将棋の世界では、19歳の史上最年少四冠が誕生し、来年1月開幕の王将戦七番勝負で五冠を目指すこととなり、大いに沸き立っています。個人の天才的な才能に加え、数年前よりトッププロ棋士を超えているという「将棋AI」を駆使して研究していることが強さの秘訣のようです。
Japio YEAR BOOK 2021への花王㈱株式会社 安藤俊幸氏の寄稿「機械学習を用いた効率的な特許調査方法 ―「人工知能」主導によるAIの特許調査への応用―」は、「将棋AI」と「特許調査AI」との比較から特許調査AIの現状に関する問題提起をしています。 安藤さんも引用している藤井聡太竜王(四冠)のAIに対する基本姿勢は参考になります。 「AIの評価値を見るうえでまず気を付けることは、それがどういうAIを使って、どれぐらい読んでいるのかというところです。いくら評価値がこうだといっても、そういう基本情報がないと、本当にそれを信じていいのかは、全然わからないものなので、まずはそこを見るようにしています。そのうえで、強いAIを使って、例えば十億手読んでいるものであれば、当然それなりにかなり信頼できるなどと考えます。複数のAIを使って、セカンドオピニオンのような形で見る場合もあります。 そうした意味でも、AIの評価値が必ず正解なわけではありません。なので、参考にしつつも、自分でも局面を考えてみるという作業は、やはり常に必要になるのかなと思っています。」 この論文でも触れられていますが、SDI調査の効率化では、PatentfieldやDeskbeeなどの商用AI利用特許調査・分析ツールAIは使えるレベルになっているという感触をもっています。さらに広がると良いと思っています。 Japio YEAR BOOK 2021 寄稿集 3. 特許情報の高度な情報処理技術 機械学習を用いた効率的な特許調査方法 花王株式会社 研究開発部門 研究戦略・企画部/アジア特許情報研究会 安藤 俊幸 氏 https://japio.or.jp/00yearbook/yearbook2021.html
0 Comments
Leave a Reply. |
著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
カテゴリー |