「知財管理」誌2021年4月号の「再生医療分野における特許戦略と事業戦略の新しい実践的枠組の考察」(森田裕弁理士)を読みました。
iPS細胞の製造技術の中心部分の権利化に成功したホワイトヘッド研究所の特許を紹介し、「基盤技術の広い権利化のためには.効果の高さに依存しない特許戦略、もっと言えば 進歩性がある効果の低い発明の探究とその権利化が重要である」ことを説いています。 「実施例を多く取得できないアカデミアやスタートアップでは.効果を低くして乗り越えるべき技術的ハードルを低くしサポート要件の突破を容易にするこの戦略的手法は有効」、「効果の低い進歩性のある発明の権利化を目指す戟略的取り組み」は、アカデミアやスタートアップだけでなく、多くの企業にも通用する考え方で、参考にすべきでしょう。 「知財管理」誌 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 71巻(2021年) / 4号 / 544頁 論文区分 特集(ヘルスケア×知財) 論文名 再生医療分野における特許戦略と事業戦略の新しい実践的枠組の考察 著者 森田 裕 抄録 再生医療分野における開発は、これまでの低分子医薬品とは異なって、他者により特許化された基盤技術を利用する必要のある場面が多く認められ、特許を回避するよりも、そのような基盤技術を利用して早期の開発を達成する必要がある。また、特許の役割は差止による独占(自前主義)からオープンイノベーションによる技術流通に変わってきており、その中で要素技術保護の重要性が高まっている。また、再生医療分野においては、ビジネスモデルの在り方の自由度が大きく、特許保護に向く事業形態とそれに向けた特許戦略を車の両輪のようにマネジメントして競争優位性を確保できる枠組を構築する必要がある。本稿では、再生医療分野における固有の特許戦略と事業戦略の新しい実践的な枠組を考察する。 (第18回)知財実務オンライン:「バイオテクノロジー分野において、米国の特許出願の分析から分かったイノベーション保護に有効と考えられた特許」(ゲスト:大野総合法律事務所 パートナー弁理士 森田 裕) https://www.youtube.com/watch?v=5iF_v3uVTFA&t=31s バイオ分野のスタートアップのための新しい特許戦略 https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3166
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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