8月23日に公表された東京都の「文章生成AI利活用ガイドライン」は、「業務で活用できる環境をどう用意するか」「情報漏えい等の懸念にどう対処するか」「業務にどのように活用できるか」の3つの視点から生成AIの活用の可能性とリスクを説明しています。
「利用環境」では、都で用意した「Azure OpenAI Service」による利用環境について解説していて、安全性、特にデータの漏えいリスクの低減を重視した環境であることが説明されています。 「利用上のルール」では、職員が守るべき4つのルールとして次の内容を示し、詳細を解説しています。 1,個人情報等、機密性の高い情報は入力しないこと 2,著作権保護の観点から、既存の著作物に類似する文章の生成につながるようなプロンプトを入力しないこと、回答を配信・公開等する場合、既存の著作物等に類似しないか入念に確認すること、の2点を十分注意し、確認すること 3,文章生成AIが生成した回答の根拠や裏付けを必ず自ら確認すること 4,文章生成AIの回答を対外的にそのま使用する場合は、その旨を明記すること あわせて、都が定めている東京都サイバーセキュリティポリシー(東京都サイバーセキュリティ基本方針)も遵守し、安全に活用するようにとしています。 「効果的な活用方法」では、行政での利用に「向いている」「向いていない」の2種類に分類し、それぞれを紹介しています。向いている活用分野としては、「文書作成の補助」「アイデア出し」「ローコードなどの生成」が挙げられており、不向きなものは「情報検索」「数学的な計算」が挙げられています。このほかに、プロンプトのコツや有効な活用事例が詳しく紹介されています。 「今後の展望」では、生成AIの今後の可能性と動向について触れるとともに、東京都でも利用環境の改善や、さらなる活用につながる取り組みを続けていくことを述べており、プラグインサービスや、文章生成以外の生成AIなど、生成AIのさらなる活用可能性についても検討していくということです。 行政での取り組みの進展が期待されます。 「文章生成AI利活用ガイドライン」の策定について 東京都 2023年8月23日 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004597.000052467.html この度、東京都職員向けに、文章生成AIの利活用に関するガイドラインを下記のとおり策定しましたので、お知らせいたします。 本ガイドラインの職員への浸透を徹底するとともに、全局で約5万人を対象に利用できる環境を整備しましたので、今後業務への活用を進めてまいります。 記 1 目的 文章生成AIに関する利用上のルールを定めるとともに、効果的な活用事例を掲載し、職員が新しい技術を正しく使いこなすことで、行政サービスの質を高め、都政のQOS(Quality of service)向上へとつなげていく。 2 概要(別紙1 (https://prtimes.jp/a/?f=d52467-4597-56c53047b2fc8c1fcef66c00a906204a.pdf) 参照) (1) 文章生成AIの特徴 (2) 利用環境 (3) 利用上のルール (4) 効果的な活用方法 (5) 今後の展望 3 公表資料 デジタルサービス局ホームページから御覧いただけます。 文章生成AI利活用ガイドラインVersion 1.1 2023年 8月 東京都デジタルサービス局 2023/08/23 https://www.digitalservice.metro.tokyo.lg.jp/ict/pdf/ai_guideline.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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