マッサージチェアのシェア1位であるフジ医療器とシェア3位のファミリーイナダが、互いの製品に関する特許侵害を巡りあらそっている訴訟で、最近判決がでています。
フジ医療器が原告となった訴訟での知財高裁における判決は10月20日に言い渡され、ファミリーイナダに約3億9千万円の賠償と製品の製造・販売差し止めが命じられました。 ファミリーイナダが原告となった2件の訴訟での大阪地裁における判決は9月15日に言い渡され、フジ医療器に、1件では約28億円の賠償、もう1件では製品の廃棄と約5千万円の賠償が命じられました。 いずれも、侵害で生じた特許権者の損害について、相手方が得た利益などを基に推定した金額に、特許のライセンスを供与したとみなして算出した金額を上乗せできると判断した上で賠償額を算定しており、特許権者の利益を幅広く認めています。 特許訴訟による賠償額の高額化の流れは続きそうです。 お取引様各位(特許裁判判決に関するご連絡) ファミリーイナダ株式会社 https://www.family-chair.co.jp/wp-content/uploads/20221021.pdf お取引様各位 平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。 既にご存知のお取引様もおられるかとは存じますが、弊社は株式会社フジ医療器(以下、フジといいます)と特許裁判を行っており、この度、フジが原告となっている下記の特許裁判(以下、本事件①といいます)について、2022年10月20日付けで知的財産高等裁判所より判決を受けましたので、報告申し上げます。 記 知的財産尚等裁判所令和2年(ネ)第10024号特許権侵害差止等請求控訴事件 事件① 本事件①において、被告製品1(製品名:INADADREAMWAVE,型番:HCP 11001)および被告製品2(製品名:ファミリーメデイカルチェアSOGNO,型番:FMC 10000)の2製品がフジの特許権l件を侵害するとして、弊社に対して製造販売の差止と3億9000万円余りの賠倍を命じる判決がなされました。 しかし、被告製品1は海外向け製品であり既に廃番となっております。被告製品2は国内向け製品ではありますが2010年3月末日に廃番となっており、アフターサービスも2016年3月末日をもってサポートが終了しております。従いまして、貴社の販売活動に一切影響を及ぼすことはございません。 一方、別件で弊社が原告の下記の特許裁判(以下、本事件②,③といいます)もあります。 記 大阪地方裁判所平成29年(ワ)第7384号特許権侵害差止等請求事件 事件② 大阪地方裁判所平成30年(ワ)第1391号特許権侵害差止等請求事件 事件③ 本事件②,③は2022年9月15日付けで判決を受け、両当事者が控訴しなかったため、同年10月5日をもって判決が確定しております。そして、本事件②,③では、フジに対して本事件②,③を合わせて28億円超の賠償を命じる判決がなされています。 上記次第であり、貴社とのお取引において影響はございませんので、ご安心ください。 なお、本事件①に対しては、判決内容を精査のうえ、最高裁への上告も含めた対応を検討中であることを申し添えます。 以上のとおりでございますので、今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。 特許巡り損害広く認定 マッサージチェア大手訴訟、27億円賠償も https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65361800R21C22A0CT0000/ 特許侵害の損害 広く認め 3億9000万円余の賠償命じる 知財高裁 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221020/k10013865651000.html 知的財産尚等裁判所令和2年(ネ)第10024号特許権侵害差止等請求控訴事件 判決の要旨 https://www.ip.courts.go.jp/vc-files/ip/2022/2n10024.pdf 大阪地方裁判所平成29年(ワ)第7384号特許権侵害差止等請求事件 判決 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/463/091463_hanrei.pdf 大阪地方裁判所平成30年(ワ)第1391号特許権侵害差止等請求事件 判決 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/462/091462_hanrei.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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