世界知的所有権の日2021 記念オンラインイベント(2021年4月26日)の基調講演1「製造業における共存共栄の関係構築を目指して」(柵山正樹三菱電機株式会社取締役会長)をアーカイブ動画で視聴しました。
価値観の多様化に伴い、オープンイノベーションなどの共創が重要になる。企業同士が連携する場合は、結合力となる知的財産の強さと、適切な知的財産契約によるリスク回避が必要である。・知的財産契約にかかわるリスクは、大企業同士でも考えられる。・知的財産契約に際しては、コンタミネーションのリスクを減らすために、できるだけ拘束条件の少ない形態からステップを踏むほうが良い。・知的財産契約にあたっては、終結条件も明確にしておく必要がある。企業間の関係を、大企業牽引型のサプライチェーンから、複層化したバリューチェーンに転換することにより、共存共栄の関係で新たな価値の共創を目指したい。 という話でした。その通りですが、やはり大企業からの視点で、公正取引委員会や中小企業庁の指摘する中小企業やスタートアップの抱えている問題点についての是正に関しては、自社(三菱電機)は対応したよ、というだけのようにも感じられ、残念でした。 (アーカイブ動画は全部で7時間46分となっています。始まりが約30分からで、 開会挨拶 澤井智毅WIPO日本事務所長が39分まで、 来賓挨拶 糟谷敏秀特許庁長官が52分まで、 基調講演1 柵山正樹三菱電機株式会社取締役会長が1時間14分まで。 基調講演2 新浪剛史サントリーホールディングス株式会社代表取締役社長 基調講演3 久保雅一株式会社小学館取締役 他 基調講演4 伊佐山元WiL, LLC共同創業者 兼 CEO) https://www.youtube.com/watch?v=ikwtENR4I0c なお、三菱電機の知的財産活動に関する最近の参考資料は下記に。 2020年の企業別国際特許出願件数で世界3位、日本企業で1位 https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2021/0303.html 三菱電機グループの知的財産活動 https://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/chiteki/hoshin/index.html 三菱電機、アップルとの共通点 革新力増強へ知財を経営の中心に 2020.4.3 https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00402/ 三菱電機グループにおける国際出願制度の利用について http://www.tokugikon.jp/gikonshi/292/292tokusyu04.pdf 以下はメモ。 基調講演1 柵山正樹 三菱電機株式会社取締役会長の講演から。 ・三菱電機の知財は、特許登録件数国内2位、意匠登録件数国内1位、PCT出願世界3位 工業所有権の世界では善戦している、事業競争力に結び付けていきたい。 ・中小企業 はやぶさ2の成功は、大企業と中小企業の共創。 ・中小企業との共存共栄 ・中小企業の経営成果は、価格転嫁力が大きく左右する。価格転嫁力の協議には知的財産権の取得が重要 ・大企業などが中小企業やスタートアップに取引上の優越的地位を利用している問題、大企業側が搾取される問題、安易なNDA締結によるリスク ・ライセンス契約の経験 ・中小企業庁賢人会議 ・共創の重要性が増している 知的財産管理が重要 ・共創の関係構築に向けての提案 ・共存共栄のための新たなコラボレーション 価値観の多様化に伴い、オープンイノベーションなどの共創が重要になる。 企業同士が連携する場合は、結合力となる知的財産の強さと、適切な知的財産契約によるリスク回避が必要である。 ・知的財産契約にかかわるリスクは、大企業同士でも考えられる。 ・知的財産契約に際しては、コンタミネーションのリスクを減らすために、できるだけ拘束条件の少ない形態からステップを踏むほうが良い。 ・知的財産契約にあたっては、終結条件も明確にしておく必要がある。 企業間の関係を、大企業牽引型のサプライチェーンから、複層化したバリューチェーンに転換することにより、共存共栄の関係で新たな価値の共創を目指したい。
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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