技術系新入社員に対する知的財産に関する教育・研修は非常に大切です。 社内で行う自前の教育・研修システムと社外の教育・研修システムを併用しているところが多いですが、社内教育システムが整っている代表例が花王株式会社の特許講座です。「特技懇」という雑誌に、昨年末、花王の特許講座が詳細に紹介されていましたので、そこから引用します。 下図は、ほぼ20年前の特許講座一覧で、ほぼ私が受講した、あるいはお手伝いした当時と同じです。入社時に企業における特許の大切さを教える「特許導入講座」、明細書作成の実習を含む「特許作成講座」、特許戦略立案の実習を含む「特許戦略講座」、マネージャー向けの「GL特許研修」の4部で構成されていました。 記憶に残っているのは、特許戦略講座のパテントマップ作製実習です。3-4人で1テーマを決め、自社出願戦略を研究開発戦略とリンクさせて提案するもので、その後非常に役立ちました。 直近の特許講座一覧が下図です。 「特許作成講座」が、座学のみの基礎編と、明細書作成の実習を含む実践編とに分離され、「特許戦略講座」が「特許実務講座」と「特許戦略講座」とに分離されたようです。
また、「GL特許研修」が、特許マネージメントに必要な教育を充実させた「特許マネージメント講座」になり、オープン・クローズ戦略への方針変更にともない、社外との協働業務の増加を背景に、契約に関する独立講座として「契約講座」が新設されています。 こうした日々の地道な取り組みが、しっかりした特許などの知的財産を生み出す基盤となっているものと、いまさらながら感心しています。 1)袴田 美香子、“研究・事業戦略と共創する”花王の知財教育 tokugikon, no.295,P22- ,2019.11.26. http://www.tokugikon.jp/gikonshi/295/295tokusyu3.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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