IPジャーナル第23号(発行日:2022年12月15日)では、「意匠の利活用」が特集され、「意匠制度に対する認識及びその利活用のユーザーニーズに関する調査研究について」
http://fdn-ip.or.jp/files/ipjournal/vol23/IPJ23_04_11.pdf 「事例で見る意匠権の有効活用~意匠を基点とする製品の多面的保護~」 「ヤマハ発動機におけるデザインの利活用」 「ソニーグループのデザイン開発と意匠権による保護の取り組み」 が掲載されています。 ヤマハ発動機は「デザイン」を重要な経営資源として位置付け、デザイン経営を推進するとともにデザイン本部(現クリエイティブ本部)の設立、イノベーションセンターの建立を通してデザインのさらなる発展・向上に尽力してきており、2021年には、知財功労賞 特許庁長官表彰 デザイン経営企業 を受賞しています。 知財部門ではIP for Businessの旗印の下、事業戦略と連携した知財活動を展開し、新たな取り組みに挑戦しているとのことで、その内容が書かれています。 また、最近、北欧IT新興に出資、農業ドローン新興に出資なども活発に行われているようです。 ヤマハ発動機におけるデザインの利活用 (特集 意匠の利活用) IPジャーナル = Intellectual property journal (23):2022.12 p.23-28 http://fdn-ip.or.jp/ipjournal/latest.php ヤマハ発動機は「デザイン」を重要な経営資源として位置付け、デザイン経営を推進するとともにデザイン本部(現クリエイティブ本部)の設立、イノベーションセンターの建立を通してデザインのさらなる発展・向上に尽力してきた。これらのデザインを適切に保護すべく、知財部門ではIP for Businessの旗印の下、事業戦略と連携した知財活動を展開し、新たな取り組みに挑戦している。 ヤマハ発動機 統合報告書2022 https://global.yamaha-motor.com/jp/ir/integrated-report/integrated2022/e-book_jp/index.html#page=55 ヤマハ発動機株式会社 コーポレートガバナンス報告書 最終更新日:2022年3月24日 https://global.yamaha-motor.com/jp/ir/governance/pdf/corporate_governance.pdf (3)知的財産への取り組み 当社では、グローバルな知的財産戦略を推進し、知的財産権の創造・保護・活用を行うことでさらなる企業価値・ブランド価値の向上を図っております。旗印として「IP for Business」を掲げ、知財活動方針の四本柱を推進しております。 知財活動方針の四本柱は以下のとおりです。 ①既存事業の製品開発や技術開発に連動した知財創出を主とする従来型の知財活動から一歩先へ。 ②既存技術の先を見る「先取り」と、既存市場の先を見る「領域拡大」の知財活動に取り組む。 ③さらなる「先取り」と「領域拡大」を担う先進的な領域を、知財ランドスケープから示す。 ④経営の判断や戦略策定および価値創造に、知財の視点から貢献する。 また、当社はブランド価値をさらに高め、輝かせることが、重要な企業経営目的と考えています。デザインは経営やブランディングに寄与する ものと考え、2012年にデザイン本部を設立、2020年にはブランド推進力の強化を図るためクリエイティブ本部を立ち上げ、さらなるブランド価値 の向上を目指して取り組みを進めています。 知的財産およびブランド価値向上への取り組みは当社WEBページ、統合報告書(P34-37、P40-41)にて開示しています。 https://global.yamaha-motor.com/jp/ir/integrated-report/integrated2021/ ヤマハ発動機、北欧IT新興に出資 ボート貸し出しDX 2023年2月14日 https://www.nikkei.com/prime/mobility/article/DGXZQOUC078W50X00C23A2000000 ヤマハ発、前期純利益12%増 2期連続で最高益 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC133LL0T10C23A2000000/ マリン事業DX 北欧ITと協業 ヤマハ発動機 2023.2.8 https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1190371.html ヤマハ発動機が農業ドローン新興に出資、次世代機のベース提供 2023.02.02 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/14549/ ヤマハ発動機株式会社 - 知財功労賞 特許庁長官表彰 デザイン経営企業 https://www.jpo.go.jp/news/koho/tizai_koro/document/2021_tizai_kourou/yamahahatsudoki.pdf 受賞のポイント ・当時の社長(現会長)の言葉、「コンセプトとデザインは譲れない」をベースに2012年にデザイン本部が発足しており、事業部単位だったコンセプト・デザインの統一を目指している。さらに、商品が短期間でコモディティ化する世界でヤマハ発動機製品を買う「意味」をお客様に届ける必要性を強く感じたことでデザイン経営に取り組んでいる。 ・事業戦略構築の最上流である経営会議にデザイン責任者が参画するとともにデザイン経営の考え方を社内に浸透させるためデザイナーが事業戦略構築へ参画し、お客様に届ける価値の「意味」を明確化するプロセスをサポートしている。2017年にはイノベーションセンターを新たに建設し、デザイナーとエンジニア含め多くの者が気軽に深く連携しやすい環境と、仕組みを整備している。 ・知財部門の理念は、「IP for business」を旗印とし、ビジネスに貢献するための知財活動の実践である。「YAMAHA」ブランドについては商標をほぼ全世界・全区分で権利化するとともに、デザインについても多くの国で権利化し、ブランド・デザインの毀損に対しては毅然と対応することで企業価値を高める活動を行っている。 知財管理 2019年11月号69巻 11号 1497頁(2019年) 巻頭言・挨拶 ヤマハ発動機の長期ビジョン及び中長期成長戦略と知財活動 大谷到 http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/mokuji/mokuji1911.html ヤマハ発動機の知財活動 これらグローバルな事業活動および先進的な成長領域における競争力を高めるためには,製品開発や技術開発と連動した知財創造を主とする従来型の知財活動に加え,他社に先駆けた新技術・新市場コンセプトによる差別化を知財面からも実施していく必要があります。このため当社は,「IP for Business」という旗印を掲げ,既存の事業や市場の先にある長期ビジョン及び中長期成長戦略で掲げた成長領域,更にはその先の潜在的な成長領域を見据えて,以下を「知財活動方針の四本柱」として取り組みを進めています。 ①既存事業の製品開発や技術開発に連動した知財創出を主とする従来型の知財活動から一歩先へ。 ②既存技術の先を見る「先取り」と,既存市場の先を見る「領域拡大」の知財活動に取り組む。 ③更なる「先取り」と「領域拡大」を狙う先進的な領域を,知財ランドスケープ分析から示す。 ④以て,経営の判断や戦略策定に,市場・技術の成長分析に加え,知財分析の視点から貢献する。 現在はこの四本柱に基づき,各事業部門と知財部門とが密にコミュニケーションを取り連携しながら,各取り組みを進めています。これらを通して当社の強みを更に活かした新技術及び新市場領域の探索や事業協業・M&A・技術提携等の検討を知財面からも行い,新たな知財創出にも繋げながら,ヤマハ発動機グループの更なる競争力向上と持続的成長を支えていきます。 ブランド力の向上を目指したヤマハの知財活動 8/2/2021 https://yorozuipsc.com/blog/2974201
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