東レは、知的財産の中期経営課題を「戦略的特許出願・ノウハウ秘匿による参入障壁構築の深化、グローバル知財力向上の推進」とし、領域ごとに「特許資任者」を定め、研究・技術開発部署や事業部署が参加する「特許会議」で審議やフォローアップを行う「特許責任体制」の下で、知的財産活動を推進しているとのことです。現在は統合報告書に統合されていますが、2017年度まで知的財産報告書を発行しており、経営の中にしっかり知財が根付いている会社のひとつと言えるでしょう。
2020~2022年度を対象とした中期経営課題 プロジェクト AP-G 2022" においては,グローバル知的財産戦略により、高い参入障壁を構築し、事業拡大に繋げていくために、 次の五つの施策を進めているとのこと。 第1は.グローバルな事業拡大に対応した東レグループの知的財産力強化です。 東レ本体の各分野 の担当役貝の指導の下, 国内外の関係会社の知的財産体制を整備し, 知的財産活動を進めています。 特に 地域ごとに中心的役割を担う関係会社の育成や, 新しくグループに加わった関係会社への支援に注力します。 第2は, 戦略的な特許出願とノウハウ秘匿による参入陪壁構築の深化です。出頻後公開されること によって模倣されてしまうリスクを考慮し, 特許出願とノウハウ秘匿を使い分けることによって参入障壁とするスキー ムを国内外の関係会社に展開. 強化します。 また. これまで注力してきた特許明細書の質の向上の取り組み. 外国出願・権利化の強化の取り組みを継続して行います。 第 3は,長期経営ピジョンに資する知的財産戦略の推進です。 今年 5 月に発表した長期経営ビジョン TORAY VISION 2030" に掲げる持続的かつ健全な成長を達成するための活動を推進します。 第4は,効率的な知的財産戦略推進のための環境整備です。 社内外の連絡, 照会. 回答といった業務や書類による回議を電子化. ワークフロー化することによって. ペーパーレス化. 知的財産業務の 効率化を進めます。 第5は,知的財産人材育成です。 グループ各社において知的財産戦略を推進できるエキスパートを 事業分野 ・ 地域に応じて育成します。 阿部晃一 東レの研究・技術開発戦略と知的財産戦略 知財管理 2020年10月号P1371-1372 http://www.jipa.or.jp/kaiin/kikansi/honbun/2020_10_1371.pdf 東レ統合報告書 知的財産 https://www.toray.co.jp/ir/integrated_report/pdf/report2020_19.pdf 繊維・紙・パルプ】他社牽制⼒ランキング2019 トップ3は東レ、帝⼈、東洋紡 パテントリザルト https://www.patentresult.co.jp/news/2020/06/fcitpaper.html 冨岡 久美子 衝撃】日本発、東レが手掛ける「破壊的イノベーション」 NewsPicks2020/10/7 https://newspicks.com/news/5280496/body/ 東レが100億投じた新研究拠点を公開 次世代型素材を開発 SankeiBiz 2020.1.24 18:47 https://www.sankeibiz.jp/business/news/200124/bsc2001241847012-n1.htm
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著者萬秀憲 アーカイブ
May 2025
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