2023年6月7日に開催された「PatentSight Summit 2023」での、明治ホールディングス株式会社の取り組みが紹介されています。
「明治ブルガリアヨーグルト」長寿化の裏にある知財戦略 事業戦略に欠かせない、他社も含めた知財分析 知財分析から新規事業プロジェクトを創出 下記の点が興味深い点でした。 『ブランドと特許で守ったロングセラー商品 第一の例はブルガリアヨーグルトである。』『第三の例は、新製品の「ひらけ、カカオ。」である。・・・・こうした開発を強力に後押ししたのが知財解析だ。社長などが出席して技術の方向性を決める会議で、知財部門は、世の中のカカオ関連特許 2000 件を分析、視覚化した図を提出した。そこからわかったことは、カカオ関連技術は、原料関連とチョコレートの加工に集中していて、それ以外の工程が空白であることだ。当時、当社が開発しようとしていた五つくらいの技術を図にプロットすると、この空白部分に入った。さらにそこに特許をプロットしてみると、当社は最終的な加工技術と原料の豆関連の分野を持っていることがわかった。一方、他のチョコレート関連企業は加工技術の方しか持っていない。そこで知財部門は、これなら当社は、カカオ素材すべてを使い尽くすべきプレーヤーになれると進言し、それが反映して数年前から開発が進んできた。これは、知財情報の解析によって必ずしも技術主導だけではなくプロジェクトを後押しできた例だと思う。』 明治HDが知財分析から見出した“自社の価値”と新規事業アイデア──「ROESG経営」を支える知財戦略 「PatentSight Summit 2023」レポート 2023/08/25 https://bizzine.jp/article/detail/9316 PatentSight Summit 2023 講演レポート – 知財情報からひも解く明治のROESG®経営 https://www.lexisnexisip.jp/resources/patentsightsummit2023-meiji/ 知的財産戦略 https://www.meiji.com/innovation/intellectual_property/ コーポレートガバナンス報告書 最終更新日:2023年6月29日 https://www.meiji.com/pdf/investor/governance/governance2023.pdf 知的財産 ・当社グループは、健康価値の提供と社会課題の解決につながる知的財産戦略を遂行しています。グループスローガン「健康にアイデアを」の実現に向けて、第三者が保有する知的財産権を尊重しながら、①戦略的な特許取得、②技術ノウハウの管理、③meijiらしい商標の活用、の3つの観点から知的財産戦略を展開しています。 ・当社グループの知的財産は、「明治グループサステナビリティ2026 ビジョン」の実現にも寄与しており、特許分析ツールを用いて、当社グループが保有する特許を解析した結果、約半数が SDGsと関連していました。今後も研究開発活動とSDGs の関連をモニタリングしていきます。 ・当社は、2024年3月期からグループ全体の知的財産戦略を統括する組織を新たに設置し、中計目標に整合した知的財産戦略の策定・実行を推進するとともに、知的財産戦略の策定および実行が当社グループの取締役会による適切な監督の下で行われるよう、ガバナンス体制を構築します。 ・また、知的財産活動を推進していく上で不可欠な知的財産専門人財のリソース管理により、専門人財の育成およびグループ内における最適配置を実行します。 ・当社の知財戦略部は、食品セグメントおよび医薬品セグメントの各知的財産部門と連携し、各セグメントの事業戦略や研究開発戦略と連動した知的財産戦略の策定および実行を担当します。 ・当社グループは知的財産を中長期的な企業価値向上のための重要な経営資源ととらえており、積極的な投資により競争力の高い事業活動を推進します。 明治グループのコア事業への注力と将来の成長ドライバーとなる事業の育成 7/3/2023 https://yorozuipsc.com/blog/4232683
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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