特許庁が、IPランドスケープを活用した知財経営の普及・定着に貢献することを目的として、10月25日から公開している「第2回IPランドスケープセミナー(無料)」の第1部 IPLの導入と実践に向けて(パネルディスカッション)【モデレータ】株式会社シクロ・ハイジア 代表取締役CEO 小林 誠 【パネリスト】株式会社ブリヂストン 知的財産部門 部門長 荒木 充 株式会社リコー 理事 プロフェッショナルサービス部 知的財産センター 所長 石島 尚 昭和電工株式会社 知的財産部長 続木 敏 の中の「株式会社リコーの取組について(11分43秒)」では、株式会社リコーにおけるIPランドスケープの取組と課題について紹介されています。事業の80%を占めるOA機器の需要が縮小しているなかでデジタルサービスの会社へと変貌する会社における知財部門の対応の在り方の好例です。
株式会社リコーの取組について https://ipeplat.inpit.go.jp/Elearning/View/Course/P_studyview2.aspx#no-back 画像事業(OAメーカー)からデジタルサービスの会社へというのが中期経営計画 画像事業では競合が明確で、自前主義だったので、特許戦略も競合に対する優位性を重視 デジタルサービスでは、事業ごとにステークホルダーやリコーの立ち位置が異なるので、特許戦略も、様々なビジネスに対して、ビジネスを展開する様々な国で、様々なステークホルダーとの、競争や協業の核となるイノベーションを知財化し活用 IPLの取り組みは、IPLチームと知財戦略チームの連携 リコーのIPLは、経営戦略・事業戦略を成功に導くことを目的として、 知財情報に加えて、マーケット情報、製品・技術情報等を多角的に分析し、自社•他社のポジション、動向を明らかにした上で、事業における“強みを構築する”、または、“弱みを補強する”ための具体的な知財戦略のオプションを提案し、事業戦略に組み込むこと 「攻めの知財」に道を開くIPランドスケープ IPLの取り組み コア技術の新たな用途の探索 未来予測への挑戦 これまでは、特許・論文の解析が中心。既に社内で着手していることの衷付けに留まることが多かった。(リコーのコア技術) 最近は、ベンチャー企業、科学研究費の解析を強化。今まで気付いていなかつに領域の示唆をデータから得られるようになってきている。(有望領域・事業機会の探索) 情報解析からイノベーション創出へ 研究開発部門と一体となったプロセスを構築中 リコーのIPランドスケープ 21/5/2021 https://yorozuipsc.com/blog/ip1839990 リコーでは、IPランドスケープを活用し、将来有望な事業の領域を提案するとともに、その事業領域での特許出願と権利化を強化し特許資産価値を向上させる取り組みを行っていて、新たな事業ごとに経験豊富な知財プロジェクトマネージャーを派遣しており、また知財本部内には当該事業の市場や参加者を全体俯瞰した知財解析情報を提供する知財情報解析チームを置いていて、両者は互いにコミュニケーションを取りながら IP ランドスケープを進めており、活動を通して開発部門や事業部門を初め経営企画部門にも IP ランドスケープが浸透しているようです。 その成果のひとつが、新世代の 360度カメラ「RICOH THETA」で、IP ランドスケープを活用し、組織の壁を突破し、新事業を創出した例のようで、注目です。 知的財産本部の知財情報解析チームでは、膨大な知的財産情報を、短時間で効率的に収集、整理、分析、加工し、知的財産以外の情報とも組み合わせてインテリジェンス化を行っており、これをもとに、知的財産戦略の立案や、事業部や経営層への提案を行うことで、知的財産価値の最大化を目指している。 【知的財産経営】硬直化する組織の壁を突破し、新事業を創出せよ https://newspicks.com/news/5629994/body/ 株式会社リコーと意見交換を行いました https://www.jpo.go.jp/news/ugoki/202103/032401.html 山内明「IP ランドスケープ実践事例集」190-201 頁(技術情報協会、2019 年) 知的財産への取り組み https://jp.ricoh.com/technology/rd/ip
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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