知財管理 Vol. 72 No. 12 2022に掲載されている「クレーム用語の意義解釈の判断が分かれた事件──輸液製剤事件──」(細田芳徳弁理士)は、知的財産高等裁判所 令和3年11月16日判決 令和3年(ネ)第10007号 特許権侵害差止請求控訴事件を取り上げています。
特に、評釈の、用語の意義解釈について、物の発明と単純方法の発明、実務上の提言、は勉強になりました。 目 次
2.2 争点と当事者の主張 2.3 東京地裁の判断 2.4 知財高裁の判断 3. 評 釈 3.1 用語の意義解釈について 3.2 物の発明と単純方法の発明 3.3 実務上の提言 4. おわりに 知財管理 2022年12月号 判例と実務シリーズ:No.535 クレーム用語の意義解釈の判断が分かれた事件-輸液製剤事件- 細田 芳徳 http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/search/detail.php?chizai_id=7bf1d78eeb562f74242e5ab9afc0ff40 本事件の最大の争点は、クレーム用語の意義解釈であり、原審と控訴審とで判断が分かれた事件である。その結果、輸液製剤という物の発明では、原審と控訴審は共に被告製品に対し構成要件充足性を否定したが、保存安定化方法という単純方法の発明に対して、控訴審は直接侵害を認め、被控訴人らによる被控訴人製品の生産、譲渡等の行為は特許法101条4号の定める間接侵害行為に当たるとして、構成要件充足性を否定した原審判決を取消した。本事件では、「室」という用語の解釈において、「連通可能」という限定の有無が問題となり、課題・解決手段との関係や、物の発明と単純方法の発明の違いを考えさせる興味深い事件である。 本稿では、用語の意義解釈において、判断が分かれた原因はどこにあるのかについて、限定解釈に関する従前からの裁判例も参照しつつ考察すると共に、単純方法などの方法の発明の意義についても考察する。 「含硫化合物と微量金属元素を含む輸液製剤」事件 https://www.unius-pa.com/wp/wp-content/uploads/R03_ne_10007_220522.pdf 2021.11.16 「大塚製薬工場 v. エイワイファーマ・陽進堂」 知財高裁令和3年(ネ)10007 https://www.tokkyoteki.com/2021/11/2021-11-16-otsuka-v-aypharma-r3-ne-10007.html 【特許★】特許権侵害差止請求控訴事件(複数の「室」というクレーム文言解釈~「連通可能」という限定がある物の発明は非充足、限定がない方法の発明は充足とした。何れも非充足とした一審判決を逆転した事例。特許権者勝訴。 https://www.nakapat.gr.jp/ja/legal_updates_jp/%E3%80%90%E7%89%B9%E8%A8%B1%E2%98%85%E3%80%91%E7%89%B9%E8%A8%B1%E6%A8%A9%E4%BE%B5%E5%AE%B3%E5%B7%AE%E6%AD%A2%E8%AB%8B%E6%B1%82%E6%8E%A7%E8%A8%B4%E4%BA%8B%E4%BB%B6%EF%BC%88%E8%A4%87%E6%95%B0%E3%81%AE/ 用語の意義解釈が第一審と控訴審で異なるため、第一審では特許権侵害を否定したが控訴審では特許権侵害を肯定した事例 https://www.hanketsu.jiii.or.jp/hanketsu/jsp/hatumeisi/news/202202news.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
February 2023
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