5月30日「特許庁における人工知能(AI)技術の活用に向けたアクション・プラン(令和4~8年度版)について」で、特許庁における人工知能(AI)技術の活用に向けた新たなアクション・プラン(令和4~8年度版)が公表されました。
特許審査管理業務、先行文字商標の調査が新規テーマとして、新たな技術の活用(新たな技術実証等)を行いながらこれまでの進め方が継続されるとともに、新規事業として、電話・メール等の質問対応、紙資料の電子化(テキスト化)、商標の国際登録出願での指定商品役務の確認、提出書類の閲覧禁止処理支援、商標の識別性有無の示唆が追加されたようです。 「特許行政事務におけるAI技術活用において世界をリードする」という方向性のようで、期待したいと思います。 特許庁における人工知能(AI)技術の活用に向けたアクション・プラン(令和4~8年度版)について https://www.jpo.go.jp/system/laws/sesaku/ai_action_plan/ai_action_plan-fy2022.html これまでのアクション・プランの主な成果は、下記の4つ。 1,分類付与(特許分類付与支援) ・外国語の特許文献に対して、日本語に機械翻訳したテキストを入力として、分類情報を推定。推定結果を外国語の特許文献に対して紐付けることで、テーマコード、FI、Fタームおよび日本語テキストを用いた外国特許文献検索を可能に。なお、テーマコードについてはJ-PlatPatでも検索に利用可能。 2,先行技術調査(画像検索技術の特許図面への適用) ・審査対象案件の「図面」および「明細書」における図面の記載を元に、関連性の高い図面を有する特許文献を優先的に提示。 ・審査官の先行技術文献検索を効率化。 3,先行技術調査(特許文献のランキング表示) ・調査対象となる特許文献に含まれる情報(書誌情報、分類、請求項、明細書、引用回数等)を用いて、審査対象案件との類似度に関するスコアを付与し、スコアの高い順に表示。 ・審査官の先行技術文献検索を効率化。 4,先行図形商標の調査(商標イメージサーチ) ・出願された商標の画像の特徴量と、先行商標の画像の特徴量を用いて類似度を算出し、類似度の高い順に表示。 ・検索精度向上のため、令和3年度に機械学習コンペティションを実施。上位入賞者の予測モデルは、特許庁のイメージサーチツールに搭載予定。 アクション・プラン(令和4~8年度版)は、下記の8つ。
・検索でヒットした文献群について、審査対象案件との類似度に関するスコアを付与し、スコアの高い順に表示 3.先行技術調査②(検索手法の高度化): ・審査対象案件の「図面」に関連性の高い図面を有する特許文献を優先的に提示 ・審査対象案件の記載を元に、検索式作成に有用なキーワード等を推定 ・技術等を活用した新たな検索手法を検討 4.特許審査管理業務: AI技術等の活用により、案件の適切な配付等、マネジメント業務の効果的、効率的な実施について検討 5.先行図形商標の調査(商標イメージサーチ): 出願された商標の画像の特徴量と先行商標の画像の特徴量から類似度を算出し、類似度の高いものから表示 6.先行文字商標の調査: 称呼が類似する先行文字商標の調査において、AI技術の活用を検討 7.指定商品・役務調査: 出願された商品・役務に対して、公表例や過去に採用した商品・役務との一致を検索し、付与すべき類似群コードの候補を提示 8.先行意匠調査(画像検索技術の意匠図面への適用): 先行意匠の調査において、類似画像検索技術を活用
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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