三菱ガス化学(MGC)と石油資源開発(JAPEX)は5月28日、化学品の製造を行うMGCの新潟工場で発生する二酸化炭素(CO2)を原料とするメタノール製造と、同工場の余剰CO2を活用し、両社が共同操業する東新潟ガス田で石油などを増産する回収技術を検討、将来はCO2を原料にメタンを製造する技術や、CCUS(CO2の分離・回収、有効活用、貯留)も視野に入れたCO2を有効活用した事業の可能性を検討することに合意したと発表しました。
MGCでは、新潟工場に既設のパイロット設備を用いて、今年7月よりCO2と水素を原料としたメタノール製造の実証実験を開始予定で、あわせて、大気へ排出されるCO2や廃プラスチックなどをメタノール変換し、化学品や燃料・発電用途としてリサイクルする「環境循環型メタノール構想」を通して産業横断的な提携を進めています。 そして、CO2と水素からのメタノール製造技術については、2022年内にのライセンス供与を開始する計画とのことです。 新中期経営計画「Grow UP 2023」では、CO2循環技術が、CO2を利用したメタノール、ポリカーボネート等による脱炭素社会実現に向けた貢献と位置付けられています。 また、重要性を増す知的財産(特許・技術・知見・ノウハウ全般)についてDXを活用し戦略的に権利化、蓄積・標準化、グループ内への展開等を行うセンターとして、現在の研究推進部から組織を独立させ、センターの下に、1)知的財産に関する戦略策定、推進を行う「特許グループ」(新設)2)知的財産に係るデジタル活用および技術調査を担う「技術情報グループ」(新設)3)「分析グループ」(現、研究推進部から移管)を設置し、デジタル技術を駆使して知的財産を体系化・標準化し、戦略的IPランドスケープを推進するとしています。 脱炭素社会への動きを牽引する強化された体制の成果が楽しみです。 三菱ガス化学と石油資源開発、CO2有効活用事業を新潟エリアで共同検討 2021年06月02日掲載 https://www.kankyo-business.jp/news/028235.php 「環境循環型メタノール構想」による脱炭素社会への取組み 2021年3月30日 https://www.mgc.co.jp/corporate/news/2021/210330.html 中期経営計画「Grow UP 2023」 https://www.mgc.co.jp/ir/policy/medium-term_management_plan.html
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著者萬秀憲 アーカイブ
January 2025
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