日経「知財経営ランキング」で16位の東レは、繊維・紙・パルプ業界での他社牽制力ランキング2022で1位、特許資産規模ランキングでも1位です。
東レは、知的財産に関する基本方針として、経営方針に沿った三位一体の知的財産戦略、権利取得の推進、他人の権利の尊重、自己の権利の正当な行使を掲げており、この知財戦略実行のための制度・取り組みとして、特許責任体制・グローバル特許戦略責任体制を明確にしていることが特徴です。 東レ本体及び主要関係会社において、製品・技術群ごとに技術部長クラスを特許責任者として選任し、知財部門、研究部署、技術開発部署、営業部署のメンバーが参画する「特許会議」を開催することで、出願・権利化、防衛、権利活用の活動を推進し、知財活動の計画や実行状況をフォローしています。 また、各事業分野の技術・生産担当役員をグローバル特許戦略責任者とし、各事業分野において東レ本体及び国内外関係会社が行うグローバルな知財活動を指導・監督しています。グローバル特許戦略責任者の指導の下、各事業分野における知的財産の重要な課題について「知財実行計画」を策定し、実行しています。特に重点化すべきテーマはAランクプロジェクトに選定し、注力して推進しています。「知財実行計画」の推進状況については年に一度、取締役会で報告を行っています。 Toray Industries, Inc. 44 Toray Report 2022 知的財産 https://www.toray.co.jp/ir/integrated_report/pdf/report2022_09.pdf 知的財産に関する基本方針 1.経営方針に沿った三位一体の知的財産戦略 2.権利取得の促進 3.他人の権利の尊重 4.自己の権利の正当な行使 知財戦略実行のための制度、取り組み 1.特許責任体制、グローバル特許戦略責任体制 2.知財実行計画の策定、実行 3.知的財産による他社参入障壁の構築 4.特許確認制度 5.IPランドスケープへの取り組み 東レの知的財産の評価 1.「他社牽制力ランキング2021」紙・繊維・パルプ業界で首位 パテント・リザルト社が毎年発表している「他社牽制力ランキング」は、先進的な特許出願の指標として、その年の特許審査過程において他社出願への拒絶理由で引用された件数を企業別に集計したものです。東レは紙・繊維・パルプ業界のランキングで10年連続首位を獲得しました。同じ指標を用いているため、紙・繊維・パルプ業界と化学業界をひとつの業界としてランキングしても3位となります。 2.特許価値指標による評価 LexisNexis社「PatentSight®」では特許ファミリーの有する技術的価値と市場価値に基づく特許価値指標PAI(Patent Asset IndexTM)を提供しています。このPAIによる東レグループの保有特許の価値は、下図のとおり、年々増加しています。より質の高い特許を効率的に取得するため、国内及び外国特許出願の厳選を行うとともに、明細書作成から権利化までの知財実務能力向上に注力し、特許価値向上を図っています。 【繊維・紙・パルプ】他社牽制力ランキング2022 トップ3は東レ、東洋紡、王子HD、帝人 2023年07月03日 https://www.patentresult.co.jp/news/2023/07/fcitpaper.html 【繊維・紙・パルプ】特許資産規模ランキング トップ3は東レ、東洋紡、王子HD 2023年01月13日 https://www.patentresult.co.jp/news/2023/01/paper.html 東レが特許侵害訴訟で知財高裁に控訴 19/6/2021 https://yorozuipsc.com/blog/6466877 東レの研究・技術開発戦略と知財戦略 25/1/2021 https://yorozuipsc.com/blog/5670055 東レの知的財産戦略 10/11/2020 https://yorozuipsc.com/blog/4170224
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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