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令和3年特許法改正によって、裁判所が特許権侵害訴訟で専門家などから意見を集める「第三者意見募集制度」が導入されました。第三者意見募集制度は、特許権等の侵害訴訟において、東京地裁・大阪地裁・知財高裁が、当事者の申立てにより、必要があると認めるときに、他の当事者の意見を聴いて、広く一般に対し、当該事件に関するこの法律の適用その他の必要な事項について、意見の提出を求めることができるとする制度です。
第三者意見募集制度の導入にあたって参考とされた米国のアミカスブリーフは、当事者・参加人以外の第三者により、裁判所による判断の助けとなるように提出される意見書のことで、法分野の限定はないようです。 日本では2014年、知財高裁特別部(大合議部)に係属していた、韓国サムスン電子が米アップルを通信規格に必須の特許(標準必須特許)侵害と訴えた訴訟で、約2か月間、「標準化機関において定められた標準規格に必須となる特許についていわゆる(F)RAND宣言((Fair,) Reasonable and Non-Discriminatoryな条件で実施許諾を行うとの宣言)がされた場合の当該特許による差止請求権及び損害賠償請求権の行使に何らかの制限があるか。」という点について、一般からの情報または意見の提供を求め、58通の意見書が提出されたことがありましたが、例外的な実施にとどまっていました。 今回の第三者意見募集制度は、知財高裁における意見募集の試みを立法化するもので、現時点では、特許権および実用新案権に係る侵害訴訟に適用対象が限定されています。 今後適用範囲の拡大に向けた議論が進んでいくことを期待しています。 特許訴訟、第三者の意見募集可能に https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC219Q20R20C21A6000000/
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高石秀樹弁護士のYouTube(弁護士高石秀樹の特許チャンネル)チャンネルが再開したようです。進歩性判断における「付加」と「置換」(容易想到性)についてわかりやすく解説されています。(約8分)
https://www.youtube.com/watch?v=eUH8ktGmkjQ 《進歩性判断 における「付加」と「置換」(相違点の容易想到性)》 ※本件発明が 「 A+B 」 であるときに ・・・ 、 ①主引例 「 A 」 、 副引例 「 B 」 であれば 、 単なる B の付加 であり 、 容易想到 進歩性 × となり易い 。 ⇒無効審判請求人は、相違点につき、主引例は不特定と主張すべき!! 他方、 ② 主引例 「 A+C 」 、 副引例 「 B 」 であれば 、C を B に 置換 する ことの容易想到性が問題となる 。特に 、 C により既に課題を解決している場合は 、C を B に置 換する動機付けが論証し難い 。 ⇒特許権者は、相違点につき、主引例は特定されていると主張すべき!! (特別編第5回)知財実務オンライン:「「知財実務オンライン」商標に拒絶理由通知がきた! 商標弁理士4人による意見書骨子のリアルタイム作成を生配信!」(7月20日ライブ配信、アーカイブ動画配信中)を視聴しました。
https://www.youtube.com/watch?v=YS0N9RCgMZU 商標の拒絶理由通知に対する対応案を商標弁理士4人が議論するプロセスが見られるめったにない貴重な機会でした。安全策から挑戦的な対応まで、その他の様々な観点からの議論がありました。祈健闘。 拒絶理由通知 https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-2020-068749/1B9058687324C3F745B82CF52879746F35A4CDDEBC235DDB6316A15689C796D4/40/ja あいぎ特許事務所 副所長 廣田 美穂氏 特許業務法人Toreru COO / パートナー弁理士 土野 史隆氏 Markstone知的財産事務所 代表弁理士 中村 祥二氏 ブランデザイン特許事務所 代表弁理士 岡村 太一氏 安高史朗の知財解説チャンネルの「LINEふるふる特許事件 判決文読み合わせ勉強会」を視聴しました。(約1時間53分、YouTube無料動画)
原告「フューチャーアイ」の塚本社長が参加された判決文読み合わせ勉強会だったこともあり、いろいろな話を聞くことができて、参考になりました。 「損害賠償の対象となる売上の範囲」に関する判決の判断についての妥当性に関する議論は、もっと深めていただきたいと思いました。 LINEふるふる特許事件 判決文読み合わせ勉強会 https://www.youtube.com/watch?v=l6lcB1lcRqo&t=1154s 視聴者が作成したタイムラインがありました。 05:51 勉強会の趣旨 10:05 主文の内容 14:00 当初7件の特許権で訴訟しているが1件以外は取り下げ 17:48 前提事実の内容 26:18 被告の行為(LINEのサービス内容) 28:00 争点 29:33 原告の主張の論点 53:30 被告の主張「アカウント広告とコミュニケーションの売上の内訳」 1:04:48 塚本さんよりケーススタディ的な例示(観光バスの例) 1:09:00 裁判官も初めてのケースで困っていたという話 1:12:00 広告収入モデルに関する議論 1:21:00 裁判所の判断 1:24:00 海外輸出関連 1:30:32 損害賠償の対象となる売上の範囲 1:34:40 コミュニケーションの売上について 1:37:40 相当実施料率について 1:46:45 まとめ 平成29(ワ)36506 損害賠償請求事件 特許権 民事訴訟 令和3年5月19日 東京地方裁判所 全文 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/479/090479_hanrei.pdf 2021.07.16 平成29(ワ)36506 損害賠償請求事件 特許権 民事訴訟 令和3年5月19日 東京地方裁判所 http://www.furutani.co.jp/matsushita/021/0211/ LINEのフリフリ機能の特許権侵害について、約1400万円の損害賠償か認められました。広告収入については因果関係無しとして認められず、有料スタンプの売り上げのみでした。 LINEに1400万円賠償命令 「ふるふる」特許侵害認定―東京地裁 2021年05月19日 https://www.jiji.com/jc/article?k=2021051900824&g=soc パラメータに着目すること自体の容易性を否定して、進歩性が認められた事例についての議論は非常に勉強になります。
令和元年(行ケ)第10137号「セレコキシブ組成物」事件です。 「特許を取得する側には、好都合な戦術として参考になりそう」「従来使われていなかった測定方法・パラメーターで規定すれば有利になる」「本判決では、D90という粒度分布で特定した製薬組成物において、医薬品の原料粉末では一般的であることが認められず、進歩性が肯定されている。本事件のように、当業者的には一見容易想到にも思われる発明特定事項であっても動機付けの立証が難しい場合もある。」「近時の裁判例を見ると、パラメータ・数値範囲を発明特定事項と捉えて、当該パラメータ・数値範囲の容易想到性を問題とし、これが容易想到でなければ進歩性ありという枠組みで判断する裁判例が大多数となっている。本判決も、クレームアップされた「セレコキシブ粒子のD90が200μm未満」というパラメータ・数値に着目することの容易想到性を問題としたうえで、この容易想到性を否定し、顕著な効果云々の議論に入るまでもなく、進歩性〇と判断したものである。」という出願人としての参考になるコメントの他、こうした知財高裁、特許庁審判部の考え方に批判的な学者の議論を期待するコメントもあります。 さらに議論が深まることを期待しています。 2020.10.28 「日本ケミファ・ダイト v. ジー.ディー.サール」 知財高裁令和元年(行ケ)10137 https://www.tokkyoteki.com/2020/11/2020-10-28-r1-gyo-ke-10137-celecoxib.html <知財高裁/セレコキシブ特許の審取訴訟> D90で特定した製剤特許の進歩性が判断された事例 2021.02.02 https://biopatent.jp/1177/ 「セレコキシブ組成物」事件2021/2/5 https://www.unius-pa.com/wp/wp-content/uploads/R01_gyouke_10137.pdf そーとく日記 2021年07月14日 進歩性判断において「特定事項説」(=外縁説)を採る特許庁・知財高裁(「セレコキシブ組成物事件」令和1年(行ケ)10137;無効2016-800112;無効2018-800071) http://thinkpat.seesaa.net/article/482450866.html 「パラメータ発明」の進歩性~パラメータに着目することの容易想到性否定を否定して、進歩性が認められた事例。 https://www.nakapat.gr.jp/ja/legal_updates_jp/%e3%80%90%e7%89%b9%e8%a8%b1%e2%98%85%e3%80%91%e3%80%8c%e3%83%91%e3%83%a9%e3%83%a1%e3%83%bc%e3%82%bf%e7%99%ba%e6%98%8e%e3%80%8d%e3%81%ae%e9%80%b2%e6%ad%a9%e6%80%a7%ef%bd%9e%e3%83%91%e3%83%a9%e3%83%a1/ 中国の国家知的財産権局が開催した7月14日の定例記者発表会で、今年6月末現在の中国(香港・澳門<マカオ>・台湾地区を除く)の有効発明特許件数は245万4000件となっており、知的財産権の質の高い発展の成果が顕著で、コア技術の特許の基礎の強化が続いていること、また、国家外貨管理局のデータによると、中国の1−5月の知的財産権使用料輸出額は前年同期比24.3%増の48億4000万ドルだったことなどが明らかにされたとのことです。(人民網日本語版 2021年07月16日)
今年54月に発表された中国国家知識産権局の年度報告(2020年)によれば、 2019年に減少に転じた出願件数は、再び増加に転じ、2020年は149.7万件(前年比6.9%増)、 2019年に世界一となったPCT出願(受理ベース)は、2020年も件数を伸ばし、過去最高の7.2万件に到達、 発明専利の審査件数は112万件、平均審査期間は20カ月、専利全体の登録率は47.3%(2019年より3%増)。 中国では、過去の大量出願に対する反省から、品質向上へのシフトが顕著で、専利出願行為の更なる厳格な規範化に関する国家知識産権局の通知(2021年1月27日公表)が出され、2021年6月末までに、地方は専利出願段階での資金補助を全面的に取り消し、2025年までに、地方は授権後の資金補助(PCT及びその他のルートにより国外で授権された専利を含む)を段階的に縮小し、全面的に取り消すようです。 李克強総理も2021年4月には、出願件数・登録件数を評価指標とする出願奨励政策を廃止して、独創的な成果を促進し、非正常出願、冒認出願を取締るという発言をしているようです。 中国の特許・実用新案が落ち着き、結果として優れた発明だけが出願されるようになる日が近いと感じます。 中国の有効発明特許件数が245万4000件に http://j.people.com.cn/n3/2021/0716/c95952-9872965.html 中国国家知識産権局の年度報告(2020年)(抜粋) http://www.lindapatent.com/jp/info_news/1205.html 中国の知的財産概況 https://www.wipo.int/edocs/mdocs/mdocs/ja/wipo_webinar_wjo_2021_10/wipo_webinar_wjo_2021_10_www_539252.pdf ソニーが復活し、知財や人材力、高PBRに反映、非財務資本が9兆円に達しているとのこと。ソニーは非財務情報を企業価値にうまく結びつけているとのことですが、特許や知的財産などの「知的資本」がどの程度関与しているのか、もう少し詳しく知りたいところです。
ソニー、非財務資本9兆円 知財や人材力、高PBRに反映 脱炭素推進、5年で17倍 2021年7月13日 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73800130S1A710C2DTA000/ ソニーが圧倒的な高収益体質に大復活できた本質 エレキ地位低下の一方、グループ6事業を「掛け算」 https://toyokeizai.net/articles/-/440105 週刊東洋経済 2021年7/17号[雑誌](ソニー 掛け算の経営) 雑誌 – 2021/7/12 https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B095HW15VF/toyokeizaia-22/ 純利益が初めて1兆円を突破したソニーですが、電機部門ではまだリストラが継続中です。次の狙いは、電機とエンタメ事業のシナジーを生み出す「掛け算の経営」です。吉田憲一郎社長はソニーを「テクノロジーに裏打ちされたエンタメ企業」と再定義しています。 本特集では半導体から“YOASOBI"まで、ソニーを支える強いビジネスを総点検。さらに絶好調の裏に潜むリスクや「ポスト吉田」の人事まで、ソニーの今を徹底分析しました。 【特集】ソニー 掛け算の経営 [図解]グループ体制への変更で何が変わる? ソニーの現在地 エレキが本社から分離「/掛け算」事業が続々誕生 エンタメ関連の出資が相次ぐ [インタビュー]「異業種間の技術交流が肝 エレキ中心からエンタメや金融も主役に」 ソニーグループ 副社長兼CTO 勝本 徹 第1章 掛け算の経営 グループの技術が総結集 EV開発の真の目的 [インタビュー]「半導体を売って終わりじゃない」 ソニーグループ常務 AIロボティクスビジネス担当 川西 泉 業績不振時も研究開発費率は維持 特許が示すソニーの強み ネトフリ、ディズニーと配信契約 協業で狙う映画の収益安定化 第2章 絶好調事業の今後 自社スタジオ発のヒットが続出 止まらないPSの快進撃 YOASOBIだけじゃない ヒットが生まれ、育つ必然 [インタビュ ー] ソニー・ミュージックエンタテインメント YOASOBI「生みの親」に直撃 「SNSへの投稿は自分たちで」屋代陽平 「セオリーを壊し新しいものを」山本秀哉 イメージセンサーで首位独走 半導体「日本一」の持続力 ビリビリに出資し中国市場を深耕 海外アニメ市場を制覇せよ 評価次第で給与に大きな差 入社1年目から「実力主義」 時価総額はソニーの4分の1 パナの「失敗の分岐点」 第3章 ソニーの死角 絶好調は続くのか 忍び寄る3つのリスク 復活ソニーの「次」をどう描く 「ポスト吉田」は誰だ [インタビュー]元ソニーの経営学者が語る 「吉田社長のロジカルさは強みであり、最大の弱み」 早稲田大学ビジネススクール 教授 長内 厚 将来性と問題点を探る ソニー株は“買い"か? [インタビュー] 「ソニーのライバルは、元から松下ではなくバンダイでしょ」 ソニー・ミュ ージックエンタテインメント元社長 丸山 茂雄 YouTube「野崎篤志のイーパテントチャンネル」7月18日(日)21時-22時に、プロのオペラ歌手として活躍されているとともに、アイピー・ファイン株式会社副社長の平尾さんが登場されます。後日、アーカイブ動画で視聴できます。
平尾さんには、アイピー・ファイン株式会社が主宰する知財AI活用研究会で大変ご迷惑をおかけし、大変お世話になっていますが、「オペラ歌手 ~自分の可能性を信じて~」の講演記録を拝見すると、在職時より歌手活動をされていましたが、退職後オペラ歌手になるために本格的に勉強を始めたという、想いの強さ、凄さが伝わってきます。 知財とオペラの世界-平尾 啓 氏(アイ・ピー・ファイン株式会社 取締役副社長、藤原歌劇団準団員・日本オペラ協会準会員) 2021/07/18 に公開予定 https://www.youtube.com/watch?v=fE3EwwKl8u4 夢叶え 慣れ親しんだ舞台へ 遠藤在住 平尾啓(ひろし)さん https://www.townnews.co.jp/0601/2020/10/23/548229.html 【オンライン特別講演】6月「オペラ歌手 ~自分の可能性を信じて~」 https://www.rikuryo.or.jp/activity/tokyo_club/?p=5226 「オペラ歌手 ~自分の可能性を信じて~」発表資料(音声付) https://www.rikuryo.or.jp/activity/tokyo_club/wp-content/uploads/2020/07/%e7%99%ba%e8%a1%a8%e8%b3%87%e6%96%9920200620.pdf 知財 AI 活用研究会の研究事例紹介 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkg/70/7/70_349/_pdf/-char/ja 機械学習や自然言語処理技術を用いた知財リーガルテック について https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3748 知財AI活用研究会~一般企業メンバーの活動をご紹介~ http://patentsearch.punyu.jp/asia/N6_hirao.pdf キリングループにおける特許情報調査 特許情報調査は誰がすべきか,そしてその環境整備は https://www.jstage.jst.go.jp/article/johokanri/56/5/56_284/_pdf/-char/ja 特許庁が、知的財産制度についての関心や理解を深めてもらおうと、知的財産をめぐる国内外の動向と特許庁における取組について毎年まとめている特許行政年次報告書が、今年も7月14日に「特許行政年次報告書2021年版」として公表されました。
https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2021/index.html 冒頭特集では、”ニューノーマル(次の当たり前)”を創る人々に焦点が当てられ、①心の癒しを担う家族型ロボット、②AIと人が協調する教育を実現するAI学習システム、③人と共生し、物流の人手不足に挑戦する無人宅配ロボット、の3つの技術が紹介されています。 第1部「知的財産をめぐる動向」では、新型コロナウイルスが知財統計に及ぼした影響、 第2部では、特許庁の最新の取組、第3部では、各国の知的財産制度の動向や、グローバルな知的財産環境の整備に向けた取組が紹介されています。 習性で、第1部第2章企業等における知的財産活動に目が行きます。特に1.知的財産活動の状況(2)企業別登録件数ランキング。毎年大きくは変わらないのですが、今年は、リコー、日本電気が順位を上げている、アリババ・グループ・ホールディング・リミテッドの登録件数が前年に比べ大きく増加しているのが目立ちます。 https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2021/document/index/honpen0102.pdf https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2021/document/index/0210.pdf また、主要国特許庁の特許査定率の推移では、日本の特許査定率が約75%で安定しているのに対し、米国の特許査定率が2.8%増の77.3%になり、中国の特許査定率が9.2%減の44.3%になっています。肌感覚と合っています。 https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2021/document/index/honpen0101.pdf 7月13日に決定された知的財産推進計画2021は、日本企業の知財・無形資産投資活動の深刻な低迷の打開をはかるべく、競争力の源泉たる知財の投資・活用を促す資本・金融市場の機能強化として、「コーポレートガバナンス・コード」改訂による企業の知財経営強化、「知財投資・活用戦略に関する開示等ガイドライン(仮称)」の策定、「事業成長担保権(仮称)」の創設による融資促進を打ち出しました。
コロナ後のデジタル・グリーン成長による経済回復戦略を進める中で企業の知財・無形資産活用が鍵になること、日本企業の知財・無形資産投資を増大させるメカニズムの構築が必要なのはその通りだと思います。 しかしながら、本当にこのやり方で上手くいくのでしょうか、 知的財産推進計画2021に関するマスコミの取り上げ方を見る限り、その点への言及が少ないのが気になります。 著作権窓口を一元化 アニメや音楽配信―政府が推進計画決定 権利者不明著作物などに対応する一元的権利処理制度を来年度導入へ、知財本部が方針 過去作品もネット配信しやすく、政府が知的財産推進計画 著作権不明な映像や音楽、一元管理 政府が推進計画決定 政府 デジタル化対応の知財推進計画を決定 レトロゲーム復刻に光か、日本政府2022年に向け著作権処理改善の意向を示す 制度創設へ 著作権者不明でも再利用容易に 政府 デジタル化で音楽など利用しやすい権利処理の制度検討へ 知財、情報開示に指針 投資促進図る 政府計画案 著作物の権利処理一元化、利用者の負担軽減 政府 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizaikeikaku20210713_gaiyou.pdf 「自分たちの技術力を絶対視するようなおごった考え方が根っこにあった」会見を開いた三菱電機社長が述べた言葉です。契約内容と異なる方法で試験をしたり、架空のデータを記入したりしていただけでなく、架空データを自動的に作る「専用プログラム」を開発し、それを使っていた、それを35年以上続けており、全社的な総点検を実施しても発覚しなかった、という。また、これらの事実を把握していた社長は、6月29日の株主総会で一切説明しませんでした。社長は株主総会で不正の報告を見送るか否かにつき取締役会を開き意思決定したと一度述べましたが、後日に同社により取締役会開催の事実はないと訂正、社長は辞任。
「動機」「機会」「正当化」という企業が起こす不正の3つの要素の解明と再発防止を早急におこなってほしいものです。 三菱電機の検査不正問題の衝撃〜検査不正防止法の制定を これは日本全体の構造問題だ 荒井寿光 知財評論家、元特許庁長官 2021年07月09日 https://webronza.asahi.com/business/articles/2021070700002.html 「三菱電機 検査不正はなぜ起きた」(ここに注目!)2021年07月06日 (火) https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/451933.html 安全軽視の三菱電機、架空のデータ算出に専用プログラム[新聞ウォッチ] https://response.jp/article/2021/07/01/347238.html 三菱電機、7つの手法で不正 経緯語らず「調査中」 https://news.yahoo.co.jp/articles/ead553869445cc5cbf8608b3f1496e061136207a 三菱電機、止まらない不祥事「不正検査問題まとめ読み」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC103KF0Q1A710C2000000/ 花王が、棚割り業務の効率化による作業時間・コストの削減をめざし、人が作成した基本パターンをもとにその商品構成や配置に準拠しつつ、拡大・縮小パターンを自動的に作成できる「AI自動棚割り生成アルゴリズム」をLTSと共同で開発、このアルゴリズムを活用することで、最大で棚割り作業時間を従来の60%削減できると見込んでおり、お客さまへのより創造的な提案活動に注力できることが期待できるとのこと。
棚割り業務は、関係するメーカーの主導権争いも激しいので、今後の販売店における実証実験による成果確認が期待されます。 棚割り作業の負担を削減する「AI自動棚割り生成アルゴリズム」 https://techable.jp/archives/157917 AIを活用した自動棚割りアルゴリズムを開発、売場づくりの効率化に向けた実証実験を開始 花王株式会社広報部2021年7月8日 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000070897.html 花王とライオンが、イトーヨーカドー曳舟店と協働して使用済みつめかえパックの分別回収実証実験を行なっています。2020年10月から2021年6月までの回収状況は、計画に対して約2倍の回収量だったとのことでした。
解決しなければいけない様々な課題も見つかっているようですが、挑戦的な取り組み、成功させてほしいものです。 花王とライオンの協働によるリサイクル実証実験の進捗について https://www.jiji.com/jc/article?k=000000044.000070897&g=prt 花王・ライオンが協働してリサイクル実証実験を開始 イトーヨーカドー曳舟店にて使用済みつめかえパックの店頭回収をスタート https://www.kao.com/jp/corporate/news/sustainability/2020/20201104-003/ 潮流 (No.128、2021.07.09)に「IPランドスケープへの期待度」と題して、馬場錬成氏が書かれています。IPランドスケープ(Intellectual Property landscape)の火付け役である日本経済新聞社の渋谷高広編集委員、KIT虎ノ門大学院の杉光一成教授、「この二人の活動を陰から支援していきたいと筆者は思っている。」としたうえで、辛口の指摘です。
https://www.hatsumei.co.jp/column/index.php?a=column_detail&id=366 「今話題になっているIPランドスケープは、すでに20年前に課題としてあげられていたことが分かる。しかし、この20年間、日本の知財文化は、何も進歩しなかった。だから渋谷、杉光氏らが立ち上がったのだろう。」 「気になるのは、IPランドスケープ推進協議会(http://ip-edu.org/iplsuishin)という団体の発足である。会員に日本を代表するような大手企業が名前が並んでいる。 日本でIPランドスケープが進展するのは結構だが、筆者には違和感がある。・・・・・知財戦略とは、誰かに言われてやる経営戦略ではない。まして企業が集まって相談したり情報交換してやるものでもない。そう考えると推進協議会とは何を目的に発足したものか。 IPランドスケープの実現に期待はするが、協議会のような機関を作って実効性があがらないのでは、20年前と同じ苦い結果にならないとも限らない。」 「・・・・・問題は経営母体である。トップを始め経営中枢にいる人たちがどれだけ現状を理解し、知財の本質と実際が分かっているのか。期待はするが結果が果たしてついていくかどうか、筆者はまだ疑問視している。」 「社会課題の解決に向けたイノベーションとIPランドスケープ」と題する中村琢司氏(東洋製罐グループホールデイングス株式会社 取締役常務執行役員)知財管理誌 2021年6月号の巻頭言を拝読しました。
イノベーションを興すと言うと.「今までのやり方の延長じゃダメだ!」「もっと新しい視点を持たないと!」「過去の成功体験は捨てろ!」と考える方も多い中、「過去の成功体験を捨てるな。」が東洋製罐グループのイノベー ション戟略。という。 IPランドスケープの導入を2年前に決意し、結果、知財にあまり興味のなかった営業部門にも高い評価を得ているとのこと。 「経営課題そのものとなっている社会課題の解決のためのイノベーションをIPランドスケーブが強力にバックアップしていく。」という在り方は理想的な在り方のひとつだと思います。 社会課題の解決に向けたイノベーションとIPランドスケープ 知財管理Vol. 71 No.6 747(2021) http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/mokuji/mokujinew.html 「氷結」を例にした立体商標の解説 2020.07.06 https://tokkyo-katsuyoujyuku.com/rittai_tm/ 東洋製罐株式会社は、「ダイヤカット缶」に関して、特許出願と意匠出願とを多数行っています。 つまり、東洋製罐株式会社は、自社の製品である「ダイヤカット缶」を多面的に知財で保護していると言えるでしょう。 一方、キリンホールディングス株式会社は、「氷結」「ダイヤカット」を商標登録しており(それぞれ、第5618273号、第5623785号)、「ダイヤカット缶」については、立体商標まで取得しています(第6127292号)。 キリンホールディングス株式会社も、自社の製品である「氷結」を、商標という手段だけとはなりますが、やはり多面的に知財で保護していると言えるでしょう。 個人的には、「氷結」の漢字2文字にセンスが光り、商品名と缶のデザインが素晴らしくマッチしていると感じています。 失敗検索からのリカバリー「海外で受賞したデザインの意匠をさがせ」 https://note.com/sakaimisato/n/n759e9d19f368 技術とデザインの知財管理 : 東洋製罐の事例 https://ci.nii.ac.jp/naid/120006777374 イーパテント・トークセッション「大学のマネジメントと知財-稲穂 健市(稲森 謙太郎) 氏(東北大学 特任准教授 弁理士、作家)」を視聴しました。(2021/06/27 にライブ配信)
https://www.youtube.com/watch?v=8QyCE7Gy0Lw (ペンネーム:稲森謙太郎の名で昨年出版された『ロボジョ! 杉本麻衣のパテント・ウォーズ』は楽しく読ませてもらいました。)
東北地方における知財啓発の取り組みについて https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3776 1.はじめに 2.高校生以下を対象とした知財啓発の取り組み 3.高専・大学の学生・教職員を対象とした知財啓発の取り組み 4.地方自治体からの依頼による知財啓発の取り組み 5.メディアからの依頼による知財啓発の取り組み 6.まとめ (第16回)知財実務オンライン:「「ロボジョ! 杉本麻衣のパテント・ウォーズ」制作秘話」(ゲスト:弁理士/米国公認会計士、科学技術ジャーナリスト、東北大学特任准教授 稲穂 健市氏) 2020/09/24 にライブ配信 https://www.youtube.com/watch?v=AQi44wPj6As 稲穂健市 Official Page https://www.inapon.com/ 昨年は中止になった北大で毎年行われてきたサマーセミナーですが、今年のサマーセミナー「最新の知的財産訴訟における実務的課題――特許法をめぐって――」はオンライン開催とのことで、申込登録受付が始まりました。
今年度のセミナーの詳細および申込みフォームは、下記のサイトをご覧ください。 https://www.juris.hokudai.ac.jp/riilp/event/summer-seminer2021/ 知財に関するレベルの高い講義で、今年は特許関連です。 直接、札幌で講義を聞けないのは残念ですが、オンライン開催になったことで、どこでも講義を聴けることになり、良かったのかもしれません。 対象 知的財産事件に携わる実務家等(弁理士、弁護士、企業の知的財産部員等) 期間 2021年8月28日(土)~8月31日(火) [午前]10:00-12:30 [午後]14:00-16:30 (質疑応答、休憩を含む) ※一部の講義のみを選択して受講することも可能です。 開催方法 オンライン開催(Zoomを使用) 受講費 無料 ※本研究科運営のための「研究奨励寄附金」へのご協力をお願いしております。 寄附金額:1口2万円 *1口以上ご協力いただければ幸いですが、口数、金額にかかわらずお受けいたします。 講師 韓 相郁 (韓国 金・張法律事務所弁護士) 酒井 將行 (株式会社国際電気通信基礎技術研究所経営統括部担当部長・弁理士) 田村 善之 (東京大学大学院法学政治学研究科教授) 中山 一郎 (北海道大学大学院法学研究科教授) 吉田 広志 (北海道大学大学院法学研究科教授) 紋谷 崇俊 (西村あさひ法律事務所弁護士・弁理士) 前田 健 (神戸大学大学院法学研究科教授) 特許法の先使用権 田村教授 近時の裁判例から見る均等論 吉田教授 進歩性要件の意義と機能-近時の裁判例を踏まえて 前田教授 Connected Industriesと特許権行使-複数主体による侵害・差止制限など 紋谷弁護士 データ駆動型人工知能の知的財産保護 酒井弁理士 AIと進歩性、発明者等 中山教授 特許権侵害に対する損害賠償-現状、実情、今後の課題-(1) 田村教授 特許権侵害に対する損害賠償-現状、実情、今後の課題-(2) 田村教授・中山教授 特許訴訟とdiscovery-特許訴訟とfact findingとの関連 韓弁護士 回転ずしチェーン「かっぱ寿司」を展開するカッパ・クリエイトが7月5日、不正競争防止法違反容疑で先月28日に警視庁の捜索を受けたと発表した件、カッパ・クリエイトの田辺公己社長は、元同僚からはま寿司の売り上げデータなどを私用メールで複数回受け取ったこと自体は認めており、今後はこのデータが「営業秘密」にあたるかが焦点となるようです。
不正競争防止法で定めている営業秘密にあたるには、①秘密として管理されていること(秘密管理性)②事業などに有用なこと(有用性)③公然と知られていないこと(非公知性)の3つの要件を満たす必要がありますが、今回も秘密管理性が問題になりそうです。 ソフトバンク元社員が楽天モバイルに5Gに関する情報技術を持ち出したとされる件、積水化学工業の元社員が中国企業に自社技術を漏らしたとされる件など、最近こういう話題が多いですが、営業秘密の管理に関しては空洞化することが多いので、定期的にチェックすることも重要ですね。 かっぱ寿司 はま寿司データ不正入手か、不正競争防止法違反容疑で家宅捜索 2021年7月6日 https://www.sponichi.co.jp/society/news/2021/07/06/kiji/20210706s00042000148000c.html かっぱ寿司、秘密侵害「3要件」が焦点 転職巡る漏洩増 2021年7月6日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC060BE0W1A700C2000000/ 当社役員に対する競合会社からの告訴について http://www.kappa-create.co.jp/blog/wp-content/uploads/2021/07/%E5%BD%93%E7%A4%BE%E5%BD%B9%E5%93%A1%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E7%AB%B6%E5%90%88%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E5%91%8A%E8%A8%B4%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6_20210705.pdf 当ブログ(2021年6月5日)で「セルフレジ特許訴訟でユニクロ側が上告」として、ユニクロ等のセルフレジ特許訴訟をとりあげましたが、アスタリスク鈴木社長のインタビュー記事がでていました。
「ゼロ円ならライセンス契約を結ぶ」「たいしたことない弁理士とののしる…」 中小企業のセルフレジ技術‟利用”を巡るユニクロの‟主張”、《セルフレジ特許訴訟》「女房の貯金を崩して株主総会に行ったけれど…」ファーストリテイリングは、なぜ裁判を長引かせるのか という刺激的なタイトルです。 ファーストリテイリングの担当者が本当にこういう対応だったのか不明ですが、中身も刺激的です。 「それまでの話し相手はIT担当の人たちで、友好的な対応でした。ところがこの時期から知的財産部門の担当者もあらわれて、だいぶ雰囲気が変わってきました。知財部門の担当者との最初の話し合いで、彼らは『ゼロ円ならライセンス契約を結びます』という、信じられない提案を突きつけてきたのです」 「・・・当社の顧問弁理士に対しても『たいしたことない弁理士』だと言われました。・・・」 「・・・『特許庁の仕事っていい加減で、外注に丸投げして適当な調査で特許を出している』・・・一方で、今回の審決取消訴訟で問題になったアメリカの特許を見て『これはアメリカ展開するときには問題になるか調べておかないといけないな』と、知財担当者はネットで確認していました。そのとき、『これは大企業ですね。金ではどうにもならないから、注意しないと』とも発言していた。当社は小さいから金でどうにでもなる、と扱われているように感じました」 「取材の最後に鈴木社長はこうつぶやいた。「中小企業の特許が正当に扱われる社会になってほしい……」」 https://bunshun.jp/articles/-/46124 特許庁から6月30日に、中小企業のためのデザイン経営ハンドブックが公表されました。
中小企業がデザイン経営を自社に活かすための冊子として、「セオリーに従っても、なかなか効果は出ない。」という悩みを抱える企業が自分たちに合ったやり方を実践するための、9つの「入り口」を紹介し、自社にあった「入り口」から実践してみることを提案しています。 「デザイン経営」実践は、確かにむずかしいです。 中小企業のためのデザイン経営ハンドブック https://www.jpo.go.jp/introduction/soshiki/design_keiei/chusho.html デザイン経営9つの「入り口」 PART1 会社の人格形成 ~キャラクターの確立からはじめる~ 意思と情熱をもつ(MISSION) 歴史や強みを棚卸しする(IDENTITY) 未来を妄想する(VISION) PART2 企業文化の醸成 ~カルチャーの醸成からはじめる~ 社員の行動変容を促す(BEHAVIOR) 社内外の仲間を巻き込む(COLLABORATION) 魅力的な物語を発信する(STORYTELLING) PART3 価値の創造 ~モノ・サービスの創出からはじめる~ 人を観察・洞察する(INSIGHT) 実験と失敗を繰り返す(PROTOTYPING) 心をつかむモノ・サービスをつくる(EXECUTION) |
著者萬秀憲 アーカイブ
April 2026
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