第147回知財実務オンライン:「わたしが遭遇した知財紛争」(ゲスト:西野特許事務所 所長弁理士 西野 卓嗣氏、6月15日実施、約1時間37分)を視聴しました。約47分が「それってパクリじゃないですか?」の監修ものがたりで、残りが「知財紛争」の話でした。
「それってパクリじゃないですか?」視聴率の低さが残念ですが、舞台裏の話もふんだんにあり、楽しく聞かせてもらいました。 https://www.youtube.com/watch?v=d_lVxRwbAEA&t=33s 日テレ水曜ドラマ「それってパクリじゃないですか?」 重陽会関西会員 西野 卓嗣 http://www.jipa.or.jp/coffeebreak/hitokoto/hito2303.html 「それパク」監修 弁理士西野先生登壇!知財プロフェッショナルのキャリアをデザインする「自己啓発から成功へのスキルアップ戦略」ウェビナー開催(7月12日) 知財業界で豊富な経験を持つプロフェッショナル講師群がリアルな経験談を語ります https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000099600.html
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産総研の技術情報漏洩事件、容疑者の逮捕というだけで、唐突感がありましたが、「研究データの提供を受けた中国企業が、約1週間後に中国で特許を申請していた」ということで、納得しました。それにしても、いわくつきの研究員だったようで、産総研大丈夫か、という声がでているのもわかります。
産総研漏えい、データ提供の1週間後に中国企業が特許申請…内容が類似 2023/06/17 https://www.yomiuri.co.jp/national/20230617-OYT1T50066/ 『国立研究開発法人「産業技術総合研究所」(茨城県つくば市)の技術情報漏えい事件で、中国籍の主任研究員・権恒道容疑者(59)(不正競争防止法違反容疑で逮捕)から研究データの提供を受けた中国企業が、約1週間後に中国で特許を申請していたことが捜査関係者への取材でわかった。内容が類似しており、警視庁公安部は研究データを転用したとみている。』 中国の「千人計画」に参加か 情報漏えいの疑いで逮捕の研究員 2023年6月17日 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230617/k10014101901000.html 中国人研究員「先端技術情報」漏えい事件で露呈、“スパイ天国”日本のあきれた実態【元公安捜査官が解説】 2023.6.17 https://diamond.jp/articles/-/324668 産総研 情報漏えい先は研究員の妻が代理店社長の中国の会社 2023年6月16日 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230616/k10014101621000.html 産総研 逮捕の中国籍研究員 過去に中国政府と深いつながりか 2023年6月16日 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230616/k10014101011000.html 中国企業に先端技術情報を漏えいした疑い、産総研の中国籍研究員を逮捕 2023/06/15 https://www.yomiuri.co.jp/national/20230615-OYT1T50179/ 6月14日の知財実務情報Lab.セミナー「【仮想事例で解説】あらゆる業界に真のDX革命をもたらすChatGPTを活用したサービスに関する発明発掘術および特許取得術の考察」(日本橋知的財産総合事務所代表弁理士 加島 広基氏)は、
1.ChatGPTの概要とその可能性について 2.プレエディットとしてのプロンプトエンジニアリングと、出力結果のデータ処理方法の工夫(ポストエディット) 3.クレームのカテゴリーと複数主体の充足論、属地主義について 4.知的財産推進計画2023における生成AIについての言及 という内容でした。 【仮想事例】として、「レシピ投稿型サイトでのトラブルの発生を防止する」という課題設定に対して、ChatGPTにより特許請求の範囲の各請求項(20個)および作用効果を作成させてみた結果、ChatGPTが様々な観点から請求項および作用効果を作成した事例と加島弁理士の感想が説明されました。 このセミナー録画が専用サイトで無料公開されており、資料もダウンロードできます。 公開期間は1週間後の6月22日(木)の正午まで。 それまでにご視聴ください。 「ぜひ、友人、知人、同僚、部下等にもご紹介ください。」とのことです。 ★★録画視聴方法については、下記の登録フォームから「お名前」と「メールアドレス」を登録して、ぜひ視聴してください。 https://chizai-jj-lab.com/2022/12/21/faq/ (無料セミナー)【仮想事例で解説】あらゆる業界に真のDX革命をもたらすChatGPTを活用したサービスに関する発明発掘術および特許取得術の考察(6/14開催) https://chizai-jj-lab.com/2023/05/12/0614-2/ 3月23日に行われたLegalForceセミナー「最新AI技術と法務実務への影響~弁護士と企業法務がChatGPTを考える~」のアーカイブ動画を視聴しました。6月23日まで無料で配信されています。
水井大弁護士によれば、法務ドメインの活用・データセットは多岐にわたり、変化(機能向上)が想定されるのはテキスト分析•生成に関する業務であり、契約書サンプル・ひな形の生成・レビュー、法律相談への自動応答だけでなく、判決・刑事罰・行政処分等の予測に使えるということで検討が進められているとのことで、知財分野は遅れているのかもしれないと思いました。 松尾剛行弁護士の「AIの普及によって弁護士の善管注意義務違反の基準が変化して、AIの答えが善管注意義務の基準を画する可能性が出てくる、となると、AIを使わなかったこと自体を善管注意義務違反に取られてしまう可能性がある」という議論は、なるほどと思いました。 ChatGPT等のAI技術の発展と弁護士実務への影響 弁護士 松尾剛行2023年3月23日https://note.com/matsuo1984/n/n006e3e569eb0 『一定の類型のAIについて一定以上の普及率が実現した場合、「弁護士が調査をするなら、この類型のAIをこのように利用することが必要で、それを怠ったために間違った調査をしたら善管注意義務違反」というように、いわば善管注意義務の水準を構成するかもしれない。 その意味で、仮に自分がAIを使いたくない(使わなくてもAIを使う以上の成果を上げられる)という弁護士であっても、いざ結果的に何らかの不足があった、となると、AIを使わなかったこと自体を善管注意義務違反に取られてしまう可能性があることにつき留意が必要である。(また、AIを使った場合でもあえてAIと異なる選択をする場合、依頼者に対する説明責任は重くなるだろう。)』 最新AI技術と法務実務への影響~弁護士と企業法務がChatGPTを考える~ 配信期間2023年4月3日(月)〜2023年6月23日(金) 受講料無料 https://legalforce-cloud.com/download/108 最新AI技術と法務実務への影響~弁護士と企業法務がChatGPTを考える~ LegalOn Technologies 2023/03/31(約1時間17分) https://www.youtube.com/watch?v=Tboyt0jwrag ▼第一部 【対談】大規模言語モデルの仕組みとリーガルテックへの応用可能性 登壇者 ・城戸祐亮氏(株式会社Legalscape Co-Founder & CTO) ・角田望(株式会社LegalOn Technologies 代表取締役/弁護士) ▼第二部 【ディスカッション】ChatGPT等のAI技術の発展は、法務実務にどのような影響を与えるか。 登壇者 ・水井大氏(西村あさひ法律事務所 弁護士) ・松尾剛行氏(桃尾・松尾・難波法律事務所 パートナー弁護士・ニューヨーク州弁護士) ・稲村誠氏(日本たばこ産業株式会社 日本マーケット 部長代理(法務担当)) ・角田望(株式会社LegalOn Technologies 代表取締役/弁護士)※ファシリテーター ▼配信期間 お申し込み日~2023年6月23日(金) 6月13日に行われた、安高史朗の知財解説チャンネル「生成AIと著作権をとことん議論する配信」のアーカイブ動画(約1時間46分)を視聴しました。
生成AIと著作権をとことん議論するということで、伊藤 雅浩弁護士(シティライツ法律事務所)、柿沼 太一弁護士(STORIA法律事務所)、中山 智文CTO(カラクリ株式会社)が、安高史朗弁理士と議論しています。 進行は、下記の通りで、興味深い議論が多くて参考になりました。 1.生成AIって何?最近のトピックスと技術解説(約3分~) 2.文化庁の資料を一緒に読む(約19分50秒~) 3.論点一覧(約27分25秒~) 4.Al生成物が著作物と認められるための利用者の創作的寄与に関する考え方(約28分~) 5.学習用データとして用いられた元の著作物と類似するAl生成物が利用される場合の著作権侵害に関する考え方(約36分50秒~) 6.著作権法第30条の4の解釈(約1時間17分15秒~) 7.Alを使って著作権法上の難問を解決する(約1時間35分20秒~) 8.今後の方向性法改正の必要性?(約1時間41分45秒~) 安高史朗の知財解説チャンネル「生成AIと著作権をとことん議論する配信」 https://www.youtube.com/watch?v=fOTZxusbslg 文化庁の資料 https://www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_team/3kai/shiryo.pdf ChatGPT、法務のイロハ 生成物の著作権侵害に注意 2023年5月28日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB243WB0U3A420C2000000/ ・・・生成AIに詳しい弁護士の柿沼太一氏にルールのイロハや注意点を聞いた。・・・ JDLA「生成AIの利用ガイドライン」を発表。ChatGPTの社内利活用で柔軟な変革を 最終更新日:2023/05/29 https://aismiley.co.jp/ai_news/jdla-chatgpt-llm-generativeai/ はじめに「生成AIの利用ガイドライン」公開の背景について、JDLA理事長の松尾 豊氏が説明しました。・・・ 次に、弁護士法人STORIA法律事務所代表パートナー弁護士の柿沼 太一氏がガイドラインの概要について解説しました・・・ JDLA「生成AIの利用ガイドライン」公開 記者発表会 https://www.youtube.com/watch?v=ULYBJQm7vXQ&t=2s ◇⽇時:2023 年5 ⽉1 ⽇(⽉) 11:00〜12:00 ◇出席者: 松尾豊、柿沼太⼀、井﨑武⼠ ◇概要: 1. ご挨拶 2.「⽣成AI の利⽤ガイドライン」公開の背景について 3.「⽣成AI の利⽤ガイドライン」の内容について 4. 質疑応答 下記は、柿沼 太一弁護士の講演もあります。 2023年度 第1回DBSJセミナー「AI生成コンテンツ利用における法的課題や活用事例」 開催日2023年7月1日(土) https://dbsj.org/events/event_info/dbsj_seminar_2023_1/ 6月6日から9日まで熊本で開催された人工知能学会全国大会で、生成AIについての緊急特別企画セッション「日本は生成AIを起爆剤にできるのか?」が急きょ実施され、「ChatGPT」など生成AIが世界中で広がる中、日本勢はOpenAIなどの海外企業に追い付き、追い越せるか、単に追いつくだけでなく,先に進むことでどのような勝ち筋が見えてくるのか?多様な立ち位置から日本における生成AIを中心とする今後の展開について議論されました。約1時間32分の動画が無料公開されています。
日経クロステックの記事がポイントをまとめています。 キラーアプリはまだできておらず、計算資源とデータの整備が鍵で、医療や金融、製造などの分野で活用することで「日本の勝ちパターン」になる可能性があるようです。 生成AIで海外企業をどう追い越すか、東大・松尾教授が語る「日本の勝ちパターン」2023.06.12 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/08108/ 2023年度人工知能学会全国大会 特別企画セッション「日本は生成AIを起爆剤にできるのか?」(動画:約1時間32分) https://www.youtube.com/watch?v=0HVrF2j7ILA 人工知能学会 特別企画「日本は生成AIを起爆剤にできるのか?」 https://wba-initiative.org/22100/ 政府が6月12日「経済安全保障法制に関する有識者会議(第7回)」で示した経済安全保障推進法に基づく「特許非公開」の対象とする計25の技術分野、そのなかの10分野は、保全指定をした場合に産業の発達に及ぼす影響が大きいと認められる技術分野 として付加要件を適用する、防衛・民生双方で活用できる「デュアルユース(両用)」技術として位置づけ、防衛目的で発明されたケースなどに限って保全指定を行う考えを示しています。 来春の運用開始を目指してさらに制度の詳細を詰めるとのことですが、軍事と民生の技術の線引きや非公開となった技術に対する補償などの課題がしっかり議論されることを期待しています。 「特許非公開」対象にステルスや無人・自律制御技術など、政府が有識者会議に25分野提示 2023/06/12 https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230612-OYT1T50258/ “25の技術分野 特許出願を非公開に” 経済安保強化へ案示す 2023年6月12日 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230612/k10014097561000.html 経済安全保障法制に関する有識者会議(第7回) 議 事 次 第 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keizai_anzen_hosyohousei/r5_dai7/gijisidai.pdf 経済安全保障法制に関する有識者会議(第7回)議 事 次 第 令 和 5 年 6 月 1 2 日(月)15時00分 ~ 17時00分 中央合同庁舎8号館5階共用C会議室 1. 開 会 2. 議 事 (1)特定社会基盤役務の安定的な提供の確保に関する制度の 運用開始に向けた検討状況について (2)特許出願の非公開制度の運用開始に向けた検討状況について 3. 閉 会 資料1 特定社会基盤役務の安定的な提供の確保に関する制度の運用開始に 向けた検討状況について https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keizai_anzen_hosyohousei/r5_dai7/siryou1.pdf 資料2 特許出願の非公開制度の運用開始に向けた検討状況について https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keizai_anzen_hosyohousei/r5_dai7/siryou2.pdf 資料3 特許出願の非公開制度の運用開始に向けた検討状況について(参考資料) https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keizai_anzen_hosyohousei/r5_dai7/siryou3.pdf 株式会社MM総研が、日本および米国の企業/団体に所属する従業員1万3,814人(うち日本が1万3,412人、米国が402人)を対象に、ビジネスでのChatGPTの利用動向を、5月24日~5月31日にかけてWebアンケート形式で調査した結果によれば、ビジネスにおけるChatGPT利用率は、日本では「利用している」が7%でしたが、米国では「利用している」が51%と半数を超えていました。
ChatGPTの利用目的は日米ともに既存業務の効率化が大半で、日本では文章生成、要約、校正/構造化、情報検索などが具体的な用途として多くあがり、米国ではさらに、アイディア生成や自然言語でのコーディングといった用途でも多く活用されていることがわかりました。 文章生成(日本68%、米国77%) 文章要約(日本48%、米国66%) 文章校正・構造化(日本47%、米国65%) 情報検索(日本47%、米国64%) 翻訳(日本35%、米国55%) アイデア生成(日本25%、米国60%) コーディング(日本14%、米国45%) 最初に既存業務の効率化での利用が進み、次に、アイディア生成や自然言語でのコーディングといったクリエイティブ用途に進んでいくのだろうと思います。 日本でのChatGPTの業務利用はわずか7%、約半数は「知らない」。MM総研調べ 2023年6月12日 https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1507969.html 10人に1人がChatGPTの利用経験あり、目的は「特になし」最多 2023.06.12 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/15381/#:~:text=MMDLabo%E3%81%8C%E9%81%8B%E5%96%B6%E3%81%99%E3%82%8BMMD,%E7%8E%87%E3%81%8C%E6%9C%80%E3%82%82%E9%AB%98%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82 【ChatGPTに関する経営者への調査】活用企業は23.0%!7割以上の方がコスト削減につながると回答 ChatGPTは情報収集やコスト削減に効果アリ!一方でセキュリティを心配する声も アフターコールナビ株式会社 2023年6月7日 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000103592.html 調査概要:「経営者のChatGPTに関するイメージ」に関する調査 【調査期間】2023年5月18日(木)〜2023年5月19日(金) 【調査方法】リンクアンドパートナーズが提供する調査PR「RRP」によるインターネット調査 【調査人数】1,006人 【調査対象】調査回答時に 経営者 と回答したモニター 【モニター提供元】ゼネラルリサーチ 日本のChatGPT利用動向(2023年4月時点)~利用者の多くが肯定的な評価~ 2023/05/26 https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst/2023/cc/0526_1 6月5日に行われた『<WIPO・JIPA共同開催ワークショップ>イノベーション主導の成長と知的財産の役割の未来を探る:日本の産業界の経験』の動画が公開されています。(約1時間57分:6月5日には、900名以上の方が聴講されたとのことです。)
各社のプレゼン、ワークショップの議論、目指すべき方向がクリアです。従来の競争軸から共創軸への転換の意志が見えました。 パネル1:次世代のデジタル時代のイノベーションの波と知財の役割では、 共創、オープンイノベーション重要、 知的財産が共創の呼び水になる、 共創がゴールにいくためには重要な特許を提示すること、 大企業がスタートアップから搾取することなくパートナーとしてともにゴールに向かって進むことが大事、 パネル 2 :次世代のディープ・サイエンスのイノベーションの波と知財の役割では、 ディープサイエンスが格差をなくすなど社会を変えていく、知的財産がしっかりサポートしていないといけない、 きちんと知財が保護されることによって、ネットワークが繋がり、ディープサイエンスが世界に広がる、 質問に答えるとした議論で、「MIの進展で、化学の分野でも実施例なしで特許が認められる可能性の議論」で、意見が割れたのも良かったですね。 <WIPO・JIPA共同開催ワークショップ> イノベーション主導の成長と知的財産の役割の未来を探る:日本の産業界の経験 https://c.connectedviews.com/01/Search/WIPOwebinars?search=2023-06-05+WIPO-JIPA+Workshop 本ワークショップは、一般社団法人日本知的財産協会(JIPA)と世界知的所有権機関(WIPO)が主催し、「デジタル時代の波」と「ディープサイエンスの波」という2つの新たなイノベーションの波(グローバル・イノベーション・インデックス(GII)2022年版)における知的財産の役割について議論しています。 ・デジタル時代の波とディープサイエンスの波を解放するための知的財産の役割は何か︓「従来のビジネス」か「斬新なもの」か︖ ・これらの新規なイノベーションの波は、知的財産の活用や効果にどのような影響を及ぼすのか︖ ・イノベーションに関連する成長、知的財産、そしてグローバルな課題の間にはどのような関係があるのか︖ パネル1:次世代のデジタル時代のイノベーションの波と知財の役割 司会: 夏目健一郎(世界知的所有権機関(WIPO) 事務局長補) 池田 敦 氏(日本知的財産協会 副理事長、キヤノン株式会社 理事・知的財産法務本部 副本部長) 若代 真吾 氏(日本知的財産協会 常務理事、パナソニックホールディングス 上席主幹) 矢藤 有希 氏(ソニー知的財産サービス株式会社 情報戦略部 統括部長) パネル 2 :次世代のディープ・サイエンスのイノベーションの波と知財の役割 司会: 奥村 洋一 氏(東京大学 産学協創推進本部 ディレクター、日本知的財産協会 元理事長) 阿部 仁 氏(日本知的財産協会 副理事長、三菱ケミカル株式会社 知的財産本部長) 奥脇 智紀 氏(中外製薬株式会社 知的財産部長) 杉村 多恵 氏(トヨタ自動車株式会社 知的財産部 知財企画室長) 2023-06-05 WIPO-JIPA WORKSHOP ON EXPLORING THE FUTURE OF INNOVATION-DRIVEN GROWTH AND THE ROLE OF INTELLECTUAL PROPERTY: JAPANESE INDUSTRY EXPERIENCES (JAPANESE) https://c.connectedviews.com/01/SitePlayer/WIPOwebinars?session=119686 WIPO-JIPAオンラインワークショップ:イノベーション主導の成長の未来と知的財産の役割を探る https://www.wipo.int/about-wipo/ja/offices/japan/news/2023/news_0009.html イノベーション主導の成長と知的財産の役割の未来を探る:日本の産業界の経験 主催:一般社団法人 日本知的財産協会(JIPA) 世界知的所有権機関(WIPO) 2023 年 6 月 5 日(月)15 時~17 時(日本時間)、8 時~10 時(ジュネーブ時間) プログラム https://www.wipo.int/export/sites/www/global_innovation_index/en/docs/wipo-jipa-workshop-agenda-ja.pdf グローバル・イノベーション・インデックス (GII) 2022年版:日本は昨年に引き続き13位 7/10/2022 https://yorozuipsc.com/blog/-gii-202213 7月3日の第2回 知財よろず勉強会では、「【ChatGPT】~知財業務を革新できる? ChatGPTの活用ポイントと留意点~」と、ChatGPTをとりあげることになりました。
まず、ChatGPT とはどういうものか、その概要、できること、できないことを確認したうえで、ChatGPT の活用方法を、知財実務毎に、実際に使用した例を示しながら解説します。 そして、ChatGPT 以外で知財実務に活用できそうな AIツール情報を紹介します。 さらに、ChatGPTなど生成Alを使用するにあたって注意しなければいけない主なリスクと対応方法について説明します。 第2回 知財よろず勉強会【ChatGPT】~知財業務を革新できる? ChatGPTの活用ポイントと留意点~ https://www.tech-d.jp/chemical/seminar/show/6843 株式会社テックデザイン 【日 程】 2023年7月3日(月) 10:30~11:30 【会 場】 Zoom配信(Webセミナー) 【受講料】 3,300円(税込/テキスト付) 【テキスト】 あり(PDFデータのダウンロード) 【備 考】 アーカイブ配信:あり 【勉強会の概要】 ① レクチャー(40分) ② Q&Aコーナー(20分) ⇒事前質問を優先的に取り上げます。講習会のQ&Aやメールにて是非お寄せください。 《レクチャーのプログラム》 1.ChatGPTとは? 2.ChatGPTを活用した知財実務 1)出願・権利化(発明発掘、先行技術調査、特許提案書・特許明細書作成、 中間処理等) 2)クリアランス・権利侵害防止 3)権利活用 4)IPランドスケープ・知財戦略立案 5)知財教育 3.ChatGPT 以外で知財実務に活用できそうな AIツール情報 4.生成Alを巡る主なリスクと対応 経団連(日本経済団体連合会)デジタルエコノミー推進委員会AI活用戦略タスクフォースが、「AI活用によるSociety 5.0 for SDGsの実現に向けて」という提言を行っています。
「①AIのさらなる活用、②それに付随するリスクへの対応、を継続的に進める必要がある。 同時に、これらの前提として、③わが国独自のAI開発能力の構築・強化が欠かせない。 現下の情勢を踏まえ、上記①~③を推進するための施策を以下提言する。」として、下記をあげています。 「AIのさらなる活用に向けた方策」 「AI活用に付随するリスクへの対応」 「わが国におけるAI開発能力の構築・強化」 しっかり議論されることを期待しています。 【AI活用原則】 原則1:AIの活用を通じたSociety 5.0 for SDGsの実現 原則2:多様性を内包する社会のためのAI(AI for Diversity and Inclusion) 原則3:社会・産業・企業のAI-Ready化 原則4:信頼できる高品質AI(Trusted Quality AI)の開発 原則5:AIに関する適切な理解促進 AI活用によるSociety 5.0 for SDGsの実現に向けて 2 0 2 3 年 6 月 9 日 一般社団法人 日本経済団体連合会デジタルエコノミー推進委員会AI活用戦略タスクフォース https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/041.html 気候変動に対する取り組みやジェンダー平等、健康と福祉対策などを国際連合のSDGs(持続可能な開発目標)の枠組みで評価し、世界の大学を順位付けしている、英国の高等教育専門誌「THEインパクトランキング2023」の総合ランキングで、北海道大学が世界22位に入り、国内の大学で4年連続してトップを占めたということです。
2023年度は日本の91校を含む世界1,705校が参加し、日本の78校を含む世界1,591校が総合ランキングの対象になりました。国内トップは「北海道大学」22位(前年10位)で、2位は「京都大学」49位タイ(同19位タイ)。 SDG別ランキングでは、SDG1(貧困)は「立命館大学」19位タイ、SDG3(保健)は「名古屋市立大学」7位タイ、SDG6(水・衛生)は「九州大学」18位、SDG9(イノベーション)は「東北大学」11位タイ、SDG14(海洋資源)は「九州大学」18位、SDG15(陸上資源)は「北海道大学」17位にランクイン。九州大学はSDG別ランキングの3つで国内最高位を獲得。北海道大学、茨城大学、東北大学、筑波大学は2つのSDGで最高位となりました。 総合ランキング1位は「Western Sydney University(オーストラリア)」、2位「University of Manchester(イギリス)」、3位「Queen’s University(カナダ)、4位「Universiti Sains Malaysia(マレーシア)」、5位「University of Tasmania(オーストラリア)」。 北海道大学がTHEインパクトランキングで世界22位、4年連続国内1位に 2023年6月9日 https://univ-journal.jp/228977/ 北海道大学が「THEインパクトランキング2023」で総合ランキング世界22位、4年連続国内1位を獲得 https://tgu.mext.go.jp/news/2023/06/006065.html 北海道大学が「THEインパクトランキング2023」で総合ランキング世界22位、4年連続国内1位を獲得 https://www.hokudai.ac.jp/news/2023/06/the20232241.html THEインパクトランキング2023、国内トップ北大…京大続く https://reseed.resemom.jp/article/2023/06/05/6508.html#:~:text=%E7%B7%8F%E5%90%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B01%E4%BD%8D%E3%81%AF,%EF%BC%89%E3%80%8D%E3%80%815%E4%BD%8D%E3%80%8CUniversity 「知的財産の分野におけるデジタル化や国際化の更なる進展などの環境変化を踏まえ、スタートアップ・中小企業等による知的財産を活用した新規事業展開を後押しするなど、時代の要請に対応した知的財産制度の見直しが必要。」ということで、
(1) デジタル化に伴う事業活動の多様化を踏まえたブランド・デザイン等の保護強化、 (2) コロナ禍・デジタル化に対応した知的財産手続等の整備、 (3) 国際的な事業展開に関する制度整備 の3つを柱に、不正競争防止法、商標法、意匠法、特許法、実用新案法、工業所有権特例法の改正を行う知的財産関連の改正法6本が6月7日、参院本会議で可決、成立しました。 メタバース(仮想空間)などのデジタル空間で販売・譲渡されている模倣品の差し止め請求が可能になり、アバター(分身)が着用する衣類や小物などが対象になります。 登録可能な商標の拡充、意匠登録手続の要件緩和、営業秘密・限定提供データの保護の強化も重要。 仮想空間の模倣品を差し止め 改正不正競争防止法が成立 2023年6月7日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA076ZK0X00C23A6000000/ 不正競争防止法等(※)の一部を改正する法律案【知財一括法】の概要 ※不正競争防止法、商標法、意匠法、特許法、実用新案法、工業所有権特例法 https://www.meti.go.jp/press/2022/03/20230310002/20230310002-1.pdf 不正競争防止法等の一部を改正する法律案 https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/211/meisai/m211080211054.htm 議案要旨 (経済産業委員会) 不正競争防止法等の一部を改正する法律案(閣法第五四号)(衆議院送付)要旨 本法律案の主な内容は次のとおりである。 一 デジタル化に伴う事業活動の多様化を踏まえたブランド・デザイン等の保護強化 1 商標法について、先行商標権者の同意があり出所混同のおそれがない場合には、他人の登録商標と類似する商標を登録可能とする。また、一定の場合には、氏名を含む商標を他人の承諾なく登録可能とする。 2 意匠法について、創作者等が意匠登録出願前にデザインを複数公開した場合の救済措置を受けるための手続要件を緩和する。 3 不正競争防止法について、デジタル空間における他人の商品形態を模倣した商品の提供行為も不正競争行為の対象とする。また、秘密として管理されたビッグデータも限定提供データとして保護し、侵害行為の差止請求等を可能とする。さらに、損害賠償訴訟で被侵害者の生産能力等を超えるとして賠償が否定されていた損害分も使用許諾料相当額として損害賠償請求を可能とする。 二 コロナ禍・デジタル化に対応した知的財産手続等の整備 1 特許法及び工業所有権に関する手続等の特例に関する法律について、在外者へ査定結果等の書類を郵送できない場合に、公表により送付したとみなすとともに、インターネットを通じた送達制度を整備する。 2 特許法について、中小企業の特許に関する手数料の減免について、資力等の制約がある者の発明奨励・産業発達促進という制度趣旨を踏まえ、一部件数制限を設ける。 三 国際的な事業展開に関する制度整備 不正競争防止法について、OECD外国公務員贈賄防止条約をより高い水準で的確に実施するため、外国公務員贈賄罪における自然人及び法人に対する法定刑を引き上げるとともに、日本企業の外国人従業員による海外での単独贈賄行為も処罰対象とする。 四 施行期日 この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 「知的財産推進計画2023」の「Ⅲ.知財戦略の重点10 施策」の「4.知財・無形資産の投資・活用促進メカニズムの強化」では、(現状と課題)として、<コーポレートガバナンスの仕組みの活用>、<サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)への対応に関する課題>、<ガイドラインVer.2.0の背景・概要>、<残された課題>、<中小企業・スタートアップの知財・無形資産の投資・活用>、<研究開発投資及び創出された知財の活用の促進>という項目が記述され、
(施策の方向性)として、「統合報告書等において開示されている、知財・無形資産を戦略的に活用し、企業価値を高めている活動を好事例として公表する表彰制度を推進」などの13の施策が示されています。 (施策の方向性) •知財・無形資産の投資・活用の促進に向けて、企業の知財・無形資産の戦略的活用に関する意欲を高めるべく、統合報告書等において開示されている、知財・無形資産を戦略的に活用し、企業価値を高めている活動を好事例として公表する表彰制度を推進すべく、民間の協力を得て実施する方策を検討する。 (短期、中期)(内閣府) •知財・無形資産ガバナンスガイドラインの考え方がルール形成に関与する関係者に共有され、新たなルール形成において一定の同期化が図られるように、IFRS財団、PRI等の国際的な組織・団体等に働きかける。 (短期、中期)(内閣府) •「コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラム」に沿って、企業による収益性と成長性を意識した経営を促進するため、知的財産を含む無形資産への投資に関する取組を促す。 (短期、中期)(金融庁) •ESG分野における開示を通じた企業や投資家等の実効的な対話の促進につなげるべく、トランジションファイナンス等のサステナブルファイナンスを通じた社会・環境課題の解決と知財・無形資産の関係について検討するとともに、ESG課題に対応して、知財・無形資産戦略の深掘り等を行う企業の好事例を収集する。 (短期、中期)(内閣府、金融庁、経済産業省) •SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の実現のための価値創造ストーリーの協創に向けて、知財・無形資産戦略は人的資本戦略や事業ポートフォリオマネジメント戦略、DX戦略等と並んで重要な鍵であり、 SX銘柄の運用等を通じて、知財・無形資産戦略を始めとする各種戦略について統合的な戦略構築と開示を推奨する。 (短期、中期)(経済産業省、内閣府) •気候変動に関する企業評価において、社会全体の排出削減への貢献など、企業が有する新たな事業の機会を適切に評価すべく、知財・無形資産の活用を含めた評価のフレームワークや指標についての課題等の検討を行う。 (短期、中期)(経済産業省、内閣府) •事業性に着目した融資を促進するため、スタートアップ等がのれんや知的財産等の無形資産を含む事業全体を担保に金融機関から資金を調達できる制度(事業成長担保権)について関連法案を早期に国会に提出することを目指すとともに、金融機関の態勢・標準的な契約実務の在り方、登記制度の構築等の検討を進める。 (短期、中期)(金融庁、内閣府、法務省、経済産業省) •知財・無形資産を活かした経営の実践を我が国企業に浸透させるべく、知財戦略構築の専門家だけでなく情報開示等のその他の専門家を企業に派遣すること等を通じて、経営における知財・無形資産の位置付けの可視化やそのための体制構築に加え、効果的な知財戦略の開示を支援し、企業の持続的な価値創造や知財・無形資産への投資の開示の推進につなげる。 (短期、中期)(経済産業省) •知財・無形資産を活かした経営の実践を我が国企業に浸透させるべく、経営戦略や事業戦略の策定に際し、知財情報等を活用した分析を行うIPランドスケープについて、その実践のための具体的手法を調査し、実践に向けての課題や進め方等を報告書として取りまとめて公表し、経営戦略に資するIPランドスケープの普及につなげる。 (短期、中期)(経済産業省) •2022年度に公表したグリーン・トランスフォーメーション技術区分表、及び当該技術区分表を用いた特許情報の分析結果の国内外への発信を行う。また、こうした技術区分表を用いた分析及びエビデンスドベースでの開示が国際的に行われるよう働きかけを行うとともに、特許審査官の知見も活用しつつ技術区分表の充実化に向けた検討を行う。 (短期、中期)(経済産業省) •知財を切り口とした事業性評価を通じて中小企業における知財活用を推進するため、「知財ビジネス評価書」作成のためのひな形及びガイドライン等を活用し、中小企業が有する知財について有益な評価・分析を行い、作成した「知財ビジネス評価書」及び「知財ビジネス提案書」を地域金融機関に提供することで、金融機関による中小企業支援を促進する。 (短期、中期)(経済産業省) •スタートアップ・中小企業等へ経営デザインシートの活用を更に広げる など、価値デザイン経営の普及実践エコシステムの構築に向けて取り組む。 (短期、中期)(内閣府、金融庁、経済産業省) •知財の創出等を促し我が国のイノベーション拠点としての立地競争力を強化する観点から、民間企業による知財の創出等に向けた研究開発投資を促すための税制を含めた施策の在り方について、引き続き検討を進める。 (短期、中期)(経済産業省) 「知的財産推進計画2023」の「Ⅲ.知財戦略の重点10 施策」では、「3. 急速に発展する生成AI 時代における知財の在り方」で、「生成AI と著作権」「AI 技術の進展を踏まえた発明の保護の在り方」の二つが取り上げられていますが、マスコミは、「生成AI と著作権」をピックアップしてとりあげているようです。(もっとも、「概要」でもそういう取り上げ方です。)
「AI 技術の進展を踏まえた発明の保護の在り方」についての項目、しっかり見ておこうと思います。 AI 技術の進展を踏まえた発明の保護の在り方 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/230609/siryou2.pdf P.32~P.35 (2)AI 技術の進展を踏まえた発明の保護の在り方 (現状と課題) AI 関連発明については、上述の「新たな情報財検討委員会報告書」において、「具体的に検討を進めることが適当な事項等」として「学習済みモデルの適切な保護と利活用促進」及び「AI 生成物に関する具体的な事例の継続的な把握」が掲げられており、特許庁では、AI 関連技術に関する特許審査事例の公表(2017年3月に5事例公表、2019 年1月に 10 事例追加)等の取組を行ってきた。 同報告書では、「引き続き検討すべき事項等」として、「AI のプログラムの知財制度上の在り方」及び「AI 生成物の知財制度上の在り方」が掲げられた。また、同時期に公表された「AI を活用した創作や3D プリンティング用データの産業財産権法上の保護の在り方に関する調査研究報告書」では、「現時点では、一部の企業からAIによる自律的な創作を実施しているとの情報も得られているが、特許法で保護するに値する AI による自律的な創作の存在は確認できていない」、「2020 年頃には、AI が自律的な行動計画によって動作するようになると予測されている。さらに、2030 年頃になると、更に広い分野で人間に近い能力を発揮できるようになり、例えば、判断や意思決定、創造的活動等といった領域でも代替できる部分が増えると見込まれている」との指摘がされていた。 これまで、AI は、人間の創作を補助するものに過ぎないと考えられていたが、ChatGPT 等の出現により、AI による自律的創作が実現しつつあるとの指摘もされている13。従来、技術的思想の創作過程は、①課題設定、②解決手段候補選択、③実効性評価の 3 段階からなり、このうちのいずれかに人間が(創作的に)関与していればその人間による創作であると評価するとの考え方が示されていた。このような考え方によれば、解決手段に関する技術的な知見がない者であっても、課題設定さえできれば、ChatGPT 等の AI を用いて解決手段を得ることにより(なお、③実効性評価についてもシミュレーション等による自動化が容易に想定できる。)、技術的思想の創作(発明)を生み出すことができるようになると考えられる。 このように、ChatGPT 等の万人が容易に利用可能な AI が出現したことにより、創作過程における AI の利活用が拡大することが見込まれ、それによって生まれた発明を含む特許出願が増えることが予想される。そのような発明(例えば、上述の創作過程の①~③の一部において、人間が創作的な関与をせず、AI が自律的に行ったもの)の審査において、創作過程での AI の利活用をどのように評価するかが問題となるおそれがある。そこで、発明の創作過程における AI の利活用が特許審査へ与える影響(例えば以下に述べる進歩性や記載要件等の判断への影響)について検討・整理が必要と考えられる14。 進歩性(特許法第 29 条第2項)の判断については、どのような技術分野で、どのような形態での AI の利活用が当業者の知識・能力の範囲内とされるかによって、創作過程で AI を利活用した発明はもちろん、AI を用いていないものについても進歩性の有無が左右されるとの研究もある15。また、創作過程における AI の利活用を、進歩性の評価においてどのように取り扱うかを明確化することが必要との考えもある16。進歩性を特許の要件とするのは、当業者が容易に思い付く発明に排他的権利を与えることは、技術進歩に役立たず、かえってその妨げになるからである。これらの点を考慮して、今後の進歩性の審査に当たっては、急速な AI 技術の発展(それによる AI 技術の適用分野の拡大や技術常識の変遷等を含む。)の影響も踏まえ、大量に生み出されることが予想される AI を利活用した発明について、適切に進歩性の判断を行う必要がある。 また、2022 年2月に公表された「近年の判例等を踏まえた AI 関連発明の特許審査に関する調査研究報告書」によれば、明細書等において、化合物の機能についてマテリアルズ・インフォマティクスによる予測が示されているに過ぎず、実際にそれを製造して機能を評価した実施例が記載されていない場合には、主要国では記載要件違反となり得る旨が示されている。他方で、AI 等を用いた機能予測の精度がさらに高まり、(in-silico の)予測結果の信頼性が実際の(invitro/in-vivo)実験結果と同程度と認められるようになった場合には、異なる判断が必要となる可能性もある17。急速な AI 技術の発展の中で、特許審査実務上の影響を整理し、その影響に対応していくに当たって、その審査の在り方は、特許権というインセンティブを付与するに際し、AI を利活用した創作において人間の関与がどの程度あるべきかや、AI の利活用が創作過程の各段階に与える影響等も考慮した進歩性等の判断がどうあるべきかということも含め、特許法の目的である産業の発達への寄与という趣旨に立ち返って再検討される必要がある。 また、これまで以上に幅広い分野で創作過程における AI の利活用が見込まれることを踏まえて、特許庁においては、特にこれまで AI 技術の活用が見られなかった分野等も含め、AI 関連発明の審査をサポートできるような審査体制を整備する必要がある。 さらに、これらの点も踏まえながら、AI 関連発明の特許審査の迅速性・質を確保するために、AI 関連発明の審査事例の更なる整理・公表が望まれる。併せて、我が国で創出されたイノベーションについてグローバルに適切な保護を得られるようにするためには、我が国が主導しての特許審査実務のハーモナイズが期待されるところ、そのための端緒として、まずはケーススタディを通じた各国の AI 関連発明の審査実務の情報収集・比較が必要と考えられる。 なお、発明についても、著作物と同様に、AI が自律的に(人間による創作的な関与を受けずに)創作した場合の取扱いについても、諸外国における取扱いの状況も踏まえて、「新たな情報財検討委員会報告書」公表後の新たな課題の有無等を含めて確認、整理しておくことが必要である。 (施策の方向性) ・ 創作過程における AI の利活用の拡大を見据え、進歩性等の特許審査実務上の課題や AI による自律的な発明の取扱いに関する課題について諸外国の状況も踏まえて整理・検討する。 (短期)(内閣府、経済産業省) ・ これまで以上に幅広い分野において、創作過程における AI の利活用の拡大が見込まれることを踏まえ、AI 関連発明の特許審査事例を拡充し、公表する。 また、AI 関連発明の効率的かつ高品質な審査を実現するため、AI 審査支援チームを強化する。 (短期)(経済産業省) 13 例えば、OpenAI 社が 2023 年 3 月に公表した LLM である GPT-4 のテクニカルレポートでは、GPT-4(と既存の検索ツール等との組合せ)により、「ある化合物と同様の性質を持つ化合物であって、新規性があり(=特許が取られておらず)、市販のもの(又は市販のものに修正を加えて得られるもの)を探し、購入(及び、必要な場合、合成の指示を作成)する」というタスクの実行可能性が示されている(OpenAI, "GPT-4 Technical Report," March 2023, https://arxiv.org/abs/2303.08774)。このことは、これまでの AI のユースケースが、既知の情報に関する質問に対する(新たな)自然言語による回答の表現の自動的な生成であったのに対し、GPT-4 では、未知の情報についての回答を生成できる可能性があることを意味する。すなわち、ある技術的課題を提示することにより、未知の(新たな)解決手段を AI が示す可能性が示唆されている。 14 例えば、潮海久雄「AI 関連発明の特徴と将来的課題――進歩性,開示要件,発明者」『ビジネスローの新しい流れ 片山英二先生古稀記念論文集』(2020 年 11 月、青林書院)では、(AI で発見された薬等の物質を含む)AI 関連発明の進歩性や開示要件等についての課題が示されている。 15 アナ・ラマルホ「AI により生成された発明の特許性-特許制度改革の必要性」(2018 年 3 月、平成 29 年度産業財産権制度調和に係る共同研究調査事業調査研究報告書)https://www.jpo.go.jp/resources/report/takoku/document/sangyo_zaisan_houkoku/2017_04.pdf では、「AIの利用が関連技術分野における通常の実験手段である場合には、当業者の技量が引き上げられ、AI の利用が考慮されることになる。 このため、(たとえ問題となっている発明者が AI を利用していなかったとしても)AI を利用する当業者にとって発明が自明ではない場合に、特許が付与されることを意味する。」との指摘がされている(p. ix)。 16 前掲脚注 14 の p. 233 では、AI 関連発明の進歩性判断における困難な点として、AI 関連発明の性能向上に関わる多くの要素のうち、「どの要素のどの程度の工夫が AI を使用することによる当業者の通常の創作能力の発揮に当たるのかがわからない」等の指摘がされている。 17 調査報告書で各国における判断が示された事例(「特許・実用新案審査ハンドブック」附属書 A 1.事例 51)についての我が国における判断について、伊藤真明「AI 関連発明に関する近年の審査基準等の改訂について」『特技懇』294 号(2019 年 9 月、特許庁技術懇話会) http://www.tokugikon.jp/gikonshi/294/294tokusyu1-1.pdf は、「学習済みモデルの予測結果が実際の実験結果に代わりうることは出願時の技術常識でないという前提を置いています。・・・この事例では、このような前提も考慮した上で、実施可能要件違反及びサポート要件違反の拒絶理由が存在するという判断をしています。」としており、出願時の技術常識等に応じ判断結果が変わることは当然の前提とされている。 「~多様なプレイヤーが世の中の知的財産の利用価値を最大限に引き出す社会に向けて~」という副題がついた「知的財産推進計画2023」が決定されました。
知的財産推進計画2023の全体像は、 1.スタートアップ・大学の知財エコシステムの強化 ・大学における研究成果の社会実装機会の最大化 ・知財を活用した大企業とスタートアップの連携促進 2.多様なプレイヤーが対等に参画できるオープンイノベーションに対応した知財の活用 3.急速に発展する生成AI時代における知財の在り方 ・生成AIと著作権 ・AI技術の進展を踏まえた発明の保護の在り方 4.知財・無形資産の投資・活用促進メカニズムの強化 5.標準の戦略的活用の推進 6.デジタル社会の実現に向けたデータ流通・利活用環境の整備 7.デジタル時代のコンテンツ戦略 ・コンテンツ産業の構造転換・競争力強化とクリエイター支援 ・クリエイター主導の促進とクリエイターへの適切な対価還元 ・コンテンツ創作の好循環を支える著作権制度・政策の改革 8.中小企業/地方(地域)/農林水産業分野の知財活用強化 9.知財活用を支える制度・運用・人材基盤の強化 10.クールジャパン戦略の本格稼働と進化 6月9日の松野内閣官房長官の記者会見では、『本日、知的財産戦略本部会合にて、「知的財産推進計画2023」を決定しました。日本のイノベーションを活性化し、持続的な経済成長を実現していくために、多様なプレイヤーが世の中の「知的財産の利用価値」を最大限に引き出す社会へと変革していくことが重要であることから、スタートアップ・大学の知財エコシステムの強化、生成AI時代の知財の在り方に関する検討、コンテンツ産業戦略、改正著作権法の着実な施行等に取り組むこととしています。本日決定した推進計画を踏まえ、政府一丸となって取組を推進してまいりたいと考えています。詳細につきましては、内閣府知的財産戦略推進事務局にお問い合わせください。』と述べられています。 マスコミは、生成AI(人工知能)と知的財産の在り方について大きく取り上げているようです。 知的財産戦略本部更新日:令和5年6月9日総理の一日 https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202306/09chizai.html 令和5年6月9日、岸田総理は、総理大臣官邸で第52回知的財産戦略本部を開催しました。 会議では、知的財産推進計画2023について議論が行われました。 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。 「委員の皆様方におかれましては、活発な御議論をいただきました、感謝申し上げます。本日、知的財産推進計画2023を決定いたしました。 日本のイノベーションを活性化し、持続的な経済成長を実現していくためには、多様なプレイヤーが、知的財産の価値を最大限に引き出す社会へと変革していくことが重要です。 第1に、スタートアップと大学の知財エコシステムを一層強化していきます。大学での研究成果が、スタートアップ等を通じてスピーディーに社会実装される好循環を目指し、今年3月には、大学知財ガバナンスガイドラインを策定しました。国際卓越研究大学制度との連携を通じて、このガイドラインの浸透を図り、イノベーションのハブとしての大学の機能強化を図ります。 第2に、生成AI(人工知能)と知的財産の在り方について、G7広島サミットやAI戦略会議の議論を踏まえ、責任あるAI、信頼できるAIの推進に向け、AI技術の活用促進と知的財産の創造インセンティブの維持の双方に配慮し、著作権侵害などの具体的リスクへの対応を始め、必要な方策を検討してまいります。 第3に、我が国のコンテンツの力をフルに活(い)かし、コンテンツ産業の強靭(きょうじん)化や構造改革、クリエイターの育成・創出を官民一体となって進めるため、官民連携による協議の場を設けます。 加えて、コンテンツの創作と利用の循環加速の観点から、今国会で改正された著作権法に基づき、簡素で一元的な権利処理のための窓口組織の創立と、分野横断権利情報検索システムの整備を進め、デジタル時代における新たな社会インフラを整備いたします。 高市大臣を中心に、関係閣僚は、本日決定された推進計画を速やかに実行に移していただくよう、お願いいたします。」 知的財産戦略本部会合 議事次第 令和5年6月9日(金) https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/230609/gijisidai.html 【配布資料】 資料1 「知的財産推進計画2023」(案)概要 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/230609/siryou1.pdf 資料2 「知的財産推進計画2023」(案)本文 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/230609/siryou2.pdf 資料3 「知的財産推進計画2023」(案)工程表 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/230609/siryou3.pdf 広がる生成AI 著作権侵害の事例示し、論点整理へ 知財推進計画 https://digital.asahi.com/articles/ASR695QCPR69UCVL00C.html AIの著作権侵害に対策、保護へ論点整理…政府が「知財推進計画」決定 2023/06/09 https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230609-OYT1T50122/ 政府が「知的財産推進計画」を決定、生成AIと著作権巡り3つの論点を提示 2023.06.09 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/15379/?ST=ch_businessAI 動画配信、クリエーターの報酬を点検 23年知財計画決定 2023年6月9日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA092J20Z00C23A6000000/ Paragraph. 編集するにはここをクリック.6月9日
ChatGPTで使える「食べログ」は“選ぶ負担”を軽減してくれるツールとして普及しそうですが、「食べログ」のChatGPTプラグインを提供したカカクコムは、ChatGPTに価格.comの商品データベースを連携、ChatGPTを使って希望に合う商品を簡単に検索できるというサービスを開始しました。課題は開発よりも法務ということのようです。 ChatGPTで使える「食べログ」は“選ぶ負担”を軽減してくれる? 従来の検索との違いを検証してみた 6/9(金) https://news.yahoo.co.jp/articles/8148bd86b1f87ff00594d2ec39e0775ce717a432 「食べログ」のChatGPTプラグインを提供したカカクコム、課題は開発よりも法務 2023.06.09 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02480/060700003/ 2023年06月02日 価格.com、ChatGPTプラグインの提供を開始 ChatGPTに価格.comの商品データベースを連携、 ChatGPTを使って希望に合う商品を簡単に検索できます https://corporate.kakaku.com/press/release/20230602 6月7日に行われた(第146回)知財実務オンライン:「特許文書読解アシスタント「サマリア」~人工知能技術の特許実務への活用・展望~」(ゲスト:パテント・インテグレーション株式会社 代表取締役CEO 大瀬 佳之)のアーカイブ動画(約1時間半)を視聴しました。
サマリアは、ChatGPTを上手く使っている特許文書読解アシスタントで、現在無料提供されており、なかなか使い勝手が良いと思います。 6月6日からのアップデートで2文書の比較ができるようになっているということなので、一致点、相違点の比較でどの程度使えるか期待感があります。週末トライしてみます。 1.A I・ディープラーニングの進化とLLM ・A Iの歴史、ディープラーニング ・トランスフォーマー、G P T- 3 ・大規模言語モデル( LLM) ・生成型人工知能モデル 2.知財実務/法務実務における最近のトピック ・サマリア: LLMを利用した特許文書読解支援システム ・知財領域での活用事例 ・法務領域での活用事例(LeagalOn Technologies、弁護士ドットコム、株式会社WEB STAFF) ・LLMが得意なこと、苦手なこと(知財領域における活用可能性) 明細書読解支援、知財戦略立案、アイデア創出、特許調査、スクリーニング、自社分類 付与、明細書作成、明細書翻訳、中間対応について、深層学習とLLMの比較 3.サマリアのご紹介 ・ユー ザ登録 ・どのような問題を解決するのか? ・機能の概要 ・どのようなベネフィットを提供するのか? (第146回)知財実務オンライン:「特許文書読解アシスタント「サマリア」」(ゲスト:パテント・インテグレーション株式会社 代表取締役CEO 大瀬 佳之) https://www.youtube.com/watch?v=0vzoQEN8uCo サマリア(Summaria) | 特許文書読解支援サービス https://patent-i.com/summaria/ サマリア 20230606 アップデート https://www.youtube.com/watch?v=WD_WFQ6OWMc 自民党AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム https://note.com/akihisa_shiozaki/n/n4c126c27fd3d 昨年5月に成立した経済安全保障推進法に基づき、機密性が高い技術について政府が「特許非公開」とする計25の技術分野をまとめ、6月中に開かれる有識者会議に制度案を示し、パブリックコメントにかけ、来春の運用を目指すということです。
現行制度では、特許は出願1年半後に原則公開されますが、制度案では、安全保障上拡散すべきでない技術分野に関わる特許について、国が保全指定をして公開されないようにしたり、外国への出願を禁止したりしますので、その範囲が広くなると大きな影響が出かねません。それほど広くはなっていないような感じがします。 特許公開を制限、ステルスやロケットなど25分野 経済安保で制度案 2023年6月7日 https://digital.asahi.com/articles/ASR67661JR67ULFA01V.html 経済安保強化へ、政府が25分野「特許非公開」…戦闘機のステルス性能や極超音速飛行の関連技術 2023/06/07 https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230606-OYT1T50279/ 特許出願の非公開に関する基本指針(案)の概要 2023年2月 内閣官房・内閣府 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/keizai_anzen_hosyohousei/r5_dai5/siryou4.pdf 特許出願の非公開制度の基本指針案 2023.02.13 https://www.tmi.gr.jp/eyes/blog/2023/14361.html 特許出願の非公開化時代の到来と新たな研究開発戦略〜鍵となりうる「デュアルユース」とリスク回避〜 https://www.nttdata-strategy.com/knowledge/infofuture/69/report09/ 6月1日、欧州統一特許裁判所(UPC)は、UPC協定が発効し、UPCが業務を開始したと発表しました。UPC協定発効により、同日から単一特許規則の適用も開始され、欧州単一効特許と統一特許裁判所のパッケージからなる欧州単一特許制度が開始されました。
なんと統一特許裁判所における最初の取消訴訟の当事者は日本企業だということで、今後に注目です。 UPCでの記念すべき最初の取消訴訟の当事者は日本企業です 2023.06.07 https://hasegawa-ip.com/news/first-revocation/ 2023年6月1日に統一特許裁判所(UPC)協定が発効し、統一特許裁判所における特許権侵害訴訟そして取消訴訟をはじめとする手続きが可能になりました。 そこで記念すべき最初の取消訴訟を調べてみました。 統一特許裁判所のCase Management System(CMS)のサーチ機能を用いて調べてみたところ現在統一特許裁判所に係属している取消訴訟は以下に示すようACT_459505/2023、ACT_464985/2023そしてACT_465342/2023の3件です。 3件とも2023年6月1日に提起されていますが、その内最も早い時刻(17:20:14 CEST)に提起されたケースがEP3056563に対する取消訴訟であるACT_464985/2023です。 EP3056563は特許権利者が日本企業(株式会社ヘリオス、理研そして大阪大学による共願)である欧州特許です。そして無効訴訟提起人はアステラス製薬の米国子会社であるアステラス再生医療研究所です。なんと原告も被告も日本に所縁があります。 また2件目のケースであるACT_465342/2023(17:51:05 CEST提出)の対象であるEP3056564も特許権者が株式会社ヘリオスそして大阪大学であり、無効訴訟提起人がアステラス再生医療研究所です。EP3056564はなんと欧州特許庁で異議が係属中です。統一特許裁判所が欧州特許庁の判断に対してどのように反応するか、または欧州特許庁が統一特許裁判所の判断に対してどのように反応するかも興味深いです。 このように統一特許裁判所における最初の取消訴訟は当事者が日本に所縁があるという点というだけでなく、統一特許裁判所と欧州特許庁との平行手続きという観点からも非常に興味深いです。 本件の今後を注視したいと思います。 欧州単一特許制度がついに始動 2023年06月07日 https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/06/f0ecaf9f2c6e2f80.html 統一特許裁判所(UPC)は6月1日、UPC協定が同日から発効し、UPCが業務を開始したと発表した。UPC協定発効により、同日から単一特許規則の適用も開始され、欧州単一効特許と統一特許裁判所のパッケージからなる欧州単一特許制度が開始された。 欧州単一特許制度が開始したことにより、欧州各国で特許を取得する場合、欧州特許庁(EPO)が欧州特許を付与した後、欧州各国ごとに有効化(Validation)の手続きを経ずに、UPC協定の全批准国(注1)で単一の効力を有する欧州特許を取得できる。権利侵害時には、UPCへ提起すると全批准国で権利行使が可能となる。 (注1)オーストリア、ベルギー、ブルガリア、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、スロベニア、スウェーデン、ドイツの17カ国が批准済み。 統一特許裁判所(UPC)、待望の欧州単一特許制度がついに開始 https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/europe/2023/20230601.pdf 欧州統一特許裁判所協定(UPCA)に関するご案内【2023年6月改訂】 https://www.kyowapatent.co.jp/ipinfo/news/2023-6 |
著者萬秀憲 アーカイブ
May 2025
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