特許資産規模ランキングで、ゼネコントップの鹿島建設。
KAJIMAダイジェストでは、「今回の特集では,設立から丸50年を迎えた知的財産部が,これまで鹿島グループの守護神として,技術開発の舞台裏を支えてきた足跡を振り返る。また,今後も企業として継続した成長を目指す上で,欠かすことができない当社の知的財産にスポットを当てる。」と紹介されています。 櫻井克己知的財産部長からのメッセージ、知的財産部の理念や概要,歴史、鹿島の知的財産の取り組みの紹介(技術開発の着手時点から連携する、開発技術の実施自由度を広げる、社会に貢献する技術開発成果の普及展開をサポートする、先端テクノロジーを多面的に保護する)、櫻井知的財産部長が日本知的財産協会 久慈直登専務理事に国内外の知的財産の動向や,建設業と当社の知的財産活動に対する印象,そして,今後の知的財産の展望について伺ったインタビューが掲載されています。 「知的財産部50年前から未来へと続く飛翔」と題する櫻井克己知的財産部長からのメッセージは、設立時の時代背景から知的財産の拡大・変貌、設立時の鹿島守之助会長の想い、 知的財産を活かすためには「人」の存在抜きには語れない、未来の知的財産部員へのメッセージとなっており、今後の活躍が期待されます。 「知的財産部の魅力の一つは,社長直轄の部署であるため,社長に直接提案できることです。全社的な視点から捉えて,知的財産の最適な取扱いを進めることの重要性は,知的財産がより広範化したこともあり,設立時以上に大きくなっています。 知的財産は,経営と技術と法律,三つの観点を活用する非常に面白い世界です。一つとして同じ事案はなく,対応に飽きることはありません。企業の受注競争や,事業の円滑な進行に大きく影響します。どのように社業に貢献させるかについては,ビジネスマインドの見せどころです。今後は「全社の広範な知的財産を基にした情報のハブ」として,より一層展開が進められていくはずです。 半世紀の歴史を経て,さらなるあゆみを続ける知的財産部には,社内外の関係者と深い信頼関係を築くことができるメンバーに集ってもらい,鹿島グループの技術・文化の発展を通じて社会に貢献し,未来を大きく切り開いてほしいと願っています。」 KAJIMAダイジェスト October 2020:特集 鹿島の知的財産 https://www.kajima.co.jp/news/digest/oct_2020/feature/index.html ゼネコン鹿島、DX化で狙う建設業界の地殻変動 3次元画像技術使い、情報共有とコスト削減に https://toyokeizai.net/articles/-/421600 【ゼネコン】特許資産規模ランキング(訂正版) トップ3は鹿島建設、清水建設、大成建設2021年01月18日 https://www.patentresult.co.jp/news/2021/01/genecon.html スーパーゼネコン5社の技術を分析!建設業界の新規事業・事業拡大のチャンスはここにある https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000151.000007141.html わが国建設業における知的財産の適切な保護と更なる活用の促進に向けた現状分析2018年 https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3051 建設業だって、知財 第17回 JIPA 知財シンポジウム(2018) http://www.jipa.or.jp/jyohou_hasin/sympo/pdf/17sympo/kensetsu.pdf 中堅・中小建設企業における知的財産を活用した海外展開のためのハンドブック 2016年4月 国土交通省 https://www.mlit.go.jp/common/001129556.pdf 建築業の技術開発と知的財産戦略 2009年 http://www.cndi.jp/fujimori/fujimori05.pdf 知的財産と建設業 特集:知的財産創出へのテクニカルアプローチ https://www.kajima.co.jp/news/digest/sep_2002/tokushu/toku01.htm
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特許庁では、ニーズ即応型技術動向調査として、社会的関心が高い技術分野について、特許庁内外のニーズに即応する形で、特許出願動向、市場動向等を短期間で簡易的に調査するニーズ即応型技術動向調査も実施していて、調査が終了したテーマより、調査結果の概要が順次掲載されています。
令和2年度では、筆記具、水産養殖・複合養殖、画像診断機器におけるAIの応用、スマートテキスタイル、バイオレメディエーション、セラミックス(電子部品に係わるもの)、抗菌・抗ウィルス素材、人体通信が大型連休前に公開されていましたが、その他のものも5月7日調査結果が掲載されました。 非常に参考になります。 https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/index.html#needs 筆記具(PDF:2,551KB) 水産養殖・複合養殖(PDF:860KB) 画像診断機器におけるAIの応用(PDF:867KB) カジノ関連技術(PDF:3,190KB) ヘッドアップディスプレイ(PDF:1,210KB) 教育分野における情報通信技術の活用(PDF:1,746KB) 半導体露光の前後処理技術(PDF:1,242KB) スマートテキスタイル(PDF:855KB) 洋上風力発電(PDF:789KB) 空飛ぶクルマ(PDF:1,748KB) ウェアラブル冷暖房用品(PDF:1,197KB) バイオレメディエーション(PDF:1,035KB) セラミックス(電子部品に係わるもの)(PDF:1,023KB) 抗菌・抗ウィルス素材(PDF:781KB) 自動車用ガラス(PDF:781KB) 嫌気性細菌処理技術(PDF:850KB) 人体通信(PDF:574KB) 非ノイマン型AIハードウェアチップ(PDF:896KB) パワー半導体(PDF:639KB) スマートグリッド(PDF:476KB) 第45回知財実務オンライン:「スタートアップ向け職務発明規程雛形」の利用時に知っておくべきこと」(ゲスト:IPTech特許業務法人 代表弁理士/公認会計士 安高 史朗氏、東京セントラル特許事務所弁理士 内田 浩輔氏、運営:日本橋知的財産総合事務所 代表弁理士 加島 広基氏、特許業務法人IPX 代表弁理士CEO 押谷 昌宗氏)をアーカイブ動画で視聴しました。
本雛形作成の背景や経緯、逐条解説、スタートアップ向けとしての工夫点などに加え、興味ある事例などに関して様々な質問があり、中国の開発部門と米国の開発部門がオンラインミーティングをしていて発明に至った場合の第一国出願はどこにすべきかといった難問もあり、興味深く聞かせてもらいました。(約1時間46分) https://www.youtube.com/watch?v=o620RxtauLQ スタートアップ向け職務発明規程雛形 https://bit.ly/3t9C3rt 中小企業等の皆様へ ~職務発明規程の導入~ https://www.jpo.go.jp/system/patent/shutugan/shokumu/shokumu_cyusyou.html 中小企業向け職務発明規程ひな形 https://www.jpo.go.jp/system/patent/shutugan/shokumu/document/shokumu_cyusyou/10.pdf 照明機能と除菌機能を合わせもつ白色LEDの製品化に成功、最先端の蛍光体技術を用いた業界最高の高演色・高効率LEDの販売開始、加工用青色レーザの生産拠点統合と共同ラボ開設により市場探索と共創を深化する古河電気工業とのモビリティの電動化推進を支える基幹技術(レーザ加工)における業務提携合意など、日亜化学工業は、革新的な製品やサービス、発明の権利化に積極的に取り組み、クラリベイト・アナリティクスが選定する「世界の革新的企業トップ100社(Clarivate Top 100 グローバル・イノベーター 2021)」にも4年連続して選出されています。
「Derwent Top 100 グローバル・イノベーター」は、知財・特許動向を「特許数」、「特許になる成功率」、「グローバル性」、「引用における特許の影響力」の4つの評価軸を用いて分析し、世界で最も革新的な企業・機関を選出し、表彰する賞です。 https://www.nichia.co.jp/jp/about_nichia/press.html?year=2021 古河電工と日亜化学が電動車部品向けレーザー加工を強化、2025年に100億円見込む 電気自動車2021年04月27日 https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2104/27/news053.html 日亜化学工業というと、あの職務発明の裁判や積極的な訴訟をイメージしますが、平成30年度 知的財産権制度活用優良企業等表彰を受けるなど、事業戦略・研究開発戦略と連動した知的財産戦略の取り組みがうまく進んでいる企業です。 https://www.jpo.go.jp/news/koho/tizai_koro/document/h30_tizai_kourou/panel_203.pdf 経営層の直下に知財部門を設置していて、経営の視点から知財戦略を策定し、開発した技術を財産として守ることの重要性を社内で共有しており、戦略上重要なテーマについては、技術部門と知財部門が合同で特許出願を検討する会議を毎月開催し、開発成果の共有や今後の開発方針を決定している。重要な特許を世界各国へ出願することで、事業上で必要な特許網を国内外で構築している。また、知財部門に特許訴訟業務を行う専門部署を設けて、特許訴訟等に即時に対応できる体制を構築している。 排他的な訴訟戦略だけでなく、製品化の黎明期・量産開始期・量産拡大期などの事業段階に応じて、戦略的な知的財産権の実施やライセンスを行っており、日米欧アジア主要各国で知的財産権を取得し、不正な模倣を防止する手段として知的財産権を活用し、これまでに世界各国で70件以上の特許侵害訴訟をはじめとする対処を実施するとともに、相互に技術を補完するため、クロスライセンスを積極的に行ってグローバルアライアンスを形成するなど、各国の市場で優位性を確保している。 ただ、順風満帆とはいかず、苦労も多いようです。 ⽇亜化学との特許権無効訴訟で億光電⼦が勝訴、中国最⾼⼈⺠法院も⽇亜化学の特許を無効と判断 https://www.lexology.com/library/detail.aspx?g=b594db70-2cf2-46f4-b97c-ca4f3002218b 塩野義製薬は、中期経営計画において、これまでの創薬型製薬企業からHaaS(Healthcare as a Service)企業へと進化し、価値創造することを掲げています。
北海道大学と、下水から新型コロナウイルスの感染状況を調べるサービスを開発中で、大阪府や大阪市と4月15日からモニタリングに入る。感染者数が連日1千人を超える大阪府や大阪市と15日からモニタリングに入っており、今後はインフルエンザなどコロナ以外の感染症も対象にする方針で、薬による「治療」を本業とする同社が「予防」の領域に入る一歩となるということです。そのほかにも、利用者3億人の中国アプリの活用を狙った中国合弁会社設立など、HaaS(Healthcare as a Service)を目指した取り組みが目白押しです。 そんな中、知財部員はHaaS 分野に関する IP ランドスケープに注力しているとのことで、成果が期待されます。 塩野義製薬 ルミラ社と新型コロナ抗原検査薬と専用測定機器の共同販売契約締結 2021/04/19 https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=70973 塩野義製薬、治療から予防に一歩 下水で新型コロナ把握 2021/4/15 7:00日本経済新聞 電子版 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF040VK0U1A400C2000000/ 塩野義製薬が中国合弁会社設立で活用狙う、利用者3億人の中国アプリの価値2020.10.28 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/04768/ 中期経営計画 STS2030(2020~2030年度) https://webcast.net-ir.ne.jp/45072006/sIGewRBR2Q/slide1.pdf シオノギ最大の経営課題 「HIV製品パテントクリフ」 2020.06.26 https://www.tokkyoteki.com/2020/06/shionogi-hiv-patent-cliff.html AI創薬技術によるマルチターゲットに対する創薬を目指したInveniAI社との業務提携について https://www.shionogi.com/jp/ja/news/2021/04/210428.html シオノギグループ 知的財産ポリシー(2020年7月1日制定) https://www.shionogi.com/jp/ja/company/policies/shionogi-group-intellectual-property-policy.html 「経営戦略に資する知財情報分析・活用に関する調査研究」調査報告書(資料編) P.302~304-【ヒアリング報告】D 塩野義製薬株式会社 https://www.jpo.go.jp/support/general/document/chizai-jobobunseki-report/chizai-jobobunseki-document.pdf 4月30日特許庁が公表した令和2年度の特許出願技術動向調査結果では、「機械翻訳」、「スマート農業」、「MaaS~自動運転関連技術からの分析~」、「プラスチック資源循環」、「撮像装置における画像処理」、「触覚センシング」、「中分子医薬」の7の技術テーマの特許情報等を調査・分析されています。
https://www.meti.go.jp/press/2021/04/20210430004/20210430004.html 令和3年度は以下のテーマの調査を予定しているとのことです。。 教育分野における情報通信技術の活用 手術支援ロボット ウイルス感染症対策 GaNパワーデバイス また、特許庁では、ニーズ即応型技術動向調査として、社会的関心が高い技術分野について、特許庁内外のニーズに即応する形で、特許出願動向、市場動向等を短期間で簡易的に調査するニーズ即応型技術動向調査も実施していて、調査が終了したテーマより、調査結果の概要が順次掲載されています。令和2年度では、筆記具、水産養殖・複合養殖、画像診断機器におけるAIの応用、スマートテキスタイル、バイオレメディエーション、セラミックス(電子部品に係わるもの)、抗菌・抗ウィルス素材、人体通信が公開されています。 いずれの調査もHP掲載は概要のみで、特許出願技術動向調査報告書の冊子又は電子媒体(1テーマ300~1,000頁程度)による閲覧は、特許庁図書館、国会図書館などで行わなければいけません。すべてHPから閲覧できるようにしてほしいものです。 2019年度の研究者1人あたり特許収入で、全国の大学や高等専門学校の中で、三重大学が京都大学に次いで2位となったことが話題になっています。
科学雑誌『Newton 2021.5月号 (ニュートンプレス,2021年5月7日発行)』で、日本全国の大学を対象として、「発明力」「理工系に強い大学」「世界の大学との差」など、様々な観点からのランキングが紹介されており、その中の「発明力ランキング」において、三重大学が「研究者1人当たりの特許収入」にもとづき2位にランクインしたとのことです。(ちなみに、特許収入では、京都大学が1位で、2位東京大学、3位大阪大学、4位東北大学で、三重大学が5位) 三重大学では、研究者にとって大切なのは基礎研究であるとの方針のもと、研究成果の社会還元に積極的な研究者については、特許の出願から技術移転までを一貫して大学が支援しており、全国の大学の成功モデルとなり得るものと考えられ、今後、全国の大学を牽引する知財およびその活動となることが期待されているようです。 三重大、研究者1人当たり特許収入 大学・高専2位に https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD264M10W1A420C2000000/#:~:text=%E4%B8%89%E9%87%8D%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E3%81%AF2019%E5%B9%B4%E5%BA%A6,%E7%9C%81%E3%81%8C%E3%81%93%E3%81%AE%E3%81%BB%E3%81%A9%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81%E3%81%9F%E3%80%82 科学雑誌『Newton 2021.5月号 (ニュートンプレス)』の特集『理工系大学ランキング』において「三重大学が発明力ランキング2位にランクイン」するとともに,「大学院生物資源学研究科 寺西克倫 教授の発明」が取り上げられました!2021年04月08日 https://www.mie-u.ac.jp/topics/kohoblog/2021/04/newton-20215-2.html 令和元年度 大学等における産学連携等実施状況について https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/1413730_00010.htm 概要版 大学等における産学連携等実施状況について(令和元年度実績) 令和3年1月29日(公表)(令和3年2月15日更新)(令和3年4月15日更新) P26(5)研究者1人当たりの特許権実施等 収入額(単位:千円) https://www.mext.go.jp/content/20210203-mxt_sanchi01-000012259_1-1.pdf 1 調査内容 (1) 調査時点:令和2年3月31日現在 (2) 調査対象:国公私立大学(短期大学を含む)、国公私立高等専門学校、大学共同利用機関(計1,068機関) 2 調査結果の主な概要 (1) 研究資金等受入額 ○研究資金等受入額(共同研究・受託研究・治験等・知的財産)は、約3,482億円と、前年度と比べて約19.9億円増加(0.6%増)した。 (2)民間企業からの研究資金等受入額 ○民間企業からの研究資金等受入額(共同研究・受託研究・治験等・知的財産)は、約1,186億円と、前年度と比べて約108億円増加(10.0%増)した。 ○ このうち、共同研究による研究費受入額は約797億円と、研究資金等受入額全体の約67.2%を占めている。 (3)民間企業との共同研究 ○民間企業との共同研究において、「研究費受入額」は約797億円と、前年度と比べて約112億円増加(16.4%増)し、「研究実施件数」は29,282件と、前年度と比べて1,893件増加(6.9%増)した。受入額、実施件数ともに増加傾向にある。 ○ また、1件当たりの受入額は2,721千円だが、1件当たり1,000万円以上の共同研究に係る受入額は約411億円と、前年度と比べて約80億円増加(24.1%増)した。 (4)知的財産 ○特許権などの知的財産権等による収入額は約51.5億円と、前年度と比べて約8.0億円減少(13.4%減)した。 ○ このうち、特許権における収入は約36.6億円と、前年度と比べて約7.5億円減少(17.0%減)した。減収の主な要因は、イニシャルロイヤリティと株式売買による収入の減少であった。 カンブリア宮殿 社員の副業 大歓迎!老舗企業ロート 進化の全貌(2021年4月15日)を視聴しました。
「老舗なのにベンチャーのような」改革をすすめているから、社員がいろいろなチャレンジができるようです。 「デジタル×バイオ」時代における新たな事業モデル構築を目指すバッカス・バイオイノベーションへ出資~循環型社会の実現に向けて~2021年3月31日 https://www.rohto.co.jp/news/release/2021/0331_01/ 新型コロナウイルス感染症の治療薬候補物質に関するバイオミメティクスシンパシーズとのライセンス契約および再生医療の研究成果を新規創薬ターゲットの発見につなげる研究開発組織「RB⁺」について2021年4月14日 https://www.rohto.co.jp/news/release/2021/0414_01/ 等々、次々とオープンイノベーションの取り組みが進んでいるようです。 https://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/2021/0415/ 老舗なのにまるでベンチャー!? 1899年、大阪で創業したロート製薬。胃薬・目薬が主力商品だったが、メンソレータムの買収をきっかけに、スキンケア部門へ進出した。化粧水の「肌ラボ」は現在まで13年連続売り上げ個数日本一。いまやスキンケア関連は、ロートの売り上げ全体の約65%を占めるまでに。その背景には、4代目・山田邦雄会長の「老舗なのにベンチャーのような」改革があった。3年前には、これまで無かった女性の加齢臭対策のボディソープ「デオコ」を開発、男性と女性ではニオイの特性や原因が違うことを突き止めていた! 役職で呼ばない!副業も大歓迎! なぜ社員から続々と新商品開発のアイデアが生み出されるようになったのか?背景には、山田会長の社内改革がある。役員室を廃止。社員はお互い役職ではなく「さん付け」で呼び合う。2016年には、副業を解禁する。しかも、ただ解禁するのでは無く、積極的に推し進めた。その理由を山田会長はこう言う。「会社の一員として仕事していると、外の厳しさに触れない。副業により行動を起こしチャレンジする中から、本当の学びが得られるし、実力がついてくる」そんなロートで、最近、社員を起業家に育てる社内プロジェクトも始まっていた。 山田さんは「全社員が会社を持つくらいになると面白い」と笑顔になった。基本に、企業としての自信が見える。自社を客観的に眺めている。「うちは小さくはないけど、海外のメガファーマは何十倍の資金力」そういったポジションで、最高にパフォーマンスを発揮する組織とはどういうものか。全員が「何のために仕事をしているのか」を考え抜く組織だろう。副業もそのために認めた。副業が目的だったのではない。手段だったのだ。 老舗企業ロート製薬が挑むイノベーションの創造スタイル https://japan.cnet.com/article/35136992/?ref=newspicks ロート製薬、感性デザインから生まれた「嗅覚コミュニケーションラボ」を開設、第一弾はドラッグストアトモズとの共創プロジェクト https://tomoruba.eiicon.net/articles/831 ロート製薬のデザイン保護戦略【企業事例】「ロート製薬でのデザイン保護の取り組み」 https://www.osakadc.jp/seminar-event/3832/ ザ・リーダー#68「ワコール 伊東知康社長」 MBS毎日放送 4月18日(日)放送をアーカイブ動画で視聴しました。(約24分)
https://dizm.mbs.jp/title/?program=leader&episode=48 「ゆりかごからゆりいすまで」のワコールの強み(それぞれが自由闊達にお客様のことを考えている)「下着のワコールだった」と言われるようになりたい。アフターコロナを見据えた戦略などを熱く語っています。 あらゆる角度からの測定データをAIで解析、3D計測。これらが知財でしっかり保護されているのだろうと思います。 ワコールの新サービス「3D smart & try」 https://www.wacoal.jp/smart_try/ 知財戦略最前線(3)ワコール 権利重視―顧客の信頼獲得 https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00586069 ㈱ワコール CW-X・大きな胸を小さく見せるブラ・フラワーマーク http://www.kjpaa.jp/aboutus/case/wacoal 株式会社ワコールにおける 知財ミックスの取り組み http://www.jdpa.or.jp/pdf/moku1183131.pdf ワコールが平成30年度知財功労賞「特許庁長官表彰」を受賞 https://www.wacoal.jp/news/newsrelease/201804/release135598.html テレビ東京で 4月26日(月)に放送された「夢遺産~リーダーの夢の先~」(ノーリツ社長・腹巻知氏)を視聴しました。「開発系の仕事をしたいと給湯器の開発に携わり、開発をやった数だけ逃げ出したいと思った。支えは仲間、チームで結果をだしていく。従来の開発の外で特命チームを立上げ、開発を進めた。お湯で世界をつなぐ。」思いが伝わってきました。
ノーリツの知的財産活動は、研究開発において成された自社に有益な技術、優れたデザイン、会社・商品の信用・品質を表示するブランドを知的財産権で保護し、その権利の活用と維持管理を推進しているとのことで、最近では、日本の人口総数の約3人に1人が聞いている、「お風呂が沸きました」でおなじみの “お湯はり完了メロディー”を音商標に登録しています。 また、知的財産権の保護と侵害防止について、入社配属時、3年目、6年目(侵害防止)、10年目(権利活用)と、実務年数に応じた研修プログラムを策定していて、社長の思いを支えているようです。 ノーリツ「お風呂が沸きました」を音商標に登録 クラシック含む音声で初 https://news.kobekeizai.jp/blog-entry-8187.html わが社の知財活動 株式会社ノーリツ 知財管理68巻(2018年) / 4号 / 567頁 http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/mokuji/mokuji1804.html 世界知的所有権の日2021 記念オンラインイベント(2021年4月26日)の基調講演2「知財とパートナーシップ」(新浪剛史サントリーホールディングス株式会社代表取締役社長)をアーカイブ動画で視聴しました。
PETボトルのリサイクル技術、バイオPET技術への取り組みから得られた知的財産を基に、プラスチック材料全般のリサイクル技術を様々な会社とのパートナーシップで実現を目指している高い志は、ぜひ実現していただきたいと思います。 https://www.youtube.com/watch?v=ikwtENR4I0c 1:13:53~ 基調講演:新浪 剛史氏(サントリーホールディングス株式会社 代表取締役社長) 使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組む新会社「株式会社アールプラスジャパン」設立 ― 業界を超えた12社による共同出資会社 ― ― 米国バイオ化学ベンチャー企業・アネロテック社の技術を活用し、環境負荷の少ない効率的なプラスチック再資源化技術の開発に挑戦 ― https://www.suntory.co.jp/news/article/13722.html 以下、メモ パートナーシップが知財を創造し社会に役立てるために重要 商品・サービスの定義:安全・安心、品質・機能、価格+環境・社会全般への配慮 寄稿変動に向けた政策が世界規模で加速 やってみなはれ 利益三分主義 水資源への取り組み 気候変動対策への取り組み プラスチック PETボトル 軽量化、リサイクル、脱石油化学 リサイクルの取り組み 品質保証 様々な技術開発 FtoPダイレクトリサイクル技術 バイオPET技術の開発 アネロテック社 非可食原料、単工程で低コスト PETからプラスチック全体へ バイオPET技術の展開 知財で創るパートナーシップ アールプラスジャパン https://www.youtube.com/watch?v=ikwtENR4I0c (アーカイブ動画は全部で7時間46分となっています。 31:18~ 開会挨拶:澤井 智毅(WIPO日本事務所長) 39:04~ 来賓挨拶:糟谷 敏秀氏(特許庁 長官) 52:42~ 基調講演:柵山 正樹氏(三菱電機株式会社 取締役会長) 1:13:53~ 基調講演:新浪 剛史氏(サントリーホールディングス株式会社 代表取締役社長) 1:40:15~ 基調講演:久保 雅一氏(株式会社小学館 取締役/株式会社小学館集英社プロダクション 常務取締役) 2:22:30~ 基調講演:伊佐山 元氏(WiL, LLC 共同創業者 兼 CEO) 2:48:28~ パテントおよびデザイン・パテントコンテストの紹介(独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)) 3:59:55~ パネルディスカッション①「中小企業と知財、起業に向けた課題」 5:33:40~ 全日本学生児童発明くふう展WIPO賞受賞者へのインタビュー(柴崎湧人さん) 5:44:41~ 知的財産を学び、その普及に熱心に取り組む高校生へのインタビュー(東京都立千早高等学校) 5:58:39~ I-OPENのコンセプト:一人ひとりが創造力を発揮したくなる社会に向けて(ビデオ:特許庁から) 6:09:46~ パネルディスカッション②「知財戦略とイノベーション、知財を武器に市場を切り拓く」 7:26:12~ 閉会挨拶:澤井 智毅(WIPO日本事務所長) 世界知的所有権の日2021 記念オンラインイベント(2021年4月26日)の基調講演1「製造業における共存共栄の関係構築を目指して」(柵山正樹三菱電機株式会社取締役会長)をアーカイブ動画で視聴しました。
価値観の多様化に伴い、オープンイノベーションなどの共創が重要になる。企業同士が連携する場合は、結合力となる知的財産の強さと、適切な知的財産契約によるリスク回避が必要である。・知的財産契約にかかわるリスクは、大企業同士でも考えられる。・知的財産契約に際しては、コンタミネーションのリスクを減らすために、できるだけ拘束条件の少ない形態からステップを踏むほうが良い。・知的財産契約にあたっては、終結条件も明確にしておく必要がある。企業間の関係を、大企業牽引型のサプライチェーンから、複層化したバリューチェーンに転換することにより、共存共栄の関係で新たな価値の共創を目指したい。 という話でした。その通りですが、やはり大企業からの視点で、公正取引委員会や中小企業庁の指摘する中小企業やスタートアップの抱えている問題点についての是正に関しては、自社(三菱電機)は対応したよ、というだけのようにも感じられ、残念でした。 (アーカイブ動画は全部で7時間46分となっています。始まりが約30分からで、 開会挨拶 澤井智毅WIPO日本事務所長が39分まで、 来賓挨拶 糟谷敏秀特許庁長官が52分まで、 基調講演1 柵山正樹三菱電機株式会社取締役会長が1時間14分まで。 基調講演2 新浪剛史サントリーホールディングス株式会社代表取締役社長 基調講演3 久保雅一株式会社小学館取締役 他 基調講演4 伊佐山元WiL, LLC共同創業者 兼 CEO) https://www.youtube.com/watch?v=ikwtENR4I0c なお、三菱電機の知的財産活動に関する最近の参考資料は下記に。 2020年の企業別国際特許出願件数で世界3位、日本企業で1位 https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2021/0303.html 三菱電機グループの知的財産活動 https://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/chiteki/hoshin/index.html 三菱電機、アップルとの共通点 革新力増強へ知財を経営の中心に 2020.4.3 https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00402/ 三菱電機グループにおける国際出願制度の利用について http://www.tokugikon.jp/gikonshi/292/292tokusyu04.pdf 以下はメモ。 基調講演1 柵山正樹 三菱電機株式会社取締役会長の講演から。 ・三菱電機の知財は、特許登録件数国内2位、意匠登録件数国内1位、PCT出願世界3位 工業所有権の世界では善戦している、事業競争力に結び付けていきたい。 ・中小企業 はやぶさ2の成功は、大企業と中小企業の共創。 ・中小企業との共存共栄 ・中小企業の経営成果は、価格転嫁力が大きく左右する。価格転嫁力の協議には知的財産権の取得が重要 ・大企業などが中小企業やスタートアップに取引上の優越的地位を利用している問題、大企業側が搾取される問題、安易なNDA締結によるリスク ・ライセンス契約の経験 ・中小企業庁賢人会議 ・共創の重要性が増している 知的財産管理が重要 ・共創の関係構築に向けての提案 ・共存共栄のための新たなコラボレーション 価値観の多様化に伴い、オープンイノベーションなどの共創が重要になる。 企業同士が連携する場合は、結合力となる知的財産の強さと、適切な知的財産契約によるリスク回避が必要である。 ・知的財産契約にかかわるリスクは、大企業同士でも考えられる。 ・知的財産契約に際しては、コンタミネーションのリスクを減らすために、できるだけ拘束条件の少ない形態からステップを踏むほうが良い。 ・知的財産契約にあたっては、終結条件も明確にしておく必要がある。 企業間の関係を、大企業牽引型のサプライチェーンから、複層化したバリューチェーンに転換することにより、共存共栄の関係で新たな価値の共創を目指したい。 ウォーターフォール型からアジャイル型に組織改革し、2020年の炊飯器の出荷は、前期比140%、金額ベースでも160%と絶好調で、業界で一人勝ちの状態となっているタイガー魔法瓶。フラグシップモデルの土鍋炊飯器は「炊飯器界のロールスロイス」(雑誌『家電批評』より)と評価され、数十年ぶりに業界1位の座に躍り出たということです。
「本質をきわめた独創性」という企業理念のもとで、商品開発をすすめ、それを特許だけでなく、意匠、商標を含めた知財ミックスで保護するやり方が定着しているようです。 知財戦略最前線(12)タイガー魔法瓶 調理家電 https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00595467 土鍋一筋15年、タイガー魔法瓶の成長支えた知財ミックス戦略 2021年04月19日 https://newswitch.jp/p/26880 タイガー魔法瓶「復活劇」立役者が明かす、100年企業のDXとD2Cの取り組み https://www.sbbit.jp/article/cont1/50140 「モノづくりニッポン 見えないレーザーで安全を生み出す!/IHI」(テレビ東京 4月22日放送)をアーカイブ動画で見ました。
https://tver.jp/corner/f0072637 日本を代表する重工業メーカーのIHI(旧 石川島播磨重工業)。巨大なものを手掛けるイメージが強いが、目に見えないものを捉える細やかなセンシング技術も指折り。全国1700の踏切を監視している装置は独自技術、夜でも雨や雪でも レーザーが誤作動することなく人や車を検知することで安全を確保、海外へも広がり始めている。 「ボーイングショック」に見舞われているIHIですが、こうした発明を「一つの発明により大きな付加価値を加える」戦略的な知財活動として地道に進めているのがIHIの知的財産活動の特徴かもしれません。 一つの発明により大きな付加価値を加える https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/62433e4b9b7f7a264e3fb53ffb143466.pdf ものづくり企業において特許を戦略的に活用することはもはや必須です.例えば,一つの発明に関して競合他社の開発を推測し,自社技術の権利範囲が最大になるように工夫して出願します.先に権利を取得しておけば,競合他社よりも有利な条件で開発を進められるようになります.そのため,知財部員は日ごろから担当分野や製品の知識を身につけると同時に,当該分野の技術動向などをリサーチし先読みすることで,発明者および特許事務所にそのような見地から提案できる力を蓄えています. さらに,最近は他社の特許情報を活用した活動にも取り組んでいます.IHI と競合する会社の権利関係をしらみつぶしにリサーチすると,「この部品についてはA 社が広く特許を押さえている」「こちらの機構についてはB 社が強い」という競合他社の強みだけでなく,特許が手薄な部分も見えてきます.IHI がそうした分野を重点的に開発し,多くの権利を押さえることができれば,事業を有利に展開できる可能性があります.すなわち,あれもこれも開発してみたら権利が取得できたという形ではなく,俯瞰的にその分野を見渡したうえで,戦略的に特許を取得する流れを知財部がリードすることで作り出そうとしています. イノベーションマネジメント 知的財産 https://www.ihi.co.jp/csr/download02/pdf/sdb2020_innovation.pdf 高砂工業株式会社に対する特許権侵害差止等訴訟の勝訴判決に関するお知らせ https://www.ihi.co.jp/ims/news/2020/i/20210310.pdf IHI・井手社長「目指すのは『自然と技術の調和』」 https://project.nikkeibp.co.jp/ESG/atcl/column/00006/121100011/ 三菱重工・川崎重工・IHIの航空3重工、「ボーイングショック」からの一抜けは? https://diamond.jp/articles/-/268486 IHI、8000人の副業解禁 国内正社員が外部で知見学ぶ、重厚長大企業も転機 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68353890Q1A120C2TJ2000/ 4月23日(金)夜10時放送「ガイアの夜明け」で、「売り上げ目標1兆円!「アイリスオーヤマ」が次々ヒット商品を生み出す秘密とは」を見ました。
https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/business/entry/2021/023627.html マスクから家電まで、"アイリス流"新商品開発の舞台裏、通称"月曜会議" 低価格+αで、今回は洗濯機の開発事例 目指せ売り上げ1兆円!続々新事業を立ち上げ! 企業相手のBtoB事業で、LED照明の分野。 さらに力を入れるのが、ロボット事業。「サービス専用ロボット業界でナンバー1企業になる」と宣言し、「ソフトバンク」グループと組んで本格参入。 次から次への攻めの事業展開、LED照明事業で見せた「したたかな知財戦略」がさらに見られそうで、楽しみです。 アイリスオーヤマがLED照明でトップシェアを取れた理由 正林 真之 正林国際特許商標事務所 所長・弁理士、国際パテント・マネタイザー 2019.03.19 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00378/00018/ 特許情報を活用した新規参入を見極める2つのパターン:ジェネリック・模倣戦略、創造的模倣戦略 2.2.2 ジェネリック家電の例 https://note.com/anozaki/n/n6b27827d1181 ジェネリック家電のコピーを防ぐ特許戦略 公開日: 2016/03/15 : https://namingpress.com/?p=18317 アイリスオーヤマ 2015-09-23 http://oukajinsugawa.hatenadiary.jp/entry/2015/09/23/060000 開発スピード重視の新商品開発はどう行うのか?~アイリスオーヤマの特許戦略を読み解く~ https://www.jstage.jst.go.jp/article/infopro/2014/0/2014_103/_pdf/-char/ja 平成17年特許庁意匠活用優良企業受賞 3月29日に特許庁長官表彰の意匠活用優良企業にアイリスオーヤマが選ばれました 。 https://www.irisohyama.co.jp/news/2005/0408.html アイリスオーヤマ代表取締役社長・大山晃弘氏に聞く〝なるほど〟を生み出すものづくり 2021.03.07 https://dime.jp/genre/1069274/ リストラ技術者を大量採用し大成功。アイリスオーヤマ変貌の秘密 https://www.mag2.com/p/news/365220 「知財管理」誌2021年4月号の「再生医療分野における特許戦略と事業戦略の新しい実践的枠組の考察」(森田裕弁理士)を読みました。
iPS細胞の製造技術の中心部分の権利化に成功したホワイトヘッド研究所の特許を紹介し、「基盤技術の広い権利化のためには.効果の高さに依存しない特許戦略、もっと言えば 進歩性がある効果の低い発明の探究とその権利化が重要である」ことを説いています。 「実施例を多く取得できないアカデミアやスタートアップでは.効果を低くして乗り越えるべき技術的ハードルを低くしサポート要件の突破を容易にするこの戦略的手法は有効」、「効果の低い進歩性のある発明の権利化を目指す戟略的取り組み」は、アカデミアやスタートアップだけでなく、多くの企業にも通用する考え方で、参考にすべきでしょう。 「知財管理」誌 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 71巻(2021年) / 4号 / 544頁 論文区分 特集(ヘルスケア×知財) 論文名 再生医療分野における特許戦略と事業戦略の新しい実践的枠組の考察 著者 森田 裕 抄録 再生医療分野における開発は、これまでの低分子医薬品とは異なって、他者により特許化された基盤技術を利用する必要のある場面が多く認められ、特許を回避するよりも、そのような基盤技術を利用して早期の開発を達成する必要がある。また、特許の役割は差止による独占(自前主義)からオープンイノベーションによる技術流通に変わってきており、その中で要素技術保護の重要性が高まっている。また、再生医療分野においては、ビジネスモデルの在り方の自由度が大きく、特許保護に向く事業形態とそれに向けた特許戦略を車の両輪のようにマネジメントして競争優位性を確保できる枠組を構築する必要がある。本稿では、再生医療分野における固有の特許戦略と事業戦略の新しい実践的な枠組を考察する。 (第18回)知財実務オンライン:「バイオテクノロジー分野において、米国の特許出願の分析から分かったイノベーション保護に有効と考えられた特許」(ゲスト:大野総合法律事務所 パートナー弁理士 森田 裕) https://www.youtube.com/watch?v=5iF_v3uVTFA&t=31s バイオ分野のスタートアップのための新しい特許戦略 https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3166 昨年12月9日の本ブログで、㈱MTGの模倣品対策活動を取上げましたが、ReFaブランド特許権侵害訴訟 知財高裁 大合議判決について、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)が被告の上告を受理しない決定をしたことで、譲渡等の差止め、製品の廃棄、及び損害賠償金約4億4千万円の支払を認める判決が確定したとのことです。
㈱MTGの模倣品対策活動には改めて敬意を表したいと思います。 ReFaブランド特許権侵害訴訟判決確定のお知らせ https://www.mtg.gr.jp/news/detail/2021/04/article_1947.html 株式会社MTG(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:松下剛/以下MTG)は、株式会社ファイブスター (本社:大阪府大阪市/以下ファイブスター)に対し、特許権侵害に基づき「ゲルマ ミラーボール美容ローラー シャイン(品番 DR-250C)」他、合計9製品の譲渡等の差止め、製品の廃棄、及び損害賠償金の支払いを請求しておりました。 2020年2月に知的財産高等裁判所(特別部)の大合議によりMTGの申立てを相当と認め、譲渡等の差止め、製品の廃棄、及び損害賠償金約4億4千万円の支払を認める判決が出されましたが、その後ファイブスターより、当高裁判決に対し最高裁への申立て(上告受理申立て)がなされておりました。 これについて、このたび、最高裁より本申立てを受理しない旨の決定が出され、判決が確定するに至りましたので、ご報告させていただきます。 なお、本件の当期業績に及ぼす影響については、今後精査を行ってまいります。 今後もMTGは知的財産権を侵害すると判断した場合、適正かつ厳正に対応策をしていく所存です。 美容ローラー特許侵害確定 4億4千万円賠償命令2021年4月18日 19:48 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE15B360V10C21A4000000/ MTG美顔ローラー事件 https://note.com/shintarosan/n/n4911cfbaeaf8 特許侵害の損害、逸失利益で推定 知財高裁が判断 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56196100Y0A220C2CR8000 米国競争当局FTCは3月29日プレスリリースを発表し、FTC v. Qualcommの反トラスト法事件の最高裁への上告を断念したことを発表しました。 https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2021/03/statement-acting-chairwoman-rebecca-kelly-slaughter-agencys 二又俊文氏によると、下記のような状況とのことです。 https://ipr-study.wixsite.com/sep-research-japan/post/%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E7%AB%B6%E4%BA%89%E5%BD%93%E5%B1%80ftc-%E3%80%81%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%A0%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%81%AE%E4%B8%8A%E5%91%8A%E3%82%92%E6%96%AD%E5%BF%B5-ftc-s-announcement-of-no-petition-supreme-court-for-qualcomm-case 同事件は2017年からクアルコムの商慣行(No license, no chipなど)が米国シャーマン法、FTC法に違反する行為にあたるとしてFTCが原告となり争われていたが、第一審の北部カリフォルニア地裁でKoh判事の2019年5月21日判決でFTC側が勝訴したが、その後第9巡回区控訴審で争われ、控訴審の2020年8月11日判決ではクアルコム側が逆転勝訴した事件である。最高裁においては保守派が多数を占める現在の構成では、よりfree tradeが重視され、FTC側には不利な状況と見られていることから上告はできないのではないかと観測されていたが、やはりその通りの決定となった。上告期限の迫る3月末にFTCはプレス発表を行った。 二又俊文氏の「知財管理」誌に掲載されている論文3部作を読むとこのあたりの事情がよくわかります。 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 71巻(2021年) / 4号 / 598頁 論文区分 海外注目判決(No. 59) 論文名 (No. 59) [米国]2020年FTC v. クアルコム控訴審判決 から見えるもの ─「鉄壁の知財モデル」その後─ 著者 二又俊文 抄録 モバイル・コミュニケーションの世界的リーダーであるクアルコムの事業の成功はさまざまな教訓に満ちている。その成功の影にはライバルからの幾多のチャレンジと、世界の競争当局からの執拗な挑戦があった。本稿では、米国FTC v. クアルコム事件に関する2019年5月21日カリフォルニア北部地裁判決と、一年後の2020年8月11日第9巡回区控訴審判決を比較検討する。地裁は反トラスト法(独占禁止法)違反、控訴審は反トラスト法違反ではないと正反対の判断をした。クアルコムの構築した鉄壁の知財モデルを糾弾した地裁判決に対して、控訴審は判断の誤謬と反トラスト法からの逸脱と厳しく批判している。何が二つの異なる判断を導いたかを検証しながら、実は激変する近時の産業競争構造のなかでは、クアルコムの先進的なマルチレイヤ―のビジネスモデルの光と影を見抜いた地裁判決にこそ反トラスト法の運用について先駆的意義があったのではないかと論ずる。 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 70巻(2020年) / 1号 / 21頁 論文区分 論説 論文名 2019年FTC v. クアルコム判決から見える「鉄壁の知財モデル」(その2)(完) 著者 二又俊文 抄録 クアルコムは創業35年の米国半導体メーカーである。モデムチップの開発製造で移動体通信方式の進化とともに業容を拡大し、次世代の5G方式では世界の通信イノベーションをリードしている。そのビジネスは半導体部門(QCT)とライセンス部門(QTL)とが相乗効果を挙げるユニークな複合モデルで、世界300社を超えるライセンシーから得るロイヤリティは年間8,000億円となったこともあり、その巨大さ故にこれまで日米欧中韓、台湾の競争当局から調査を受けてきた。2019年5月21日米国サンノゼ地裁で下されたFTC v. Qualcomm判決では、FTCの主張通り独禁法違反が認定され差止命令が出された。233頁の判決理由書で初めて世に公開された膨大な証拠群には多くの業界関係者が驚き、クアルコムのビジネスモデルにスポットライトがあたることとなった。拙論その1では判決を中心に事実関係から見たクアルコムの行為を整理し、その2では判決から読み取れるクアルコムの鉄壁の知財モデルの謎に迫る。 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 69巻(2019年) / 12号 / 1631頁 論文区分 論説 論文名 2019年FTC v. クアルコム判決から見える「鉄壁の知財モデル」(その1) 著者 二又俊文 抄録 クアルコムは創業35年の米国半導体メーカーである。モデムチップの開発製造で移動体通信方式の進化とともに業容を拡大し、次世代の5G方式では世界の通信イノベーションをリードしている。そのビジネスは半導体部門(QCT)とライセンス部門(QTL)とが相乗効果を挙げるユニークな複合モデルで、世界300社を超えるライセンシーから得るロイヤリティは年間8,000億円となったこともあり、その巨大さ故にこれまで日米欧中韓、台湾の競争当局から調査を受けてきた。2019年5月21日米国サンノゼ地裁で下されたFTC v. Qualcomm判決では、FTCの主張通り独禁法違反が認定され差止命令が出された。233頁の判決理由書で初めて世に公開された膨大な証拠群には多くの業界関係者が驚き、クアルコムのビジネスモデルにスポットライトがあたることとなった。拙論その1では判決を中心に事実関係から見たクアルコムの行為を整理し、その2では判決から読み取れるクアルコムの鉄壁の知財モデルの謎に迫る。 特許庁が2020年度に実施したIPランドスケープの調査研究に関する動画(第2部 経営戦略に資する知財情報分析・活用に関する調査研究の概要)として公開されていた「経営戦略に資する知財情報分析・活用に関する調査研究」の調査報告書(本編、資料編)が公表されました。
https://www.jpo.go.jp/support/general/chizai-jobobunseki-report.html 日本国内におけるIPランドスケープの定義、IPランドスケープの取組の現状、IPランドスケープの課題や阻害要因・成功要因等について説明しています。 資料編の下記の会社のヒアリング結果は特に興味深く読みました。参考になります。 https://www.jpo.go.jp/support/general/document/chizai-jobobunseki-report/chizai-jobobunseki-document.pdf 旭化成株式会社、AGC 株式会社、貝印株式会社、塩野義製薬株式会社、昭和電工株式会社、セイコーエプソン株式会社、株式会社ダイセル、帝人株式会社、パナソニック株式会社、富士通株式会社、富士フイルム株式会社、株式会社ブリヂストン、株式会社オプティム、株式会社 TLO 京都、株式会社ホニック、株式会社スリーダム、食品企業A社、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST) 知的財産マネジメント推進部、株式会社シクロ・ハイジア、正林国際特許商標事務所 特許庁が、経営層・新事業開発・知財それぞれの立場の「悩みや課題」、経営環境の変化に対応した知財活動の実践、その中での気づきやいわゆる失敗事例を取り上げた事例集「新事業創造に資する知財戦略事例集~「共創の知財戦略」実践に向けた取り組みと課題~」を公開しました。
失敗事例も取り上げた本事例集は、どう進めようか悩んだときなどに、非常に参考になるだろうと思います。 https://www.meti.go.jp/press/2021/04/20210421003/20210421003.html https://www.jpo.go.jp/support/example/chizai_senryaku_2021.html 本事例集の特徴は以下の3点です。 1,国内外企業12社の取組みを、Co-creationでの事業創造における「知財戦略実践へのアプローチ」・「環境整備」と、「事業創造プロセス」に整理。 2,想定読者別の索引を設けたほか、読者自身がより関心が持てる事例にたどり着けるよう、部門や立場においてありがちな、“よくある悩み”からも事例を探索可能。 3,各事例をコンパクトに1ページにまとめ、ポイントとなる箇所については太字で掲載。短時間で事例の概要を掴むことが可能。 目次 1.経営と知財に係る課題認識 2.新事業創造における課題 3.本書掲載事例(新事業創造と知財連携)の全体像 4.新事業創造における知財戦略の実践への「アプローチ」および「環境整備」 の事例 A :新事業部門内での知財戦略の実行 B:新事業部門に知財部門の人材が参画し実行 C :知財部門がインテリジェンスとして支援 D:知財部門自らが新事業創造活動を実践 5.新事業創造に資する知財戦略の実践の事例 Ⅰ:「構想」段階における課題・事例 Ⅱ:「設計」段階における課題・事例 Ⅲ:「具体化」段階における課題・事例 6.おわりに 参考資料1 よくある悩み別 事例インデックス 参考資料2 本事例集に関連する特許庁事例集の紹介 |
著者萬秀憲 アーカイブ
May 2025
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