「経営に戦略的に活かす知財情報」というテーマで、9月8日、9日に行われた「PatentSight Summit Japan ONLINE」でのトップバッターは、ソニー株式会社 知的財産インキュベーション部 統括部⻑ ⽮藤有希⽒でした。
『知財部門における情報分析活動と、新しい価値の創出』というテーマです。 本年5月3日、日本経済新聞電子版に「知財、量に頼る日本企業 質は海外に見劣り-分析法「IPランドスケープ」で鮮明に」という記事が掲載されました。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58655060Q0A430C2000000/ 「ソニー、数を減らし質を⾼める」という見出しで、「⽇本企業で注⽬すべきはソニーだ。」と紹介されました。図をみると、2000年の自社と2020年の自社を比較すると、それぞれパナソニックが2倍、ソニーは5倍ほどのCI(1ファミリー当たりの平均特許価値)向上が確認できます。 この記事、事前にしらされていなかった矢藤さんもびっくりされたそうです。 矢藤さんは、知財部で出願・権利化担当を8年、その後R&D戦略、事業戦略、事業部で8年、知財部門へ戻ってライセンス、情報戦略、知財インキュベーションなどに関わり、現在は、知的財産センター インキュベーション部 統括部長とのことです。(知財センターが300人弱で、インキュベーション部は30人ちょっと。) 中長期視点で、情報分析、社内外リソースを活用した発明創出、新規事業創出支援にあたっており、PPM強化領域を決めての、大学、異業種パートナー、スタートアップなど他社との知財協業を本格的に初めて7年になるとのこと。 Triporousの成功例や、中長期視点の情報分析、知財構築による事業支援、社外とのつながり、横断的社内情報、知財による技術の可視化のループの重要性を強調されていました。 メリハリのついた出願、データドリブンの出願のやり方 予算は知財部?、事業部?(知財部) 他部門の協力の得るやり方(最初は小さく、社長が求心力) などの質疑応答がありました。 スライドの配布がないのは残念ですが、ポイントは、下記の論文や記事に書かれています。。 矢藤有希, 知財部門による新たな価値創造の模索─ソニーの知財部門におけるインキュベーション活動の取り組み─, 知財管理, 68巻, 4, p.517-524(2018年) http://www.jipa.or.jp/kikansi/chizaikanri/search/detail.php?chizai_id=670c42fd1f589a22a9f0aa314bffe40c PICK UP!特許 企業知財部レポート編ソニー株式会社, 特許庁広報誌「とっきょ」, Vol.36, P.10-11,平成30年2・3月号 https://www.jpo.go.jp/news/koho/kohoshi/back/document/index/tokkyo_36.pdf <法トーク>事業・知財連携 DNA伝える ソニー常務 御供俊元⽒ 2020/7/27付⽇本経済新聞 朝刊 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61816790S0A720C2TCJ000/ 御供俊元, 知財部員が、「知財部」の枠を超えて、新規事業の構想・創造に自発的に参加,経営における 知的財産戦略事例集, 特許庁(2019) https://www.jpo.go.jp/support/example/document/keiei_senryaku_2019/keiei_chizaisenryaku.pdf 佐伯 真也, 創業者と仕事をした最後の世代が語るソニー流外部連携術, 日経ビジネス電子版, 2019年10月30日, https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00005/102400063/ 中村 嘉秀,御供 俊元, 知財を経営に組み込むDNA, アルダージ株式会社 中村 嘉秀 × ソニー株式会社 御供 俊元, IP Business Journal 2018/2019, p4-9(2019) http://www.lexisnexis.co.jp/ipbj/2019/ipbj_2019_hp.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
January 2025
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