味の素の2023年度IR Day (2023年9月4日開催)では、企業価値向上を支えるガバナンスの進化(約40分迄、取締役会の様子の動画を含む)、味の素グループの知財戦略を通じた企業価値向上の実現(約63分迄)、Q&Aセッション(約96分迄)という構成でした。
企業価値向上を支えるガバナンスの進化では、取締役会の様子の動画が公開され、企業価値を高めるという視点でしっかり議論されている様子を見ることができました。 味の素グループの知財戦略を通じた企業価値向上の実現では、泉井裕 知的財産部長が説明しています。 機関投資家・アナリストからの知財に関する質問としては、「味の素グループ全体の知財スキル向上」に関する質問、「ABFで100%近いシェアは特許でどう守られているのか?高性能化の特許が参入障壁になっているのか?」という質問がありました。 機関投資家・アナリストの評価がどうだったのかが気になります。 味の素グループの知財戦略を通じた企業価値向上の実現 Ⅰ. 知的財産の強化を通じたASVの実現 ASVを実現するために、無形資産が有機的につながり生まれる知的財産の強化が非常に重要。 ASV価値創造プロセスの源泉となる無形資産 無形資産から生まれる知的財産 Ⅱ. 味の素グループ 知財戦略の強み 味の素グループは創業以来、技術・事業の展開に応じた着実な知的財産の獲得・活用により、知財戦略の強みを築き上げ、参入障壁・競争優位性を生み出してきた。 創業当時から大事にしてきた知的財産(特許権・商標権) 事業の創出とグローバル展開を支える知財戦略 特許権︓広範な発明・技術を特許として権利化 特許権︓ポートフォリオの進化 特許権︓外部評価 食品業界 他社牽制力ランキング 2022 1位 特許権︓戦略事例①調味料・アミノ酸生産技術 特許権︓戦略事例②ファンクショナルマテリアルズ事業~ABF*~ 特許権︓戦略事例③バイオファーマサービス事業~AJICAP®~ 特許︓特許価値(Patent Asset ndex)と事業利益率の相関関係 R² = 0.8221 商標権︓商標権の確立によるブランド価値の保護 商標権︓類似品、ブランド不正使用排除への取り組み Ⅲ. 2030ロードマップ実現に向けた知財戦略の進化 事業モデル変革(BMX)による成長へのシフト 見える化を軸とした知財戦略の強化ポイント 【事例】再生医療用培地① 【事例】再生医療用培地② 【事例】再生医療用培地③ イノベーション戦略チームへの参画 2030ロードマップ実現に向け、事業モデル変革(BMX)による成長へのシフトを着実に図っていくために、知財戦略を進化させ、知財戦略を支える基盤を強化する。これにより、飛躍的・継続的に企業価値を向上させていく。 Ⅳ. 知財戦略を支える基盤の強化 味の素グループ全体の知財スキル向上 知的財産の専門人財の強化 無形資産への投資 無形資産への投資により、これまでの「知財戦略の強み」は維持・伸長させながら、事業モデル変革(BMX)による成長へのシフトに貢献する「知財戦略の進化」を加速させていく。 2023年度IR Day (2023年9月4日開催) オープニングリマークス ~ガバナンスの進化と知財戦略~ https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/ir/event/business_briefing/main/01119/teaserItems1/01/linkList/0/link/OpeningRemarks_J.pdf 企業価値向上を支えるガバナンスの進化 https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/ir/event/business_briefing/main/01119/teaserItems1/01/linkList/01/link/Governance__J.pdf 味の素グループの知財戦略を通じた企業価値向上の実現 https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/ir/event/business_briefing/main/01119/teaserItems1/01/linkList/02/link/Intellectual%20Property_J.pdf 動画(ウェビナー)約1時間37分 https://www.video-streaming.net/ir/2802/230904_irday_j/ 【食品】特許資産規模ランキング2023 トップ3はサントリーHD、キリンHD、味の素 2023年10月27日 https://www.patentresult.co.jp/news/2023/10/food.html 決算最高益の味の素が実践した「大企業病」脱出術。中計の廃止、自社株の支給 Oct. 27, 2023 https://www.businessinsider.jp/post-277377 証券アナリストによるディスクロージャー優良企業選定(2023 年度) 2023/10/06 https://www.saa.or.jp/disclosure/pdf/disclosure_2023.pdf 味の素は、ディスクロージャー優良企業<個人投資家向け情報提供部門>3 回連続 3 回目、 食品部門では第 2 位(総合評価点 90.1 点〔昨年度比+1.8 点〕、昨年度第 1 位)。 味の素が実証、PBR1倍割れを3倍に跳ね上げた「無形資産」重視経営の真価 https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/76249 味の素・TOTOやHOYA、半導体部品・材料の生産増強…高いシェア握るケースも 2023/09/18 https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230917-OYT1T50178/ 気候変動にどう向き合うか ―取締役会議長へのインタビュー― 味の素株式会社 岩田 喜美枝氏 2023/09/16 https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/jp/Documents/risk/srr/jp-srr-governance-interview-ajinomoto-iwata.pdf データドリブン経営により企業価値向上を目指す味の素グループ、SAPのデータ&アナリティクスソリューションで経営情報分析基盤を構築 9月14日, 2023 https://news.sap.com/japan/2023/09/ajinomoto-with-saps-data-and-analytics-solutions/ サステナビリティ・レポートの事例紹介(1)「味の素」編 2023年9月8日 https://note.com/idcj_sdgs/n/ne4889bb4ca19 味の素「半導体」のうまみ フィルム化が成功の鍵に 2023年9月1日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC041YB0U3A300C2000000/ ASVレポート2023(統合報告書) 無形資産 2023/07/15 https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/activity/pdf/2023/ar2023jp_060-073.pdf 【食品】他社牽制力ランキング2022 トップ3は味の素、PHILIP MORRIS、キリン 2023年06月30日 https://www.patentresult.co.jp/news/2023/06/fcitfood.html 知財・無形資産の投資・活用戦略の開示及び ガバナンスに関するガイドライン (略称:知財・無形資産ガバナンスガイドライン) Ver.2.0 20230327 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/pdf/v2_shiryo1.pdf 事例:事業ポートフォリオマネジメントと知財・無形資産投資に関する一貫したストーリー提示(味の素の事例) 味の素では、中期経営計画の中で事業ポートフォリオの中における重点事業として、成長性と効率性の軸に基づき、調味料、栄養・加工食品、ソリューション&イングリディエンツ(S&I)、冷凍食品、ヘルスケア、電子材料の 6事業を特定し、重点事業における無形資産(R&D、マーケティング、DX 投資・事業モデル開発・人財)の投資額・投資比率目標を掲げ、事業ポートフォリオ再編とその実現のための情報を開示することで、一貫したストーリーを提示している。 味の素株式会社 投資先 買収 提携先 https://initial.inc/investors/V02586 味の素の中期経営計画(中計)策定の廃止 25/8/2023 https://yorozuipsc.com/blog/1215518 従来型の中期経営計画は廃止し、無形資産に投資する味の素の中期ASV経営 17/4/2023 https://yorozuipsc.com/blog/asv
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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