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令和4年(行ケ)第10030号「積層体」事件 「除くクレーム」と訂正要件

4/6/2023

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令和4年(行ケ)第10030号「積層体」事件は、は、オープンクレームにおいて特許請求の範囲や明細書で直接的に開示されていないものの、抽象的に含まれる可能性のある構成を「除く」とする訂正につき、特許請求の範囲の減縮にあたり、また、新規事項の追加にあたらないとしたものです。
「除くクレーム」とは、請求項に記載した事項の記載表現を残したままで、請求項に係る発明に包含される一部の事項のみをその請求項に記載した事項から除外することを明示した請求項をいい、「除くクレーム」が、補正(訂正)前の明細書等から導かれる技術的事項に何らかの変更を生じさせるものとはいえない、つまり、新たな技術的事項を導入するものではない場合に、許されます。
今回、被告である特許庁は、除くクレームとする本件訂正に関し、本件明細書に記載のない構成であり、先行技術文献に記載の構成を除くとする訂正について、訂正前の請求項の構成「内」について除くとする訂正に該当しないため、特許請求の範囲の減縮に該当せず、訂正要件違反であると主張しましたが、裁判所が指摘する通り、訂正前の請求項はオープンクレームであり、その他の構成(任意の層)を含む余地があり、前記その他の構成を含む積層体を除く本件訂正が、特許請求の範囲の減縮に該当することは明らかと考えられますので、被告である特許庁の主張には無理があるとした裁判所の判断は妥当であると考えられます。
本件は、「ソルダーレジスト(除くクレーム)事件」についての知財高裁大合議判決(知財高判平 20.5.30、平 18(行ケ)第 10563 号)が、新たな技術事項の導入があるか否かは、明細書や図面に限定事項の具体的な記載があるかどうかに関わらず、実質的観点から判断するものとした考え方にしたがったものです。
 
「除くクレーム」と訂正要件に関する「ポリエステル樹脂組成物の積層体」事件知財高裁判決について  投稿日 : 2023年4月5日
https://innoventier.com/archives/2023/04/14856
 
新規事項の審査基準の改訂について
https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/kijun_wg/document/seisakubukai-04-shiryou/05.pdf
1. 背景
特許庁では、「ソルダーレジスト(除くクレーム)事件」についての知財高裁大合議判決(知財高判平 20.5.30、平 18(行ケ)第 10563 号)を受けて、審査における、より適切な新規事項の判断基準について、この大合議判決の上告・上告受理申立ての結果、及び、その後の後続判決等を注視しつつ検討を行うこととし、それまでの間は審査基準を変更しないとしていた。
今般、この大合議判決は、上告・上告受理申立てが取り下げられ、確定した。
そこで、この大合議判決の内容、後続判決の調査などを踏まえ、審査基準の「第
Ⅲ部第Ⅰ節 新規事項」について、審査基準改訂の検討を行うこととする。
2. ソルダーレジスト(除くクレーム)事件について
3. 後続判決について
4.現行の審査基準の整理
5.審査基準改訂の方向性
新規事項の審査基準改訂骨子(案)

 
特許 令和4年(行ケ)第10030号「ポリエステル樹脂組成物の積層体」(知的財産高等裁判所 令和5年3月9日)  2023.05.20
https://www.soei.com/%e7%89%b9%e8%a8%b1%e3%80%80%e4%bb%a4%e5%92%8c%ef%bc%94%e5%b9%b4%ef%bc%88%e8%a1%8c%e3%82%b1%ef%bc%89%e7%ac%ac%ef%bc%91%ef%bc%90%ef%bc%90%ef%bc%93%ef%bc%90%e5%8f%b7%e3%80%8c%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%a8/
 
化学・バイオ特許判例紹介(30)
~補正・訂正の許否の判断~
令和4年(行ケ)第10030号
原告:大日本印刷株式会社、被告:特許庁長官
2023年4月21日
https://knpt.com/contents/chemistry/chemistry2023.04.21.pdf
 
令和4年(行ケ)第10030号「積層体」事件
https://unius-pa.com/decision_cancellation/10015/
 
「積層体」事件(知財高判令和5年3月9日 令和4年(行ケ)第10030号)
https://www.fukamipat.gr.jp/wp/wp-content/uploads/2023/04/11_2022_Gyo-Ke_10030-.pdf
 
 
令和5年3月9日判決言渡
令和4年(行ケ)第10030号 特許取消決定取消請求事件
口頭弁論終結日 令和4年12月21日
判 決
https://www.ip.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/870/091870_hanrei.pdf
 
数値等の重複を避けるだけの「除くクレーム」での対応を試みる価値はある 29/3/2023
https://yorozuipsc.com/blog/6614236
 
除くクレーム  14/3/2022
https://yorozuipsc.com/blog/4130957
 
除くクレームの活用(補正/訂正要件、進歩性)  29/7/2021
https://yorozuipsc.com/blog/9352162

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