パテント誌Vol. 75,No. 9,P.45(2022)の「審査基準と裁判所の判断との乖離についての検討~新規事項追加の観点から~」は、弁理士会の令和3年度特許委員会が、記載要件のうち新規事項追加に焦点を当てて,現行の審査基準が裁判所の判断に対して乖離しているか否かを検討した結果を報告したものです。
『逆転判例の各判断についての詳細検討の結果,基本的な論理展開において,審査基準と裁判所の判断との間に乖離は見られなかった。』 『ただし,例えば「当初明細書等の記載から自明な事項」等の要件に対する当てはめに関しては,審判での判断と裁判での判断との間で若干の傾向の違いがあるように思われた。例えば,出願時の技術常識に照らして当初明細書等に記載されているのと同然であると当業者が理解する事項を認定する際に,当初明細書等の記載について,審判ではより形式的に(明細書等の記載内容に忠実に)かつ厳格に判断される傾向がある一方,裁判ではより実質的にかつ柔軟に判断される傾向があると考えられる。』 というところが大まかな結論のようです。 明細書作成段階、補正等検討段階、意見書作成段階での実務上の留意点が書かれています。 審査基準と裁判所の判断との乖離についての検討~新規事項追加の観点から~ 令和3年度特許委員会第2部会 第2チーム https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/4053 1. はじめに 2. 検討方法 3. 逆転判例で抽出された類型等 4. 結論と考察 4.1 審査基準との乖離 4.2 判断傾向 4.3 多義的論理展開 5. 実務上の留意点 5.1 明細書作成段階 5.2 補正等検討段階 5.3 意見書作成段階
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著者萬秀憲 アーカイブ
December 2024
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