培養肉とは可食部の動物細胞をその体外で組織培養して得られる肉のことで、今後も増え続ける人口に対する食料供給の需要を満たす新たな食品加工技術として注目されています。
2019年には、日清食品ホールディングス株式会社と東京大学がウシの筋細胞からビタミンCを用いて立体的に培養し、サイコロステーキ状の大型立体筋繊維を作ることに成功し、2020年には、シンガポールで、イート・ジャスト社(米国)が作成した培養肉(人工培養した鶏の細胞から作られたチキンナゲット)の販売が許可されたとのことです。 この最先の特許出願は、米国、欧州では特許されたが、日本では拒絶されたとのことですが、拒絶査定を行った当時の審査官が、改めて審査を振り返っているのが、IPジャーナル第21号「培養肉製造技術に見る、特許付与がイノベーションにもたらす影響」です。 20年前の自らの判断が正しかったのか、審査官の気持ちが述べられています。 IPジャーナル第21号発行日:2022年6月15日 培養肉製造技術に見る、特許付与がイノベーションにもたらす影響 三原 健治独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)シンガポール事務所 知的財産部長 http://fdn-ip.or.jp/ipjournal/latest.php 近年、食品関連技術、いわゆるフードテックには多くの関心が寄せられており、ここシンガポールにおいても多数のスタートアップが生まれている。中でも培養肉製造技術は、家畜を飼育し、屠殺することなく、肉製品を再現できるとされており、今後も増え続ける人口に対する食料供給の需要を満たす新たな食品加工技術として注目されている。 本稿では、培養肉製造技術のおそらく実質的に最先の特許出願を審査した元特許庁審査官の立場から、特許の付与がイノベーションに与える影響について、考察を試みた。 東大や日清食品、「食べられる培養肉」を初めて作製 3Dプリンター業界も関心? 6/2(木) 17:30配信 https://news.yahoo.co.jp/articles/4a1a19de99594ce571c24175d03042cbcb8e9836 日本初!「食べられる培養肉」 の作製に成功 肉本来の味や食感を持つ 「培養ステーキ肉」 の実用化に向けて前進 https://www.jst.go.jp/pr/announce/20220331/pdf/20220331.pdf ニーズ即応型技術動向調査「培養肉関連技術」 (令和3年度機動的ミクロ調査 概要版)令和4年2月特許庁 https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/document/index/needs_2021_culturedmeat.pdf
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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