らせします。この和解は、FRは、現在NIPの保有する特許が有効に存在していることを尊重し、ASXおよびNIPは、本セルフレジはASXの特許出願が公開される以前から、FRが独自に開発し使用していたものであると確認するという円満な和解合意です。この和解成立の結果として、ASXおよびNIPは特許権侵害訴訟等を取り下げ、FRは無効審判請求を取り下げます。」 和解条件は非公表ですが、「この和解は、FRは、現在NIPの保有する特許が有効に存在していることを尊重し、ASXおよびNIPは、本セルフレジはASXの特許出願が公開される以前から、FRが独自に開発し使用していたものであると確認するという円満な和解合意です。」「話し合いを継続する中で、互いのそれぞれの主張はボタンのかけ違いから発生したものであるという相互理解ができ、」という表現から、特許は有効、「ユニクロ」「ジーユー(GU)」のセルフレジはパクリではない、ということを確認し、「協力して互いの事業の発展に努めようという合意に」なったようです。 どういう「ボタンのかけ違い」だったのか等、このような騒ぎがまた起こらないように、両者の話が聞ける機会があると良いとは思っていますが、 アスタリスクの社長のツイッターや代理人のブログからみると、アスタリスク社(ASX)・NIP社が納得する「全面的な和解」だったようで、今後の事業の発展を期待したいと思います。 特許権侵害訴訟等の和解成立のお知らせ https://www.fastretailing.com/jp/ir/news/2112241500.html 訴訟に関する和解について https://www.asx.co.jp/news/20210224_press/ ファストリ、セルフレジの特許訴訟で和解、アスタリスクと2021/12/27 https://diamond-rm.net/management/102042/ ユニクロのセルフレジ訴訟で和解 特許権侵害、請求取り下げ https://news.yahoo.co.jp/articles/90f068733a9a53f0f83eb0bbe51ec7dd75c97627 和解しました! https://twitter.com/noriyukisuzuki/status/1474532782022197249 鈴木規之 @noriyukisuzuki 和解しました! 会見では、「柳井さんやファストリの方々を尊敬している」「良い関係で和解した」と発言したのに、そういった報道はされないのが残念ですが…。 本当に好きなので、今日から、またユニクロファッションでキメまくるぞ! 和解!! Asmile ブログ, 特許 2021年12月25日 https://www.asmilepat.com/blog/%E5%92%8C%E8%A7%A3%EF%BC%81%EF%BC%81/ おはようございます。アスミルの浅野です。 ついに係争がおわりました。 特許の係争はとても大変ですが、今回の係争は、過去に例を見ないほど大変でした。。。 私としては、クライアントであるアスタリスク社(ASX)・NIP社が納得する「全面的な和解」に至ることができ本当に良かったと思っています。 ビジネス法務2022年1月号に、「『勝つ』より妥当な『解決』。法務の存在感を大いに発揮しよう」(凸版印刷株式会社 執行役員 法務・知的財産本部 本部長 兼 法務部長 ニューヨーク州弁護士 増見淳子氏)が掲載されていました。
増見さんご自身の、英国における大型紛争案件の調停による和解への対応経験を基にした紛争対応のポイントが書かれています。 初めての国際紛争に臨んだ状況、調停参加の事前準備、調停当日の対応、調停は時間切れも調停終了直後に相手方から和解提案があり同日中に和解合意が成立というドラマチックな結末、そこから学んだ3つのポイント、負荷が高い割に報われにくい紛争対応業務への心構えなど、若手必見です。 ビジネス法務2022年1月号 https://www.chuokeizai.co.jp/bjh/archive/detail_008485.html サムスン対アップル知財高裁大合議判決についての①SEP特許の権利行使、②証拠収集の話です。日本の裁判実務では限界があるため様々工夫されていることがかなり細かいところまで話されており、参考になりました。
(第75回)知財実務オンライン:「戦略的特許侵害訴訟を目指して-担当した最高裁判決、知財高裁大合議判決を振り返って-」(ゲスト:大野総合法律事務所 代表 日本・NY州弁護士/弁理士 大野 聖二氏) https://www.youtube.com/watch?v=KL51JhLfIOk
ドイツとの大きな違い(ドイツではノキア対ダイムラー訴訟が和解したが、日本ではそうならない) そこで、日本では「疑似SEP特許」というトライが進められている。
「知財実務オンライン」の第4回LIVEライトニングトークで、高石秀樹弁護士の「特許出願戦略(当初明細書の記載とクレーム文言の工夫<10選>)」では、(1)当初明細書の最重要ポイント(2)クレーム文言の工夫<10選>が話されました。
高石弁護士が出願戦略にまで踏み込むことは珍しいのですが、非常に示唆に富むポイント、工夫がコンパクトにまとめられています。 高石弁護士のトークは、1時間23分から1時間39分の16分間) 2022年1月24日に、知財実務オンライン特別編で続編あり。 https://www.youtube.com/watch?v=9wrXalQLIBI (1)当初明細書の最重要ポイント ★出願時の「明細書及び図面」における、最重要ポイントは? ⇒当初明細書の「発明の課題」欄に、適切な文章を書くこと!! 発明の「課題」を高いレベル(下位概念、具体的)で書くことの <メリット>従来技術と差別化し、進歩性〇の傾向。 <デメリット>サポート要件×の傾向。当該課題を解決できる必要があるとして、発明の技術的範囲が狭く解釈される傾向。 (⇒進歩性に貢献しない、知られた「課題」を書くことは、百害あって一利なし。) (<均等論>Dedicationの法理~当初明細書の記載ボリュームは、出願後の分割戦略次第である‼ ) -------------------------------------------- 当初明細書に、発明の「課題」を多段階で記載するテクニック ⇒①クレーム毎に対応付ける。②実施例に埋め込んでおく。 (2)クレーム文言の工夫<10選> ①拒絶理由と、クレーム文言の補正~中間処理の工夫!! ②従属項の利活用~クレームディファレンシエーション ③機能的クレーム~全件、独立クレームとして検討に値する!! ④サブコンビネーションクレーム~使途相違の敗訴無し ⑤「用途」「使用態様」の特定~用途相違の敗訴無し ⑥除くクレーム~主引例の必須要素を除くことで、進歩性〇!! ⑦数値限定・パラメータ発明~新たな「課題」とのセット!! ⑧効果のクレームアップ~構成容易を免れない場合の最終奥義 ⑨「製造方法」の発明~「間接生産物」に及ぶ可能性あり!! ⑩別出願の利活用~「A」と「A以外」の別出願 特許出願戦略(1)当初明細書の最重要ポイント(2)クレーム文言の工夫<10選>のスライドpdfは、下記から入手できます。 file:///C:/Users/%E7%A7%80%E6%86%B2/Desktop/%E7%89%B9%E8%A8%B1%E5%87%BA%E9%A1%98%E6%88%A6%E7%95%A5%EF%BC%88%E2%91%A0%E5%BD%93%E5%88%9D%E6%98%8E%E7%B4%B0%E6%9B%B8%E3%81%AE%E6%9C%80%E9%87%8D%E8%A6%81%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%80%81%E2%91%A1%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%A0%E6%96%87%E8%A8%80%E3%81%AE%E5%B7%A5%E5%A4%AB%EF%BC%9C10%E9%81%B8%EF%BC%9E%EF%BC%89.pdf 「知財実務オンライン」の第4回LIVEライトニングトーク https://www.youtube.com/watch?v=9wrXalQLIBI ■ゲスト 【前半の部】 1.ちざたまご オープン弁理士祝賀会がフェスになった件 2.浪崎友佳里 薬機法×商標法の境界線 3.大山浩志 地方でも参加できる知財研究会・コミュニティ 4.むう 知財若手の会の紹介 5.小池誠 テレパシー通信の基本特許 6.草野大悟 知財&弁理士の認知拡大・映画制作プロジェクト 7.Yuroocle Shall we dance? 【後半の部】 8.高石秀樹 特許出願戦略(当初明細書の記載とクレーム文言の工夫<10選>) 9.nasa 特許に特化した機械翻訳を見渡してみた 10.藪内達也 フリーランス特許翻訳者として海外で暮らす 11.長部喜幸 脱炭素・SDGs技術の見える化 12.NAKAGAKI 法学部に入ってみた 13.しろ めくるめく怪獣商標の世界 12月20日に公表された、知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会「「知財・無形資産の投資・活用戦略の開示及びガバナンスに関するガイドライン」~知財・無形資産の投資・活用戦略で決まる企業の将来価値・競争力~(投資家や金融機関等との建設的な対話を目指して) 」の案は、「企業がどのような形で知財・無形資産の投資・活用戦略の開示やガバナンスの構築に取り組めば、投資家や金融機関から適切に評価されるかについて、分かりやすく示すため」のもので、「義務的な法令開示の枠組みづくりを目的とするものではなく、企業の自由度を確保した任意の開示を促すもの」とのことで、上場会社だけでなく、中小企業やスタートアップ、投資家、金融機関などの利用も想定しています。
そして、ガイドライン案では、5つのプリンシプル(原則)と7つのアクションを示しています。 ガイドライン案では、知財・無形資産の投資・活⽤戦略の開⽰及びガバナンスに関する実践⽅法(How to)を⽰すというよりも、むしろその実践に当たって基礎となる考え⽅を中⼼に整理することによって、企業⾃らが考え、判断しつつ実践していくことを意図しているため、How toを期待していた方々にとっては期待外れ感があるようですが、考え方が整理されていますので、本ガイドライン案の内容を、ちりばめられたコラム、事例とともに、社内の方々にしっかり説明し理解を深めた上で、取組みを進める出発点と考えるべきでしょう。 知財・無形資産の投資・活⽤のための5つのプリンシプル(原則) ① 「価格決定⼒」あるいは「ゲームチェンジ」につなげる ② 「費⽤」でなく「資産」の形成と捉える ③ 「ロジック/ストーリー」としての開⽰・発信 ④ 全社横断的な体制整備とガバナンス構築 ⑤ 中⻑期視点での投資への評価・⽀援 知財・無形資産の投資・活⽤のための7つのアクション (i) 現状の姿の把握 (ii) 重要課題の特定と戦略の位置づけの明確化 (iii) 価値創造ストーリーの構築 (iv) 投資や資源配分の戦略の構築 (v) 戦略の構築・実⾏体制とガバナンス構築 (vi) 投資・活⽤戦略の開⽰・発信 (vii) 投資家等との対話を通じた戦略の錬磨 https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=095211340&Mode=0 「知財管理」誌2021年12号に掲載されている「IPランドスケープに関する研究─初めて取り組む方への手引き─」は、IPランドスケープに初めて取り組む方にとって参考になる論説のひとつです。Patentsight社のツールを用いています。
「知財管理」誌 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 71巻(2021年) / 12号 / 1655頁 論文区分 論説 論文名 IPランドスケープに関する研究─初めて取り組む方への手引き─ 著者 情報活用委員会 第3小委員会 抄録 IPランドスケープ(以下、「IPL」と称する。)の取り組みや研究が進む中、各企業における様々な活用報告が挙がっている。しかし、実際にどのようなデータを集め、どう分析するかは各企業のノウハウとして一般的には公開されておらず、先行研究によって公開される事例も数が少ない。そのため、自社の目的に即したIPLの分析事例を入手することは容易ではなく、これからIPLに取り組む知財部員の方にとっては依然として何から始めれば良いのかわからないといった戸惑いがあった。そこで本研究では、IPLに用いる各分析手法や使用するデータを、事業戦略策定、新規事業創出、M&A・アライアンスの目的ごとに整理し、参照しやすい一覧表形式でまとめた。本稿では、前段でこの一覧表の各項目と参照方法の説明を行い、後段で、実際に一覧表を活用したIPLの実施事例の紹介を行う。 http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/search/detail.php?chizai_id=fb2bc364fc65a17c9916fb867af6fc06 セルロースナノファイバーやナノクリスタル、キチンナノファイバー等のバイオナノマテリアルに関するシンポジウムでした。
「次世代京都プロセスと高耐衝撃材料の開発」という京都大学 生存圏研究所 生物機能材料分野・矢野浩之教授のCNF強化PP材料について次世代の製造プロセスと破壊までの仕事量が大きく向上した材料の紹介に興味を持ちました。次世代京都プロセスへの期待が膨らみます。 講演要旨集は下記URLからダウンロードできます。 https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/bionanomat/research/ 【シンポジウム】バイオナノマテリアルシンポジウム2021 - アカデミアからの発信 –(2021/12/21オンライン) 第464回生存圏シンポジウム バイオナノマテリアルシンポジウム2021 - アカデミアからの発信 – https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/bionanomat/news/bmsympo2021/ 温室効果ガスゼロエミッションは、あらゆる分野において人類が生存を賭けて取り組む喫緊の課題です。大気中の二酸化炭素を吸収して生産される植物バイオマス資源は、ポスト化石資源の一番手に位置づけられ、持続可能なカーボンニュートラル素材として自動車産業、家電産業、化学産業を始めとする様々な分野から高い関心が集まっています。 樹木やタケの細胞、カニやエビの外殻、カイコが紡ぐ蚕糸は、人類の知恵をはるかに越えて作り出されている精緻なナノ構造とそれに由来する機能を有しています。しかし、そのことは限られたコミュニティで共有されているだけです。ナノ構造を有するバイオ素材、バイオナノマテリアルの最前線で活躍している大学研究者の活動が産業界や異なる材料分野で広く知られているとはいえません。そこで高性能のセルロースナノファイバーやナノクリスタル、キチンナノファイバー等から構築されているバイオナノマテリアルに関する研究が、今、どのような方向に向かい、展開しているのか、時代を先導する研究グループや研究者が最もホットな話題を発表する機会を作りました。可能な限り毎年開催していく所存です。是非ともご参加いただき、最近の情報を共有いただき、一緒になってバイオマス資源の先進的利用に取り組んでいただければ幸いです。 主催:京都大学バイオナノマテリアル共同研究拠点(経済産業省Jイノベ拠点) https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/bionanomat/ ナノセルロースジャパン https://www.nanocellulosejapan.com/ 共催:近畿経済産業局、地方独立行政法人京都市産業技術研究所、環境省ナノセルロースプロモーション事業 日時:令和3年12月21日(火)13:00-17:10 オンライン配信(Zoom)。 プログラム 13:00 趣旨説明と各グループの紹介 京都大学 生存圏研究所 矢野 浩之 13:10 – 14:15 セッション1 「CNFの結晶性は分散と会合が支配する」 齋藤 継之 (東京大学大学院 農学生命科学研究科 生物材料科学専攻 製紙科学研究室・准教授) CNFの結晶性は、分散により低下し、会合により回復する可逆的な性質であるという新奇現象を解説する。 「ナノセルロースに色素を混ぜてみたら、新しい定量法を発明できて学会でも受賞できちゃった話」 荒木 潤 (信州大学 繊維学部 化学・材料学科・教授) トルイジンブルーO色素吸着を用いて、ナノセルロース試料の表面荷電基を迅速かつ簡便に定量する手法を考案した。 「ミクロ~マクロのデータが物語るバイオベースコンポジット+α」 寺本 好邦 (京都大学大学院 農学研究科 森林科学専攻 生物材料化学分野・准教授) バイオベースコンポジットの経験則を数値化するミクロな分析データと、マクロ物性の統計データがマッチングする様子を紹介する。バイオナノマテリアルのアプリケーションへのデータ活用の可能性についても触れる。 質疑応答: セッション1 14:15 休憩 14:25-15:50 セッション2 「想定外への挑戦―CNF切り紙によるエレクトロニクス放熱―」 上谷 幸治郎 (大阪大学 産業科学研究所 第2研究部門 自然材料機能化研究分野・助教) CNFに見出された意外な熱伝導性をエレクトロニクスの冷却に適用することを目指し、切り紙構造と空気対流を組み合わせた新規な放熱機構を提案する。 「次世代京都プロセスと高耐衝撃材料の開発」 矢野 浩之 (京都大学 生存圏研究所 生物機能材料分野・教授) CNF強化PP材料について次世代の製造プロセスと破壊までの仕事量が大きく向上した材料を紹介する。 「キチンナノファイバーによる非アルコール性脂肪肝炎の改善効果」 伊福 伸介 (鳥取大学 工学研究科 化学・生物応用工学専攻・教授) キチンナノファイバーを服用すると腸内細菌叢が変化し、生体内の酸化ストレスを低下させることに伴い、非アルコール性脂肪肝炎に対して改善効果をもたらす。 「フィブロインナノファイバーのバイオマテリアルへの展開」 岡久 陽子 (京都工芸繊維大学 繊維学系 バイオベースマテリアル学専攻 バイオ機能材料研究室・准教授) 繭の主成分であるフィブロインを機械的に解繊して得られるフィブロインナノファイバーの医療用材料への応用を目指した取り組みについて紹介する。 質疑応答: セッション2 15:50 休憩 16:00 – 17:05 セッション3 「木材を料理する」 足立 幸司 (秋田県立大学 木材高度加工研究所・准教授) 木材加工と食材調理は、バイオマテリアルの加工技術として共通点が多く、交流を通じた新しい展開が期待される。今回は料理をキーワードとして取り組みを紹介する。 「セルロースの合成生物学への挑戦」 今井 友也 (京都大学 生存圏研究所 マテリアルバイオロジー分野・教授) 合成生物学とは、設計により生物現象を再構成する学問分野である。セルロースの合成生物学研究の価値について概説する。 「生態系材料學のスヽメ」 北岡 卓也 (九州大学 大学院農学研究院 環境農学部門サスティナブル資源科学講座 生物資源化学分野・教授) 昨今のバイオナノマテリアル利用は、マイクロプラより環境に悪い。2050年のCO2排出実質ゼロに向け、Ecosystems Materialogyの概念を提唱する。 質疑応答: セッション3 17:05 閉会のあいさつ 後援(予定):紙パルプ技術協会、日本製紙連合会、セルロース学会、公益社団法人日本材料学会関西支部、公益社団法人日本材料学会木質材料部門委員会、一般社団法人日本接着学会、一般社団法人日本木材学会、一般社団法人プラスチック成形加工学会、京都大学産官学連携本部、一般社団法人西日本プラスチック製品工業協会、SPE日本支部、関西イノベーションイニシアティブ(代表幹事機関公益財団法人都市活力研究所)、一般社団法人京都知恵産業創造の森、公益社団法人日本木材加工技術協会関西支部、四国CNFプラットフォーム、ふじのくにCNFフォーラム、薩摩川内市竹バイオマス産業都市協議会(順不同) 「知財・無形資産の投資・活用戦略の開示及びガバナンスに関するガイドライン(案)」に係る意見募集が開始されました。受付締切日時は、2022年1月7日23時59分となっています。意見提出が30日未満であるため、その理由として、「 ガイドライン作成する際の検討事項が多く、当初予定よりも多くの期間を要し、また、当該ガイドラインの1月中の公表を想定していることから、30日の期間は取ることが難しい。」となっています。 全部で60頁を超える大作です。総花的なところは否めませんが、このガイドラインで日本の知財・無形資産の投資・活用が大きく変わるでしょうか。 「知財・無形資産の投資・活用戦略の開示及びガバナンスに関するガイドライン(案)」に係る意見募集 https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=095211340&Mode=0 意見公募要領 https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000228254 知財・無形資産の投資・活用戦略の開示及びガバナンスに関するガイドライン(案) https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000228255 知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会(第9回)が12月16日に開催されました。「ガイドライン案」が固まり、来週月曜日に公表されるようです。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/dai9/kaisai.html パブリックコメントによる意見募集の後、正式に決まるのでしょうが、このガイドラインの運用が、日本企業の競争力を向上させ、持続的な成長を実現に寄与することになるのではないかと期待しています。20年前からの失敗を繰り返してはいけないでしょう。 知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会の検討状況は下記の通り。 第1回(8月6日) 検討会の開催趣旨、今後の検討の進め方 現状と課題の整理 第2回(8月26日) 知財投資・活用戦略に盛り込まれるべき内容・開示の在り方①(前回の議論を踏まえた論点と検討の方向性の整理) 企業からの事例紹介・投資家の視点 第3回(9月8日) 知財投資・活用戦略に盛り込まれるべき内容・開示の在り方②(前回までの議論を踏まえた論点と検討の方向性の整理) 知財投資・活用戦略のガバナンス体制の在り方 企業からの事例紹介・投資家の視点 コーポレート・ガバナンスに関する報告書への対応 第4回(9月22日) 投資家・金融機関の視点 コーポレート・ガバナンスに関する報告書への対応 第5回(10月15日) 知財投資・活用に関する指標の在り方① IRの観点からの開示の在り方 第6回(10月26日) 知財投資・活用に関する指標の在り方② 知財専門調査会社等の活用の在り方 スタートアップ企業のイノベーション機能の活用の在り方 幅広い知財・無形資産に係る事例紹介 第7回(11月9日) 間接金融・ベンチャー企業に係る事例紹介 スタートアップ企業のイノベーション機能の活用の在り方② 知財投資・活用に関する指標の在り方③ ガイドライン骨子案 第8回(11月26日) ガイドライン案 第9回(12月16日) ガイドライン案(⇒パブリックコメント) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/index.html Paragraph. ここをクリックして編集する.12月17日
12月14日の本ブログでとりあげましたが、12月15日の産業構造審議会 知的財産分科会 特許制度小委員会 第16回 審査基準専門委員会ワーキンググループで、マルチマルチクレーム制限について、事務局から資料1に基づき、説明がなされ、以下のとおり了承されたとのことです。 マルチクレーム(2以上のクレームを択一的に引用するクレーム)が、他のマルチクレームの基礎となることを制限する。 制限の例外は設けないこととする。 「特許・実用新案審査基準」に、特許法第36条第6項第4号(委任省令要件)違反及び実用新案法第5条第6項第4号(委任省令要件)違反と判断される類型として、マルチマルチクレームを新たに追加する。 「特許・実用新案審査ハンドブック」の関連する箇所について必要な修正を行う。 例外を設けないため実務的には大変さも伴いますが、例外を認めない国(米国、 韓国)がある中で例外を認めると、我が国で権利化されたクレームで海外での権利取得を促進するという国際調和のメリットを減じることとなる、とハーモナイゼーション重視の結果のようです。 産業構造審議会 知的財産分科会 特許制度小委員会 第16回 審査基準専門委員会ワーキンググループ 議事要旨 https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/kijun_wg/16-gijiyoushi.html マルチマルチクレーム制限について https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/kijun_wg/document/16-shiryou/01.pdf 知財実務オンライン【第74回】:「B2B企業における知財・無形資産の投資・活用戦略の考え方」(ゲスト:ナブテスコ株式会社 技術本部 知的財産部長/弁理士 井上 博之氏)は、2021年11月29日に「2021 IR Day プレゼンテーション」で、投資家向けに話された「当社の知的資産経営の取り組み~IPランドスケープを活用した両利きの経営~」をベースにより詳細に話され、コーポレートガバナンス・コード改訂にまで話が及びました。
いつもながら、加島弁理士と押谷弁理士、視聴者の質問などで深掘りされる展開で、非常に啓蒙される内容でした。 先週のシスメックス㈱井上本部長の話は、ライブ配信限定でしたが、今週の井上部長の話はアーカイブ動画が無料で視聴できます。 https://www.youtube.com/watch?v=V5bAFWpPTgM&t=4933s (2021 IR Day プレゼンテーション資料) 長期ビジョン実現への取り組み 次世代技術の獲得と新規事業の創出 https://www.nabtesco.com/pdf/3f90402cad6e8bddb4b007764a587d3e.pdf
ナブテスコのコア価値の定義 コア価値を獲得・強化するための知的財産戦略 未来のコア価値獲得に向けた知財戦略活動 ナブテスコの知的資産経営 競争環境と経営戦略上のポイント 競争環境と当社の知的財産戦略活動との関係1 競争環境と当社の知的財産戦略活動との関係2 競争環境と当社の知的財産戦略活動との関係3 競争環境と当社の知的財産戦略活動との関係4 競争環境と当社の知的財産戦略活動との関係5 イノベーションを加速する共創の知的財産戦略~仲間作り ナブテスコの知的資産経営をリードする体制 当社でのIPランドスケープの活用例 IPランドスケープ定義 IPランドスケープの実施目的 IPランドスケープの活用場面の一例 IPランドスケープ事例 ~当社コア価値の分析~ IPランドスケープ事例 ~当社コア価値の分析(SDGs)~ IPランドスケープ事例 ~共創・M&A候補探索 補完関係~ IPランドスケープ事例 ~新市場・新技術の探索~ 2018年度 知財功労賞 経済産業大臣表彰 受賞 |
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January 2026
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