2022年1月から特許庁の公報システムが変わるということに不安を抱いている人が増えているようです。
公報システム刷新による実務への影響が想定される点は、下記の3点と思われます。 1)「毎週発行」から「毎日発行」を原則とする。 ・公報の発行の頻度が変わるだけであり、公報の発行時期のスケジュールは同程度。 ・特許異議申立については「特許掲載公報の発行の日から六月以内」、商標異議申立については「商標掲載公報の発行の日から二月以内」に申し立てることが必要であり、公報の発行日が重要となる。そのため、異議申立にあたっての出願経過のウオッチング等の運用には、多少影響を与える可能性がある。 2)法律で定められていない再公表特許を廃止。 ・2020年の公開系公報の発行総件数が270,125件の7.8%を占める再公表特許(2020年に21,074件発行)が廃止される。そのため、今後特許庁は公開情報としては国際公開公報での確認を呼びかけている。 ・SDI調査のやり方に影響を与える可能性がある。収録時点では国際公開の情報なのでFI/Fタームがなく検索対象外となることに注意が必要。 3)法律で定められていない判定公報を廃止。 ・判定の結果を公報で知ることはできない。判定の結果を知る方法としてはJ-PlatPatで検索して経過情報を確認する等をして情報を取得する方法が考えられる。 商用データベース各社では、上記の影響について各種の工夫を加えていて問題が起きないようにしていると聞いています。 公報システム刷新に対応した公報の発行について https://www.jpo.go.jp/system/laws/koho/oshirase/system-sasshin20201222.html 公報システム刷新に対応した公報の発行について 2020年12月22日 特許庁総務部普及支援課 平素より、特許公報類(以下、「公報」という。)の活用に御理解と御協力をいただき御礼申し上げます。 特許庁業務・システム最適化計画(2013年3月15日策定)に基づき、公報システム刷新(2022年1月に稼働予定)に対応した公報の発行について、以下のとおりお知らせします。 1.公報システム刷新に対応した公報の発行について 公報システム刷新に対応した公報については、新たに公報発行サイト(新URL)を立ち上げ、2022年1月12日から発行する予定です。 2.公報システム刷新による主な変更点 (1)公開公報(特許)、登録公報(特許及び実用新案) 「毎週発行」から「毎日発行」を原則とする。 採用するWIPO標準を「ST.96」とする。 PDF(Portable Document Format)ファイルの収録を廃止。 法律で定められていない再公表特許を廃止。 (2)登録公報(意匠)、公開公報(商標)及び登録公報(商標) 「毎週発行」から「毎日発行」を原則とする。 発行形式を「SGML」から「XML」とする。 採用するWIPO標準を「ST.96」とする。 (3)審決公報 発行形式を「SGML」から「XML」とする。 法律で定められていない判定公報を廃止。 (4)公示号 特許庁公報(審査請求リスト(特実)、拒絶査定出願放棄・取下・却下リスト(特許)、目録(商標)、拒絶査定出願放棄・取下・却下リスト(商標)、公示号)を「公示号」として発行する。 「毎月発行」から「毎日発行」を原則とする。 発行形式を「PDF(Portable Document Format)ファイル」から「CSV」とする。
0 Comments
Leave a Reply. |
著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
カテゴリー |