ビジネス法務5月号に、「知財・無形資産の投資・活用における「開示」と「ガバナンス構築」のすすめ方」が特集されています。
「知的財産をめぐる今後の取締役会のあり方」(中央大学商学部准教授 西村陽一郎氏)は、 改訂版コーポレートガバナンス・コードや知財・無形資産ガバナンスガイドラインを前提として,知財に関して取締役会が関与すべきイシュー、知財をめぐるガバナンスの観点から取締役会のあり方を提示しています。 各社が特に悩んでいる問題ではないかと思います。 取締役会が関与すべき知財をめぐるイシュー 知財の創出にかかわる事項 R&D投資の方向性、R&D投資の実施態様、知財の獲得方法等。 知財戦略にかかわる事項 創出された知財の保護にかかわる事項 保護方法 保護の地理的範囲、権利化の進捗管理、権利の維持管理等。 保護された知財の活用・エンフォースメントにかかわる事項 知財評価、ライセンス、パテントプール、標準化知財を利用した融資・証券化、 他社による知財の取得への対応、他社による侵害への対応等 取締役会が知財・知財投資に関するイシューに深く関与していくうえで 注意を払わなければならない問題 知的財産開示をめぐるアピールの不足 経営トップによる知財活用のバイアス 知財をめぐる取締役会のあり方の提案 第1に, 知財の投資 ・ 活用戦略の策定・実行について全社横断的な休制を構築するた め, 役員レベルに知的財産総括責任者をおくこと(たとえば 知財最高責任者 (CIPO: Chief Intellectual Property Officer) の設置)である。 第2に , 知財経験や知財の専門知識を持つ 取締役, それも知財経験や知財の専門知識を 持つ社外取締役(弁理士や知財を専門とする大学教員等)を取締役会の構成メンバー に加えることである。 ビジネス法務、2022年5月号、P.65-89 「知財・無形資産の投資・活用における「開示」と「ガバナンス構築」のすすめ方」 https://www.chuokeizai.co.jp/bjh/latest/#page_idx_8795 知的財産をめぐる 今後の取締役会のあり方 西村陽一郎 2021年6月,コーポレートガバナンス・コードの改訂版に,初めて知的財産に関わる項目が盛り込まれ,それにともない,知財・無形資産ガバナンスガイドラインが策定・公表された。本稿では,改訂版コーポレートガバナンス・コードや知財・無形資産ガバナンスガイドラインを前提として,知財に関して取締役会が関与すべきイシューを列挙するとともに,知財をめぐるガバナンスの観点から取締役会のあり方を提示する。
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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