富士フイルムホールディングスは新中期経営計画「VISION2023」を発表、2023年度の売上高は全社で2兆7000億円を見込み、うちヘルスケアは8600億円で、同社のセグメント別売上高ナンバー1となっています。
シェアでKodakを追い抜いた2000年度をビークに売上げの6割、利益の2/3を稼いでいた写真フイルムの売り上げが年率十数バーセント以上消滅するという危機を写真フイルムの技術開発で苔積された技術資産を基に新たな事業へ挑戦し成功してきた会社が、新たな挑戦に突き進んでいるようです。 知財の面でも、写真フイルム全盛期にはKodakの特許対策が最も重要な活動だったのが、IPランドスケープの手法を用いて、「①市場に成長性があるか? ②当社の技術を活かすことができるか?そして③継続的に競争力を持ち続けられるか?」の観点でR&D部門、事業部門と技術の棚卸を行い重要事業分野の策定に貢献し、米国などでの訴訟に勝ち抜くことで係争。訴訟に強い体質を築いてきており、知財部門に対する期待も変化し、単に自社権利を確保して他社特許クリアランスを行う業務から、競合分析等のインテリジェンスの提供、標準化戦略による事業サポート、権利活用、契約、M&A戦略など幅広い業務が求められているとのことです。 富士フイルムは、「Top 100 グローバル・イノベーター 2021」を受賞した日本企業でもあり、日本の化学業界の特許資産規模ランキングではトップであり、伝統的に知的財産活動を活性化し企業価値を向上させてきた会社ですので、中期経営計画「VISION2023」でもその力がはっきされることと期待しています。 中期経営計画「VISION2023」を策定 3年間で総額1.2兆円を投資し、ヘルスケア・高機能材料を中心に成長を加速 売上高・営業利益ともにヘルスケアを最大セグメントに拡大 https://holdings.fujifilm.com/ja/news/list/1090 富士フイルム、1.2兆円投資新体制、医療軸に3年で https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=072&ng=DGKKZO71054280V10C21A4TJ1000 富士フイルム、医療・材料に1.2兆円投資 21~23年度中計 毎日新聞 2021/4/15 https://mainichi.jp/articles/20210415/k00/00m/020/365000c 富士フイルムのヘルスケア、これが今後の成長戦略「富士フイルムヘルスケア」始動を機に説明会を開催 近藤 寿成=スプール 2021.4.15 https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/feature/00004/041400266/ 富士フイルムは日立の画像診断事業買収で欧米勢に追いつけるか2021年02月27日 https://newswitch.jp/p/26116 今井正栄、事業構造転換を支える知財活動 知財管理 Vol. 71 No. 2 P165-166 (2021) 「Top 100 グローバル・イノベーター 2021」を受賞した日本企業 https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2102/25/news046_3.html 【化学】特許資産規模ランキング(訂正版) トップ3は富士フイルム、LG CHEM、住友化学 https://www.patentresult.co.jp/news/2021/01/chemical.html 富士フイルムHD、知的財産活動を活性化し企業価値を向上(上) https://bhn.jp/special/116120
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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