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​よろず知財コンサルティングのブログ

対価交渉のケーススタディーβ版

14/5/2021

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特許庁が「オープンイノベーションポータルサイト」で、研究開発型スタートアップと事業会社のオープンイノベーション促進のため「モデル契約書(新素材編)」「モデル契約書(AI編)」を公開していますが、今回、さらに進んで「対価交渉のケーススタディーβ版」が公開されました。想定読者を、事業会社(新規事業開発担当、知財・法務担当など)、研究開発型スタートアップ(複数分野に応用可能な革新的技術で事業を興すスタートアップ)、スタートアップ支援者(ベンチャーキャピタリストなど)としています。
https://www.jpo.go.jp/support/general/open-innovation-portal/document/index/negotiation-casestudy.pdf
 
樹脂の放熱性能を金属並みに向上させる革新的新素材αを開発した大学発スタートアップと新素材αを用いてテールランプカバーを製造・販売したいと考えている自動車部品メーカーが共同開発の結果、①ヘッドライトに加え②テールランプのカバーにも新素材αや研究成果を活用できることがわかり、②については非独占ライセンスとすることが合意され、具体的なライセンス料の設定についての交渉が開始した、という場面設定です。(①ヘッドライトについては、独占ライセンスの交渉が完了している)
登場人物は、スタートアップX社CEO、X社に投資しているVC(ベンチャーキャピタル)、部品メーカーY社の法務部長、部品メーカーY社の事業部長で、第1回交渉、第2回交渉、第2回交渉後のスタートアップX社CEOとX社に投資しているVC(ベンチャーキャピタル)との相談、最終回交渉、後日談などの場面が、それぞれのセリフの形で展開されています。
 
構成がシンプルで、わかりやすくなっています。
 
特許庁 オープンイノベーションポータルサイト
https://www.jpo.go.jp/support/general/open-innovation-portal/index.html
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堀場製作所のベンチャー精神

13/5/2021

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「おもしろおかしく」が社是で、ベンチャ ー精神が脈々と続いている分析・計測機器の総合メーカー、堀場製作所。
2005年には、ドイツのカール・シェンク社(Carl Schenck AG)の自動車関連計測事業部門(Development Test Systems、DTS)を買収、2015年に英国に拠点を置く車両開発エンジニアリングのMIRA社を買収、2018年には電動化車両用のバッテリーと燃料電池の評価試験設備の開発・製造・販売するFuelCon社(ドイツ)を吸収して、電動化自動車計測事業の強化。
そして、新型コロナ抗体検査チップ 堀場製作所、産総研・阪大VBと開発、臨床検査試薬メーカーの米メッドテストホールディングス(ミシガン州)を買収など、医用事業の生化学ビジネスの売上高を2023年めどに19年比5割増の60億円に引き上げる計画とのこと。
H O R I B Aグループで生まれた数々の独創的な技術や知的財産が事業の推進力となってきており、技術開発とその成果たる知的財産がHORIBAブランドの本質的な要素であるということで、事業を牽引する技術・知的財産をグループ全体で賞賛し,次なる成長の起爆剤となる技術・知的財産の創出をさらに奨励していくことを趣旨として創設されたHORIBA Group IP World Cupでの受賞が社員のモチベーションを高めていることは間違いないでしょう。
全国発明表彰も受賞するなど、知的財産権の保護、活用もぬかりなくすすめているようです。
 
ニューノーマルにおける「ものづくりの経営者たち」堀場製作所~足立正之社長2021/03/11
https://minsaku.com/articles/post708/
 
堀場が米試薬メーカーを買収する狙い 2021年02月08日
https://newswitch.jp/p/25834
 
産総研と堀場製作所、「堀場製作所-産総研 粒子計測連携研究ラボ」を設立
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP604245_R00C21A2000000/
 
堀場製作所は、路上走行時の排ガスを測定するRDE(Real Driving Emissions)規制に対応する新アプリケーション「RDE+(プラス)」を9月28日より国内向けに本格展開すると発表した。
https://motor-fan.jp/tech/10016560
 
新型コロナ抗体検査チップ 堀場製作所、産総研・阪大VBと開発 2020年6月24日
https://www.chemicaldaily.co.jp/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E6%8A%97%E4%BD%93%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%83%81%E3%83%83%E3%83%97%E3%80%80%E5%A0%80%E5%A0%B4%E8%A3%BD%E4%BD%9C%E6%89%80%E3%80%81%E7%94%A3%E7%B7%8F%E7%A0%94/
 
第9回HORIBA Group IP World Cup Gold Award受賞案件の紹介
https://www.horiba.com/uploads/media/R54J_21_102_03.pdf
 
ホリバの研究開発と知的財産
https://www.horiba.com/uploads/media/R025-15-052-600_01.pdf

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大成建設の知的財産活動

12/5/2021

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「ゼネコン業界 特許資産規模ランキング2020で、鹿島建設、清水建設に続いて3位となっているのが大成建設です。
大成建設では、技術センターに「オープンミーティングスペース」を開設するなど新たなイノベーションを創出させる取り組みを行っており、コンクリート内部にCO2を固定するカーボンリサイクル・コンクリート「T-e Concrete/Carbon-Recycle」などの開発成果があらわれています。
知的財産に関しては、「知的財産に関する方針」の下、しっかりした知財管理がなされ、着実な成果保護、活用が図られているようです。
 
大成建設、カーボンリサイクル・コンクリート「T-eConcrete/Carbon-Recycle」を開発
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP605204_W1A210C2000000/
 
技術センターに「オープンミーティングスペース」を開設 新設テラスを中心に各施設を連携させ、新たなイノベーションを創出 2020年2月18日 大成建設株式会社
https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2020/200218_4879.html
 
「ゼネコン業界 特許資産規模ランキング2020」
https://www.patentresult.co.jp/news/2021/01/genecon.html
 
知的財産に関する方針 大成建設株式会社 社長
https://www.taisei.co.jp/MungoBlobs/904/721/titeki.pdf
 
 
「機械×夜間」で生産性は跳ね上がる? 建築はロボ、土木は重機で攻める大成建設
大成建設技術センター長の長島一郎執行役員に聞く
木村 駿 日経 xTECH/日経アーキテクチュア2019.11.25
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00956/111900006/
 
大成建設とソフトバンク、「おでかけ5G」で建機の自動運転実験
加藤 樹子 テカナリエ
2019.06.06
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/05190/
 
東芝の特許業務ソリューションを実際に導入したお客様の声をお届けするシリーズ連載。
お客様インタビュー 03:大成建設株式会社様
「年単位で運用を続けたことでわかった “拡張性の高さ”の真価」2017年5月17日
https://www.toshiba-sol.co.jp/sol/patent/interview/03.htm

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清水建設のオープンイノベーション

11/5/2021

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清水建設は、ゼネコン業界における特許の「他社牽制力ランキング2019」でトップ、特許資産規模ランキングではゼネコン業界2位で、長期ビジョン2030年の企業像として「スマートイノベーションカンパニー」を標榜しています。
それを実現するためのオープンイノベーション拠点「潮見イノベーションセンター」が着工、研究施設や研修施設などの新築建物は、2023年のオープンを目指しています。竣工後は、潮見イノベーションセンターをオープンイノベーションの拠点として活用し、革新的な生産技術の開発や事業の多様化、次世代を担う人財の育成を進めていくとのことです。
清水建設のオープンイノベーションは、100億円の出資枠を設定、国内外のベンチャー企業に機動的に出資することとなっており、その成果が次々とアナウンスされています。
 
 
次世代型「道の駅」や建物OSを開発! 清水建設が豊洲で進めるスマートシティのカタチ
システムの逐次アップロードで、多様なニーズの一元対応を目指す
https://emira-t.jp/city/17921/
 
清水建設株式会社の「スマートイノベーションカンパニー」SDGsアクション
https://j-sdgsaction.jp/n/n03e5dacb0f65
 
「清水建設×ダイヤ工業」アシストスーツの開発ストーリー ~掘削作業の負荷軽減・腰痛防止の為に~
https://corp.linkers.net/service/ls/case/2152/
 
米国スタートアップ「Opence社」とパートナーシップ契約を締結
~360度画像を活用した現場管理ソフトの機能拡充で協業~
https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2021/2020048.html
 
清水建設の潮見イノベーションセンターが起工、500億円を投じ“渋沢栄一”の邸宅移築など
https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2011/24/news041.html
 
 
100億円の出資枠を設定、国内外のベンチャー企業に機動的に出資
~オープンイノベーションを推進、R&D強化、事業領域の拡大に寄与~
https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2020/2020012.html

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鹿島の知的財産活動

10/5/2021

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特許資産規模ランキングで、ゼネコントップの鹿島建設。
KAJIMAダイジェストでは、「今回の特集では,設立から丸50年を迎えた知的財産部が,これまで鹿島グループの守護神として,技術開発の舞台裏を支えてきた足跡を振り返る。また,今後も企業として継続した成長を目指す上で,欠かすことができない当社の知的財産にスポットを当てる。」と紹介されています。
櫻井克己知的財産部長からのメッセージ、知的財産部の理念や概要,歴史、鹿島の知的財産の取り組みの紹介(技術開発の着手時点から連携する、開発技術の実施自由度を広げる、社会に貢献する技術開発成果の普及展開をサポートする、先端テクノロジーを多面的に保護する)、櫻井知的財産部長が日本知的財産協会 久慈直登専務理事に国内外の知的財産の動向や,建設業と当社の知的財産活動に対する印象,そして,今後の知的財産の展望について伺ったインタビューが掲載されています。
「知的財産部50年前から未来へと続く飛翔」と題する櫻井克己知的財産部長からのメッセージは、設立時の時代背景から知的財産の拡大・変貌、設立時の鹿島守之助会長の想い、
知的財産を活かすためには「人」の存在抜きには語れない、未来の知的財産部員へのメッセージとなっており、今後の活躍が期待されます。
「知的財産部の魅力の一つは,社長直轄の部署であるため,社長に直接提案できることです。全社的な視点から捉えて,知的財産の最適な取扱いを進めることの重要性は,知的財産がより広範化したこともあり,設立時以上に大きくなっています。
知的財産は,経営と技術と法律,三つの観点を活用する非常に面白い世界です。一つとして同じ事案はなく,対応に飽きることはありません。企業の受注競争や,事業の円滑な進行に大きく影響します。どのように社業に貢献させるかについては,ビジネスマインドの見せどころです。今後は「全社の広範な知的財産を基にした情報のハブ」として,より一層展開が進められていくはずです。
半世紀の歴史を経て,さらなるあゆみを続ける知的財産部には,社内外の関係者と深い信頼関係を築くことができるメンバーに集ってもらい,鹿島グループの技術・文化の発展を通じて社会に貢献し,未来を大きく切り開いてほしいと願っています。」

 
 
KAJIMAダイジェスト October 2020:特集 鹿島の知的財産
https://www.kajima.co.jp/news/digest/oct_2020/feature/index.html
 
ゼネコン鹿島、DX化で狙う建設業界の地殻変動  3次元画像技術使い、情報共有とコスト削減に
https://toyokeizai.net/articles/-/421600
 
【ゼネコン】特許資産規模ランキング(訂正版) トップ3は鹿島建設、清水建設、大成建設2021年01月18日
https://www.patentresult.co.jp/news/2021/01/genecon.html
 
スーパーゼネコン5社の技術を分析!建設業界の新規事業・事業拡大のチャンスはここにある
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000151.000007141.html
 
わが国建設業における知的財産の適切な保護と更なる活用の促進に向けた現状分析2018年
https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3051
 
建設業だって、知財 第17回 JIPA 知財シンポジウム(2018)
http://www.jipa.or.jp/jyohou_hasin/sympo/pdf/17sympo/kensetsu.pdf
 
中堅・中小建設企業における知的財産を活用した海外展開のためのハンドブック
2016年4月 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/common/001129556.pdf
 
 建築業の技術開発と知的財産戦略 2009年
http://www.cndi.jp/fujimori/fujimori05.pdf
 
知的財産と建設業  特集:知的財産創出へのテクニカルアプローチ
https://www.kajima.co.jp/news/digest/sep_2002/tokushu/toku01.htm
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特許庁のニーズ即応型技術動向調査

9/5/2021

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特許庁では、ニーズ即応型技術動向調査として、社会的関心が高い技術分野について、特許庁内外のニーズに即応する形で、特許出願動向、市場動向等を短期間で簡易的に調査するニーズ即応型技術動向調査も実施していて、調査が終了したテーマより、調査結果の概要が順次掲載されています。
​令和2年度では、筆記具、水産養殖・複合養殖、画像診断機器におけるAIの応用、スマートテキスタイル、バイオレメディエーション、セラミックス(電子部品に係わるもの)、抗菌・抗ウィルス素材、人体通信が大型連休前に公開されていましたが、その他のものも5月7日調査結果が掲載されました。
非常に参考になります。
https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/index.html#needs
 
筆記具(PDF:2,551KB)
水産養殖・複合養殖(PDF:860KB)
画像診断機器におけるAIの応用(PDF:867KB)
カジノ関連技術(PDF:3,190KB)
ヘッドアップディスプレイ(PDF:1,210KB)
教育分野における情報通信技術の活用(PDF:1,746KB)
半導体露光の前後処理技術(PDF:1,242KB)
スマートテキスタイル(PDF:855KB)
洋上風力発電(PDF:789KB)
空飛ぶクルマ(PDF:1,748KB)
ウェアラブル冷暖房用品(PDF:1,197KB)
バイオレメディエーション(PDF:1,035KB)
セラミックス(電子部品に係わるもの)(PDF:1,023KB)
抗菌・抗ウィルス素材(PDF:781KB)
自動車用ガラス(PDF:781KB)
嫌気性細菌処理技術(PDF:850KB)
人体通信(PDF:574KB)
非ノイマン型AIハードウェアチップ(PDF:896KB)
パワー半導体(PDF:639KB)
スマートグリッド(PDF:476KB)

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スタートアップ向け職務発明規程雛形

8/5/2021

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第45回知財実務オンライン:「スタートアップ向け職務発明規程雛形」の利用時に知っておくべきこと」(ゲスト:IPTech特許業務法人 代表弁理士/公認会計士 安高 史朗氏、東京セントラル特許事務所弁理士 内田 浩輔氏、運営:日本橋知的財産総合事務所 代表弁理士 加島 広基氏、特許業務法人IPX 代表弁理士CEO 押谷 昌宗氏)をアーカイブ動画で視聴しました。
​本雛形作成の背景や経緯、逐条解説、スタートアップ向けとしての工夫点などに加え、興味ある事例などに関して様々な質問があり、中国の開発部門と米国の開発部門がオンラインミーティングをしていて発明に至った場合の第一国出願はどこにすべきかといった難問もあり、興味深く聞かせてもらいました。(約1時間46分)
https://www.youtube.com/watch?v=o620RxtauLQ
 
スタートアップ向け職務発明規程雛形
https://bit.ly/3t9C3rt
 
中小企業等の皆様へ ~職務発明規程の導入~
https://www.jpo.go.jp/system/patent/shutugan/shokumu/shokumu_cyusyou.html
 
中小企業向け職務発明規程ひな形
https://www.jpo.go.jp/system/patent/shutugan/shokumu/document/shokumu_cyusyou/10.pdf
 
 

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日亜化学工業の知的財産活動

7/5/2021

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照明機能と除菌機能を合わせもつ白色LEDの製品化に成功、最先端の蛍光体技術を用いた業界最高の高演色・高効率LEDの販売開始、加工用青色レーザの生産拠点統合と共同ラボ開設により市場探索と共創を深化する古河電気工業とのモビリティの電動化推進を支える基幹技術(レーザ加工)における業務提携合意など、日亜化学工業は、革新的な製品やサービス、発明の権利化に積極的に取り組み、クラリベイト・アナリティクスが選定する「世界の革新的企業トップ100社(Clarivate Top 100 グローバル・イノベーター 2021)」にも4年連続して選出されています。
「Derwent Top 100 グローバル・イノベーター」は、知財・特許動向を「特許数」、「特許になる成功率」、「グローバル性」、「引用における特許の影響力」の4つの評価軸を用いて分析し、世界で最も革新的な企業・機関を選出し、表彰する賞です。
https://www.nichia.co.jp/jp/about_nichia/press.html?year=2021
 
古河電工と日亜化学が電動車部品向けレーザー加工を強化、2025年に100億円見込む
電気自動車2021年04月27日
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2104/27/news053.html
 
 
日亜化学工業というと、あの職務発明の裁判や積極的な訴訟をイメージしますが、平成30年度 知的財産権制度活用優良企業等表彰を受けるなど、事業戦略・研究開発戦略と連動した知的財産戦略の取り組みがうまく進んでいる企業です。

https://www.jpo.go.jp/news/koho/tizai_koro/document/h30_tizai_kourou/panel_203.pdf
 
経営層の直下に知財部門を設置していて、経営の視点から知財戦略を策定し、開発した技術を財産として守ることの重要性を社内で共有しており、戦略上重要なテーマについては、技術部門と知財部門が合同で特許出願を検討する会議を毎月開催し、開発成果の共有や今後の開発方針を決定している。重要な特許を世界各国へ出願することで、事業上で必要な特許網を国内外で構築している。また、知財部門に特許訴訟業務を行う専門部署を設けて、特許訴訟等に即時に対応できる体制を構築している。
排他的な訴訟戦略だけでなく、製品化の黎明期・量産開始期・量産拡大期などの事業段階に応じて、戦略的な知的財産権の実施やライセンスを行っており、日米欧アジア主要各国で知的財産権を取得し、不正な模倣を防止する手段として知的財産権を活用し、これまでに世界各国で70件以上の特許侵害訴訟をはじめとする対処を実施するとともに、相互に技術を補完するため、クロスライセンスを積極的に行ってグローバルアライアンスを形成するなど、各国の市場で優位性を確保している。

 
ただ、順風満帆とはいかず、苦労も多いようです。
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⽇亜化学との特許権無効訴訟で億光電⼦が勝訴、中国最⾼⼈⺠法院も⽇亜化学の特許を無効と判断
https://www.lexology.com/library/detail.aspx?g=b594db70-2cf2-46f4-b97c-ca4f3002218b

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HaaS 分野の IP ランドスケープに注力する塩野義製薬の知財活動

6/5/2021

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塩野義製薬は、中期経営計画において、これまでの創薬型製薬企業からHaaS(Healthcare as a Service)企業へと進化し、価値創造することを掲げています。
北海道大学と、下水から新型コロナウイルスの感染状況を調べるサービスを開発中で、大阪府や大阪市と4月15日からモニタリングに入る。感染者数が連日1千人を超える大阪府や大阪市と15日からモニタリングに入っており、今後はインフルエンザなどコロナ以外の感染症も対象にする方針で、薬による「治療」を本業とする同社が「予防」の領域に入る一歩となるということです。そのほかにも、利用者3億人の中国アプリの活用を狙った中国合弁会社設立など、HaaS(Healthcare as a Service)を目指した取り組みが目白押しです。
 
そんな中、知財部員はHaaS 分野に関する IP ランドスケープに注力しているとのことで、成果が期待されます。
 
 
塩野義製薬 ルミラ社と新型コロナ抗原検査薬と専用測定機器の共同販売契約締結
2021/04/19
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=70973
 
塩野義製薬、治療から予防に一歩 下水で新型コロナ把握
2021/4/15 7:00日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF040VK0U1A400C2000000/
 
塩野義製薬が中国合弁会社設立で活用狙う、利用者3億人の中国アプリの価値2020.10.28
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/04768/
 
中期経営計画 STS2030(2020~2030年度)
https://webcast.net-ir.ne.jp/45072006/sIGewRBR2Q/slide1.pdf
 
シオノギ最大の経営課題 「HIV製品パテントクリフ」 2020.06.26
https://www.tokkyoteki.com/2020/06/shionogi-hiv-patent-cliff.html
 
AI創薬技術によるマルチターゲットに対する創薬を目指したInveniAI社との業務提携について
https://www.shionogi.com/jp/ja/news/2021/04/210428.html
 
シオノギグループ 知的財産ポリシー(2020年7月1日制定)
https://www.shionogi.com/jp/ja/company/policies/shionogi-group-intellectual-property-policy.html
 
 
「経営戦略に資する知財情報分析・活用に関する調査研究」調査報告書(資料編)
P.302~304-【ヒアリング報告】D 塩野義製薬株式会社
https://www.jpo.go.jp/support/general/document/chizai-jobobunseki-report/chizai-jobobunseki-document.pdf
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令和2年度の特許出願技術動向調査結果

5/5/2021

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4月30日特許庁が公表した令和2年度の特許出願技術動向調査結果では、「機械翻訳」、「スマート農業」、「MaaS~自動運転関連技術からの分析~」、「プラスチック資源循環」、「撮像装置における画像処理」、「触覚センシング」、「中分子医薬」の7の技術テーマの特許情報等を調査・分析されています。
https://www.meti.go.jp/press/2021/04/20210430004/20210430004.html
 
令和3年度は以下のテーマの調査を予定しているとのことです。。
教育分野における情報通信技術の活用
手術支援ロボット
ウイルス感染症対策
GaNパワーデバイス
 
また、特許庁では、ニーズ即応型技術動向調査として、社会的関心が高い技術分野について、特許庁内外のニーズに即応する形で、特許出願動向、市場動向等を短期間で簡易的に調査するニーズ即応型技術動向調査も実施していて、調査が終了したテーマより、調査結果の概要が順次掲載されています。令和2年度では、筆記具、水産養殖・複合養殖、画像診断機器におけるAIの応用、スマートテキスタイル、バイオレメディエーション、セラミックス(電子部品に係わるもの)、抗菌・抗ウィルス素材、人体通信が公開されています。
 
いずれの調査もHP掲載は概要のみで、特許出願技術動向調査報告書の冊子又は電子媒体(1テーマ300~1,000頁程度)による閲覧は、特許庁図書館、国会図書館などで行わなければいけません。すべてHPから閲覧できるようにしてほしいものです。
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大学・高専の研究者1人当たり特許収入 三重大学が2位

4/5/2021

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2019年度の研究者1人あたり特許収入で、全国の大学や高等専門学校の中で、三重大学が京都大学に次いで2位となったことが話題になっています。
科学雑誌『Newton 2021.5月号 (ニュートンプレス,2021年5月7日発行)』で、日本全国の大学を対象として、「発明力」「理工系に強い大学」「世界の大学との差」など、様々な観点からのランキングが紹介されており、その中の「発明力ランキング」において、三重大学が「研究者1人当たりの特許収入」にもとづき2位にランクインしたとのことです。(ちなみに、特許収入では、京都大学が1位で、2位東京大学、3位大阪大学、4位東北大学で、三重大学が5位)
三重大学では、研究者にとって大切なのは基礎研究であるとの方針のもと、研究成果の社会還元に積極的な研究者については、特許の出願から技術移転までを一貫して大学が支援しており、全国の大学の成功モデルとなり得るものと考えられ、今後、全国の大学を牽引する知財およびその活動となることが期待されているようです。
 
 
三重大、研究者1人当たり特許収入 大学・高専2位に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD264M10W1A420C2000000/#:~:text=%E4%B8%89%E9%87%8D%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%81%AF2019%E5%B9%B4%E5%BA%A6,%E7%9C%81%E3%81%8C%E3%81%93%E3%81%AE%E3%81%BB%E3%81%A9%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81%E3%81%9F%E3%80%82
 
科学雑誌『Newton 2021.5月号 (ニュートンプレス)』の特集『理工系大学ランキング』において「三重大学が発明力ランキング2位にランクイン」するとともに,「大学院生物資源学研究科 寺西克倫 教授の発明」が取り上げられました!2021年04月08日
https://www.mie-u.ac.jp/topics/kohoblog/2021/04/newton-20215-2.html
 
令和元年度 大学等における産学連携等実施状況について
https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/1413730_00010.htm
概要版 大学等における産学連携等実施状況について(令和元年度実績)
令和3年1月29日(公表)(令和3年2月15日更新)(令和3年4月15日更新)
P26(5)研究者1人当たりの特許権実施等 収入額(単位:千円)
https://www.mext.go.jp/content/20210203-mxt_sanchi01-000012259_1-1.pdf
1 調査内容
 
(1) 調査時点:令和2年3月31日現在
(2) 調査対象:国公私立大学(短期大学を含む)、国公私立高等専門学校、大学共同利用機関(計1,068機関)
 
2 調査結果の主な概要
(1) 研究資金等受入額
○研究資金等受入額(共同研究・受託研究・治験等・知的財産)は、約3,482億円と、前年度と比べて約19.9億円増加(0.6%増)した。
(2)民間企業からの研究資金等受入額
○民間企業からの研究資金等受入額(共同研究・受託研究・治験等・知的財産)は、約1,186億円と、前年度と比べて約108億円増加(10.0%増)した。
○ このうち、共同研究による研究費受入額は約797億円と、研究資金等受入額全体の約67.2%を占めている。
 
(3)民間企業との共同研究
○民間企業との共同研究において、「研究費受入額」は約797億円と、前年度と比べて約112億円増加(16.4%増)し、「研究実施件数」は29,282件と、前年度と比べて1,893件増加(6.9%増)した。受入額、実施件数ともに増加傾向にある。
○ また、1件当たりの受入額は2,721千円だが、1件当たり1,000万円以上の共同研究に係る受入額は約411億円と、前年度と比べて約80億円増加(24.1%増)した。
(4)知的財産
○特許権などの知的財産権等による収入額は約51.5億円と、前年度と比べて約8.0億円減少(13.4%減)した。
○ このうち、特許権における収入は約36.6億円と、前年度と比べて約7.5億円減少(17.0%減)した。減収の主な要因は、イニシャルロイヤリティと株式売買による収入の減少であった。
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ロート製薬のオープンイノベーション

3/5/2021

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カンブリア宮殿 社員の副業 大歓迎!老舗企業ロート 進化の全貌(2021年4月15日)を視聴しました。
​「老舗なのにベンチャーのような」改革をすすめているから、社員がいろいろなチャレンジができるようです。
「デジタル×バイオ」時代における新たな事業モデル構築を目指すバッカス・バイオイノベーションへ出資~循環型社会の実現に向けて~2021年3月31日
https://www.rohto.co.jp/news/release/2021/0331_01/
新型コロナウイルス感染症の治療薬候補物質に関するバイオミメティクスシンパシーズとのライセンス契約および再生医療の研究成果を新規創薬ターゲットの発見につなげる研究開発組織「RB⁺」について2021年4月14日
https://www.rohto.co.jp/news/release/2021/0414_01/
等々、次々とオープンイノベーションの取り組みが進んでいるようです。
 
https://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/2021/0415/
老舗なのにまるでベンチャー!?
1899年、大阪で創業したロート製薬。胃薬・目薬が主力商品だったが、メンソレータムの買収をきっかけに、スキンケア部門へ進出した。化粧水の「肌ラボ」は現在まで13年連続売り上げ個数日本一。いまやスキンケア関連は、ロートの売り上げ全体の約65%を占めるまでに。その背景には、4代目・山田邦雄会長の「老舗なのにベンチャーのような」改革があった。3年前には、これまで無かった女性の加齢臭対策のボディソープ「デオコ」を開発、男性と女性ではニオイの特性や原因が違うことを突き止めていた!
 
役職で呼ばない!副業も大歓迎!
なぜ社員から続々と新商品開発のアイデアが生み出されるようになったのか?背景には、山田会長の社内改革がある。役員室を廃止。社員はお互い役職ではなく「さん付け」で呼び合う。2016年には、副業を解禁する。しかも、ただ解禁するのでは無く、積極的に推し進めた。その理由を山田会長はこう言う。「会社の一員として仕事していると、外の厳しさに触れない。副業により行動を起こしチャレンジする中から、本当の学びが得られるし、実力がついてくる」そんなロートで、最近、社員を起業家に育てる社内プロジェクトも始まっていた。
 
山田さんは「全社員が会社を持つくらいになると面白い」と笑顔になった。基本に、企業としての自信が見える。自社を客観的に眺めている。「うちは小さくはないけど、海外のメガファーマは何十倍の資金力」そういったポジションで、最高にパフォーマンスを発揮する組織とはどういうものか。全員が「何のために仕事をしているのか」を考え抜く組織だろう。副業もそのために認めた。副業が目的だったのではない。手段だったのだ。

 
老舗企業ロート製薬が挑むイノベーションの創造スタイル
https://japan.cnet.com/article/35136992/?ref=newspicks
 
ロート製薬、感性デザインから生まれた「嗅覚コミュニケーションラボ」を開設、第一弾はドラッグストアトモズとの共創プロジェクト
https://tomoruba.eiicon.net/articles/831
 
ロート製薬のデザイン保護戦略【企業事例】「ロート製薬でのデザイン保護の取り組み」
https://www.osakadc.jp/seminar-event/3832/

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ワコールの知財活動

2/5/2021

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ザ・リーダー#68「ワコール 伊東知康社長」 MBS毎日放送 4月18日(日)放送をアーカイブ動画で視聴しました。(約24分)
https://dizm.mbs.jp/title/?program=leader&episode=48
「ゆりかごからゆりいすまで」のワコールの強み(それぞれが自由闊達にお客様のことを考えている)「下着のワコールだった」と言われるようになりたい。アフターコロナを見据えた戦略などを熱く語っています。
あらゆる角度からの測定データをAIで解析、3D計測。これらが知財でしっかり保護されているのだろうと思います。
 
ワコールの新サービス「3D smart & try」
https://www.wacoal.jp/smart_try/
知財戦略最前線(3)ワコール 権利重視―顧客の信頼獲得
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00586069
㈱ワコール CW-X・大きな胸を小さく見せるブラ・フラワーマーク
http://www.kjpaa.jp/aboutus/case/wacoal
株式会社ワコールにおける 知財ミックスの取り組み
http://www.jdpa.or.jp/pdf/moku1183131.pdf
ワコールが平成30年度知財功労賞「特許庁長官表彰」を受賞
https://www.wacoal.jp/news/newsrelease/201804/release135598.html

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ノーリツの知的財産活動

1/5/2021

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テレビ東京で 4月26日(月)に放送された「夢遺産~リーダーの夢の先~」(ノーリツ社長・腹巻知氏)を視聴しました。「開発系の仕事をしたいと給湯器の開発に携わり、開発をやった数だけ逃げ出したいと思った。支えは仲間、チームで結果をだしていく。従来の開発の外で特命チームを立上げ、開発を進めた。お湯で世界をつなぐ。」思いが伝わってきました。
 
ノーリツの知的財産活動は、研究開発において成された自社に有益な技術、優れたデザイン、会社・商品の信用・品質を表示するブランドを知的財産権で保護し、その権利の活用と維持管理を推進しているとのことで、最近では、日本の人口総数の約3人に1人が聞いている、「お風呂が沸きました」でおなじみの “お湯はり完了メロディー”を音商標に登録しています。
また、知的財産権の保護と侵害防止について、入社配属時、3年目、6年目(侵害防止)、10年目(権利活用)と、実務年数に応じた研修プログラムを策定していて、社長の思いを支えているようです。
 
ノーリツ「お風呂が沸きました」を音商標に登録 クラシック含む音声で初
https://news.kobekeizai.jp/blog-entry-8187.html
 
わが社の知財活動 株式会社ノーリツ 知財管理68巻(2018年) / 4号 / 567頁
http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/mokuji/mokuji1804.html
 

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「知財とパートナーシップ」(新浪剛史サントリーホールディングス株式会社代表取締役社長)

30/4/2021

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世界知的所有権の日2021 記念オンラインイベント(2021年4月26日)の基調講演2「知財とパートナーシップ」(新浪剛史サントリーホールディングス株式会社代表取締役社長)をアーカイブ動画で視聴しました。
​PETボトルのリサイクル技術、バイオPET技術への取り組みから得られた知的財産を基に、プラスチック材料全般のリサイクル技術を様々な会社とのパートナーシップで実現を目指している高い志は、ぜひ実現していただきたいと思います。
​
https://www.youtube.com/watch?v=ikwtENR4I0c
1:13:53~ 基調講演:新浪 剛史氏(サントリーホールディングス株式会社 代表取締役社長) 
 
使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組む新会社「株式会社アールプラスジャパン」設立
― 業界を超えた12社による共同出資会社 ―
― 米国バイオ化学ベンチャー企業・アネロテック社の技術を活用し、環境負荷の少ない効率的なプラスチック再資源化技術の開発に挑戦 ―
https://www.suntory.co.jp/news/article/13722.html
 
以下、メモ
パートナーシップが知財を創造し社会に役立てるために重要
商品・サービスの定義:安全・安心、品質・機能、価格+環境・社会全般への配慮
寄稿変動に向けた政策が世界規模で加速
やってみなはれ 利益三分主義
水資源への取り組み
気候変動対策への取り組み
プラスチック PETボトル 軽量化、リサイクル、脱石油化学
リサイクルの取り組み 品質保証 様々な技術開発 FtoPダイレクトリサイクル技術
バイオPET技術の開発 アネロテック社 非可食原料、単工程で低コスト
PETからプラスチック全体へ バイオPET技術の展開 
知財で創るパートナーシップ  アールプラスジャパン
 
https://www.youtube.com/watch?v=ikwtENR4I0c
(アーカイブ動画は全部で7時間46分となっています。
31:18​~ 開会挨拶:澤井 智毅(WIPO日本事務所長)
39:04​~ 来賓挨拶:糟谷 敏秀氏(特許庁 長官) 
52:42​~ 基調講演:柵山 正樹氏(三菱電機株式会社 取締役会長)
1:13:53​~ 基調講演:新浪 剛史氏(サントリーホールディングス株式会社 代表取締役社長) 
1:40:15​~ 基調講演:久保 雅一氏(株式会社小学館 取締役/株式会社小学館集英社プロダクション 常務取締役)
2:22:30​~ 基調講演:伊佐山 元氏(WiL, LLC 共同創業者 兼 CEO)
2:48:28​~ パテントおよびデザイン・パテントコンテストの紹介(独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT))
3:59:55​~ パネルディスカッション①「中小企業と知財、起業に向けた課題」
5:33:40​~ 全日本学生児童発明くふう展WIPO賞受賞者へのインタビュー(柴崎湧人さん)
5:44:41​~ 知的財産を学び、その普及に熱心に取り組む高校生へのインタビュー(東京都立千早高等学校)
5:58:39​~ I-OPENのコンセプト:一人ひとりが創造力を発揮したくなる社会に向けて(ビデオ:特許庁から) 
6:09:46​~ パネルディスカッション②「知財戦略とイノベーション、知財を武器に市場を切り拓く」
7:26:12​~ 閉会挨拶:澤井 智毅(WIPO日本事務所長)
 

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「製造業における共存共栄の関係構築を目指して」(柵山正樹三菱電機株式会社取締役会長)

29/4/2021

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世界知的所有権の日2021 記念オンラインイベント(2021年4月26日)の基調講演1「製造業における共存共栄の関係構築を目指して」(柵山正樹三菱電機株式会社取締役会長)をアーカイブ動画で視聴しました。
価値観の多様化に伴い、オープンイノベーションなどの共創が重要になる。企業同士が連携する場合は、結合力となる知的財産の強さと、適切な知的財産契約によるリスク回避が必要である。・知的財産契約にかかわるリスクは、大企業同士でも考えられる。・知的財産契約に際しては、コンタミネーションのリスクを減らすために、できるだけ拘束条件の少ない形態からステップを踏むほうが良い。・知的財産契約にあたっては、終結条件も明確にしておく必要がある。企業間の関係を、大企業牽引型のサプライチェーンから、複層化したバリューチェーンに転換することにより、共存共栄の関係で新たな価値の共創を目指したい。
という話でした。その通りですが、やはり大企業からの視点で、公正取引委員会や中小企業庁の指摘する中小企業やスタートアップの抱えている問題点についての是正に関しては、自社(三菱電機)は対応したよ、というだけのようにも感じられ、残念でした。
(アーカイブ動画は全部で7時間46分となっています。始まりが約30分からで、
開会挨拶 澤井智毅WIPO日本事務所長が39分まで、
来賓挨拶 糟谷敏秀特許庁長官が52分まで、
基調講演1 柵山正樹三菱電機株式会社取締役会長が1時間14分まで。
基調講演2 新浪剛史サントリーホールディングス株式会社代表取締役社長
基調講演3 久保雅一株式会社小学館取締役 他
基調講演4 伊佐山元WiL, LLC共同創業者 兼 CEO)
https://www.youtube.com/watch?v=ikwtENR4I0c
 
 
なお、三菱電機の知的財産活動に関する最近の参考資料は下記に。
 
2020年の企業別国際特許出願件数で世界3位、日本企業で1位
https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2021/0303.html
 
三菱電機グループの知的財産活動
https://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/chiteki/hoshin/index.html
 
三菱電機、アップルとの共通点 革新力増強へ知財を経営の中心に
2020.4.3
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00402/
 
三菱電機グループにおける国際出願制度の利用について
http://www.tokugikon.jp/gikonshi/292/292tokusyu04.pdf
 
以下はメモ。
 
基調講演1 柵山正樹 三菱電機株式会社取締役会長の講演から。
・三菱電機の知財は、特許登録件数国内2位、意匠登録件数国内1位、PCT出願世界3位 工業所有権の世界では善戦している、事業競争力に結び付けていきたい。
・中小企業 はやぶさ2の成功は、大企業と中小企業の共創。
・中小企業との共存共栄
・中小企業の経営成果は、価格転嫁力が大きく左右する。価格転嫁力の協議には知的財産権の取得が重要
・大企業などが中小企業やスタートアップに取引上の優越的地位を利用している問題、大企業側が搾取される問題、安易なNDA締結によるリスク
・ライセンス契約の経験
・中小企業庁賢人会議
・共創の重要性が増している 知的財産管理が重要
・共創の関係構築に向けての提案
・共存共栄のための新たなコラボレーション
 
価値観の多様化に伴い、オープンイノベーションなどの共創が重要になる。
企業同士が連携する場合は、結合力となる知的財産の強さと、適切な知的財産契約によるリスク回避が必要である。
・知的財産契約にかかわるリスクは、大企業同士でも考えられる。
・知的財産契約に際しては、コンタミネーションのリスクを減らすために、できるだけ拘束条件の少ない形態からステップを踏むほうが良い。
・知的財産契約にあたっては、終結条件も明確にしておく必要がある。
企業間の関係を、大企業牽引型のサプライチェーンから、複層化したバリューチェーンに転換することにより、共存共栄の関係で新たな価値の共創を目指したい。

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タイガー魔法瓶の知財ミックス戦略

28/4/2021

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ウォーターフォール型からアジャイル型に組織改革し、2020年の炊飯器の出荷は、前期比140%、金額ベースでも160%と絶好調で、業界で一人勝ちの状態となっているタイガー魔法瓶。フラグシップモデルの土鍋炊飯器は「炊飯器界のロールスロイス」(雑誌『家電批評』より)と評価され、数十年ぶりに業界1位の座に躍り出たということです。
「本質をきわめた独創性」という企業理念のもとで、商品開発をすすめ、それを特許だけでなく、意匠、商標を含めた知財ミックスで保護するやり方が定着しているようです。
 
知財戦略最前線(12)タイガー魔法瓶 調理家電
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00595467
 
土鍋一筋15年、タイガー魔法瓶の成長支えた知財ミックス戦略  2021年04月19日
https://newswitch.jp/p/26880
 
タイガー魔法瓶「復活劇」立役者が明かす、100年企業のDXとD2Cの取り組み
https://www.sbbit.jp/article/cont1/50140

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「一つの発明により大きな付加価値を加える」IHIの知的財産活動

27/4/2021

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「モノづくりニッポン 見えないレーザーで安全を生み出す!/IHI」(テレビ東京 4月22日放送)をアーカイブ動画で見ました。
https://tver.jp/corner/f0072637
日本を代表する重工業メーカーのIHI(旧 石川島播磨重工業)。巨大なものを手掛けるイメージが強いが、目に見えないものを捉える細やかなセンシング技術も指折り。全国1700の踏切を監視している装置は独自技術、夜でも雨や雪でも レーザーが誤作動することなく人や車を検知することで安全を確保、海外へも広がり始めている。
 
「ボーイングショック」に見舞われているIHIですが、こうした発明を「一つの発明により大きな付加価値を加える」戦略的な知財活動として地道に進めているのがIHIの知的財産活動の特徴かもしれません。

一つの発明により大きな付加価値を加える
https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/62433e4b9b7f7a264e3fb53ffb143466.pdf
 ものづくり企業において特許を戦略的に活用することはもはや必須です.例えば,一つの発明に関して競合他社の開発を推測し,自社技術の権利範囲が最大になるように工夫して出願します.先に権利を取得しておけば,競合他社よりも有利な条件で開発を進められるようになります.そのため,知財部員は日ごろから担当分野や製品の知識を身につけると同時に,当該分野の技術動向などをリサーチし先読みすることで,発明者および特許事務所にそのような見地から提案できる力を蓄えています.
さらに,最近は他社の特許情報を活用した活動にも取り組んでいます.IHI と競合する会社の権利関係をしらみつぶしにリサーチすると,「この部品についてはA 社が広く特許を押さえている」「こちらの機構についてはB 社が強い」という競合他社の強みだけでなく,特許が手薄な部分も見えてきます.IHI がそうした分野を重点的に開発し,多くの権利を押さえることができれば,事業を有利に展開できる可能性があります.すなわち,あれもこれも開発してみたら権利が取得できたという形ではなく,俯瞰的にその分野を見渡したうえで,戦略的に特許を取得する流れを知財部がリードすることで作り出そうとしています.


​イノベーションマネジメント 知的財産
https://www.ihi.co.jp/csr/download02/pdf/sdb2020_innovation.pdf
 
高砂工業株式会社に対する特許権侵害差止等訴訟の勝訴判決に関するお知らせ
https://www.ihi.co.jp/ims/news/2020/i/20210310.pdf
 
IHI・井手社長「目指すのは『自然と技術の調和』」
https://project.nikkeibp.co.jp/ESG/atcl/column/00006/121100011/
 
三菱重工・川崎重工・IHIの航空3重工、「ボーイングショック」からの一抜けは?
https://diamond.jp/articles/-/268486
 
IHI、8000人の副業解禁 国内正社員が外部で知見学ぶ、重厚長大企業も転機
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68353890Q1A120C2TJ2000/

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アイリスオーヤマの「したたかな知財戦略」

26/4/2021

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4月23日(金)夜10時放送「ガイアの夜明け」で、「売り上げ目標1兆円!「アイリスオーヤマ」が次々ヒット商品を生み出す秘密とは」を見ました。
https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/2021/023627.html
 
マスクから家電まで、"アイリス流"新商品開発の舞台裏、通称"月曜会議"
 低価格+αで、今回は洗濯機の開発事例
目指せ売り上げ1兆円!続々新事業を立ち上げ!
 企業相手のBtoB事業で、LED照明の分野。
さらに力を入れるのが、ロボット事業。「サービス専用ロボット業界でナンバー1企業になる」と宣言し、「ソフトバンク」グループと組んで本格参入。
 
次から次への攻めの事業展開、LED照明事業で見せた「したたかな知財戦略」がさらに見られそうで、楽しみです。
 
アイリスオーヤマがLED照明でトップシェアを取れた理由
正林 真之 正林国際特許商標事務所 所長・弁理士、国際パテント・マネタイザー
2019.03.19
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00378/00018/
 
特許情報を活用した新規参入を見極める2つのパターン:ジェネリック・模倣戦略、創造的模倣戦略  2.2.2 ジェネリック家電の例
https://note.com/anozaki/n/n6b27827d1181
 
ジェネリック家電のコピーを防ぐ特許戦略  公開日: 2016/03/15 :
https://namingpress.com/?p=18317
 
アイリスオーヤマ  2015-09-23
http://oukajinsugawa.hatenadiary.jp/entry/2015/09/23/060000
 
開発スピード重視の新商品開発はどう行うのか?~アイリスオーヤマの特許戦略を読み解く~
https://www.jstage.jst.go.jp/article/infopro/2014/0/2014_103/_pdf/-char/ja
 
 
 
平成17年特許庁意匠活用優良企業受賞
3月29日に特許庁長官表彰の意匠活用優良企業にアイリスオーヤマが選ばれました 。
https://www.irisohyama.co.jp/news/2005/0408.html
 
 
 
アイリスオーヤマ代表取締役社長・大山晃弘氏に聞く〝なるほど〟を生み出すものづくり
2021.03.07
https://dime.jp/genre/1069274/
 
リストラ技術者を大量採用し大成功。アイリスオーヤマ変貌の秘密
https://www.mag2.com/p/news/365220
 
 

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効果の低い進歩性のある発明の権利化を目指す戦略的取り組み

25/4/2021

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「知財管理」誌2021年4月号の「再生医療分野における特許戦略と事業戦略の新しい実践的枠組の考察」(森田裕弁理士)を読みました。
iPS細胞の製造技術の中心部分の権利化に成功したホワイトヘッド研究所の特許を紹介し、「基盤技術の広い権利化のためには.効果の高さに依存しない特許戦略、もっと言えば 進歩性がある効果の低い発明の探究とその権利化が重要である」ことを説いています。
「実施例を多く取得できないアカデミアやスタートアップでは.効果を低くして乗り越えるべき技術的ハードルを低くしサポート要件の突破を容易にするこの戦略的手法は有効」、「効果の低い進歩性のある発明の権利化を目指す戟略的取り組み」は、アカデミアやスタートアップだけでなく、多くの企業にも通用する考え方で、参考にすべきでしょう。
 
「知財管理」誌
掲載巻(発行年) / 号 / 頁   71巻(2021年) / 4号 / 544頁
論文区分              特集(ヘルスケア×知財)
論文名    再生医療分野における特許戦略と事業戦略の新しい実践的枠組の考察
著者       森田 裕
抄録        再生医療分野における開発は、これまでの低分子医薬品とは異なって、他者により特許化された基盤技術を利用する必要のある場面が多く認められ、特許を回避するよりも、そのような基盤技術を利用して早期の開発を達成する必要がある。また、特許の役割は差止による独占(自前主義)からオープンイノベーションによる技術流通に変わってきており、その中で要素技術保護の重要性が高まっている。また、再生医療分野においては、ビジネスモデルの在り方の自由度が大きく、特許保護に向く事業形態とそれに向けた特許戦略を車の両輪のようにマネジメントして競争優位性を確保できる枠組を構築する必要がある。本稿では、再生医療分野における固有の特許戦略と事業戦略の新しい実践的な枠組を考察する。

 
(第18回)知財実務オンライン:「バイオテクノロジー分野において、米国の特許出願の分析から分かったイノベーション保護に有効と考えられた特許」(ゲスト:大野総合法律事務所 パートナー弁理士 森田 裕)
https://www.youtube.com/watch?v=5iF_v3uVTFA&t=31s
 
 
バイオ分野のスタートアップのための新しい特許戦略
https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3166
 

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