「ウィズコロナ/ポストコロナ時代における産業財産権政策の在り方 とりまとめ」ととりまとめを行った1月27日の産業構造審議会知的財産分科会第5回基本問題小委員会の議事録が2月3日に公開されています。
【審査制度基盤】として、 AI等の先端技術を最大限活用し、業務効率化及び品質向上を図ることとなっており、2017 年 4 月に「特許庁における人工知能(AI)技術の活用に向けたアクション・プラン」を公表し、業務への AI 技術の適用可能性について検討が進められている(特許審査の分野では、外国文献への特許分類付与、検索式作成支援、画像検索技術の特許図面への適用、特許文献のランキング表示について、また、商標審査の分野では、先行図形商標の調査、指定商品・指定役務調査について、導入が開始されている。)。 今回、さらに、「特許審査では、特許分類付与等に利用される自然言語処理に関する新技術を活用し、導入を開始している各ツールの精度向上を目指す。 具体的には、例えば外国文献への特許分類付与に関し、新手法である BERT45や GPT-346などの適用可能性について検証を進める。商標審査では、画像検索を活用し、類似する先行図形商標を提示するなど先行図形商標の調査や、過去に審査で採用された類似の商品・役務の表示及び類似群コードの提示など指定商品・指定役務の調査において活用すべく、各ツールの検索精度の向上に取り組む。 意匠審査では、先行意匠調査において、画像マッチング技術を用いて、形態に共通する要素が多い順に先行意匠を並べて表示する内製ツールの開発に取り組む。」ということです。 議事録によれば、戸田委員が「優れたツールは特許庁以外の利用者にも一部開放していただけないかというお願い」をしましたが、特許庁の片岡総務課長は、「戸田委員からあった「優れたものの利用者開放」というところは、我々も取り組みたいと思うのですが、一方で、民業圧迫といったいろいろな議論もあります。検討しないと申し上げているわけではないのですが、そこはいただいた御示唆を踏まえて、様々な観点から進めていきたいと思います。」と「民業圧迫」を理由に否定的?です。残念です。 ウィズコロナ/ポストコロナ時代における産業財産権政策の在り方 とりまとめ-産業構造審議会知的財産分科会基本問題小委員会- https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/kihonmondai_shoi/210203torimatome.html 2月3日産業構造審議会知的財産分科会第5回基本問題小委員会議事録 https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/kihonmondai_shoi/document/index/05_gijiroku.pdf 特許庁における人工知能(AI)技術の活用に向けたアクション・プランの令和2年度改定版について https://www.jpo.go.jp/system/laws/sesaku/ai_action_plan/ai_action_plan-fy2020.html
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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