「知財ガバナンス研究会」の分科会のひとつ「知財コンサル等分科会」では、特許事務所やコンサルティング会社32社が参加し、プライム市場上場企業のうち時価総額上位 950 社を対象に、知財・無形資産投資・活用戦略等に関する情報開示内容を調査・分析し、「東証プライム市場上場企業における知財・無形資産ガバナンスに関する対応状況調査・分析」としてまとめました。 その際に、知財・無形資産に関する KPI の記載についても調査しましたが、複数の組織で分担して調査した結果を観ると、企業が将来の目標として掲げている指標(KPI)なのか、単なる過去の実績(エビデンスの類)として掲載したものなのか、峻別が困難な例が散見され、境界を厳格に定めることが困難であったため、報告内容には、知財・無形資産 KPI の事例は除かれました。 その後、「知財コンサル等分科会」サブリーダの高野誠司弁理士が、上記分析の調査過程で記録された各種情報源の URL などを活用し再調査を行い、グレーなものは全て排除して、KPI と明示のある指標と、企業の明確な目標となっている指標を抽出した結果、 31 社の 47 指標(KPI)がピックアップされています。 特許関連の KPI を細分化すると、特許出願数が大半であり、専門家が KPI として有望視する被引用件数に関する KPI はわずか1件のみ、KPI の名称が記載されていても具体的な目標数値が伏せられているケースがあったり、自らコントロール可能な KPI を無難に表現しているなど、辛口の分析になっています。 今後の各社の工夫が期待されます。 知財・無形資産 KPI の事例分析 https://takano-pat.com/struct/wp-content/uploads/Report20230407V1.1.pdf CGC 対応における知財・無形資産指標(KPI)の留意点 https://takano-pat.com/struct/wp-content/uploads/Report20230130V1.1.pdf 東証プライム市場上場企業における知財・無形資産ガバナンスに関する対応状況調査・分析 2023年3月24日 知財ガバナンス研究会 知財コンサル等分科会 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/dai21/siryou7-1.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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