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​よろず知財コンサルティングのブログ

古河電工の知財KPI

27/5/2023

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古河電工は、2022年5月に発表した中期経営計画2022~2025(25中計)において、IPランドスケープを知財活動の中心に据えることを宣言しました。古河電工は、IPランドスケープを確実に実行することで、各事業領域で活用する知的資産をオープン&クローズ戦略に基づいて創出・蓄積し、蓄積した知的資産で事業・コア技術を保護し、競争優位の構築に貢献することを目指しています。
このような取り組みの一環として、古河電工はIPランドスケープの実施率を知財KPIとして使用しています。IPランドスケープの実施率とは、各事業部門が定めたIPランドスケープの実施計画に対する実施状況の割合を示す指標です。古河電工は、この指標を用いて、知財部門と事業部門の連携や意識向上を図り、IPランドスケープの質や内容の向上にも努めています。
古河電工がIPランドスケープの実施率を知財KPIとして使用していることについては、以下のような議論があります。
•肯定的な見方としては、以下のような点が挙げられます。
   IPランドスケープは、知財・無形資産の活用において重要なマネジメントツールであり、その実施率を知財KPIとして使用することで、知財活動の進捗状況や成果測定を客観的に行うことができる。
   IPランドスケープの実施率を知財KPIとして使用することで、知財部門と事業部門のコミュニケーションや協働が促進され、知財戦略と事業戦略の連携が強化される。
   IPランドスケープの実施率を知財KPIとして使用することで、IPランドスケープの重要性や意義が経営陣や事業担当者に浸透し、知財意識や文化が醸成される。
•否定的な見方としては、以下のような点が挙げられます。
   IPランドスケープの実施率は、知財・無形資産の活用に関するプロセス指標であり、その単純な数値だけでは、知財・無形資産の活用の成果や効果を示すことはできない。
   IPランドスケープの実施率を知財KPIとして使用することで、IPランドスケープの数値目標達成が目的化され、IPランドスケープの質や内容が軽視される恐れがある。
   IPランドスケープの実施率は、自社内でのみ有効な指標であり、他社と比較することはできない。また、IPランドスケープは自社の事業内容や目的に応じて選択や重み付けを行う必要があるため、一律に適用することは適切ではない。
 
以上のように、古河電工がIPランドスケープの実施率を知財KPIとして使用していることについては、肯定的な見方も否定的な見方もあることがわかります。
 
また、古河電工は、IPランドスケープの質や内容を評価するために、以下のような取り組みを行っています。
•  IPランドスケープの実施計画には、分析の目的や対象、方法、期間、担当者などを明確に記載し、事前に知財部門と事業部門で合意することで、分析の方向性や範囲を確認しています。
•  IPランドスケープの実施後には、分析結果や提案内容を知財部門と事業部門で共有し、フィードバックや改善点を検討しています。また、分析結果や提案内容を経営陣や関係者に報告し、評価や承認を得ています。
•  IPランドスケープの実施状況や成果は、知財KPIとして定期的にモニタリングし、達成度や効果測定を行っています。また、知財KPIは事業部門の業績評価にも反映されています。
•  IPランドスケープの実施者は、知財部門と事業部門から選出され、必要な知識やスキルを習得するために教育プログラムや講演会などに参加しています。また、実施者同士で情報交換やベストプラクティスの共有を行っています。
 
以上のように、古河電工はIPランドスケープの質や内容を評価するために、計画・実施・評価・改善のサイクルを回し、知財部門と事業部門の連携や実施者の育成にも力を入れています。
 
古河電工がIPランドスケープで分析した事例がいくつか紹介されています。
•  電力事業部門では、海外市場における電力ケーブルの需要や競合状況を分析し、自社の強みや弱みを把握するとともに、新規参入や拡販のための知的財産戦略を立案しました1。
•  ファイバ・ケーブル事業部門では、光ファイバの技術動向や特許動向を分析し、自社の技術ポートフォリオと比較することで、技術開発の方向性や特許出願の優先順位を決定しました1。
•  自動車部品事業部門では、自動車産業の変革に伴うワイヤハーネスの需要や競合状況を分析し、自社の製品やサービスの差別化要因や付加価値を明確にするとともに、知的財産権で保護することで、競争優位性を高めました2。
•  AT・機能樹脂事業部門では、半導体製造用テープの技術動向や特許動向を分析し、自社の技術ポートフォリオと比較することで、技術開発の方向性や特許出願の優先順位を決定しました3。
 
以上のように、古河電工はIPランドスケープで分析した事例をもとに、事業戦略や研究開発戦略に反映させることで、「守りの知財」と「攻めの知財」を両立させています。
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古河電工グループ 中期経営計画2022-2025の達成を支える知財活動
https://www.furukawa.co.jp/rd/review/fj142/fj142_02.pdf
 
収益機会のサステナビリティ指標としてIPランドスケープ実施率を設定している古河電工
https://yorozuipsc.com/blog/ip8868546
 

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