シスメックスの知的財産活動は、「当たり前のことを当たり前にやっているだけ」ということです。しかし、なかなかそれがうまくできないのが常なのにできているのは、「経営に資する知財活動を行うこと、知財活動が企業価値(株価時価総額)を上げることを究極の目的としていることを社内に周知」、そういうカルチャーを長年かけて培ってきた賜物なんだろうと思います。
昨年のコーポレートガバナンスコード改訂以来の「知財・無形資産への投資の開示」の動きにしたがってシスメックスの知財・無形資産投資の開示をみると、それほど開示されていません。「知財・無形資産への投資」は従来からやっておりしっかり儲かる仕組みができているので、「取らぬ狸の皮算用はやりません」と言っているようにも見えます。 シスメックスのESG・サステナビリティの取り組みは?配当情報も【2022年10月】2022.10.23 https://hedge.guide/feature/sysmex-esg-dividend-2210.html 知財投資に対する情報開示で 企業の儲ける力を強化する https://mkt.ub-speeda.com/rs/550-EMV-558/images/20210916_WP_SPEEDAH2H.pdf シスメックスは、「知的財産活動は研究開発と事業展開の自由度を確保し経営に資することを目的とする」を知的財産活動の基本理念を定めており、『知財活動によって企業価値(株価時価総額)を上げることを究極の目的としていることを社内に宣言し周知しています。』 『知財活動は最小の投資で最大の事業効果を得ることが大原則』 『知財投資の効果として、知財権の活用によりどれだけの経営数字を得たか、将来どれだけのキャッシュが得られるかが重要』 『当社は知財レビューにより、事業リスクの最小化や、競争力の強化、成長に繋がる知財活動ができているかどうか常に監視。このような知財活動を行うことで、安定したキャッシュの獲得と、さらなるキャッシュの増加を目指しています。』 『知財部門は各事業部門の活動を知財プロフェッショナルとして支え』『製品が世に出るまでの各フェーズにおいて、知財レビューをシステマティックに実施』『すべてのフェーズで知財マターを明らかにして勝つシナリオを作り、次のフェーズに進むことを厳格に実施』 コーポレート・ガバナンスに関する報告書(2022年7月14日更新) https://www.sysmex.co.jp/corporate/governance_j.pdf シスメックスレポート 2022 https://www.sysmex.co.jp/ir/library/annual-reports/Sysmex_Report_2022.pdf シスメックス サステナビリティデータブック 2022 https://www.sysmex.co.jp/csr/report/sustainability2022_all.pdf シスメックスの知的財産活動 https://www.sysmex.co.jp/rd/ip/index.html シスメックスのオープンイノベーション https://yorozuipsc.com/blog/4519841 経営・事業戦略に貢献する知財価値評価と効果的な活用法 発刊:2021年3月31日 体裁: A4判 685頁 定価:88,000円(税込) ISBN:978-4-86104-833-3 https://www.gijutu.co.jp/doc/b_2092.htm 第3章 知財力強化のための知財戦略の策定、体制整備とその運営 第7節 シスメックスにおける知的財産戦略と戦略実現のための環境整備、人材の育成 1.知的財産戦略の考え方 1.1 企業理念との関係 1.2 知的財産活動の基本理念 1.3 経営に資する知財活動 1.3.1 経営層の求めていることの理解 1.3.2 実践している知財活動の適切な「報告」 1.3.3 知財活動に満足していただく 2.検体検査分野の競争環境 3.知財戦略の立案 3.1 知財はビジネスのルールであり競争のツールである 3.2 第三者特許に対する戦略 3.3 自社特許に対する戦略 3.4 オープンイノベーション・アライアンスに対する考え方 3.5 商標に関する戦略 4.知財戦略実践のための環境整備と人材育成 4.1 環境整備 4.1.1 社内環境整備 4.1.2 社外環境整備 4.2 人材育成 4.2.1 知財部員に対する教育 4.2.2 全社員(知財部員以外)への教育
0 Comments
Leave a Reply. |
著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
カテゴリー |