IPジャーナル26号(2023年9月15日発行)の「IPランドスケープ分析におけるChatGPTの活用」(オムロン株式会社技術・知財本部知財専門職、知財サイエンス代表熊巳創)の抄録には、下記のような記載があります。
『AIの進化により、データ駆動型のIPランドスケープ分析が推進されており、その先駆けとしてChatGPTが活用されている。ChatGPTはパターンの抽出に長け、人間の経験や直感にはない新たな視点を提供する。特に、ChatGPTは大量の知的財産情報を迅速に解析できる能力を持っており、IPランドスケープ分析の精度向上が期待される。ただし、ChatGPTは科学的な論理展開や批判的な思考を再現することは難しく、人間の洞察力や判断力も不可欠である。したがって、ChatGPTと人間が協力し、お互いの長所を最大限に生かすことで、より高品質な知財情報分析が可能となる。』 特許データベースからダウンロードしたデータを基に、ChatGPTとNoteableプラグインを活用した特許データの分析などが行われており、市販の商用特許解析ツールとほぼ同じような解析が行えることを示しています。市販の商用特許解析ツールは比較的高額なため、比較的安価に行える特許データベース、ChatGPTとプラグインを用いた解析で置き換えられるかもしれません。 IPランドスケープという視点で言えば、ChatGPTなどの生成AIに学習させるデータについて、公開された情報に加え、非公開の情報を社内だけで学習させて利用するシステムの構築が必須で、このシステムの構築ができた企業のIPランドスケープ分析が期待されます。 なお、現状のChatGPTなどの生成AIの洞察力はまだ十分とは言えず、さらなるレベルアップが必要でしょう。 IPジャーナル最新号第26号 http://fdn-ip.or.jp/ipjournal/latest.php CHATGPTを活用した知財業務の革新 2/6/2023 https://yorozuipsc.com/blog/chatgpt7142606 データ分析による重要特許候補の特定 熊巳 創/鮫島 裕 知財管理73巻(2023年) 9号1035頁 http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/syoroku/73/9_1035.html 抄録 本研究の目的は、学術論文から重要特許候補を見出すことである。一般に、重要特許は被引用数の多さを用いる手法で探索されることがあるが、確実に重要特許と判別するには、実際に読み込む必要があり、労力がかかるとともに具体的な判断基準も確立されていない。本研究では、学術分野の有識者との議論を通じて、重要特許候補を見出すことを目的とする。仮説として、研究価値の高い学術論文から派生した論文は重要特許になる可能性が高いと考え、検証することとした。さらに、自然言語処理を用いたアプローチにより、重要特許の特定の精度を高めることが出来るという知見が得られたので、この結果を報告することとする。
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著者萬秀憲 アーカイブ
October 2024
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