他社の特許を侵害したことで倒産した会社のことなど聞いたことがないという人が多いのに驚きます。
最近、特許権侵害訴訟で負けたことが主な原因で倒産した会社についての報道がありました。 2020年2月、知的財産高等裁判所(特別部)の大合議により製品の譲渡等の差し止めと製品の廃棄、さらに約4億4000万円もの賠償金の支払いを命じる判決が下り、高裁判決後には売掛金の差し押さえが仮執行されたことにより資金繰り悪化に拍車がかかり、2021年4月には最高裁への上告受理が退けられ巨額の賠償債務を負うことが確定、事業継続が困難になる恐れがあることから、民事再生法の適用による再生の道を選択したとのことです。 2017年3月期の売上高が約15億円という会社にとって、特許による特長が製品の一部にしかない場合でも販売で得られたはずの利益全額を権利者の逸失利益として推定できると判断して高額な損害賠償金を認定したこの判決には納得できない部分もあるようです。 また、その他にも、今年は任天堂がコロプラを訴えた特許権侵害訴訟が和解金33億円で決着した事件もありました。 こうした損害賠償金額の高額化を危惧する見解も一部にはあるようですが、他社の知的財産権を侵害する知財リスクについては、まだまだ啓蒙が必要な状況にあるのかもしれません。 ただの“揉め事”ではない、知財リスクが引き起こした倒産劇の顛末 https://news.yahoo.co.jp/articles/fbf873f0005e0c465e55a6964b6c6280e17e87b5 美顔ローラーのファイブスター、再生手続決定 特許権侵害の賠償金影響か https://www.esthe.media/news/5054 美容ローラー特許侵害確定 4億4千万円賠償命令 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE15B360V10C21A4000000/ 美容器特許、4.4億円賠償命令 https://digital.asahi.com/articles/DA3S14384159.html 任天堂とコロプラの特許権侵害訴訟が和解で決着:和解金33億円は安いのか https://news.yahoo.co.jp/byline/kuriharakiyoshi/20210812-00252868
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著者萬秀憲 アーカイブ
November 2023
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