特許庁では、ニーズ即応型技術動向調査と称して、社会的関心が高い技術分野について、特許庁内外のニーズに即応する形で、特許出願動向、市場動向等を短期間で簡易的に調査するニーズ即応型技術動向調査も実施し、調査結果の概要を掲載しています。
電気・電子分野の令和3年度の調査結果として「AI関係技術―演繹と帰納の融合―」の概要版が昨年12月に公開されています。 現在の第3世代AI(大量データからルールやモデルを構築して活用する機械学習に基づくAI)により、特許分野でもAI活用が現実のものとなっていますが、その限界も指摘されています。 ・学習に大量の教師データや計算資源が必要であること ・学習範囲外の状況に弱く、実世界状況への臨機応変な対応ができないこと ・パターン処理は強いが、意味理解・説明等の高次処理はできていないこと 等です。上記3つは、特許調査分野でAI活用を検討していても、意識せざるを得ません。 「第3世代AIは知覚・運動系、帰納型を起点とした即応的なAIという面が強く、上記限界を克服するには、熟考的な面も必要になる。この熟考的な面は言語・論理系、演繹型の記号処理が備えるものであり、第3世代AIに第2世代AIの性質を融合する方向となる。」ということで、第4世代AIは、演繹と帰納の融合がキーワードで、その技術開発の動向調査が本レポートですが、これらの技術開発により、より高度なAI活用ができる日を期待しています。 ニーズ即応型技術動向調査「AI関係技術―演繹と帰納の融合―」 (令和3年度機動的ミクロ調査 概要版) 令和3年12月 特許庁 https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/document/index/needs_2021_ai.pdf 第4世代AIの研究開発―深層学習と知識・記号推論の融合― https://www.jst.go.jp/crds/pdf/2019/SP/CRDS-FY2019-SP-08.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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