ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)は、BMSのスプリセル®錠(一般名:ダサチニブ水和物)の後発品である沢井製薬のダサチニブ錠に対して、東京地方裁判所が仮処分命令を発出したと発表しました。2023年11月28日付けの仮処分命令は、沢井製薬のダサチニブ錠がBMSの特許権(特許第3989175号)を侵害しているとしています。
経緯をみると、 2023年7月18日、BMSが、沢井製薬のダサチニブ錠の製造および販売行為が、2024年1月27日に満了する彼らの特許を侵害しているとして、沢井製薬によるダサチニブ錠の製造販売行為の差し止めを求める仮処分命令申立を東京地方裁判所に提起。 2023年10月4日、沢井製薬は、ダサチニブ錠について、「効能又は効果」に「慢性骨髄性白血病」が追加承認されたと発表。これに対して、BMSは、沢井製薬の対象行為は特許権侵害であり、禁止されるべき行為であると考えており、仮処分命令の発令を求めるほかにも、法的に可能なありとあらゆる手段を講じると表明。 2023年11月7日、BMSは、沢井製薬に対して、損害賠償請求を含む本案訴訟を東京地方裁判所に提起。 2023年11月28日、東京地方裁判所が仮処分命令を発出。 BMSのスプリセル®錠(一般名:ダサチニブ水和物)の有効成分は「ダサチニブ水和物」であるのに対し、沢井製薬のダサチニブ錠の有効成分が「ダサチニブ(無水物)」であるという違いがあることが影響している可能性もあるという議論もあるようです。 また、パテントリンケージの問題点も指摘されており、医薬分野における特許の問題は複雑で難しい問題と改めて感じます。 沢井製薬のダサチニブ錠に関し、製造販売行為を禁止する東京地方裁判所による仮処分命令の発出 2023 年 11 月 29 日 ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 https://www.bms.com/assets/bms/japan/pressrelease/20231129.pdf ブリストル・マイヤーズ スクイブ、沢井製薬のダサチニブ錠に関し、製造販売行為を禁止する東京地方裁判所による仮処分命令の発出 2023.11.29 https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/release/23/11/29/18637/ 東京地裁が沢井製薬に対しダサチニブ錠の製造販売行為禁止仮処分命令 ブリストル・マイヤーズ スクイブ 2023.11.29 https://iyakutsushinsha.com/2023/11/29/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E5%9C%B0%E8%A3%81%E3%81%8C%E6%B2%A2%E4%BA%95%E8%A3%BD%E8%96%AC%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%97%E3%83%80%E3%82%B5%E3%83%81%E3%83%8B%E3%83%96%E9%8C%A0%E3%81%AE%E8%A3%BD%E9%80%A0%E8%B2%A9/ BMS スプリセル®錠(一般名:ダサチニブ水和物)の後発品を巡る特許権侵害訴訟で東京地裁が沢井製薬のダサチニブ錠の製造販売行為を禁止する仮処分命令を発出 ― 本当の問題点 ― 2023.11.29 https://www.tokkyoteki.com/2023/11/bms-dasatinib-hydrate-sawai-2.html BMS 沢井製薬のダサチニブ錠めぐる特許侵害 東京地裁が製造販売行為等を禁止する仮処分命令を発出 2023/11/30 https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75749
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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