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気候変動に対する取り組みやジェンダー平等、健康と福祉対策などを国際連合のSDGs(持続可能な開発目標)の枠組みで評価し、世界の大学を順位付けしている、英国の高等教育専門誌「THEインパクトランキング2023」の総合ランキングで、北海道大学が世界22位に入り、国内の大学で4年連続してトップを占めたということです。
2023年度は日本の91校を含む世界1,705校が参加し、日本の78校を含む世界1,591校が総合ランキングの対象になりました。国内トップは「北海道大学」22位(前年10位)で、2位は「京都大学」49位タイ(同19位タイ)。 SDG別ランキングでは、SDG1(貧困)は「立命館大学」19位タイ、SDG3(保健)は「名古屋市立大学」7位タイ、SDG6(水・衛生)は「九州大学」18位、SDG9(イノベーション)は「東北大学」11位タイ、SDG14(海洋資源)は「九州大学」18位、SDG15(陸上資源)は「北海道大学」17位にランクイン。九州大学はSDG別ランキングの3つで国内最高位を獲得。北海道大学、茨城大学、東北大学、筑波大学は2つのSDGで最高位となりました。 総合ランキング1位は「Western Sydney University(オーストラリア)」、2位「University of Manchester(イギリス)」、3位「Queen’s University(カナダ)、4位「Universiti Sains Malaysia(マレーシア)」、5位「University of Tasmania(オーストラリア)」。 北海道大学がTHEインパクトランキングで世界22位、4年連続国内1位に 2023年6月9日 https://univ-journal.jp/228977/ 北海道大学が「THEインパクトランキング2023」で総合ランキング世界22位、4年連続国内1位を獲得 https://tgu.mext.go.jp/news/2023/06/006065.html 北海道大学が「THEインパクトランキング2023」で総合ランキング世界22位、4年連続国内1位を獲得 https://www.hokudai.ac.jp/news/2023/06/the20232241.html THEインパクトランキング2023、国内トップ北大…京大続く https://reseed.resemom.jp/article/2023/06/05/6508.html#:~:text=%E7%B7%8F%E5%90%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B01%E4%BD%8D%E3%81%AF,%EF%BC%89%E3%80%8D%E3%80%815%E4%BD%8D%E3%80%8CUniversity
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「知的財産の分野におけるデジタル化や国際化の更なる進展などの環境変化を踏まえ、スタートアップ・中小企業等による知的財産を活用した新規事業展開を後押しするなど、時代の要請に対応した知的財産制度の見直しが必要。」ということで、
(1) デジタル化に伴う事業活動の多様化を踏まえたブランド・デザイン等の保護強化、 (2) コロナ禍・デジタル化に対応した知的財産手続等の整備、 (3) 国際的な事業展開に関する制度整備 の3つを柱に、不正競争防止法、商標法、意匠法、特許法、実用新案法、工業所有権特例法の改正を行う知的財産関連の改正法6本が6月7日、参院本会議で可決、成立しました。 メタバース(仮想空間)などのデジタル空間で販売・譲渡されている模倣品の差し止め請求が可能になり、アバター(分身)が着用する衣類や小物などが対象になります。 登録可能な商標の拡充、意匠登録手続の要件緩和、営業秘密・限定提供データの保護の強化も重要。 仮想空間の模倣品を差し止め 改正不正競争防止法が成立 2023年6月7日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA076ZK0X00C23A6000000/ 不正競争防止法等(※)の一部を改正する法律案【知財一括法】の概要 ※不正競争防止法、商標法、意匠法、特許法、実用新案法、工業所有権特例法 https://www.meti.go.jp/press/2022/03/20230310002/20230310002-1.pdf 不正競争防止法等の一部を改正する法律案 https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/211/meisai/m211080211054.htm 議案要旨 (経済産業委員会) 不正競争防止法等の一部を改正する法律案(閣法第五四号)(衆議院送付)要旨 本法律案の主な内容は次のとおりである。 一 デジタル化に伴う事業活動の多様化を踏まえたブランド・デザイン等の保護強化 1 商標法について、先行商標権者の同意があり出所混同のおそれがない場合には、他人の登録商標と類似する商標を登録可能とする。また、一定の場合には、氏名を含む商標を他人の承諾なく登録可能とする。 2 意匠法について、創作者等が意匠登録出願前にデザインを複数公開した場合の救済措置を受けるための手続要件を緩和する。 3 不正競争防止法について、デジタル空間における他人の商品形態を模倣した商品の提供行為も不正競争行為の対象とする。また、秘密として管理されたビッグデータも限定提供データとして保護し、侵害行為の差止請求等を可能とする。さらに、損害賠償訴訟で被侵害者の生産能力等を超えるとして賠償が否定されていた損害分も使用許諾料相当額として損害賠償請求を可能とする。 二 コロナ禍・デジタル化に対応した知的財産手続等の整備 1 特許法及び工業所有権に関する手続等の特例に関する法律について、在外者へ査定結果等の書類を郵送できない場合に、公表により送付したとみなすとともに、インターネットを通じた送達制度を整備する。 2 特許法について、中小企業の特許に関する手数料の減免について、資力等の制約がある者の発明奨励・産業発達促進という制度趣旨を踏まえ、一部件数制限を設ける。 三 国際的な事業展開に関する制度整備 不正競争防止法について、OECD外国公務員贈賄防止条約をより高い水準で的確に実施するため、外国公務員贈賄罪における自然人及び法人に対する法定刑を引き上げるとともに、日本企業の外国人従業員による海外での単独贈賄行為も処罰対象とする。 四 施行期日 この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 「知的財産推進計画2023」の「Ⅲ.知財戦略の重点10 施策」の「4.知財・無形資産の投資・活用促進メカニズムの強化」では、(現状と課題)として、<コーポレートガバナンスの仕組みの活用>、<サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)への対応に関する課題>、<ガイドラインVer.2.0の背景・概要>、<残された課題>、<中小企業・スタートアップの知財・無形資産の投資・活用>、<研究開発投資及び創出された知財の活用の促進>という項目が記述され、
(施策の方向性)として、「統合報告書等において開示されている、知財・無形資産を戦略的に活用し、企業価値を高めている活動を好事例として公表する表彰制度を推進」などの13の施策が示されています。 (施策の方向性) •知財・無形資産の投資・活用の促進に向けて、企業の知財・無形資産の戦略的活用に関する意欲を高めるべく、統合報告書等において開示されている、知財・無形資産を戦略的に活用し、企業価値を高めている活動を好事例として公表する表彰制度を推進すべく、民間の協力を得て実施する方策を検討する。 (短期、中期)(内閣府) •知財・無形資産ガバナンスガイドラインの考え方がルール形成に関与する関係者に共有され、新たなルール形成において一定の同期化が図られるように、IFRS財団、PRI等の国際的な組織・団体等に働きかける。 (短期、中期)(内閣府) •「コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラム」に沿って、企業による収益性と成長性を意識した経営を促進するため、知的財産を含む無形資産への投資に関する取組を促す。 (短期、中期)(金融庁) •ESG分野における開示を通じた企業や投資家等の実効的な対話の促進につなげるべく、トランジションファイナンス等のサステナブルファイナンスを通じた社会・環境課題の解決と知財・無形資産の関係について検討するとともに、ESG課題に対応して、知財・無形資産戦略の深掘り等を行う企業の好事例を収集する。 (短期、中期)(内閣府、金融庁、経済産業省) •SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の実現のための価値創造ストーリーの協創に向けて、知財・無形資産戦略は人的資本戦略や事業ポートフォリオマネジメント戦略、DX戦略等と並んで重要な鍵であり、 SX銘柄の運用等を通じて、知財・無形資産戦略を始めとする各種戦略について統合的な戦略構築と開示を推奨する。 (短期、中期)(経済産業省、内閣府) •気候変動に関する企業評価において、社会全体の排出削減への貢献など、企業が有する新たな事業の機会を適切に評価すべく、知財・無形資産の活用を含めた評価のフレームワークや指標についての課題等の検討を行う。 (短期、中期)(経済産業省、内閣府) •事業性に着目した融資を促進するため、スタートアップ等がのれんや知的財産等の無形資産を含む事業全体を担保に金融機関から資金を調達できる制度(事業成長担保権)について関連法案を早期に国会に提出することを目指すとともに、金融機関の態勢・標準的な契約実務の在り方、登記制度の構築等の検討を進める。 (短期、中期)(金融庁、内閣府、法務省、経済産業省) •知財・無形資産を活かした経営の実践を我が国企業に浸透させるべく、知財戦略構築の専門家だけでなく情報開示等のその他の専門家を企業に派遣すること等を通じて、経営における知財・無形資産の位置付けの可視化やそのための体制構築に加え、効果的な知財戦略の開示を支援し、企業の持続的な価値創造や知財・無形資産への投資の開示の推進につなげる。 (短期、中期)(経済産業省) •知財・無形資産を活かした経営の実践を我が国企業に浸透させるべく、経営戦略や事業戦略の策定に際し、知財情報等を活用した分析を行うIPランドスケープについて、その実践のための具体的手法を調査し、実践に向けての課題や進め方等を報告書として取りまとめて公表し、経営戦略に資するIPランドスケープの普及につなげる。 (短期、中期)(経済産業省) •2022年度に公表したグリーン・トランスフォーメーション技術区分表、及び当該技術区分表を用いた特許情報の分析結果の国内外への発信を行う。また、こうした技術区分表を用いた分析及びエビデンスドベースでの開示が国際的に行われるよう働きかけを行うとともに、特許審査官の知見も活用しつつ技術区分表の充実化に向けた検討を行う。 (短期、中期)(経済産業省) •知財を切り口とした事業性評価を通じて中小企業における知財活用を推進するため、「知財ビジネス評価書」作成のためのひな形及びガイドライン等を活用し、中小企業が有する知財について有益な評価・分析を行い、作成した「知財ビジネス評価書」及び「知財ビジネス提案書」を地域金融機関に提供することで、金融機関による中小企業支援を促進する。 (短期、中期)(経済産業省) •スタートアップ・中小企業等へ経営デザインシートの活用を更に広げる など、価値デザイン経営の普及実践エコシステムの構築に向けて取り組む。 (短期、中期)(内閣府、金融庁、経済産業省) •知財の創出等を促し我が国のイノベーション拠点としての立地競争力を強化する観点から、民間企業による知財の創出等に向けた研究開発投資を促すための税制を含めた施策の在り方について、引き続き検討を進める。 (短期、中期)(経済産業省) 「知的財産推進計画2023」の「Ⅲ.知財戦略の重点10 施策」では、「3. 急速に発展する生成AI 時代における知財の在り方」で、「生成AI と著作権」「AI 技術の進展を踏まえた発明の保護の在り方」の二つが取り上げられていますが、マスコミは、「生成AI と著作権」をピックアップしてとりあげているようです。(もっとも、「概要」でもそういう取り上げ方です。)
「AI 技術の進展を踏まえた発明の保護の在り方」についての項目、しっかり見ておこうと思います。 AI 技術の進展を踏まえた発明の保護の在り方 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/230609/siryou2.pdf P.32~P.35 (2)AI 技術の進展を踏まえた発明の保護の在り方 (現状と課題) AI 関連発明については、上述の「新たな情報財検討委員会報告書」において、「具体的に検討を進めることが適当な事項等」として「学習済みモデルの適切な保護と利活用促進」及び「AI 生成物に関する具体的な事例の継続的な把握」が掲げられており、特許庁では、AI 関連技術に関する特許審査事例の公表(2017年3月に5事例公表、2019 年1月に 10 事例追加)等の取組を行ってきた。 同報告書では、「引き続き検討すべき事項等」として、「AI のプログラムの知財制度上の在り方」及び「AI 生成物の知財制度上の在り方」が掲げられた。また、同時期に公表された「AI を活用した創作や3D プリンティング用データの産業財産権法上の保護の在り方に関する調査研究報告書」では、「現時点では、一部の企業からAIによる自律的な創作を実施しているとの情報も得られているが、特許法で保護するに値する AI による自律的な創作の存在は確認できていない」、「2020 年頃には、AI が自律的な行動計画によって動作するようになると予測されている。さらに、2030 年頃になると、更に広い分野で人間に近い能力を発揮できるようになり、例えば、判断や意思決定、創造的活動等といった領域でも代替できる部分が増えると見込まれている」との指摘がされていた。 これまで、AI は、人間の創作を補助するものに過ぎないと考えられていたが、ChatGPT 等の出現により、AI による自律的創作が実現しつつあるとの指摘もされている13。従来、技術的思想の創作過程は、①課題設定、②解決手段候補選択、③実効性評価の 3 段階からなり、このうちのいずれかに人間が(創作的に)関与していればその人間による創作であると評価するとの考え方が示されていた。このような考え方によれば、解決手段に関する技術的な知見がない者であっても、課題設定さえできれば、ChatGPT 等の AI を用いて解決手段を得ることにより(なお、③実効性評価についてもシミュレーション等による自動化が容易に想定できる。)、技術的思想の創作(発明)を生み出すことができるようになると考えられる。 このように、ChatGPT 等の万人が容易に利用可能な AI が出現したことにより、創作過程における AI の利活用が拡大することが見込まれ、それによって生まれた発明を含む特許出願が増えることが予想される。そのような発明(例えば、上述の創作過程の①~③の一部において、人間が創作的な関与をせず、AI が自律的に行ったもの)の審査において、創作過程での AI の利活用をどのように評価するかが問題となるおそれがある。そこで、発明の創作過程における AI の利活用が特許審査へ与える影響(例えば以下に述べる進歩性や記載要件等の判断への影響)について検討・整理が必要と考えられる14。 進歩性(特許法第 29 条第2項)の判断については、どのような技術分野で、どのような形態での AI の利活用が当業者の知識・能力の範囲内とされるかによって、創作過程で AI を利活用した発明はもちろん、AI を用いていないものについても進歩性の有無が左右されるとの研究もある15。また、創作過程における AI の利活用を、進歩性の評価においてどのように取り扱うかを明確化することが必要との考えもある16。進歩性を特許の要件とするのは、当業者が容易に思い付く発明に排他的権利を与えることは、技術進歩に役立たず、かえってその妨げになるからである。これらの点を考慮して、今後の進歩性の審査に当たっては、急速な AI 技術の発展(それによる AI 技術の適用分野の拡大や技術常識の変遷等を含む。)の影響も踏まえ、大量に生み出されることが予想される AI を利活用した発明について、適切に進歩性の判断を行う必要がある。 また、2022 年2月に公表された「近年の判例等を踏まえた AI 関連発明の特許審査に関する調査研究報告書」によれば、明細書等において、化合物の機能についてマテリアルズ・インフォマティクスによる予測が示されているに過ぎず、実際にそれを製造して機能を評価した実施例が記載されていない場合には、主要国では記載要件違反となり得る旨が示されている。他方で、AI 等を用いた機能予測の精度がさらに高まり、(in-silico の)予測結果の信頼性が実際の(invitro/in-vivo)実験結果と同程度と認められるようになった場合には、異なる判断が必要となる可能性もある17。急速な AI 技術の発展の中で、特許審査実務上の影響を整理し、その影響に対応していくに当たって、その審査の在り方は、特許権というインセンティブを付与するに際し、AI を利活用した創作において人間の関与がどの程度あるべきかや、AI の利活用が創作過程の各段階に与える影響等も考慮した進歩性等の判断がどうあるべきかということも含め、特許法の目的である産業の発達への寄与という趣旨に立ち返って再検討される必要がある。 また、これまで以上に幅広い分野で創作過程における AI の利活用が見込まれることを踏まえて、特許庁においては、特にこれまで AI 技術の活用が見られなかった分野等も含め、AI 関連発明の審査をサポートできるような審査体制を整備する必要がある。 さらに、これらの点も踏まえながら、AI 関連発明の特許審査の迅速性・質を確保するために、AI 関連発明の審査事例の更なる整理・公表が望まれる。併せて、我が国で創出されたイノベーションについてグローバルに適切な保護を得られるようにするためには、我が国が主導しての特許審査実務のハーモナイズが期待されるところ、そのための端緒として、まずはケーススタディを通じた各国の AI 関連発明の審査実務の情報収集・比較が必要と考えられる。 なお、発明についても、著作物と同様に、AI が自律的に(人間による創作的な関与を受けずに)創作した場合の取扱いについても、諸外国における取扱いの状況も踏まえて、「新たな情報財検討委員会報告書」公表後の新たな課題の有無等を含めて確認、整理しておくことが必要である。 (施策の方向性) ・ 創作過程における AI の利活用の拡大を見据え、進歩性等の特許審査実務上の課題や AI による自律的な発明の取扱いに関する課題について諸外国の状況も踏まえて整理・検討する。 (短期)(内閣府、経済産業省) ・ これまで以上に幅広い分野において、創作過程における AI の利活用の拡大が見込まれることを踏まえ、AI 関連発明の特許審査事例を拡充し、公表する。 また、AI 関連発明の効率的かつ高品質な審査を実現するため、AI 審査支援チームを強化する。 (短期)(経済産業省) 13 例えば、OpenAI 社が 2023 年 3 月に公表した LLM である GPT-4 のテクニカルレポートでは、GPT-4(と既存の検索ツール等との組合せ)により、「ある化合物と同様の性質を持つ化合物であって、新規性があり(=特許が取られておらず)、市販のもの(又は市販のものに修正を加えて得られるもの)を探し、購入(及び、必要な場合、合成の指示を作成)する」というタスクの実行可能性が示されている(OpenAI, "GPT-4 Technical Report," March 2023, https://arxiv.org/abs/2303.08774)。このことは、これまでの AI のユースケースが、既知の情報に関する質問に対する(新たな)自然言語による回答の表現の自動的な生成であったのに対し、GPT-4 では、未知の情報についての回答を生成できる可能性があることを意味する。すなわち、ある技術的課題を提示することにより、未知の(新たな)解決手段を AI が示す可能性が示唆されている。 14 例えば、潮海久雄「AI 関連発明の特徴と将来的課題――進歩性,開示要件,発明者」『ビジネスローの新しい流れ 片山英二先生古稀記念論文集』(2020 年 11 月、青林書院)では、(AI で発見された薬等の物質を含む)AI 関連発明の進歩性や開示要件等についての課題が示されている。 15 アナ・ラマルホ「AI により生成された発明の特許性-特許制度改革の必要性」(2018 年 3 月、平成 29 年度産業財産権制度調和に係る共同研究調査事業調査研究報告書)https://www.jpo.go.jp/resources/report/takoku/document/sangyo_zaisan_houkoku/2017_04.pdf では、「AIの利用が関連技術分野における通常の実験手段である場合には、当業者の技量が引き上げられ、AI の利用が考慮されることになる。 このため、(たとえ問題となっている発明者が AI を利用していなかったとしても)AI を利用する当業者にとって発明が自明ではない場合に、特許が付与されることを意味する。」との指摘がされている(p. ix)。 16 前掲脚注 14 の p. 233 では、AI 関連発明の進歩性判断における困難な点として、AI 関連発明の性能向上に関わる多くの要素のうち、「どの要素のどの程度の工夫が AI を使用することによる当業者の通常の創作能力の発揮に当たるのかがわからない」等の指摘がされている。 17 調査報告書で各国における判断が示された事例(「特許・実用新案審査ハンドブック」附属書 A 1.事例 51)についての我が国における判断について、伊藤真明「AI 関連発明に関する近年の審査基準等の改訂について」『特技懇』294 号(2019 年 9 月、特許庁技術懇話会) http://www.tokugikon.jp/gikonshi/294/294tokusyu1-1.pdf は、「学習済みモデルの予測結果が実際の実験結果に代わりうることは出願時の技術常識でないという前提を置いています。・・・この事例では、このような前提も考慮した上で、実施可能要件違反及びサポート要件違反の拒絶理由が存在するという判断をしています。」としており、出願時の技術常識等に応じ判断結果が変わることは当然の前提とされている。 「~多様なプレイヤーが世の中の知的財産の利用価値を最大限に引き出す社会に向けて~」という副題がついた「知的財産推進計画2023」が決定されました。
知的財産推進計画2023の全体像は、 1.スタートアップ・大学の知財エコシステムの強化 ・大学における研究成果の社会実装機会の最大化 ・知財を活用した大企業とスタートアップの連携促進 2.多様なプレイヤーが対等に参画できるオープンイノベーションに対応した知財の活用 3.急速に発展する生成AI時代における知財の在り方 ・生成AIと著作権 ・AI技術の進展を踏まえた発明の保護の在り方 4.知財・無形資産の投資・活用促進メカニズムの強化 5.標準の戦略的活用の推進 6.デジタル社会の実現に向けたデータ流通・利活用環境の整備 7.デジタル時代のコンテンツ戦略 ・コンテンツ産業の構造転換・競争力強化とクリエイター支援 ・クリエイター主導の促進とクリエイターへの適切な対価還元 ・コンテンツ創作の好循環を支える著作権制度・政策の改革 8.中小企業/地方(地域)/農林水産業分野の知財活用強化 9.知財活用を支える制度・運用・人材基盤の強化 10.クールジャパン戦略の本格稼働と進化 6月9日の松野内閣官房長官の記者会見では、『本日、知的財産戦略本部会合にて、「知的財産推進計画2023」を決定しました。日本のイノベーションを活性化し、持続的な経済成長を実現していくために、多様なプレイヤーが世の中の「知的財産の利用価値」を最大限に引き出す社会へと変革していくことが重要であることから、スタートアップ・大学の知財エコシステムの強化、生成AI時代の知財の在り方に関する検討、コンテンツ産業戦略、改正著作権法の着実な施行等に取り組むこととしています。本日決定した推進計画を踏まえ、政府一丸となって取組を推進してまいりたいと考えています。詳細につきましては、内閣府知的財産戦略推進事務局にお問い合わせください。』と述べられています。 マスコミは、生成AI(人工知能)と知的財産の在り方について大きく取り上げているようです。 知的財産戦略本部更新日:令和5年6月9日総理の一日 https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202306/09chizai.html 令和5年6月9日、岸田総理は、総理大臣官邸で第52回知的財産戦略本部を開催しました。 会議では、知的財産推進計画2023について議論が行われました。 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。 「委員の皆様方におかれましては、活発な御議論をいただきました、感謝申し上げます。本日、知的財産推進計画2023を決定いたしました。 日本のイノベーションを活性化し、持続的な経済成長を実現していくためには、多様なプレイヤーが、知的財産の価値を最大限に引き出す社会へと変革していくことが重要です。 第1に、スタートアップと大学の知財エコシステムを一層強化していきます。大学での研究成果が、スタートアップ等を通じてスピーディーに社会実装される好循環を目指し、今年3月には、大学知財ガバナンスガイドラインを策定しました。国際卓越研究大学制度との連携を通じて、このガイドラインの浸透を図り、イノベーションのハブとしての大学の機能強化を図ります。 第2に、生成AI(人工知能)と知的財産の在り方について、G7広島サミットやAI戦略会議の議論を踏まえ、責任あるAI、信頼できるAIの推進に向け、AI技術の活用促進と知的財産の創造インセンティブの維持の双方に配慮し、著作権侵害などの具体的リスクへの対応を始め、必要な方策を検討してまいります。 第3に、我が国のコンテンツの力をフルに活(い)かし、コンテンツ産業の強靭(きょうじん)化や構造改革、クリエイターの育成・創出を官民一体となって進めるため、官民連携による協議の場を設けます。 加えて、コンテンツの創作と利用の循環加速の観点から、今国会で改正された著作権法に基づき、簡素で一元的な権利処理のための窓口組織の創立と、分野横断権利情報検索システムの整備を進め、デジタル時代における新たな社会インフラを整備いたします。 高市大臣を中心に、関係閣僚は、本日決定された推進計画を速やかに実行に移していただくよう、お願いいたします。」 知的財産戦略本部会合 議事次第 令和5年6月9日(金) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/230609/gijisidai.html 【配布資料】 資料1 「知的財産推進計画2023」(案)概要 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/230609/siryou1.pdf 資料2 「知的財産推進計画2023」(案)本文 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/230609/siryou2.pdf 資料3 「知的財産推進計画2023」(案)工程表 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/230609/siryou3.pdf 広がる生成AI 著作権侵害の事例示し、論点整理へ 知財推進計画 https://digital.asahi.com/articles/ASR695QCPR69UCVL00C.html AIの著作権侵害に対策、保護へ論点整理…政府が「知財推進計画」決定 2023/06/09 https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230609-OYT1T50122/ 政府が「知的財産推進計画」を決定、生成AIと著作権巡り3つの論点を提示 2023.06.09 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/15379/?ST=ch_businessAI 動画配信、クリエーターの報酬を点検 23年知財計画決定 2023年6月9日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA092J20Z00C23A6000000/ Paragraph. 編集するにはここをクリック.6月9日
ChatGPTで使える「食べログ」は“選ぶ負担”を軽減してくれるツールとして普及しそうですが、「食べログ」のChatGPTプラグインを提供したカカクコムは、ChatGPTに価格.comの商品データベースを連携、ChatGPTを使って希望に合う商品を簡単に検索できるというサービスを開始しました。課題は開発よりも法務ということのようです。 ChatGPTで使える「食べログ」は“選ぶ負担”を軽減してくれる? 従来の検索との違いを検証してみた 6/9(金) https://news.yahoo.co.jp/articles/8148bd86b1f87ff00594d2ec39e0775ce717a432 「食べログ」のChatGPTプラグインを提供したカカクコム、課題は開発よりも法務 2023.06.09 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02480/060700003/ 2023年06月02日 価格.com、ChatGPTプラグインの提供を開始 ChatGPTに価格.comの商品データベースを連携、 ChatGPTを使って希望に合う商品を簡単に検索できます https://corporate.kakaku.com/press/release/20230602 6月7日に行われた(第146回)知財実務オンライン:「特許文書読解アシスタント「サマリア」~人工知能技術の特許実務への活用・展望~」(ゲスト:パテント・インテグレーション株式会社 代表取締役CEO 大瀬 佳之)のアーカイブ動画(約1時間半)を視聴しました。
サマリアは、ChatGPTを上手く使っている特許文書読解アシスタントで、現在無料提供されており、なかなか使い勝手が良いと思います。 6月6日からのアップデートで2文書の比較ができるようになっているということなので、一致点、相違点の比較でどの程度使えるか期待感があります。週末トライしてみます。 1.A I・ディープラーニングの進化とLLM ・A Iの歴史、ディープラーニング ・トランスフォーマー、G P T- 3 ・大規模言語モデル( LLM) ・生成型人工知能モデル 2.知財実務/法務実務における最近のトピック ・サマリア: LLMを利用した特許文書読解支援システム ・知財領域での活用事例 ・法務領域での活用事例(LeagalOn Technologies、弁護士ドットコム、株式会社WEB STAFF) ・LLMが得意なこと、苦手なこと(知財領域における活用可能性) 明細書読解支援、知財戦略立案、アイデア創出、特許調査、スクリーニング、自社分類 付与、明細書作成、明細書翻訳、中間対応について、深層学習とLLMの比較 3.サマリアのご紹介 ・ユー ザ登録 ・どのような問題を解決するのか? ・機能の概要 ・どのようなベネフィットを提供するのか? (第146回)知財実務オンライン:「特許文書読解アシスタント「サマリア」」(ゲスト:パテント・インテグレーション株式会社 代表取締役CEO 大瀬 佳之) https://www.youtube.com/watch?v=0vzoQEN8uCo サマリア(Summaria) | 特許文書読解支援サービス https://patent-i.com/summaria/ サマリア 20230606 アップデート https://www.youtube.com/watch?v=WD_WFQ6OWMc 自民党AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム https://note.com/akihisa_shiozaki/n/n4c126c27fd3d 昨年5月に成立した経済安全保障推進法に基づき、機密性が高い技術について政府が「特許非公開」とする計25の技術分野をまとめ、6月中に開かれる有識者会議に制度案を示し、パブリックコメントにかけ、来春の運用を目指すということです。
現行制度では、特許は出願1年半後に原則公開されますが、制度案では、安全保障上拡散すべきでない技術分野に関わる特許について、国が保全指定をして公開されないようにしたり、外国への出願を禁止したりしますので、その範囲が広くなると大きな影響が出かねません。それほど広くはなっていないような感じがします。 特許公開を制限、ステルスやロケットなど25分野 経済安保で制度案 2023年6月7日 https://digital.asahi.com/articles/ASR67661JR67ULFA01V.html 経済安保強化へ、政府が25分野「特許非公開」…戦闘機のステルス性能や極超音速飛行の関連技術 2023/06/07 https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230606-OYT1T50279/ 特許出願の非公開に関する基本指針(案)の概要 2023年2月 内閣官房・内閣府 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keizai_anzen_hosyohousei/r5_dai5/siryou4.pdf 特許出願の非公開制度の基本指針案 2023.02.13 https://www.tmi.gr.jp/eyes/blog/2023/14361.html 特許出願の非公開化時代の到来と新たな研究開発戦略〜鍵となりうる「デュアルユース」とリスク回避〜 https://www.nttdata-strategy.com/knowledge/infofuture/69/report09/ 6月1日、欧州統一特許裁判所(UPC)は、UPC協定が発効し、UPCが業務を開始したと発表しました。UPC協定発効により、同日から単一特許規則の適用も開始され、欧州単一効特許と統一特許裁判所のパッケージからなる欧州単一特許制度が開始されました。
なんと統一特許裁判所における最初の取消訴訟の当事者は日本企業だということで、今後に注目です。 UPCでの記念すべき最初の取消訴訟の当事者は日本企業です 2023.06.07 https://hasegawa-ip.com/news/first-revocation/ 2023年6月1日に統一特許裁判所(UPC)協定が発効し、統一特許裁判所における特許権侵害訴訟そして取消訴訟をはじめとする手続きが可能になりました。 そこで記念すべき最初の取消訴訟を調べてみました。 統一特許裁判所のCase Management System(CMS)のサーチ機能を用いて調べてみたところ現在統一特許裁判所に係属している取消訴訟は以下に示すようACT_459505/2023、ACT_464985/2023そしてACT_465342/2023の3件です。 3件とも2023年6月1日に提起されていますが、その内最も早い時刻(17:20:14 CEST)に提起されたケースがEP3056563に対する取消訴訟であるACT_464985/2023です。 EP3056563は特許権利者が日本企業(株式会社ヘリオス、理研そして大阪大学による共願)である欧州特許です。そして無効訴訟提起人はアステラス製薬の米国子会社であるアステラス再生医療研究所です。なんと原告も被告も日本に所縁があります。 また2件目のケースであるACT_465342/2023(17:51:05 CEST提出)の対象であるEP3056564も特許権者が株式会社ヘリオスそして大阪大学であり、無効訴訟提起人がアステラス再生医療研究所です。EP3056564はなんと欧州特許庁で異議が係属中です。統一特許裁判所が欧州特許庁の判断に対してどのように反応するか、または欧州特許庁が統一特許裁判所の判断に対してどのように反応するかも興味深いです。 このように統一特許裁判所における最初の取消訴訟は当事者が日本に所縁があるという点というだけでなく、統一特許裁判所と欧州特許庁との平行手続きという観点からも非常に興味深いです。 本件の今後を注視したいと思います。 欧州単一特許制度がついに始動 2023年06月07日 https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/06/f0ecaf9f2c6e2f80.html 統一特許裁判所(UPC)は6月1日、UPC協定が同日から発効し、UPCが業務を開始したと発表した。UPC協定発効により、同日から単一特許規則の適用も開始され、欧州単一効特許と統一特許裁判所のパッケージからなる欧州単一特許制度が開始された。 欧州単一特許制度が開始したことにより、欧州各国で特許を取得する場合、欧州特許庁(EPO)が欧州特許を付与した後、欧州各国ごとに有効化(Validation)の手続きを経ずに、UPC協定の全批准国(注1)で単一の効力を有する欧州特許を取得できる。権利侵害時には、UPCへ提起すると全批准国で権利行使が可能となる。 (注1)オーストリア、ベルギー、ブルガリア、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、スロベニア、スウェーデン、ドイツの17カ国が批准済み。 統一特許裁判所(UPC)、待望の欧州単一特許制度がついに開始 https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/europe/2023/20230601.pdf 欧州統一特許裁判所協定(UPCA)に関するご案内【2023年6月改訂】 https://www.kyowapatent.co.jp/ipinfo/news/2023-6 1.KDDIの知財戦略
KDDIは知財戦略を非常に重視していて、知的財産をサステナブルな事業成長のための重要な経営資源と位置づけて事業戦略と一体化した知的財産活動を推進しており、事業展開において重要な役割を果たしています。
2.KDDIの知財評価指標 KDDIの知財評価指標は、杉光教授が作成された「知財評価指標」を活用しているようです。この指標は、知財・無形資産の投資・活用による事業成果を評価するためのもので、以下の4つの要素からなります。 知財・無形資産の投資額 知財・無形資産の活用度 知財・無形資産による収益性 知財・無形資産による成長性 KDDIは、この指標に自社事業を当てはめた結果を開示しており、KDDIは、知財・無形資産の投資額と活用度が高く、収益性と成長性も高いことがわかります。これは、KDDIが競争力の基盤となるあらゆる知財・無形資産を戦略的に獲得し、事業に則して総合的に活用することにより、安定的な事業収益と高い利益率を確保するビジネスモデルを構築していることを示しています。 3.KDDIの知財KPI KDDIは知財KPIを公表していませんが、事業戦略と一体化した知財活動を推進しており、以下のような過去の実績を示しています。 これらの数値を基に、外部には発表していませんが、内部的には今後の事業成長に向けた知財活動の目標を設定していると思われ、これらは実質的にKDDIの知財KPIと考えても良いでしょう。 ・通信ネットワークに関する特許件数と特許資産価値 ・新規事業・サービス件数と保有特許件数 ・グループ会社・出資先の企業数と知的財産活動の支援先の企業数 ・スマートドローンに関する保有特許件数と特許資産価値 知的財産情報の開示 ブリヂストン、KDDI、ソフトバンク、富士通 22/3/2023 https://yorozuipsc.com/blog/-kddi KDDIが1位 オープンイノベーションに積極的な大企業 28/7/2022 https://yorozuipsc.com/blog/kddi1 KDDI 株式会社(企業価値向上に資する知的財産活用事例集) 21/5/2022 https://yorozuipsc.com/blog/kddi2995704 KDDIのIPランドスケープ(「フォアキャストIPL」と「バックキャストIPL」) 16/2/2022 https://yorozuipsc.com/blog/kddiipiplipl KDDIの「知財・無形資産」投資・活用への取り組み 2/11/2021 https://yorozuipsc.com/blog/kddi IPランドスケープの効果的な活用 旭化成 貝印 KDDI 15/4/2021 https://yorozuipsc.com/blog/ip-kddi 文化庁は、著作権法の観点から生成AIについて解説するセミナー「AIと著作権」を6月19日にYouTubeライブで受講者のみに限定配信すると発表しました。受講料は無料で、事前登録が必要。
セミナーは2部構成で、著作権に関する基礎知識などをレクチャーする第1部「著作権制度の概要」の後、第2部「AIと著作権」では、他人の著作物をAIに学習させる行為や、AIが生成したコンテンツが著作権法上どのように取り扱われるかなどを解説するとのこと。 令和5年度著作権セミナー「AIと著作権」を開催します https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93892101.html 令和5年度著作権セミナー「AIと著作権」を下記のとおり開催いたしますので、お知らせします。 1.日時 令和5年6月19日(月)14時~15時 2.場所 オンライン配信 3.日程 第1部 「著作権制度の概要」 第2部 「AIと著作権」 4.対象者 著作権制度を学びたい方(どなたでも参加可能です) 5.受講料 無料 6.申込期間及び申込方法 申込期間:令和5年6月2日(金)~6月16日(金)まで 文化庁ホームページ掲載の申込フォームより受付します。 ChatGPT(チャットGPT)などの生成AIは、多くが英文を学習しているため、日本語・日本の情報が極端に少なくなっています。WEB検索が併用できることが標準になりつつあるなかでどれほど意味があるのかという議論はありますが、日本語・日本の情報をしっかり学習させた大規模言語モデル(LLM)は、日本人にとっては重要です。収益モデルが厳しいようですが、ぜひ実現して、世界へ向かって発信してほしいものです。
生成AI、国内企業の参入続々…「日本の言葉や文化に強いモデルは少ない」 2023/06/03 https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230602-OYT1T50301/ AI起業に再び熱視線 国内最大級117億円ファンドも 2023年5月30日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC248950U3A520C2000000/ 日本の新興勢、ChatGPTにどう対抗? 識者に聞く 2023年6月6日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC300J60Q3A530C2000000/?n_cid=NMAIL006_20230606_A 富士通は「富岳」活用し独自LLM構築急ぐ、IT各社がChatGPT特需でつばぜり合い 2023.06.06 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02423/060200031/?n_cid=nbpnxt_mled_itmh 日本語特化の生成AIが続々、オルツは1600億パラメーターでChatGPTを追う 2023.06.05 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02423/053100030/?n_cid=nbpnxt_mled_itmh 自民党「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」(座長:平将明衆議院議員)の第12回会合(2023年6月2日16時〜17時)で、民間における生成系AIの利活用に関し、「パナソニックグループにおけるChatGPT活用状況のご紹介」というテーマで、パナソニックホールディングス執行役員・CIO 玉置肇 氏が話された資料が公開されていました。
パナソニックグループでは、ChatGPTの社内向け環境を構築し4月14日より国内従業員9万人に「PX-AI」として社内公開しています。 パナソニックグループにおけるChatGPT活用状況がしっかり紹介されています。 「情報システムだけではDXは失敗。だからこそ全ての層をPX(パナソニックトランスフォーメーション;DX)で変える」と2023年3月「役員合宿」で幹部役員全員がコミットメント。従来は“リスクヘッジもない中での先進IT技術の活用は困難”だったのを、PXによる風土変革(・早さを優先、まずはみんなで使ってみて体感する、・失敗を恐れず挑戦するカルチャーをつくる) AI活用の経緯は、 2019年頃 各組織でAIに対する様々な取り組みが本格化 2022年1月 グループ内でAI倫理委員会立ち上げ 2022年8月 「AI倫理原則」を対外公表 https://news.panasonic.com/jp/press/jn220829-1 2022年12月 ChatGPTの世界的な盛り上がりを受け、社内IT部門中心に 評価体制の立上げ、およびガイドライン検討開始 2023年2月 パナソニック コネクト㈱において社内向け生成AI 「ConnectAI」 リリース (対象1.2万人) https://news.panasonic.com/jp/topics/205071 2023年3月 全社CIO会議にて全社展開を決定 2023年4月 パナソニックグループにおいて国内全従業員向け生成AI「PX-AI」 リリース (対象9万人) https://news.panasonic.com/jp/press/jn230414-1 「PX-AI」導入の狙いは、 業務 先進的AI活用による、アイデア創出 ガバナンス 野良Chat GPT利用の抑止(セキュリティ観点) 働き方 PXにおけるアジャイルなワークスタイルの実践 その他 人材育成やEX観点/社員満足度向上 など 環境構築:セキュリティと利便性の両立 •マイクロソフト社の Azure OpenAI Service の利用により既存の契約や取引きを活用、入力情報を二次利用しない点や準拠法が日本法にできる点など、 セキュリティに関する透明性やコントロール性(契約面、技術面双方)を確保 ※但し、二次利用が無いとはいえ、インシデント発生時などマイクロソフト社等が データを閲覧する可能性があるため、機密情報の入力は不可 •通信経路は社内イントラネット網経由のみとし、盗聴や外部からの攻撃に対する セキュリティ強度を確保 ※Azure環境においても、VNETによりグループ内に閉じた環境を実現 •社員が入力した問い合わせを記録し、問題ある利用の有無などを セキュリティ部門・IT部門がチェックできる仕組みも実装 •その他、日本語→英語の変換機能、問い合わせ時のテンプレート提供機能、 使用感やアイデアをフィードバックする機能等を実装 •AI倫理委員会などの組織とIT部門が連携して生成AI活用のガイドラインを制定、 今後も拡張予定 利用状況 実績は、 パナソニックグループ社員9万人対象にスタート、約1カ月で25万回の使用 約3万人の社員がアクセスと高い割合で試用・活用が進む (全従業員の1/3がアクセス、1人8回以上の利用) • 代表的なユースケースは ◇ データ分析 例:社内のテキスト分析 ◇ 社外文書の要約 例:法律文書の要約 ◇ 社内文書作成補助 例:社内向けアナウンス文書作成 ◇ プログラミング支援 など • これらの利用で「生産性が大幅に向上した」などの意見も複数あり 活用が上手/適用しやすい業務の社員には、既に大きな効果が出ている • 現状では機密情報は入力NGであり、アウトプットにも著作権や肖像権等の様々な課題が ある事について、認識が徐々に拡大 今後の推進予定 •社内認証基盤と連携した各種セキュリティ、利便性等の機能向上 ★特に、セキュリティ強化とのバランスを見ながら、入力できる情報の範囲拡大等を検討 •社内のバックオフィス部門からの 「問い合わせ対応や社内情報検索を効率化したい」という多数の要望への対応 ★社内情報の学習が必要となるため、他の仕組み(セマンティック検索等)を 組み合わせた実装を検討 •ChatGPTのその他機能や進化への対応 •ChatGPT以外にも、進化し続ける生成AIツールへの対応検討 など 自民党AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム https://note.com/akihisa_shiozaki/n/n4c126c27fd3d?fbclid=IwAR0AQPCMVziWXw_nDQczw4Kefo-ku_yAcXMUmv7AcZmUgkk3FmOgSJFGi1s パナソニック・ベネッセ・日清食品、大手企業を突き動かしたChatGPTへの確信 2023.05.31 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02469/052600001/ パナソニックが全社へ「社内ChatGPT」を導入、国内9万人の社員が業務利用 4/14(金) https://news.yahoo.co.jp/articles/816e69ab3d8fc25a3310b0e74be8f532c70f94c7 令和4年(行ケ)第10030号「積層体」事件は、は、オープンクレームにおいて特許請求の範囲や明細書で直接的に開示されていないものの、抽象的に含まれる可能性のある構成を「除く」とする訂正につき、特許請求の範囲の減縮にあたり、また、新規事項の追加にあたらないとしたものです。
「除くクレーム」とは、請求項に記載した事項の記載表現を残したままで、請求項に係る発明に包含される一部の事項のみをその請求項に記載した事項から除外することを明示した請求項をいい、「除くクレーム」が、補正(訂正)前の明細書等から導かれる技術的事項に何らかの変更を生じさせるものとはいえない、つまり、新たな技術的事項を導入するものではない場合に、許されます。 今回、被告である特許庁は、除くクレームとする本件訂正に関し、本件明細書に記載のない構成であり、先行技術文献に記載の構成を除くとする訂正について、訂正前の請求項の構成「内」について除くとする訂正に該当しないため、特許請求の範囲の減縮に該当せず、訂正要件違反であると主張しましたが、裁判所が指摘する通り、訂正前の請求項はオープンクレームであり、その他の構成(任意の層)を含む余地があり、前記その他の構成を含む積層体を除く本件訂正が、特許請求の範囲の減縮に該当することは明らかと考えられますので、被告である特許庁の主張には無理があるとした裁判所の判断は妥当であると考えられます。 本件は、「ソルダーレジスト(除くクレーム)事件」についての知財高裁大合議判決(知財高判平 20.5.30、平 18(行ケ)第 10563 号)が、新たな技術事項の導入があるか否かは、明細書や図面に限定事項の具体的な記載があるかどうかに関わらず、実質的観点から判断するものとした考え方にしたがったものです。 「除くクレーム」と訂正要件に関する「ポリエステル樹脂組成物の積層体」事件知財高裁判決について 投稿日 : 2023年4月5日 https://innoventier.com/archives/2023/04/14856 新規事項の審査基準の改訂について https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/kijun_wg/document/seisakubukai-04-shiryou/05.pdf 1. 背景 特許庁では、「ソルダーレジスト(除くクレーム)事件」についての知財高裁大合議判決(知財高判平 20.5.30、平 18(行ケ)第 10563 号)を受けて、審査における、より適切な新規事項の判断基準について、この大合議判決の上告・上告受理申立ての結果、及び、その後の後続判決等を注視しつつ検討を行うこととし、それまでの間は審査基準を変更しないとしていた。 今般、この大合議判決は、上告・上告受理申立てが取り下げられ、確定した。 そこで、この大合議判決の内容、後続判決の調査などを踏まえ、審査基準の「第 Ⅲ部第Ⅰ節 新規事項」について、審査基準改訂の検討を行うこととする。 2. ソルダーレジスト(除くクレーム)事件について 3. 後続判決について 4.現行の審査基準の整理 5.審査基準改訂の方向性 新規事項の審査基準改訂骨子(案) 特許 令和4年(行ケ)第10030号「ポリエステル樹脂組成物の積層体」(知的財産高等裁判所 令和5年3月9日) 2023.05.20 https://www.soei.com/%e7%89%b9%e8%a8%b1%e3%80%80%e4%bb%a4%e5%92%8c%ef%bc%94%e5%b9%b4%ef%bc%88%e8%a1%8c%e3%82%b1%ef%bc%89%e7%ac%ac%ef%bc%91%ef%bc%90%ef%bc%90%ef%bc%93%ef%bc%90%e5%8f%b7%e3%80%8c%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%a8/ 化学・バイオ特許判例紹介(30) ~補正・訂正の許否の判断~ 令和4年(行ケ)第10030号 原告:大日本印刷株式会社、被告:特許庁長官 2023年4月21日 https://knpt.com/contents/chemistry/chemistry2023.04.21.pdf 令和4年(行ケ)第10030号「積層体」事件 https://unius-pa.com/decision_cancellation/10015/ 「積層体」事件(知財高判令和5年3月9日 令和4年(行ケ)第10030号) https://www.fukamipat.gr.jp/wp/wp-content/uploads/2023/04/11_2022_Gyo-Ke_10030-.pdf 令和5年3月9日判決言渡 令和4年(行ケ)第10030号 特許取消決定取消請求事件 口頭弁論終結日 令和4年12月21日 判 決 https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/870/091870_hanrei.pdf 数値等の重複を避けるだけの「除くクレーム」での対応を試みる価値はある 29/3/2023 https://yorozuipsc.com/blog/6614236 除くクレーム 14/3/2022 https://yorozuipsc.com/blog/4130957 除くクレームの活用(補正/訂正要件、進歩性) 29/7/2021 https://yorozuipsc.com/blog/9352162 内閣府の関係省庁連携ページに「生成AIと著作権」に関する分かりやすい資料が公開されています。
基本的な考え方としては、 ・著作権法では、著作権者の権利・利益の保護と著作物の円滑な利用のバランスが重要 ・著作権は、「思想又は感情を創作的に表現した」著作物を保護するものであり、単なるデータ(事実)やアイデア(作風・画風など)は含まれない ・AIと著作権の関係については、「AI開発・学習段階」と「生成・利用段階」では、著作権法の適用条文が異なり、分けて考えることが必要 と整理されています。 そのうえで、現状は、 ・AI開発・学習段階では、原則として、学習は著作権者の許諾なしに利用が可能、ただし、「必要と認められる限度」を超える場合や「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」は、この規定の対象とはならない ・生成・利用段階では、生成物をアップロードしたり販売する場合は通常の著作権侵害の判断と同様。(生成された画像等に既存の画像等(著作物)との類似性(創作的表現が同一又は類似であること)や依拠性(既存の著作物をもとに創作したこと)が認められれば、著作権者は著作権侵害として損害賠償請求・差止請求が可能であるほか、刑事罰の対象ともなる) とされています。 そして、今後の対応として、下記をおこなうとのことです。 ・「現状の整理」等について、セミナー等の開催を通じて速やかに普及・啓発 ・知的財産法学者・弁護士等を交え、文化庁においてAIの開発やAI生成物の利用に当たっての論点を速やかに整理し、考え方を周知・啓発 ・コンテンツ産業など、今後の産業との関係性に関する検討等について 今後の進展によっては、さらに厳しい規制が行われることも十分考えられますが、現状はこの資料のとおりでしょう。 AI戦略チーム(関係省庁連携)(第3回) https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_team/3kai/3kai.html 資料 AIと著作権の関係について(PDF:380KB) https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_team/3kai/shiryo.pdf 5月26日、政府のAI戦略会議は、AIに関する政策の論点整理をまとめ、AIがもたらす変化は、産業革命やインターネット革命を超えるとして、日本にとって「大きなチャンスの到来」と位置づけ、生成AIのリスクとしては、個人情報の不適正利用や偽情報の氾濫、犯罪の巧妙化、著作権侵害などを挙げ、利活用とリスクへの対応を「バランスを取りながら進めていく」と明記しました。
しかし、「生成AIが社会に与える影響は極めて深刻」「既存の法制度の周知徹底でバランスが取れるほどリスクは軽いものではない。新たな規制や法整備を行うことが先決だ。」という考え方もあります。 国際的調和の中で新たな規制や法整備を行いリスクへ対応しながら、「大きなチャンス」を活かすことが重要に思えます。現状、「大きなチャンス」を活かす視点の欠如の方が問題に見えます。 AI戦略会議 リスクを深刻に受け止めよ2023/06/02 https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20230601-OYT1T50232/ AI に関する暫定的な論点整理 2023 年 5 ⽉26⽇ AI 戦略会議 https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_senryaku/2kai/ronten.pdf AI に関する暫定的な論点整理(要旨) ※本論点整理は、最近の技術の急激な変化や広島 AI プロセスを踏まえて、AI 戦略会議構成員が AI 関連の論点を整理したものである。 https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_senryaku/2kai/ronten_yoshi.pdf AI戦略会議、「論点整理」でリスク列挙 開発競争に残る課題 5/27(土) https://news.yahoo.co.jp/articles/963e1cbee7f4c29de63b649296a3766d39776db1 生成AI、活用促進へリスク対処 政府が論点整理 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA25E5C0V20C23A5000000/ 知的財産管理技能士会のYouTubeチャンネルで「ChatGPTを活用した知財業務の革新:AI技術を用いた最新の実例紹介と実践的スキル習得」という5月25日に開催されたセミナー(約60分)の動画が公開されています。
ChatGPTの活用方法や課題についてわかりやすく話されています。 https://www.youtube.com/watch?v=8Mo3lftU4IY&t=50s この研修では、ChatGPTを活用した知財業務の革新を目指し、AI技術を用いた最新の実例紹介と実践的スキル習得に焦点を当てます。OpenAIの論文やChatGPTの活用方法やプロンプトの書き方を習得し、実例紹介により具体的な活用方法を理解します。 1.ChatGPTと知財業務の革新: 概要と最新動向 2.OpenAIの論文: ChatGPTと仕事への影響 3.グレーゾーン解消制度: 弁護士と弁理士の役割 4.ChatGPTのプロンプトの書き方: 効果的な指示の仕方と注意点 5.ChatGPTを活用した特許調査の実例紹介 6.ChatGPTによる明細書作成の実例紹介 7.白坂弁理士との対談: 現場でのChatGPTの活用方法と課題 8.総括: ChatGPTを活用した知財業務の革新と今後の展望 9.熊巳氏と白坂氏による対談 【講師】 熊巳 創 氏(オムロン株式会社 技術・知財本部 知財専門職、知財サイエンス代表) 白坂 一 氏(弁理士法人白坂 SHIRASAKA Patent Attorney Corporation) 収録日:2023年5月25日 企業の技術者向けの知的財産教育については、各企業の中で体系的な研修の仕組みが作られて実施されている場合が多くなっていますが、他に、日本知的財産協会の研修等の外部研修に委ねるケースも少なくありません。
知財管理誌2023年4月号に掲載された「技術者向け知的財産教育」は、研究開発部門および事業部門における技術者に対する知的財産教育の在り方ついて、体系的な整理がされており、参考になります。 技術者向け知的財産教育 山下伸一郎、小林誠 知財管理 Vol. 73 No. 4 2023 http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/search/detail.php?chizai_id=d49363ccd3b270ae1164cba0e1b4df2b 抄 録 企業経営に関して有形資産よりも人的資産や知的財産の無形資産が重要視されるようになってきている中で,組織における知的財産教育は必須のものとなっています。本稿では,知的財産部門にとって重要なミッションのひとつである研究開発部門および事業部門における技術者に対する知的財産教育の在り方ついて,体系的な整理を行うとともに,そのポイントについて解説します。
2.2 講師の心構え
3.2 研修スタイル 3.3 研修教材
知的財産マインドの向上を意識した 企業の知的財産教育のあり方 渡邉豊之 「知財管理」誌 72巻(2022年) / 7号 / 803頁 http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/search/detail.php?chizai_id=c6b97d49c72c1a7c9fa5df438dacbbc1 抄録 企業活動において知的財産は経営資源の一つであり、知的財産の知識が必要となる場面は多い。そのため、社員の知的財産教育が重要であることは認識されているが、企業において知的財産教育として社員に教育すべき内容は、産業財産権法全般となり、場合によっては国内法のみならず外国法も対象となり広範となる。対象となる社員の経験や職種、企業の規模や業種によって重要となる論点、知的財産教育の目的は大きく異なる。そのため各社、受講者層や社内実態に合わせた多種多様な教育が行われているのが実情である。また知的財産教育において、社員の知的財産マインドの向上は各社が抱える課題の一つである。本稿では、知的財産教育の立ち位置を確認して、企業内の知的財産の教育例を対象者ごとに切り分け、それぞれに対して、知的財産教育が必要な理由や目的、及び教育内容について述べる。 1. はじめに 2. 知的財産マインドの向上の必要性 3. 企業における知的財産教育の必要性 4. 体系的知的財産教育の留意点 4.1 社歴に合わせた知的財産教育の留意点 4.2 所属部署に合わせた知的財産教育の留意点 5. ポストコロナ時代の知的財産教育 6. おわりに 企業における知的財産教育の実例 https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/3023 企業活動において知的財産権の知識が必要な場面は非常に多く,コンプライアンスの一環として,知的財産法の遵守も求められている。そのため知的財産に関する教育の重要性は企業において広く認識されている。 企業において知的財産教育として教育すべき内容は,産業財産権法全般に及び,場合によっては国内法のみならず海外法についても含まれる。さらには,知的財産業務に付随する税法などの教育を併せて行う場合もある。対象となる従業員の経験や職種,企業の規模や業種によって重要となる論点,知的財産教育の目的は大きく異なる。そのため各社,受講者層や社内実態に合わせた多種多様な教育が行われているのが実情であり,ここですべてのケースについて述べることは難しい。 本稿では,技術者(研究,開発等に従事する者),営業等(技術者以外で知的財産権に関与する可能性がある者),知的財産部門所属者,新入社員,管理職及び経営者,海外を含む関係会社所属者という対象者ごとに切り分け,それぞれに対して,知的財産教育が必要な理由や目的,教育内容,および効果について,近時のトピックスを交えながら述べることにする。 目次 1.はじめに 2.企業における知的財産教育の必要性 3.対象者・対象部門ごとにみる知的財産教育 3.1 技術者・技術部門に対する知的財産教育 3.2 営業職,企画など技術部門以外に対する知的財産教育 3.3 知的財産部員・知的財産関連部門に対する知的財産教育 3.4 新人・新入社員に対する知的財産教育 3.5 管理職,役員,経営者に対する知的財産教育 3.6 国内外子会社など所属会社と異なる会社に対する知的財産教育 4.まとめ 5.企業内弁理士向けスキルアッププログラムの紹介 企業における若手技術者向け知財教育の取り組み事例 https://jpaa-patent.info/patent/viewPdf/3022 筆者は現在,中堅電機メーカーの知財部門に所属しており,技術者向けの知財教育にも携わっています。弊社における技術者向けの知財教育は,若手の技術系社員を対象としており,入社 2 年目で全員参加の必須研修としています。本研修は,①技術者として,企業における知財の重要性を認識すること,②発明を創出する意識を高めること,③発明者として,自己の発明を先行技術と比較することにより,発明のポイント(構成上の相違点,先行技術にない作用・効果)を抽出し,知財部門に対して端的に説明できるようになること,以上 3つを主な目的としています。このような能力は,若い時期に基本を身に着け,一生涯にわたって向上を続けていくべきものと考えます。入社 2 年目の若手社員を対象にしたのは,会社業務にも慣れてきたこの時期が,本研修の目的を達成するのに最も適していると考えたからです。本研修では,集合研修に先立って,各自で発明アイデアを準備します。集合研修時には,先行技術調査を行い,自己の発明のポイント(構成上の相違点,先行技術にない作用・効果)を抽出した結果を資料としてまとめ,その資料を元に受講生全員が発表を行います。 ここでは,ディスカッションすることによって,様々な気付きを得ることができるようにしています。本研修には,知財部門の特許担当者も参加し,研究・開発部門に所属する若手技術者との交流を深めるという狙いもあります。弊社での取り組み事例が,他の企業等における技術者向け知財教育のご参考になれば幸いです。 目次 1.はじめに 2.過去の技術者向け知財教育の問題点 3.近年の技術者向け知財教育の内容 (1)研修の概要 (2)事前課題としての発明アイデアの提出とブラッシュアップ (3)集合研修 1 日目の内容 (4)集合研修 2 日目の内容 4.まとめ 5.今後の課題と日本弁理士会への要望 知財教育、特に特許教育は、とても大切 28/7/2020 https://yorozuipsc.com/blog/8018378 1.ナブテスコの知財戦略
ナブテスコの知財戦略とは、ナブテスコグループの事業競争力の源泉である現在および未来の「コア価値(知財・無形資産)」の持続的な競争優位を担保するための戦略です。ナブテスコは、知財創造活動、権利活用、新市場開拓、新製品開発などに関する活動を通して、コア価値を獲得・強化しています。また、ナブテスコは、全社知財戦略審議、知的財産強化委員会、カンパニー知財戦略審議という3つの審議体を設けて、知的財産戦略の実行・監督体制を構築しています。 2.ナブテスコのコア価値 ナブテスコのコア価値とは、ナブテスコの事業競争力の源泉である現在および未来の「知財・無形資産」のことです。コア価値には、製品を構成する技術やアイデア、設計や製造のノウハウ、営業情報やお客さまとの信頼関係など有形無形の知的財産が含まれています。ナブテスコは、現在のコア価値(例えば、高出力密度設計技術、加工組立・表面処理、販売施工網など)や未来のコア価値(例えば、IoT活用技術、電動アクチュエータ―関連技術など)を事業毎に定めています。 ナブテスコのコア価値の分析は、事業競争力の源泉となるコア価値を洗い出し、「非公開情報として保護するもの」、「特許などで権利化していくもの」などに分類して、適切な管理とともに戦略的な活用を推進しています。また、IPランドスケープを活用して、市場の動向や顧客のニーズ、競合他社の事業活動状況や技術開発動向を調査・分析し、コア価値の保護・活用に加え、新事業や開発テーマ、M&A/CVC候補の探索・分析等を行っています。さらに、知財創造を新たな業績評価の基準に加え、各カンパニーが事業計画にコア価値の創造、保護・管理、活用、リスク管理等の知財戦略を盛り込み、実行することを義務づけています。 ナブテスコのコア価値創造は、業績評価の項目に加えられており、各カンパニーが数値目標を設定し、実行計画として策定しています。また、コア価値創造によって会社の発展や事業拡大に貢献した発明や発明者は、CEOから優秀発明表彰を受けることができます。さらに、ナブテスコは2018年に知財功労賞経済産業大臣表彰を受賞しました。これらのことから、ナブテスコのコア価値創造は高く評価されていると言えます。 ナブテスコのコア価値創造の具体例として、以下のようなものがあります。 精密減速機:ナブテスコは、産業用ロボットや人工衛星などに使われる精密減速機の世界シェアトップを誇ります。この製品は、高い精度と耐久性を持ち、微細な動きを正確に制御することができます。ナブテスコは、この技術を活かして、新たな市場や用途に展開しています。例えば、医療用ロボットや自動運転車などです。 航空機器:ナブテスコは、航空機の飛行制御や降着装置などに使われる油圧機器や電動機器を開発・製造しています。これらの製品は、安全性と信頼性が非常に高く、世界の主要な航空機メーカーから採用されています。ナブテスコは、航空機の環境負荷を低減するために、電動化や軽量化などの技術革新に取り組んでいます。 自動ドア:ナブテスコは、日本国内で最も多くの自動ドアを設置しているメーカーです。この製品は、安全性と快適性を兼ね備えた高品質なもので、駅や空港などの公共施設だけでなく、商業施設やオフィスビルなどでも広く利用されています。ナブテスコは、自動ドアのシステム化やモジュール化を進めており、お客さまのニーズに応える多様なソリューションを提供しています。 3.ナブテスコのIPランドスケープ ナブテスコのIPランドスケープは、市場の動向や顧客のニーズ、競合他社の技術開発状況などを調査・分析し、事業のコア価値を保護・活用するための知的財産戦略活動です。ナブテスコは、このIPランドスケープを用いて、新事業や開発テーマ、M&A/CVC候補の探索・分析などを行い、企業価値の向上や事業成長に貢献しています。ナブテスコの知的財産部は、IPランドスケープに基づくコア価値の獲得強化策や知財リスク管理などを全社で推進する役割を担っており、経営者型の知財経営戦略を実践しています。 4.ナブテスコの知財KPI ナブテスコの知財KPIは、知的財産活動の成果や効果を定量的に評価するための指標で、以下のようなKPIを設定しています。 知財創造届出件数:発明、意匠、ノウハウに関する知財創造届出の件数です。このKPIは、知財創造活動の活性度やイノベーション創出の加速度を示すものです。ナブテスコでは、2013年度から2021年度にかけて、このKPIを約5倍に増大させました。 発明者割合:開発者だけでなく生産技術者を含む技術者に対する知財創造届出を行った発明者等の実数の比率です。このKPIは、知財創造する人の多様性や知の探索によるイノベーションを推進する施策の効果を示すものです。ナブテスコでは、2022年からこのKPIを設定しました。 知財創造届出件数を増やすために、ナブテスコでは以下のような取り組みをしています。 業績評価の基準に「知財創造」を設定:社内カンパニーとグループ会社の業績評価項目に「知財創造」を新たに加え、コア価値(知財・無形資産)を獲得・強化するための知的財産戦略活動を体系化し、事業計画の一つとして策定、実行することを徹底しています。また、その活動結果を知的財産部長が審査を行い、カンパニー社長や社員の賞与等の業績評価に反映しています。 優秀発明者表彰:事業に貢献する発明をなした方々に対して、会社の創立記念式典で優秀発明者表彰を行い、全社でその栄誉を称え、社員の創造意欲の高揚を図っています。優秀発明者は、本社エントランスに掲示されている発明等や、優秀発明者を示すバッジで紹介されています。 知財創造支援者制度:新たな市場ニーズ等を収集し、イノベーションに繋げた営業担当者等を対象とした知財創造支援者制度により、全社一丸となったイノベーション推進を図っています。知財創造支援者は、技術者と連携してアイデアやノウハウの創出や特許出願等の手続きをサポートします。 発明者割合のKPIとは、開発者だけでなく生産技術者を含む技術者に対する知財創造届出を行った発明者等の実数の比率です。このKPIは、知財創造する人の多様性や知の探索によるイノベーションを推進する施策の効果を示すものです。ナブテスコでは、2022年からこのKPIを設定しました。ナブテスコの発明者割合(ノウハウ・意匠創作者含む)の目標は、2024年度に80%となっています。 発明者割合のKPIは、年度単位で算出されるものであり、多様性が継続的に維持・改善されているかを示すものです。ナブテスコでは、このKPIを高めるために、以下のような取り組みをしています。 知財創造支援者制度:新たな市場ニーズ等を収集し、イノベーションに繋げた営業担当者等を対象とした知財創造支援者制度により、全社一丸となったイノベーション推進を図っています。知財創造支援者は、技術者と連携してアイデアやノウハウの創出や特許出願等の手続きをサポートします。 社内外のコラボレーション:社内外の専門家やパートナー企業とのコラボレーションにより、新たな視点や知見を得て、知財創造活動に活かしています。例えば、オープンイノベーションセンター「Nabtesco Open Innovation Lab(NOIL)」では、社内外のスタートアップや大学と連携して、新事業や新技術の開発に取り組んでいます。 イノベーション創出を支える知財活動 https://nabtesco.disclosure.site/ja/themes/80 知財ガバナンスに関する企業の取組事例集(旭化成、味の素、伊藤忠商事、オムロン、キリンHD、東京海上HD、ナブテスコ、日立製作所、丸井グループ) 12/7/2022 https://yorozuipsc.com/blog/3518906 知財ガバナンス時代におけるナブテスコの知財活動 15/2/2022 https://yorozuipsc.com/blog/6890739 ナブテスコにおける知財・無形資産の投資・活用戦略 16/12/2021 https://yorozuipsc.com/blog/6835057 ナブテスコのイノベーションリーダーへの変貌を促す知財ガバナンスへの挑戦 8/9/2021 https://yorozuipsc.com/blog/5552126 H2Hセミナー「ナブテスコ知財経営戦略の伝承と深化~」 20/1/2021 https://yorozuipsc.com/blog/h2h5168433 前任と新任者が語る、ナブテスコ知財経営戦略の伝承と深化 17/1/2021 https://yorozuipsc.com/blog/6804418 ナブテスコのIPランドスケープ 5/12/2020 https://yorozuipsc.com/blog/ip1607966 知財高裁でのドワンゴ逆転勝訴、属地主義の原則は維持しつつ一定の条件下において緩やかに侵害を認める判断として歓迎されているようで、予見できる明確な基準が次の課題のようです。
令和4年(ネ)第10046号事件は、ドワンゴ社が、FC2社とホームページシステム社に対してコメント配信システムの特許権を侵害しているとして差止めと10億円の損害賠償を求めたもので、サーバとネットワークを介して接続された複数の端末装置を備えるシステムの発明に関する特許権侵害の争点となったものです。具体的には、そのサーバが日本国外に存在し、ユーザ端末が日本国内に存在するシステムを新たに作り出す行為が、「生産」に該当し、それが特許権を侵害するか否かが問われました。 原審(東京地裁)では、属地主義の原則に基づき被告システムの直接侵害は認められずドワンゴ社の請求はすべて棄却されました。しかし、日本弁理士会や日本国際知的財産保護協会(AIPPI)などの意見は、条件付きで域外適用を肯定する方向性を示しています。特にAIPPIは、国際調和の観点から、被告システムの生産が日本の領域内で行われたものとして評価し得るとの立場をとっていました。 控訴審(知財高裁大合議)ではFC2社に対する一部の請求が認容されました。すなわち、控訴審では、FC2社が日本国外にあるサーバから日本国内にあるユーザ端末にファイルを配信することで、コメント配信システムを新たに作り出す行為が、特許法2条3項1号の「生産」に該当し、特許権を侵害すると判断され、FC2社にコメント機能の配信差し止めと1100万円余りの賠償を命じました。特に、システムが日本領域内から制御され、サービスが日本の顧客に向けられているという事実が重要視されました。 この判断には、令和3年の特許法改正で導入された第三者意見募集制度が初めて適用され、多数の意見書が提出されたこと(寄せられた意見のうち計45通が証拠として提出されたとのこと)が影響したと考えられます。 ドワンゴ社は26日付でリリースを発表し、「知財高裁が大合議で、サーバを国外に置くことにより容易に特許権を潜脱することを認めず、我が国の特許権を適切に保護すべき旨を示したものであり、画期的な判決であると考えている」としています。 この問題は、海外クラウドサーバを使用したWeb2.0だけでなく、ブロックチェーン技術を用いたWeb3.0関連特許に対しても影響を与える可能性があります。特に、ブロックチェーンではノード端末が世界中に分散しているため、Web3関連の発明は大きな影響を受ける可能性が指摘されています。 令和4年(ネ)第10046号 判決要旨 https://www.ip.courts.go.jp/vc-files/ip/2023/R4ne10046.pdf ネット時代「抜け道」塞ぐ ドワンゴ逆転勝訴、知財高裁 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE159UW0V10C23A5000000/ ドワンゴ事件-大合議判決(域外適用を認めた画期的な判決) https://ipstart.jp/grand-panel-decision-on-dwango-case/ FC2等に対する特許権侵害訴訟の控訴審大合議判決に関するお知らせ 2023.05.26 株式会社ドワンゴ https://dwango.co.jp/news/6282152199061504/ 国境を跨ぐ行為が「生産」に当たると判断された事案の「判決要旨」 ― 知財高大判令和5年5月26日(令和4年(ネ)第10046号) 2023-05-28 https://patent-law.hatenablog.com/entry/2023/05/28/110845 はじめに 知財高大判令和5年5月26日(令和4年(ネ)第10046号)[コメント配信システム]につき、判決言渡日当日、知財高裁ウェブページにおいて「判決要旨」が掲載された一方、判決文については現時点(2023年5月28日)では掲載されていない。 本判決について多数の報道がなされてはいるが、「判決要旨」を読むと多くの疑問が沸く。(いずれ掲載されるであろう)判決文を見れば解決する疑問もあるだろうし、そもそも便宜的に用意された「判決要旨」を細かく分析することに意味はないかも知れないが、私個人の備忘録として、これら疑問を記すのが本稿の目的である。 |
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April 2026
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