日本の特許査定率は、2009年までは約50%で安定していましたが、2010年から急激に上昇し、2013年には約70%になりました。その後、2016年には約75%となり、2022年まで約75%で安定しています。 この急激な変化の時代を知らない方が増えてきているようです。 2009年までの特許査定率50%の時代と現在の特許査定率75%の時代では、特許出願・権利化戦略も大きく違います。 この違いを理解した特許戦略が重要です。 近年の日本の特許査定率の推移について 20/6/2022 https://yorozuipsc.com/blog/7717471 「2009年以降、特許査定率が上昇・高止まりし、産業界からは、現在の審査、特に進歩性判断は「甘い」のではないかとの声が上がっている。」ことについて、企業知財部の集まりである日本知的財産協会の特許委員会、特許出願・権利化の代理人弁理士の集まりである日本弁理士会の特許委員会で、様々な検討が進められているようですが、現時点では、そのようなことはないとの結論のようです。 過去、特許庁が産業界等の要請で、新規性・進歩性・記載要件等の特許要件に対し、厳格な審査を進め3年間で拒絶査定率を9.5ポイント上昇させたことがありました。 一方、2009年以降の特許査定率の上昇は、裁判所主導の進歩性見直しが特許庁の審査に及んだとみられていますので、近年の「特許査定率が上昇・高止まり」の問題を考えるときは、特許庁の審査について裁判所との乖離を比較検討する手法はあまり有効ではないと考えられます。むしろ、審査と裁判所の乖離を見ると裁判所の判断の方が出願人、あるいは権利者有利な方向にあると思われるからです。 米国特許査定率の推移 21/6/2023 https://yorozuipsc.com/blog/7139907
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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