『「パナソニック知財」の水道哲学、事業の優位確保から社会の課題解決へ転換する知財戦略』という記事を読みました。
「無形資産を巡らし、価値に変えて、世界を幸せにする」というパナソニック知財のパーパス(存在価値)を制定、「これまでの知財部門は、知財によって競争優位性を守ることが中心であり、権利を使い、場合によっては他社を排除することに知財を用いてきた。だが、その考えを転換し、必要な人たちに使ってもらい、必要な人たちが活用することで、より大きな価値を生み、社会課題の解決につなげたい」というパナソニックホールディングス 技術部門知的財産部の德田佳昭部長。 パナソニック知財の活動によって、社会課題の解決への貢献が加速することを期待したい。 「パナソニック知財」の水道哲学、事業の優位確保から社会の課題解決へ転換する知財戦略 掲載日 2023/01/11 13:16 更新日 2023/01/11 14:18 https://news.mynavi.jp/article/newsinsight-193/ 時代とともに変化する知財戦略 パナソニックグループは、2022年4月から事業会社(持ち株会社)制へと移行。7つの事業会社は、事業の専鋭化を進める一方、持ち株会社であるパナソニックホールディングスによって、グループ全社視点での事業支援と、成長戦略の推進を担う体制となっている。それに伴い、知財部門の役割は、グループ全社の視点と事業会社の視点の双方から、無形資産をマネジメントし、知財の活用を、事業の優位性と事業の安全を確保するという2つのスコープに加えて、新たな貢献として、社会的価値の創造という領域にスコープを拡大することを決定した。また、それにあわせて、パナソニック知財のパーパス(存在価値)を制定。「無形資産を巡らし、価値に変えて、世界を幸せにする」ことを掲げることにした。 パナソニック知財の取り組みは「知の水道哲学」 「パナソニック知財の新たな取り組みは、社会の公器や水道哲学の実践につながる。『知の水道哲学』を実現する必要がある」 「パナソニック知財は、ひとつの企業のひとつの部門であり、できることは限られている。だが、世界は幸せにするという観点から、無形資産を活用していく仕組みを作ることが大切であると考えている」 社会課題の解決へ貢献する知財戦略 パナソニック知財では、これまでの行動を、4つの観点=活動起点、仕える先、扱う資産、役割、から「リデザイニング(再設計)」する。 リデザイニングによる取り組みを2つの例 ひとつは、パナソニックグループ向けの技術インデックスの提供 もうひとつは社外への活動、オープンイノベーションハブの活動 パナソニック知財では、新たにPanasonic IP Innovationプロジェクト(仮称)をスタート 無形資産を活用した脱炭素への取り組みを推進するGreen IP Network(仮称)も開始 無形資産を巡らせた先にある豊かな未来。これからのパナソニックグループが目指す知財部門の姿とは https://news.panasonic.com/jp/stories/13646 パナソニック ホールティングス株式会社 コーポレートガバナンス報告書 https://holdings.panasonic/jp/corporate/investors/pdf/pcg.pdf 【補充原則3-1-3 サステナビリティについての取り組み等】 (3)知的財産への投資について 当社は、創業以来、「事業の前に知財あり」の精神のもと、知的財産を重視してまいりました。現在も、事業の成長と企業価値の最大化のみならず、社会課題の解決への貢献も視野に入れて、知的財産を取得・管理し、その効果的な活用を目指しています。その一環としまして、当社のアニ ュアルレポートには、環境問題の課題解決に向けた知的財産に係る取り組みをご紹介しています。また、サステナビリティデータブックには、公正な事業活動の一環として模倣品対策の取り組みをご紹介しています。 なお、当社の2021年度の研究開発費は4,198億円(売上高研究開発費率6.3%)、特許・実用新案・意匠の出願件数は約1.5万件(うち海外約8,600件)であり、2022年3月現在の保有特許権・実用新案権・意匠権は計約10万件(うち海外約5万8千件)、保有商標権は計約1万6千件(うち海外約1万1千件)です。 パナソニック ホールティングス株式会社 アニュアルレポート(統合報告書) https://holdings.panasonic/jp/corporate/investors/pdf/annual/2022/pana_ar2022j_a4.pdf 知的財産の取り組み 当社グループでは、現在と将来にわたる事業の優位性と安全の確保だけでなく、社会課題の解決への貢献も視野に入れて知的財産活動を推進しています。 まず、自らの事業を通じた社会貢献の視点では、当社グループの知的財産をデータ・人材情報を含めた無形資産ととらえ、当社グループの知的財産約10万件(2022年3月現在)のうち、環境関連技術および情報関連技術に関する特許権を中心にその概要・発明者情報等をインデックス化しています。事業会社制の下でも当社グループ全体でリソースを最大限に活用して事業化や新事業創出を促進するため、無形資産と人とをつなぐ当社グループ共通のツールとして運用を始めています。 また、社会課題の解決には、多様なヒト・モノ・コトがつながり、協力しあうことが必要と考えており、無形資産を起点としたオープンイノベーションにも取り組んでいます。例えば、急速充電技術に関する当社の未活用特許について外部パートナーを通じて海外スタートアップ企業に譲渡することによって、無電化地域に明りを灯すという当該企業の事業を共創・支援しています。また、「Low Carbon Patent Pledge(低炭素特許の無償開放に関する枠組み)(」以下、LCPP)に日本企業としては初めて参画し、LCPPウェブサイトに掲載する当社特許(人工光合成関連)を無償開放しています。 当社グループは、今後も、「サステナブル」で「ウェルビーイング」な社会の実現に資する技術・無形資産について、自社での事業化や外部パートナーとの共創による事業化を含め、さまざまな形で社会実装を促進することにより、社会貢献を進めます。 知的財産 https://holdings.panasonic/jp/corporate/sustainability/pdf/sdb2022j-intellectual.pdf 「無形資産を巡らし、価値に変えて、世界を幸せにする」パナソニックグループの知財部門 https://yorozuipsc.com/blog/5030294 パナソニックのOKRによる知的財産活動のマネジメント https://yorozuipsc.com/blog/okr パナソニックの伴走型IPランドスケープ https://yorozuipsc.com/blog/ip6573081
0 Comments
Leave a Reply. |
著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
カテゴリー |