「知財が本当に経営に刺さっているかということです。社長、経営トップ、事業部門のトップの人達が本当に知財を信用し、知財に頼っていますか。」コニカミノルタの知財トップのこの言葉は重く噛みしめたい言葉です。
コニカミノルタは、「ジャンルトップ戦略」(成長が見込める領域、勝算のある領域にリソースを集中し、その領域のトップポジションを狙う戦略)」を着々と進めています。 2010年以降は、M&Aでいろいろな技術、人、ノウハウを獲得しながら、デジタルトランスフォーメーションに注力しています。何でも「アナログ」を「デジタル」に置き換えて済む話ではなく、「デジタルによる付加価値」と「顧客関係強化」の2つの軸で考え、プロダクトアウト型から顧客価値創出型への変革に取り組んでいるようです。 会社の目指す方向は「持続性ある高収益体質」です。これを知財力で支え、進化させるための3つの戦略「知的財産戦略2017-2020」「質向上のための戦略と施策」「人材育成のための戦略と施策」がコニカミノルタの知的財産戦略です。 こうした素晴らしい知財活動を進めているコニカミノルタの知財トップの下記の言葉は非常に共感します。この危機意識の下で、さらに成果を積み重ねられるものと期待しています。 「重要なポイントは、知財が本当に経営に刺さっているかということです。社長、経営トップ、事業部門のトップの人達が本当に知財を信用し、知財に頼っていますか。ここは非常に大事だと思います。 一方で、知財部員そのものがトランスフォーメーションについて、いろいろと考えた方がよいと思います。会社の成長のために何ができるかという、知財部と、その組織を構成する知財部員のマインドが知的財産であり、知的資本です。 そして、新たなビジネスモデルを確実に取り込むためには、特許だけではなく、知財を戦略として構築し、実行して、完結させることが必要です。 更に、知財資本と企業価値が、非常に関係してくるようになったと思います。特許の件数以上の価値を示していかないと、経営に刺さらないのではないかという問題意識を持っています。」 松枝哲也 コニカミノルタにおけるデジタルトランスフォーメーション( DX)× 知的財産戦略 2019年 9 月 25 日 https://www.inpit.go.jp/katsuyo/chiiki-forum/ip-forum2019nagoya.pdf https://www.inpit.go.jp/content/100868663.pdf コニカミノルタの知的財産報告書2020の本文によれば、 当社では、知的財産情報などに基づいて事業環境を分析し、経営や事業に対して戦略提案を行う「IP ランドスケープ」の重要性にいち早く着目し、特許解析ツールを用いた他社特許動向の解析や開発テーマの探索などを実施してきました。 「知的財産戦略2017-2022」 における特許情報分析・解析力の強化方針を実行すべく、2019年4月には知的財産部内に知的財産戦略を担当する専門組織を立ち上げ、経営に資する戦略提案の強化を図っています。 知的財産報告書2020 https://www.konicaminolta.com/jp-ja/investors/ir_library/intellectual_property/pdf/ip2020.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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