店頭で見て、場違いとも思える壮麗な装丁の本「世界の知的財産権」に驚きました。そして、新たに創作された「知的財産権の紋章」が映えます。
WIPO(世界知的所有権機関)、および、日本・米国・欧州・中国・韓国、台湾の産業財産権(特許権・実用新案権・意匠権・商標権)、著作権・植物新品種権・GI、また不正競争防止法、独占禁止法の他、知財関連法域全般(条約、コモン・ロー体系と欧州大陸法系、EU法、知的財産基本法、外商投資法、技術管理輸出条例、関税法、他)を解説しており、海外へ進出する者にとって必要な知財の知識等が提供されていいます。 「世界の知的財産権」グローバル視点で知的財産権制度の活用が必須の今、読むべき一冊 https://note.com/ookinanami/n/n7117c61afac9 世界の知的財産権 (現代産業選書) 単行本 – 2021/12/7 大樹 七海 (著), 正林 真之 (監修), 大熊 雄治 (監修) https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E7%9F%A5%E7%9A%84%E8%B2%A1%E7%94%A3%E6%A8%A9-%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E7%94%A3%E6%A5%AD%E9%81%B8%E6%9B%B8-%E5%A4%A7%E6%A8%B9-%E4%B8%83%E6%B5%B7/dp/4806530697
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本ブログ11月16日にも取り上げました、CEATEC2021で行われた「経営・事業に資する知財情報の活用に向けて」という対談の動画がIPePlatで無料公開されました。(約1時間、 CEATEC 2021 ONLINEにて公開された動画を二次利用、2022年9月30日までの限定公開)トヨタの取組みと特許庁の取組みがコンパクトにまとめられており、対談では、小林 誠氏がうまく引き出しています。
https://ipeplat.inpit.go.jp/Elearning/View/Course/P_coseview.aspx#no-back 【モデレータ】が、株式会社シクロ・ハイジア 代表取締役CEO 小林 誠氏、【対談者】が、トヨタ自動車株式会社 知的財産部 部長 飯田 陽介氏と特許庁 総務部 企画調査課 課長 仁科 雅弘氏となっています。 「経営・事業に資する「知財情報」の活用の現状や、先進的に「知財情報」を経営・事業に活用している企業の取組について紹介するとともに、効果的な「知財情報」の活用の気付きを提供します。」というものです。 (2分) 経営・事業に資する知財情報の活用に向けて 特許庁 総務部 企画調査課 課長 仁科 雅弘氏 企業価値の源泉としての無形資産の重要性の高まり 経営デザインシートとIPランドスケープ 知財がビジネスにおいて果たす代表的役割 新規参入市場や提携候補企業の抽出((株)旭化成様ご提供) IPランドスケープの理解・必要性・実施状況 知財情報を経営に活用するには・・・ 特許出願技術動向調査(技術テーマ別)とは 技術テーマ毎の調査手法 調査技術テーマ 機械翻訳分野での調査結果例(全体傾向) 機械翻訳分野での調査結果例 (17分) 新しい時代に向けたトヨタの知財活動 トヨタ自動車株式会社 知的財産部 部長 飯田 陽介氏 SDGsへの取り組み 社会課題解決を通じてSDGs達成、幸せの量産に貢献 企業は利益を得て社会課題を本質的に解決 カーボンニュートラル達成に貢献⇒SDGs実現 SDGs知財活動(IP Teammate) 未知の道を進むには、強い意志と地図となる情報が必要 IP Teammateの基本的考え方 「経営陣と共に」IP戦略の方向性を決定 経営の意思が反映されたIP戦略の具体化 具体化されたIP戦略の実行 経営の意思が入ったIP戦略事例 電動化特許無償オープン 新ビジネス開発テーマ創出 アライアンス戦略 Other 地球規模での電動車の普及のために 車両電動化技術の特許実施権を無償で提供 特許オープン戦略する場合の検討事項 (取り巻く環境) 普及による社会的意義 市場トレンド オープンにする目的 (技術動向) 技術の優位性 競合他社の技術レベル サプライヤーの成熟度 (特許) 特許の優位性 量・質 特許の注目度 (31分) パネルディスカッション 知財情報の有用性 無形資産の重要化 技術動向調査の活用 SDGs、カーボンニュートラルと知財 IPランドスケープ活動 IPチームメイト 経営層の意志 コーポレートガバナンス・コード (58分35秒) 横浜ゴムはこのほど、中国においてアルミホイールの模倣品排除に成功したと発表しました。中国の広東省佛山市において、正規販売ルート以外のインターネット通信販売(ECサイト)や販売店舗においてスポーツ系アルミホイール「ADVAN Racing」の模倣品を販売していた模倣品販売業者4社の情報を佛山市市場監督管理局に提供、摘発の申立てを行い、佛山市市場監督管理局は、情報提供および申立てを受け、模倣品販売業者4社を同時に摘発しアルミホイール模倣品を押収、模倣品販売業者4社全てに対してアルミホイール模倣品の破棄と過料の支払いを命じる行政処罰を決定したとのことです。
住友ゴム工業は、数年前より、模倣品企業の「生産時」と「輸出時」に焦点を絞った対策として、模倣品を生産する工場のある国で、生産プロセスに関する特許を出願・取得して生産停止させる、また、模倣品流通の中継地点がある国でトレッドパターンや溝の深さなど、外観に関する特許を細かく取得するということを粘り強くすすめているようで、その成果と言えそうです。 訴訟という司法による排除だけでなく、行政の力も借りて模倣品を排除する、中国での模倣品対策の王道でしょう。 横浜ゴム、アルミホイール「アドバンレーシング」の模倣品排除に成功 https://news.yahoo.co.jp/articles/331b3e4dc6eb8b71aff22bb3b25e0176b7f14d97 横浜ゴム、中国でアルミホイールの模倣品を排除 https://www.y-yokohama.com/release/?id=3681&lang=ja IPジャーナル19号(2021年12月発行)に、「日立における環境と知的財産に関する取り組み」が掲載されています。(株)日立製作所 知的財産本部の佐藤 英二郎氏、比嘉 正人氏、下萩原 勉氏の共著です。
2021年度に知的財産本部に新設された「環境知財強化センタ」は、「知的財産本部全体で価値起点を意識し、環境価値への貢献につながる知財活動を強化する仕組みづくりを行い、知的財産本部内に展開して実行につなげ、環境ビジネスに役立てていくことを方針」としているとのことで、今後の日立グループの環境事業成長や環境価値の向上の最大化への寄与が期待されます。 日立における環境と知的財産に関する取り組み IPジャーナル19号(2021年12月発行)P18-28 http://fdn-ip.or.jp/ipjournal/opened_articles/ http://fdn-ip.or.jp/files/ipjournal/vol19/IPJ19_18_28.pdf 〈要約〉世界的に環境課題へ注目が集まり、その解決がより重要視されるようになっている。環境課題の解決のためには世界規模で協力し新たなイノベーションを起こすと同時に、持続可能な事業として取り組むことが必要不可欠である。日立は、環境課題の解決に寄与するイノベーションを大きな事業機会と捉え、環境課題の解決に事業を通じて貢献し、「環境の日立」「Climate Change Innovator」となることをめざしている。知財活動においても今、持続的事業成長と環境課題解決を双方共に実現すべく、前例にとらわれず、新しい時代の新しい取り組みへチャレンジしている。
2022年1月から特許庁の公報システムが変わるということに不安を抱いている人が増えているようです。
公報システム刷新による実務への影響が想定される点は、下記の3点と思われます。 1)「毎週発行」から「毎日発行」を原則とする。 ・公報の発行の頻度が変わるだけであり、公報の発行時期のスケジュールは同程度。 ・特許異議申立については「特許掲載公報の発行の日から六月以内」、商標異議申立については「商標掲載公報の発行の日から二月以内」に申し立てることが必要であり、公報の発行日が重要となる。そのため、異議申立にあたっての出願経過のウオッチング等の運用には、多少影響を与える可能性がある。 2)法律で定められていない再公表特許を廃止。 ・2020年の公開系公報の発行総件数が270,125件の7.8%を占める再公表特許(2020年に21,074件発行)が廃止される。そのため、今後特許庁は公開情報としては国際公開公報での確認を呼びかけている。 ・SDI調査のやり方に影響を与える可能性がある。収録時点では国際公開の情報なのでFI/Fタームがなく検索対象外となることに注意が必要。 3)法律で定められていない判定公報を廃止。 ・判定の結果を公報で知ることはできない。判定の結果を知る方法としてはJ-PlatPatで検索して経過情報を確認する等をして情報を取得する方法が考えられる。 商用データベース各社では、上記の影響について各種の工夫を加えていて問題が起きないようにしていると聞いています。 公報システム刷新に対応した公報の発行について https://www.jpo.go.jp/system/laws/koho/oshirase/system-sasshin20201222.html 公報システム刷新に対応した公報の発行について 2020年12月22日 特許庁総務部普及支援課 平素より、特許公報類(以下、「公報」という。)の活用に御理解と御協力をいただき御礼申し上げます。 特許庁業務・システム最適化計画(2013年3月15日策定)に基づき、公報システム刷新(2022年1月に稼働予定)に対応した公報の発行について、以下のとおりお知らせします。 1.公報システム刷新に対応した公報の発行について 公報システム刷新に対応した公報については、新たに公報発行サイト(新URL)を立ち上げ、2022年1月12日から発行する予定です。 2.公報システム刷新による主な変更点 (1)公開公報(特許)、登録公報(特許及び実用新案) 「毎週発行」から「毎日発行」を原則とする。 採用するWIPO標準を「ST.96」とする。 PDF(Portable Document Format)ファイルの収録を廃止。 法律で定められていない再公表特許を廃止。 (2)登録公報(意匠)、公開公報(商標)及び登録公報(商標) 「毎週発行」から「毎日発行」を原則とする。 発行形式を「SGML」から「XML」とする。 採用するWIPO標準を「ST.96」とする。 (3)審決公報 発行形式を「SGML」から「XML」とする。 法律で定められていない判定公報を廃止。 (4)公示号 特許庁公報(審査請求リスト(特実)、拒絶査定出願放棄・取下・却下リスト(特許)、目録(商標)、拒絶査定出願放棄・取下・却下リスト(商標)、公示号)を「公示号」として発行する。 「毎月発行」から「毎日発行」を原則とする。 発行形式を「PDF(Portable Document Format)ファイル」から「CSV」とする。 2021年10月27日発売、権利行使できる特許の取り方を解説した、元特許庁長官の荒井寿光氏推薦の本「オオカミ特許革命」。
第1部「日本の実態と意識革命編」第1章では、極論ではありますが、狭い特許しか獲れない日本の実態を紹介し、これが日本のイノベーションが停滞している原因としています。 第1部「日本の実態と意識革命編」第2章では、特許制度を運用する側(特許庁・審査官・審判官)と、特許制度を利用する側(発明者・特許担当者・弁理士・経営者)の双方に内在する、権利行使できる特許が取得できない数々の根深い問題を紹介し、それらの解決方法を解説しています。「驚くべきことに、審査官や審判官だけでなく、発明者や弁理士までもが、特許の権利範囲を狭くしてしまうのです。」権利範囲の狭さという問題にフォーカスされてしまっていますが、権利範囲の狭さを象徴的な問題としてとらえるべきでしょう。 第2部「オオカミ特許獲得編」第3章から第7章では、権利行使できる特許(=この本では「オオカミ特許」と呼んでいる)を獲得する考え方と方法を具体的な事例をもとに解説しています。特に目新しいことはありません。 最終章では、オオカミ特許を定常的に獲得できるプロパテントカンパニーに変革するシナリオが書かれています。 センセーショナルな表現に満ちており、極論過ぎる点もありますが、これくらいのインパクトがあったほうが、目が覚める人が多いかもしれません。 技術評論社ページ https://gihyo.jp/book/2021/978-4-297-12397-0 目次 第1部 日本の実態と意識革命編 第1章 事業や技術を守るべき発明が、 権利行使できない特許になってしまう日本 第2章 特許の誤った固定観念と、それを打破する意識革命 第2部 オオカミ特許獲得編 第3章 オオカミ特許を獲るための肝「特許請求の範囲」 第4章 「拒絶理由通知」にひるむな! 第5章 審査での権利化戦略;公正な判断をあおぐ「拒絶査定不服審判」 第6章 「補正」で特許を変幻自在に操れ! 第7章 特許の可能性を大きく広げる!「分割出願」 最終章 プロパテントカンパニーへの道 「オオカミ特許プロジェクト」のご提案 オオカミ特許革命 事業と技術を守る真の戦略 単行本(ソフトカバー) – 2021/10/27 田所 照洋 (著) ●攻めのオオカミ特許が企業を強くする ――元特許庁長官 荒井寿光 ●日本企業への処方箋がここにある! ――元リコー会長 近藤史朗 「苦労してノルマを達成して出願したのに、何の役にも立たない」 「模倣品が出てきても、訴えることすらできない」 「しかも、特許の数だけ模倣者にアイデアという塩を送ってしまう……」 ……数だけの権利行使できない「ヒツジ特許」を量産していませんか? 特許の真の実態と特許制度の問題を知らない限り、競合他社の模倣を抑制し、利益を生み出す特許――「オオカミ特許」は取得できません。 「特許審査の罠を見破る方法(毒団子拒絶理由/ステルス拒絶理由通知)」 「ヒツジ特許をオオカミ特許に変革する、一番大事なルール(オールエレメントルール)」 「「キルビー特許」は、いかにして日本で1兆円稼げる特許になったのか?(オオカミ特許の獲得戦略)」 40年の実務経験を持つエキスパートだからこそ書けた、唯一無二の実践知見。 知財系ライトニングトーク #14 拡張オンライン版 2021 秋 権利行使できる特許の取り方 解説本「オオカミ特許革命」の紹介 https://note.com/tadoterry/n/ne699320fdcac 11月19日に行われた独立行政法人経済産業研究所(RIETI)主催の公開ウェビナー「デザインと知財:デザイン経営宣言のその後」の動画と配布資料が無料で公開されています。
https://www.rieti.go.jp/jp/events/21111901/handout.html スピーカー・モデレータ:西垣 淳子(RIETI上席研究員) スピーカー:鷲田 祐一(RIETIファカルティフェロー / 一橋大学大学院経営管理研究科教授) コメンテータ:前田 育男(マツダ株式会社常務執行役員) コメンテータ:長谷川 豊(ソニーデザインコンサルティング株式会社代表取締役) コメンテータ:俣野 敏道(経済産業省商務情報政策局商務・サービスグループデザイン政策室長) コメンテータ:今村 亘(経済産業省特許庁デザイン経営プロジェクトチームリーダー) 2018年5月に経済産業省と特許庁が「競争力とデザインを考える研究会」の報告書として、「デザイン経営」宣言を公表し、同時に、意匠法の大幅改正も実施しましたが、宣言後の取り組みなどについて語られています。 「産業競争力とデザインを考える研究会」の報告書を取りまとめました https://www.meti.go.jp/press/2018/05/20180523002/20180523002.html デザインがもたらす企業側への価値をいかに評価していくかという点から、デザイン部門が組織経営に与える影響についての評価指標を策定しようとしているRIETIの研究プロジェクトも興味深いです。 神戸大学大学院法学研究科 前田 健 教授の論説です。ステーキ提供方法判決についても触れています。難しい議論ですが、現在の裁判所、特許庁の実務範囲を超えた議論です。
別冊パテント/74 巻 26 号p. 25-47(2021) ビジネス方法・ゲームのルールに関する発明の特許性と技術的範囲の判断 前田 健 https://www.jstage.jst.go.jp/article/patentsp/74/26/74_25/_pdf/-char/ja ビジネス方法・ゲームのルールに関する発明の特許性と技術的範囲の判断 神戸大学大学院法学研究科 教授 前田 健 キヤノンの知的財産活動は「キヤノン特許部隊」という書籍に典型的に表れており、知的財産活動の在り方を考えるとき常に現在はどうしているのだろうと気にしてきた存在です。
そのキヤノンの知的財産活動を紹介するウェブサイトを公開したというニュースを読み、さっそく隅々まで拝見させていただきました。やはり、非常に参考になりました。 キヤノンの知的財産活動を紹介するウェブサイトを公開 時代を拓く!知的財産分野において産業界をリードする活動とは!? https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000725.000013980.html ポイント① 知的財産分野において産業界をリードするキヤノンの活動 詳細:「主導するプロジェクト」https://global.canon/ja/intellectual-property/project/ ポイント② 時代を先読みした「攻めと守り」の知的財産戦略 詳細:「未来社会に向けて」https://global.canon/ja/intellectual-property/future/ 詳細:「知で攻める・知で守る」https://global.canon/ja/intellectual-property/dna/ 上記の他にも、模倣品の撲滅に向けた取り組みや、85年以上に渡る知的財産活動の長い歴史など、知的財産の面から今まで知らなかったキヤノンを知ることができます。 知的財産ウェブサイトURL:https://global.canon/ja/intellectual-property/ 知的財産活動の新たな可能性─キヤノンのインクジ ェット事業を事例として─ http://hdl.handle.net/10097/00125698 知的財産部門と開発部門の戦略的協働 キヤノンの事例から http://ip-edu.org/library/pdf/ipmr/ipmr17toukou01.pdf キヤノンにおける独自技術開発と知財戦略――複写機開発を例に―― http://www.jshit.org/kaishi_bn2/18_2tanami.pdf キヤノン特許部隊 (光文社新書) 新書 – 2002/2/1丸島 儀一 (著) 特許で守り、攻める。これが神話になった特許マンの仕事だ! 1950年代には未だカメラ専業メーカーであった、キヤノンの奇跡ともいえる60年あまりの歴史に、丸島の展開してきたビジネスはどのような役割をになったのか。企業戦略として特許を活用するとは、具体的にどのようなことなのか。昭和9年生まれの日本人が、朝からステーキを喰うアメリカのビジネスマンたちとどのように渡り合ってきたのか。そして私たち日本のビジネスパーソンは、特許あるいは知的財産権をどのように考え、仕事に生かすべきなのだろうか。 |
著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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