大和総研の「企業価値を高める知財・無形資産の投資・活用戦略とは? ~改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応・事例~」で、改訂コーポレートガバナンス・コードと知財・無形資産ガバナンスガイドラインの概要と、住友商事のコーポレートガバナンス報告書での開示内容を、「補充原則3-1③」に関し具体的かつ詳細に開示している、として肯定的に紹介しています。
住友商事では、「中期経営計画と関連付けた具体的な記載が見られた。」点が高く評価されています。「ガイドラインのなかでも言及があるように、自社の競争優位がどこにあるかを明らかにする知財・無形資産の投資・活用戦略の開示は、競合企業に手の内をさらすことにもなり、事業に悪影響を与えかねないという意見もあるなかで、自社の戦略と関連付けて具体的に記載している住友商事の開示事例は非常に参考となるものといえよう。あえて詳細に手の内をさらす必要性はないが、自社の経営戦略を実行するにあたり、どの戦略に関してどのような知財・無形資産の投資を想定しているかを内外に示すことは、戦略のポテンシャル、その実現性も含めて投資家へのアヒールとしても非常に有用であるといえる。」 知的財産権、特に特許という視点では、住友商事の特許出願件数等は非常に少ないですが、投資家からみれば、「自社の経営戦略を実行するにあたり、どの戦略に関してどのような知財・無形資産の投資を想定しているかを内外に示すこと」がアヒールとして重要だということのようです。まだ実績がでていない取組については公表できない、とか、うまくいくかどうかわからない失敗したときに責任が取れないから公表できない、などという議論がよく聞かれますが、投資家からみるとちょっと違うのかもしれません。 住友商事株式会社 コーポレートガバナンス報告書 最終更新日:2022年1月4日 https://www2.jpx.co.jp/disc/80530/140120211223560211.pdf 補充原則3-1③) ・当社の知的財産への投資について 当社は、様々な事業分野において、革新的な技術によるビジネスモデルの転換や、新たなプロダクトデザインの提供などによる付加価値に着目して、事業投資を実行しています。また、技術革新や、創造性のあるデザイン、コンテンツのもたらす競争優位性のみならず、当社の多様な人的リソース、これまで培ってきた多彩なビジネスノウハウ、顧客・取引先とのグローバルなネットワーク・信頼関係、市場における当社ブランドの価値、といった資本(無形資産)からなる経営基盤と営業部門の多様な事業機能を融合・複合化することで、新規事業を創出するとともに、事業の成長力を一段と高める戦略をとっています。 この点、当社は、目指すべき企業像として、「常に変化を先取りして新たな価値を創造し、広く社会に貢献するグローバルな企業グループ」を掲げ、常に新しいビジネスモデル、ノウハウや技術等を探索するなど、将来のビジネスへの種まきを行っています。これらの新しいビジネスモデルの多くにおいて、現在又は将来の知的財産・無形資産によって、その収益力、競合他社との商品・サービスの差別化、及び市場における価格決定力が維持・強化され、将来的に高い競争力・利益率を獲得することができると見込んでいます。このような知的財産・無形資産を生かした新事業の創出に向けた取り組みは、各組織において実施しています。 さらに、今中期経営計画「SHIFT2023」においては、以下の6つの分野を次世代成長戦略テーマに設定し、経営資源を投下しています。 ・デジタルトランスフォーメーション:デジタル、テクノロジー×イノベーションを活用した事業変革と新規事業開発 ・次世代エネルギー:カーボンフリーエネルギーの開発・展開、新たな電力・エネルギーサービスの拡大、 CO2の吸収・固定・利活用・社会インフラ:途上国におけるインフラ整備、新しい機能を持つ社会インフラの開発・リテイル・コンシューマー:多様なリテイル事業群のデータ活用を通じた、地域社会にエッセンシャルな価値、サービスの提供 ・ヘルスケア:医療分野に加え、健康・予防・介護分野における新たなビジネスの創出 ・農業:デジタル・テクノロジーを活用した農業セクター向けビジネスの拡充 今後もこのような知的財産・無形資産の価値を重視して、これらが競争力、差別化、稼ぐ力にいかに結び付くかを精緻に分析のうえ、事業投資を 実行し、事業の強化・育成を行っていきます。
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大和総研の「企業価値を高める知財・無形資産の投資・活用戦略とは? ~改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応・事例~」で、「積水ハウスでは、同社が考える知的財産への投資の具体的な内容の開示に加え、知的財産を統括する専門組織として、知的財産室を新設した旨も公表している。これにより、同社の知的財産投資への意気込み、積極性も伺えよう。さらに、具体的な内容の定性的開示に加え、研究開発費の実績金額や、意匠権や特許権の保有件数を開示するなど、定量的にさらに踏み込んだ開示まで行っている点は、先行事例として非常に参考になろう。」と評されていた積水ハウス株式会社コーポレートガバナンス報告書。
「同社が考える知的財産への投資の具体的な内容の開示」 「知的財産を統括する専門組織として、知的財産室を新設した旨の公表」 「具体的な内容の定性的開示に加え、研究開発費の実績金額や、意匠権や特許権の保有件数を開示するなど、定量的にさらに踏み込んだ開示まで行っている」 点が評価されています。 積水ハウスは、【ハウスメーカー】の他社牽制力ランキング2020で2位、【ハウスメーカー】特許資産規模ランキング2020で5位、改正意匠法の建築物・内装の意匠登録で企業別に見た登録数は最多です。新設された知的財産室の室長は、他の業界で実績もあり力のある方ですので、今後の取組に注目したいと思っています。 積水ハウス株式会社 コーポレートガバナンス報告書 最終更新日:2022年1月26日 https://www2.jpx.co.jp/disc/19280/140120220118569148.pdf 補充原則3-1③ 3)知的財産への投資 <投資> 当社グループは、研究開発の重要性を認識し、「総合住宅研究所」「住生活研究所」を中心とする研究開発拠点への十分な研究開発費の投入や積極的な設備投資を行っています。 また、近年では、プラットフォームハウス事業などの新規事業領域を中心として、産学連携や、異業種の企業とパートナーシップにより、将来的な事業の推進に資する分野にも積極的に投資しております。 さらに、お客様参加型イベントを開催する「住ムフムラボ」や住環境に関する様々な体験の機会提供する「納得工房」など、直接な技術開発以外にも積極的に投資し、これらよって得られるものを総合して、経営資源(知的資本)と位置付けております。 <成果の保護> こうした知的資本のうち、技術、デザインは、特許権や意匠権で保護を図り、また、お客様から得たお声に加え、長年の取り組みによるノウハウ、データなども、営業秘密として保護を図っております。 さらに、投資結果の事業化段階においては、ネーミングにもこだわり、それを商標権で保護し、バリューチェーンを通じお客様にご満足、安心を提供するための象徴としています。 なお、これらの活動を従来以上に重要視し、2021年8月には、知的財産を統括する専門組織として、知的財産室を新設し、また、社内での育成にとどまらず、他社で知財の統括責任者を務めた人物を含め、知財の専門家を積極的に採用しています。 <継続的成長のために> このような投資とその成果の保護の両輪によって、当社のコアコンピタンスである「技術力」、「施工力」、「顧客基盤」を構築し、また、住まいづくりのすべてのプロセスを担う「独自のバリューチェーン」で競争優位性を発揮することで、お客様への価値提供とともに、継続的な企業成長を支える根幹を成しています。 (2021年1月末実績) ・研究開発費 96億円 ・意匠権保有件数 308件 ・特許権保有件数 641件 【ハウスメーカー】他社牽制力ランキング2020 トップ3はミサワホーム、積水ハウス、大和ハウス 2021年06月10日 https://www.patentresult.co.jp/news/2021/06/fcithouse.html 【ハウスメーカー】特許資産規模ランキング2020 トップ3は大和ハウス、トヨタホーム、ミサワホーム 4位旭化成ホームズ、5位積水ハウス 2021年03月11日 https://www.patentresult.co.jp/news/2021/03/house.html 意匠登録総まくり 新制度による登録は100件超 最多は積水ハウス https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/na/18/00134/033100002/ 改正意匠法施行日の2020年4月1日から21年3月15日までの約1年間で、建築物・内装の意匠登録は107件に上ることが日経アーキテクチュア集計で判明した。建築物の登録件数は内装の4倍に達し、うち約80%は住宅だった。 企業別に見た登録数は、積水ハウスの28件が最多。大東建託、ミサワホームといった住宅会社が続く。 大和総研が3月2日に、「企業価値を高める知財・無形資産の投資・活用戦略とは? ~改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応・事例~」として、改訂コーポレートガバナンス・コードと知財・無形資産ガバナンスガイドラインの概要と、住友商事と積水ハウスのコーポレートガバナンス報告書での開示内容を、「補充原則3-1③」に関し具体的かつ詳細に開示している、として肯定的に紹介しています。肯定的に評価される例として参考になります。
https://www.dir.co.jp/report/consulting/governance/20220302_022872.pdf 知的財産への投資等については、 競合他社を意識し積極的な開示は難しいともされる一方で、自社にとっての知財・無形資産の価値を重視し、どのように今後の価値創造、マネタイズ実現に活用していくのかは喫緊の課題であり、そのためのストーリー構築は急務といえる。 直近の2022年1月1日~1月31日に提出された、改訂ガバナンス・コードに沿ったコーポレート・ガバナンス報告書の事例について概観していきたい。2022年1月の1か月間でコーポレート・ガバナンス報告書の更新を行った企業は、合計307社であったが、前述の「補充原則3-1③」については、今後の検肘課題事項(explain)としている企業や、既存の統合報告書やサステナビリティ報告書にて開示しているとして他の報告書へ誘導している事例も数多くみられた。本稿では、実際にコーポレート・ガバナンス報告書のなかで「補充原則3-1③」に関し具体的かつ詳細に開示している、以下の2社の事例(①住友商事、②積水ハウス)を取り上げたい。 ①住友商事株式会社 住友商事では、「当社の知的財産への投資について」として、中期経営計画と関連付けた具体的な記載が見られた。ガイドラインのなかでも言及があるように、自社の競争優位がどこにあるかを明らかにする知財・無形資産の投資・活用戦略の開示は、競合企業に手の内をさらすことにもなり、事業に悪影響を与えかねないという意見もあるなかで、自社の戦略と関連付けて具体的に記載している住友商事の開示事例は非常に参考となるものといえよう(図表4)。あえて詳細に手の内をさらす必要性はないが、自社の経営戦略を実行するにあたり、どの戦略に関してどのような知財・無形資産の投資を想定しているかを内外に示すことは、戦略のポテンシャル、その実現性も含めて投資家へのアヒールとしても非常に有用であるといえる。 ②積水ハウス株式会社 積水ハウスでは、同社が考える知的財産への投資の具体的な内容の開示に加え、知的財産を 統括する専門組織として、知的財産室を新設した旨も公表している。これにより、同社の知的財産投資への意気込み、積極性も伺えよう。さらに、具体的な内容の定性的開示に加え、研究開発費の実績金額や、意匠権や特許権の保有件数を開示するなど、定量的にさらに踏み込んだ開示まで 行っている点は、先行事例として非常に参考になろう(図表5)。 住友商事株式会社 コーポレート・ガバナンス報告書 最終更新日:2022年1月4日 https://www2.jpx.co.jp/disc/80530/140120211223560211.pdf 積水ハウス株式会社 コーポレート・ガバナンス報告書【最終更新日:2022年1月26日】 https://www.sekisuihouse.co.jp/library/company/info/gov/g20220126.pdf 令和3年の税関における知的財産侵害物品の差止状況について財務省財務省関税局業務課 知的財産調査室から3月4日付けでアップされています。
https://www.mof.go.jp/policy/customs_tariff/trade/safe_society/chiteki/cy2021/index.htm 輸入差止件数が28,270件で前年と比べて6.7%減少したものの高水準で推移していて、輸入差止点数は819,411点で前年と比べて39.1%増加。 地域別の輸入差止件数では、中国が全体の77.4%(21,885件)を占め、引き続き高水準。 電気製品の輸入差止点数は104,848点で前年と比べて62.0%増加。 医薬品の輸入差止点数は21,502点で前年と比べて579.2%増加。 1日平均で、77件、2,244点の知的財産侵害物品の輸入を差し止めていることになる。 輸入差止価額は、推計で約164億円。 輸入差止件数は、偽ブランド品などの商標権侵害物品が27,424件(構成比96.0%、前年比7.0%減)で、引き続き全体の大半を占め、次いで偽キャラクターグッズなどの著作権侵害物品が674件(同2.4%、同17.0%増)。 輸入差止点数についても、商標権侵害物品が621,684点(構成比75.9%、前年比49.2%増)で、全体の大半を占めており、次いで著作権侵害物品が96,345点(同11.8%、同31.6%増)。 輸入差止件数は、財布やハンドバッグなどのバッグ類が9,570件(構成比28.8%、前年比3.6%減)と最も多く、次いで衣類が9,088件(同27.4%、同0.9%減)、靴類が3,934件(同11.9%、同100.5%増)、時計類が1,672件(同5.0%、同58.8%減)。 輸入差止点数は、衣類が108,684点(構成比13.3%、前年比60.8%増)と最も多く、次いでイヤホンなどの電気製品が104,848点(同12.8%、同62.0%増)、バッグ類が44,984点(同5.5%、同7.1%増)、コンピュータ製品が44,110点(同5.4%、同2.8%増)。 税関で輸入を差し止めた侵害物品の例も掲載されており、税関で輸入を差し止めている例が多いことを示しています。 個人輸入に関する規制が強化されていますが、今後その効果がどの程度現れるでしょうか。 第84回知財実務オンライン:「特許検索手法の見直し~短時間でkそれらしい特許をみつける手順~」(英究特許事務所 代表弁理士 小島 浩嗣)のアーカイブ動画を視聴しました。(約1時間40分)
全146頁の プレゼン資料も無料公開されています。 検索手順を定型化することによって、試行錯誤を減らし、かけた時間・労力に見合った特許文献を抽出することを目指した特許検索手法の紹介で、「『折り畳みスマホ』の特許を探す」J-Plat Patを使った検索([論理式入力]を使った検索)の実例付き。 「検索手順を定型化する」ところの工夫が参考になります。 (第84回)知財実務オンライン:「特許検索手法の見直し~短時間でそれらしい特許をみつける手順~」(ゲスト:英究特許事務所 代表弁理士 小島 浩嗣) https://www.youtube.com/watch?v=eAjKGUpla40 プレゼン資料: https://lib.aq-patent.com/wp-content/uploads/2022/02/20220303_ChizaiJitsumuOnline.pdf I 検索手順を定型化……試行錯誤を減らす かけた時間・労力に見合った特許を抽出 調査観点の把握と検索式の作成 適切な特許分類を特定する予備検索 徐々に探索範囲を拡大する検索 II検索の実例 「折り畳みスマホ」の検索 「IP BASE」は、特許庁が開設している スタートアップ向けの知財コミュニティポータルサイトですが、「IP BASEチャンネル」は、知財やスタートアップについて学べるコンテンツや基礎知識を提供している「IP BASE」の公式YouTubeチャンネルです。
よくわかるIPランドスケープ!シクロ・ハイジア小林さんに聞いてみた 2022/02/28 https://www.youtube.com/watch?v=gYaQD_y4kPA 無料で取れる知財情報が宝になる!IPランドスケープ活用事例をご紹介 2022/03/04 https://www.youtube.com/watch?v=2IK7xfYbo4A 株式会社シクロ・ハイジアの代表取締役CEO 小林 誠氏が、IPランドスケープについてコンパクトに解説しています。社内での説明用等に参考になります。 よくわかるIPランドスケープ!シクロ・ハイジア小林さんに聞いてみた 2022/02/28 00:00~ オープニング 00:11~ 今回のテーマ 00:27~ 特別ゲスト 小林 誠さんのご紹介 00:44~ シクロ・ハイジアの仕事とは? 01:37~ IPランドスケープとは? 02:44~ 事業戦略に特許情報はどう活用する? 03:39~ 公開されている特許情報からわかること 06:15~ エンディング 無料で取れる知財情報が宝になる!IPランドスケープ活用事例をご紹介 2022/03/04 00:00~ オープニング 00:10~ 今回のテーマ 00:45~ IPランドスケープの事例紹介① 02:23~ IPランドスケープの事例紹介② 03:43~ スタートアップのIPランドスケープ活用方法 05:13~ スタートアップと大企業の課題 06:31~ 起業前から知財を取得することが重要 07:12~ IP ePlatの紹介 07:57~ エンディング 令和4年3月4日(金)~令和4年4月4日(月)の期間で、「知的財産推進計画 2022」の策定に向けた意見が募集されています。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/pdf/suishin2022_iken_boshu.pdf 「知的財産推進計画 2021」について見直すべき点や、「知的財産推進計画 2022」に新たに盛り込むべき政策事項等について、ということで、参考情報として、ア) 《「知的財産推進計画2021」重点事項》、イ) 《構想委員会の主要検討事項》などが添付されています。 第 1 回構想委員会(令和4年1月31日開催)における配布資料が「知的財産推進計画2021」の推進状況を説明していて参考になります。全26頁中、9頁(P3-P11)が競争力の源泉たる知財の投資・活用を促す資本・金融市場の機能強化(・「コーポレートガバナンス・コード」改訂による企業の知財経営強化・「知財・無形資産の投資・活用戦略の開示及びガバナンスに関するガイドライン」の策定)に充てられています。 今後は、第2回構想委員会(3月上旬メド)で各WG等の検討状況中間報告、第3回構想委員会(4月下旬メド)で、知的財産推進計画2022たたき台、各WGの検討状況最終報告、第4回構想委員会(5月上旬メド)で知的財産推進計画2022素案が示される予定とのこと。 ア) 《「知的財産推進計画2021」重点事項》 1.競争力の源泉たる知財の投資・活用を促す資本・金融市場の機能強化 (1) 知財投資・活用促進メカニズムの構築 (2) 価値デザイン経営の普及と実践の促進 2.優位な市場拡大に向けた標準の戦略的な活用の推進 (1) 官民一丸となった重点的な標準活用推進 (2) 標準必須特許の戦略的獲得・活用 (3) オープンソースの活用基盤の強化 3.21 世紀の最重要知財となったデータの活用促進に向けた環境整備 4.デジタル時代に適合したコンテンツ戦略 (1) デジタル時代のコンテンツ戦略と著作権制度・関連政策の改革 (2) コンテンツ・クリエーション・エコシステムを支える取組 5.スタートアップ・中小企業/農業分野の知財活用強化 (1) スタートアップ・中小企業の知財取引の適正化 (2) スタートアップ・中小企業の知財活用支援 (3) 農林水産業分野における知財活用環境の強化 6.知財活用を支える制度・運用・人材基盤の強化 (1) 知財分野におけるソフトローの活用 (2) 知財紛争解決に向けたインフラ整備 (3) 知的財産権に係る審査基盤の強化 (4) 産学連携における知財活用の促進 (5) 知財を創造する人材の育成 7.クールジャパン戦略の再構築 (1) CJ 関連分野の存続を図る (2) 新型コロナによる影響 (3) CJ 戦略再構築の考え方 イ) 《構想委員会の主要検討事項》 ※第 1 回構想委員会(令和4年1月31日開催)における配布資料 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kousou/2022/dai1/gijisidai.html ウ)《参考 URL》 ・知的財産戦略本部 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kaisai.html ・構想委員会 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kousou/ 「知的財産推進計画2021」とその推進状況について 2022年1月 内閣府 知的財産戦略推進事務局 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/kousou/2022/dai1/siryou2.pdf 3月3日に行われた第17回産業構造審議会知的財産分科会を傍聴しました。
出願・審査の現状、財政点検小委員会の活動報告、知財活用アクションプラン(中小企業・スタートアップ版、大学版)の紹介、標準必須特許に係る動向報告、特許情報に基づく競争力分析(1)特許情報に基づく技術的指標の分析(2)特許出願技術動向調査の今後の方向性、来年度に向けて(1)実施庁目標(2)来年度の新規・拡充事業の説明と質問が約1時間、自由討議が1時間強でした。 詳細な議事録が公開されるはずですが、各委員が活発に発言されていました。経済安保に係る質問、意見も出されましたが、国会審議中ということを理由に特許庁からの説明は不明瞭でした。残念でした。 第17回産業構造審議会知的財産分科会 配布資料 https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/chizai_bunkakai/17-shiryou.html 第17回産業構造審議会知的財産分科会 配布資料 日時:令和4年3月3日(木曜日)10時00分~12時00分 場所:WEB会議室 議事次第 開会 出願・審査の現状 財政点検小委員会の活動報告 知財活用アクションプラン(中小企業・スタートアップ版、大学版)の紹介 標準必須特許に係る動向報告 特許情報に基づく競争力分析 (1)特許情報に基づく技術的指標の分析 (2)特許出願技術動向調査の今後の方向性 来年度に向けて (1)実施庁目標 (2)来年度の新規・拡充事業 自由討議 閉会 配布資料 議事次第(PDF:55KB) 資料1:委員名簿(PDF:115KB) 資料2:出願・審査の現状(PDF:804KB) 資料3:財政点検小委員会の活動報告(PDF:1,296KB) 資料4:知財活用アクションプラン(中小企業・スタートアップ版、大学版)の紹介(PDF:1,220KB) 資料5:標準必須特許に係る動向報告(PDF:1,071KB) 資料6:特許情報に基づく競争力分析(PDF:2,765KB) 資料7:来年度に向けて(PDF:2,419KB) 参考資料1:各小委員会の活動(PDF:993KB) [更新日 2022年3月3日] AI Samuraiが2021年12月に提供を開始した「AI特許作成」のシステムについて、経済産業省は、本件システムを用いた書類作成行為が弁理士の監督下で行われていることを条件に「適法」と判断しました。
規制適用の有無を所轄官庁に確認できる「グレーゾーン解消制度」で経産省に問い合わせたところ、経産省は2月18日付で、弁理士の監督下にあるという条件を満たせば「弁理士法に違反しない」と回答しています。 AI Samuraiの新機能は、従来のAI審査シミュレーションに加え、「AI特許作成」(3分でできる特許明細書、必要な情報を与えるとAIが特許明細書のドラフトを短時間で作ってくれる)、ということでした。デモを見る限り、そのままでは知財部門や特許事務所では使い物にならないかもしれませんが、研究開発の技術者が発明提案書を作成するのには、良いツールのように思えました。さらにレベルアップされることを期待しています。 新機能「AI特許作成」プレゼン動画 https://www.youtube.com/watch?v=GmGUb8bF-A0&t=22s AIで特許書類作成、サービス拡大 経産省「適法」認め https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC151Z50V10C22A2000000/ 新事業活動に関する確認の求めに対する回答の内容の公表 https://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/shinjigyo-kaitakuseidosuishin/press/220218_yoshiki.pdf 事業名及び申請事業者 特許出願サポートシステムの提供 【申請事業者】 特許出願サポートシステムの提供を検討する中小企業 省内担当課室 特許庁総務部企画調査課弁理士室 申請日及び回答日 【申請日】令和4年1月19日 【回答日】令和4年2月18日 https://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/shinjigyo-kaitakuseidosuishin/result/gray_zone.html 様式第十三(第4条関係) 新事業活動に関する確認の求めに対する回答の内容の公表 1.確認の求めを行った年月日 令和4年1月19日 2.回答を行った年月日 令和4年2月18日 3.新事業活動に係る事業の概要 本件事業は、ユーザ(研究者、発明者、弁理士等)が入力した発明内容(新しいアイデア) 及び複数の類似する先行特許文献に基づいて、特許出願書類の記載例のサポートとなる文章を 自動出力するシステム(以下「本件システム」という。)を開発・提供するものである。 本件システムの具体的な利用手順は以下のとおりである。 (1)ユーザは、ブラウザ画面から、発明内容を文章で入力するとともに、先行技術文献であ る基準特許と類似特許群(500件以下)を文献番号で指定する。 (2)本件システムにより、発明内容を分割し、分割された構成に含まれるセンテンスまたは 単語を抽出し、その抽出された文字群に基づいて類似文献から当該文字群を説明する該 当箇所を抽出し、明細書の項目に合わせて再配置し出力する。 (3)当該出力結果は、ブラウザ画面上の編集機能又はワード文書へのエクスポート機能を通 じて、弁理士によって修正・確認をされ、特許庁に出願される。 本件システムにおいて、ユーザは、上記(3)においてエクスポートされたワード文書を用 いて特許出願を行うにあたり、弁理士に当該文書の内容確認及び修正を受けることを前提とす る。すなわち、ユーザは、本件システムを利用する際に、本件システムを用いた最終的な特許 出願書類の作成行為に弁理士が確実に関与することについて、例えば、本件システムの利用規 約や、別途誓約書等で明確にする。 本件システムの提供先として想定する顧客としては、弁理士、特許業務法人又は弁理士が在 籍する企業とし、弁理士が在籍しない企業に対しては別途弁理士又は特許業務法人と出願委託 契約を締結することを前提として提供する。 4.確認の求めの内容 本件事業が弁理士法第75条に抵触するか。 5.確認の求めに対する回答の内容 本件システムを弁理士又は特許業務法人に提供する場合、本件システムが出力する書類デー タは弁理士又は特許業務法人のみがアクセスできるものであるから、本件システムを用いた書 類作成行為は弁理士の監督下で行われており、弁理士法違反とならないと考えられる。 他方、本件システムを弁理士が在籍する企業又は弁理士が在籍しない企業に提供する場合、 本件システムを用いた書類作成行為に弁理士が関与することが確実に担保されるよう、十分か つ客観的な制度的・運用的手当を講じている限りにおいて、当該書類作成行為は弁理士法違反 に該当しないと考えられる。 ただし、本件システム利用の具体的態様により、弁理士が書類作成に実質的に関与しておら ず、いわゆる「名義貸し」に相当すると認められる場合、本件システムを用いた書類作成行為 が弁理士法違反となる可能性がある。 なお、上記回答は、今般照会のあった事業についてのみ判断したものであり、他の事業等に おける判断を示すものではない。 また、本制度における回答は、あくまで該当法令における取り扱いについてのみ判断したも のであり、他の法令等における判断を示すものではない。 2月 4日 AI SAMURAI新機能「AI特許作成」 月刊パテント2022年1月号では、<進歩性>が特集されており、弁理士会のホームページで無料公開されました。
早稲田大学 高林龍教授の序言、髙部眞規子弁護士の「進歩性を考える」、高石秀樹弁護士の「進歩性の全論点網羅」川田篤弁護士の「特許無効と特許権の安定性-ドイツの状況と対照しての我が国の状況-」など、参考になりました。 https://system.jpaa.or.jp/patent https://system.jpaa.or.jp/patent/?type=1&year%5Byear%5D=2022&month%5Bmonth%5D=01 2月28日、私が執筆者の一人となっている書籍「With· Afterコロナで生まれた新しい潜在・将来ニーズの発掘と新製品開発への応用」が出版されました。
https://www.gijutu.co.jp/doc/b_2142.htm ①コロナがもたらした、生活環境、好み、消費行動の変化とは︕ ②生活者が気づいていないニーズ、生活者が諦めているニーズとは︕ ③次の狙いはここだ︕注目市場の動向を解説︕︕ ④AI、テキストマイニングを使った潜在ニーズの発掘方法︕ ⑤膨大な文献・特許情報からの仮説により将来ニーズを見出すには︕ ⑥意外とある︕ 社内に埋もれている顧客ニーズを見つける方法︕ ⑦オンラインで顧客のニーズを掴み取る方法とは︕ ⑧テレワーク環境下での技術マーケィング実践のポイントとは︕︕ ⑨生体情報から顧客,消費者のニーズを抽出する方法とは︕ ⑩見つけ出した潜在・将来ニーズを研究開発テーマへ落とし込むには︕ など、参考になると思います。 私は、第5章 第5節 「特許情報から潜在ニーズを発掘する方法とその活用の仕方」を担当しました。(P.290~P.299) |
著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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