シスメックス株式会社 知的財産本部 理事 本部長の井上二三夫氏の講演を聴講する機会を得ました。努力の天才「イチロー」の「来た球を打ち返す」という当たり前の期待に応えられるように厳しい練習を続けるプロとしての生き様を念頭におかれて、「当たり前のことを当たり前に」をモットーに知財活動を推進しておられ、「IPランドスケープ」という言葉は使ってないけれども、そういう活動は昔からやっているよと、多くの実績に裏付けられた話はとても勉強になりました。
シスメックスは、2015年、個別化医療の実現に向けた研究開発の取り組みを加速させるため、新たなイノベーション創出の場としてオープンイノベーションラボ「Sysmex Open Innovation Lab.(略称:SOLA)」をシスメックスの研究開発の中核拠点「テクノパーク」(神戸市西区)内に開設するなどして、オープンイノベーションに取り組んでいます。 シスメックスのオープンイノベーションの特徴は、大学や研究機関、企業などが持つ技術・ナレッジとシスメックスの持つ技術を融合させ、新たな臨床価値を効率的に生み出す活動を推進していることで、より活動を加速させるために、国内外の研究者をテクノパークに招聘し、当社研究員とのコラボレーションを実現する場を設けています。 シスメックスは、検体検査(機器+試薬+サービス・サポート)を事業領域として、世界190 カ国以上の医療現場に製品・サービスを提供しており、海外売上比率は85%以上を占め、臨床検査機器、試薬で高いシェアを持っています。 それを支える知財活動の目標は、研究開発と事業展開の自由度を確保し、経営に資すること。 1.当たり前のことを当たり前に実施するプロフェショナル集団 2.“当たり前”のことは、「経営層」「研究開発部門」「事業部門」にとって当たり前のことであり、「知財部門」の当たり前ではない 3.知財活動の貢献度は、「経営」「研究開発」「事業」の成功度合いで評価 4.全社員の知財マインド向上施策 5.経営層への知財教育の必要性 6.定常的(日常的)な知財啓発活動 7.業務を通じての知財啓発 8.知財部門の意識改革 以下、いずれもシスメックスHP ・新たに研究開発オープンイノベーションラボを開設 2015.09.17 ・イノベーションの早期創出に向けグローバルR&D体制を強化 2018.10.22 ・ヘルスケア分野における新たなイノベーション創出に向けシスメックスと大阪大学が包括連携契約を締結 2019.05.27 https://www.sysmex.co.jp/news/2019/190527.html シスメックスとオプティム、医療⽤AI・IoTオープンプラットフォームおよびデジタルトランスフォーメーション・ソリューションの企画・開発・運営会社を共同設⽴ https://www.optim.co.jp/newsdetail/20200601-pressrelease-01 井上二三夫, アジア地域の国々と共存共栄を図る知財活動, Japio YEAR BOOK 2013 P32 https://japio.or.jp/00yearbook/files/2013book/13_a_06.pdf 井上二三夫, シスメックス株式会社のご紹介~事業のグローバル展開とそれを支える知財活動~, 国際知的財産活用フォーラム2013 https://www.inpit.go.jp/content/100519263.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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