大和総研の「企業価値を高める知財・無形資産の投資・活用戦略とは? ~改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応・事例~」で、「積水ハウスでは、同社が考える知的財産への投資の具体的な内容の開示に加え、知的財産を統括する専門組織として、知的財産室を新設した旨も公表している。これにより、同社の知的財産投資への意気込み、積極性も伺えよう。さらに、具体的な内容の定性的開示に加え、研究開発費の実績金額や、意匠権や特許権の保有件数を開示するなど、定量的にさらに踏み込んだ開示まで行っている点は、先行事例として非常に参考になろう。」と評されていた積水ハウス株式会社コーポレートガバナンス報告書。
「同社が考える知的財産への投資の具体的な内容の開示」 「知的財産を統括する専門組織として、知的財産室を新設した旨の公表」 「具体的な内容の定性的開示に加え、研究開発費の実績金額や、意匠権や特許権の保有件数を開示するなど、定量的にさらに踏み込んだ開示まで行っている」 点が評価されています。 積水ハウスは、【ハウスメーカー】の他社牽制力ランキング2020で2位、【ハウスメーカー】特許資産規模ランキング2020で5位、改正意匠法の建築物・内装の意匠登録で企業別に見た登録数は最多です。新設された知的財産室の室長は、他の業界で実績もあり力のある方ですので、今後の取組に注目したいと思っています。 積水ハウス株式会社 コーポレートガバナンス報告書 最終更新日:2022年1月26日 https://www2.jpx.co.jp/disc/19280/140120220118569148.pdf 補充原則3-1③ 3)知的財産への投資 <投資> 当社グループは、研究開発の重要性を認識し、「総合住宅研究所」「住生活研究所」を中心とする研究開発拠点への十分な研究開発費の投入や積極的な設備投資を行っています。 また、近年では、プラットフォームハウス事業などの新規事業領域を中心として、産学連携や、異業種の企業とパートナーシップにより、将来的な事業の推進に資する分野にも積極的に投資しております。 さらに、お客様参加型イベントを開催する「住ムフムラボ」や住環境に関する様々な体験の機会提供する「納得工房」など、直接な技術開発以外にも積極的に投資し、これらよって得られるものを総合して、経営資源(知的資本)と位置付けております。 <成果の保護> こうした知的資本のうち、技術、デザインは、特許権や意匠権で保護を図り、また、お客様から得たお声に加え、長年の取り組みによるノウハウ、データなども、営業秘密として保護を図っております。 さらに、投資結果の事業化段階においては、ネーミングにもこだわり、それを商標権で保護し、バリューチェーンを通じお客様にご満足、安心を提供するための象徴としています。 なお、これらの活動を従来以上に重要視し、2021年8月には、知的財産を統括する専門組織として、知的財産室を新設し、また、社内での育成にとどまらず、他社で知財の統括責任者を務めた人物を含め、知財の専門家を積極的に採用しています。 <継続的成長のために> このような投資とその成果の保護の両輪によって、当社のコアコンピタンスである「技術力」、「施工力」、「顧客基盤」を構築し、また、住まいづくりのすべてのプロセスを担う「独自のバリューチェーン」で競争優位性を発揮することで、お客様への価値提供とともに、継続的な企業成長を支える根幹を成しています。 (2021年1月末実績) ・研究開発費 96億円 ・意匠権保有件数 308件 ・特許権保有件数 641件 【ハウスメーカー】他社牽制力ランキング2020 トップ3はミサワホーム、積水ハウス、大和ハウス 2021年06月10日 https://www.patentresult.co.jp/news/2021/06/fcithouse.html 【ハウスメーカー】特許資産規模ランキング2020 トップ3は大和ハウス、トヨタホーム、ミサワホーム 4位旭化成ホームズ、5位積水ハウス 2021年03月11日 https://www.patentresult.co.jp/news/2021/03/house.html 意匠登録総まくり 新制度による登録は100件超 最多は積水ハウス https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/na/18/00134/033100002/ 改正意匠法施行日の2020年4月1日から21年3月15日までの約1年間で、建築物・内装の意匠登録は107件に上ることが日経アーキテクチュア集計で判明した。建築物の登録件数は内装の4倍に達し、うち約80%は住宅だった。 企業別に見た登録数は、積水ハウスの28件が最多。大東建託、ミサワホームといった住宅会社が続く。
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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